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下巻 第一章 (2)

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 数十分後、御雪の事務所を訪ねた競羅は、一連のあらましについて説明をしていた。
  その説明を御雪は聞いていた。ときどき、何かを考えるような目つきをしながら、
「とまあ、こういうことなのだけどね」
  競羅の説明が終わると、御雪が口を開いた。
「だいたい、お話はわかりました。競羅さんは、それだけアメリカを警戒していらっしゃったのですね。先ほどの妙なお言葉、理解ができました」
「それで、車のこと、どう思うのだい?  どうしても、その想像からぬけないのだけど」
「わたくしも同意見です。間違いなく、大使館のお車に天美ちゃんは乗せられ、アメリカ軍基地に運ばれていったのでしょう」
「あんたも、やはり、そう結論を出したか」
「さようで御座います。実のことを申しますと、わたくしも、小一時間前の競羅さんのお考えを聞いて、少し考え直したのです。朽木警部補のバックには、やはり、何者かが存在しておられるのではないかと。まさか、アメリカ軍とは想像すらつきませんでしたが」
 御雪の返答中、競羅は元気がなかった。それを見ながら、御雪は言葉を続けた。
「また、競羅さんが御説明をされましたように、目撃者の証言の真実性、昨日、急に事件が、大きく動いたという疑問点も解消できますし。地下トンネルという方法を用いますことによって、拉致行動を他人様に見られるのも防ぐことができますから。さて、これからのことですが、競羅さんは、いかがなさるおつもりでしょうか」
「いかかがって、まだ考えていないよ」
「と申しますと、天美ちゃんの救出を考えておられないと」
「だから、そこまでは、まだ考えがつかないのだよ。こういうことは、じっくりとね」
「競羅さん、あまり悠長な態度、よろしくなかろうかと存じます。あくまで、わたくしの想像ですが、天美ちゃんは、今夜、アメリカに輸送されるでしょう」
「えっ! 今夜かよ」
 競羅は目を見開いた。
「さようで御座います。一連の説明を拝聴するにあたり、わたくしなりに考えましたところ、アメリカ側は、すぐにでも、天美ちゃんを本国に送られるかと」
「そんな、いきなり言われてもね」
「かようなことは露見しないうちに迅速にするのが鉄則ですから。トンネルの存在からみましても、アメリカ側は、今回の天美ちゃんの拉致計画に、かなり、本腰を入れておられます。のんびりとされるはずが御座いません。事は危急を要します!」
 御雪の口調は真剣であった。
「けどね、さっきも言ったように、今夜と言われてもね」
「わたくしの知り得た情報ですが、空軍基地は、定期便を毎晩七時から八時の間に運行をさせております。ですから、かような時間帯は一般の旅客機を含め、すべての飛行機が、空軍基地の近くを飛ばないように、日本側に通達がなされております。さて、さようなことで、天美ちゃんの救出を急がねばなりませんが、むろん意義は御座いませんよね」
「けどね、はっきりいって、今度という今度は、こっちも手が出せないよ」
 競羅は、これ以上なく苦い顔をしていた。ところが御雪は、
「ほほほ、さすがに、名の聞こえた赤雀さんでも。米軍基地では二の足を踏まれますか」
 と競羅の仇名を呼び、白い歯を見せて不敵に笑ったのだ。
「ほお、あんた、可能性があるみたいな顔をして言うね」
「さようで御座います。可能性を信じるのです」
「あんた、米軍が相手なのに、よくもまあ、そんな楽天的なことを言えるね」
「競羅さんこそ、悲観的になられすぎ、と思われるのですが」
「どこがだよ!  米軍だよ米軍! それも、空軍基地内の!」
 競羅は興奮で声を荒げた。
「さように、何度も繰りかえされなくても、よく承知をしておりますけど」
「それなら、言っていることが無茶だと気づかないのかい。いいかい! 奴らが、あの子をさらったのは能力を利用するためだよ! つまり、相手は、あの子の能力を知っているということだよ。だから、捕まえたのだよ」
「むろんです。当然、競羅さんは、先ほどから、さようなことを前提として、お話をなさっておられるのでしょう」
「わかっていたら、絶望的にならないのかい。奴らは、あの子に触れるようなヘマはしないと思うよ。だから、能力を使って逃げようにも逃げられないだろ!」
「確かに、さようで御座いますけど。まだ、絶望的だと思えません」
「では、あんたは、本当に、救出ができる可能性があると言うのかい?」
「さようで御座います。わたくしは希望を捨ててはおりません。しかし今回は、まったく競羅さんらしく御座いませんね。あきらめてしまわれるなんて」
「誰もあきらめるとは言っていないよ。ただ、確実にするために慎重におこなおうと」
「慎重って、いかがなことでしょうか? 時間が差し迫っておりますのに」
「だから、ゆっくりと考えるのだよ。あせったら、とんでもないことになるからね」
「時間までに間に合いませんでしたら、どのみち、とんでもない結果ですけど」
「だから、むろん、間に合うようにするのだよ。じっくりと計画をねってね」
「じっくりとは、いかほどのお時間でしょうか?」
「いかほどって、計画が思いつくまでだよ」
「つまり、計画は、まだ何も考えていらっしゃらないと」
「そういうことになるけど、ここは、本当に慎重に・・」

 突然、競羅の顔に冷たい衝撃が、御雪がコップに入った水を、その顔にぶちまけたのだ。
「おい、何をするのだよ!」
 当然のごとく怒り声を上げた競羅、だが、御雪はかまわず、
「恥ずかしい、さような言葉が、出入りに名の聞こえた、田んぼの赤雀のお言葉ですか!」
  競羅があっけにとられるなか、御雪は、そのまま激しい声で言葉を続けた。
「まったく、耳を疑います。わたくしの存じ上げてる競羅さんなら、さまたげになるようなことは考えず、決意を持って、出たとこ勝負で行かれるはずなのですが」
「だから、それは、今回、相手が米軍ということで」
「まさに、さようなとこです。競羅さんは、相手がアメリカ軍ということで頭が一杯になり、思考が停止してしまったかと。おそらく、アメリカ軍という言葉が重くのしかかっていらっしゃるのでしょう。命を失われる危険度は、普段から、競羅さんが、よくおっしゃられていた。命がけの出入り、という行動と、なんら、お変わりが御座いませんのに」
 御雪のセリフに競羅はハッと思った。確かに彼女の言うとおりなのだ。その考え込んでいる競羅に追い打ちをかけるように、御雪は次の言葉を、
「競羅さん、人事を尽くして天命を待つ、というお言葉をご存じでしょうか」
「ああ、知っているよ。よく、磨弓が使っている言葉だからね。ここで、聞かされるとは思ってもみなかったけど」 
 磨弓というのは二人が知っている女剣士の名前だ。古風な女性で、ことあるごとに、ことわざ、格言を口にしていた。
「でしたら話が早いです。再び厳しいことを申させていただきますが、競羅さん、今回は、まったく、人事を尽くしておられないのですが。かような様子では、本当に、わたくしの畏怖する田んぼの赤雀という言葉が消えてしまいます。失望させないでください!」
 その言葉に競羅の迷いは完全に吹っ切れた。そして、米軍と対峙することを決意したのだ。彼女は力強い言葉を取り戻して声を上げた。
「そうだね、輸送は今夜か、どんなことがあっても、あの子は助けないといけないね!」
「わたくしの申し上げたいこと、ご理解をしてもらえましたか」
「ああ、あんたの想像通り、こっちも、米軍が裏にいたことを知ったショックから弱気になっていたけど、目覚めには、いい水だったよ。それに、迷惑をかけたね」
「それでこそ、田んぼの赤雀です。では、今から、お話し合いを始めましょう。まずは、冷静になって情況を分析いたしませんといけませんね。話は戻りますけど、今回の事件、朽木さんの単独犯行ではなかったのですね」
 御雪の言葉に、落ち着きを戻した競羅は言葉を続けた。
「ああ、もやもやとしていた心理を工作員につけ込まれたのだよ。奴ら悪魔的というか、こういうことには本当にたけているからね」
「わたくしも、さように思います。一人娘を亡くされた心につけ込んで、策謀を仕掛けますとは、断じて許されることでは御座いません」
「何にしても、奴らは、あの子の情報を、とっくに入手していたことは間違いないね。能力のことを知れば知るほど、あの子が欲しくなった。そのため、腕利きの工作員を送り込んだが、スキがなく捕まえることはできなかった。だからといって、正面切っての誘拐行動は、もっと難易度が高かった。
 ちょうどそのとき、ある人物が奴らの目に入ったのだよ。その人物とは、あの子の住んでいるマンションの守衛であった。その守衛は居合いの達人で、住人である香港人に、娘が自殺に追い込まれたことで、殺意を持っていた。だが、その香港人は、いつでも、手練れの用心棒をつけている奴で、その殺害を実行できずにいた。
 奴らは、その守衛に話を持ちかけた。『ファンを始末してやるか、もしくは、殺害に全面協力をするから、あんたの方も我々に協力をしてくれ』と。ファンへの復讐心を秘めた守衛は、セラスタ人ということで、あの子にも含むことがあったので、こころよく協力をすることにした。そして、持ち前の居合い術を使った。当然、そのとき、向こうから、こと細かく、注意をうけているから、素肌に触れないように、何かにつめて運んだのだよ」
「さようで御座いますね。素肌に触れますと、気絶していた時でも失敗になりますから」
 御雪は思い出しながら、そう答えた。以前、彼女が仕掛けた、おとり事件のとき、敵側が、天美を気絶させたのに、そのあと、うかつに、天美の手を触って、能力にかかったところを見ているからだ。そのあと、言葉を続けた。
「そのあと、朽木さんはいかがなさったのでしょう?」
「色々と考えられるね。そのまま、CIAの一員となってアメリカに保護してもらっているか、実際、末期の病気で、余生をアメリカに世話された病院ですごしているか」
「わたくしも、さような情況であったと存じます」
 御雪も同様な推理をたてていたのか、同意の声を上げた。
「ということで、情況は理解できたから、本格的に、あの子の救出作戦をねらないとね」
「さようで御座います。すみやかに行わなくてはなりません。競羅さん、現時点で、天美ちゃんは、いかような状況かとお考えでしょうか」
「それはまあ、今頃、麻酔で眠らされているだろうね」
「麻酔で御座いますか。いつからでしょう?」
 御雪は質問をしながら微笑んだ。何か考えがあるのか。そして、競羅は、
「そんなの、さらわれてからずっとだよ」
「つまり、競羅さんは、拉致されてから今現在も、昏睡状態だとおっしゃるのですね」
「ああ、そう考えるのが普通だろ。可哀想に、ずっと、眠らされているのだよ」
「病院では、さような状況が可能ですけど」
「何か、引っかかる言い方だね」
「さようで御座います。病院でしたら、さようなこともありえると申したのです。競羅さん、普通の人間が、本当に何日も昏睡状況ということは考えられますか」
「今、病院ならある、と言ってただろ!」
「さようで御座います。それなりの延命装置が用意してありますので」
「延命装置かよ」
「さようで御座います。まさか、競羅さん、人間が延命装置なしの状況で、何日も昏睡状況を保てると、お考えなのでしょうか」
「ということは出来ないのか。確かに、ドラマでも病院のシーンだけだし」
「さようで御座います。体格により多少の差が御座いますが、装置なしでの麻酔状態は、どう見積もりましても、六時間が限界です。さような時間を超えますと、健常な状況には戻りません。亡くなられなくても、大きな意識障害が残ります」
「そうなのかよ」
「さようで御座います。おそらく、アメリカ側は、二、三時間の間は、安全に眠らすことのできる麻酔薬を用いたのでしょう。さようの時間があれば、大抵のことはできますので」
「人さらい専用の薬かよ。とことん、ふざけたことをしてくる連中だよ。しかしまあ、どちらにしても、今頃あの子は、閉じ込められていても、意識は普通ということか」
「さようで御座います。ですが、護送されるときにはまた、短時間ほど効果のある、麻酔をかけられる可能性が高いです」
「そうだろうね。それぐらいの小道具は持っているだろうね。何にしても、ずっと、眠らせているわけじゃないこともわかったのだし、これは、大きな希望が出てきたよ」
「競羅さん。本当に元気が出てきましたね」
「ああ、まったく、見通しのない状況ではないことがわかったからね。だいたい、あの子が、部屋から抜け出すことができた時点で、向こうは作戦が失敗することになるしね」
「失敗ですか」
「ああ、向こうは、絶対、あの子を殺すわけにはいかないのだよ。その理由はわかるよね」
「ええ」
「あの子をさらうのに、今回、どれだけの手間と大金をかけたのか知らないけれど、その苦労が殺した時点で、すべて水の泡となるからね。手違いでも、大きな責任問題になるよ」
「さようで御座いますね」
「かといって、捕まえるにしても、よほど、うまく包囲をしないとね。一人でも兵士に触れられたら失敗だよ。セラスタの政治犯収容所を単身で脱出、そして、壊滅させたという、ありえないことをしたのだからね。自由になったら、ほぼ、そこで勝ちだよ。向こう側が鎮圧に部隊全滅を考えない限りはね。そんなことは、さすがにできそうもないし」
「さようで御座います。向こう様も、さようなことを、じゅうじゅう承知の上ということで、今回のような、確実に成功させるために、大がかりな作戦を取られたのです」
「ああ、そういうことだよ。さて問題は、肝心な、あの子を自由にさせる方法だけど、場所が米軍基地だから、こっちからは、絶対に手を出せないね」
 競羅は答えながらくやしそうな顔をした。
「さようで御座います。今の情況では不可能です」
「ああ、だいたい、どこの部屋に閉じ込められているか、それすらも、わからないからね」
「ですが、内通者あたりが存在すると、可能となります」
「内通者ねえ、確かに、中で手引きをするものが必要だね。けどね、そんな人物、簡単に見つからないだろ。あんたは当てがあるのかい?」
「正直なところを申し上げますと、さようなことは、まだ、検討すらしておりません。天美ちゃんが、基地内に連れ込まれていらっしゃることは、今しがた、知り得たばかりですから。必ず手配をしなければならない案件というのは確かですが、まずは。先に次のプロセスについてお話をしておきませんと」
「次というのは?」
「ですから、天美ちゃんの救出についてです。もし、天美ちゃんが、お力によって、基地内を脱出できたと仮定をします。当然、アメリカ軍は非情な追っ手を差し向けるでしょう」
 御雪は答えながら厳しい顔になった。特に非情と言う言葉を強調して、きっと、彼女は、こう言いたいのだろう。市井の一般人を巻き込んだり、人質を取るような方法をしてまでも、降伏を迫ってくるだろうと。
「ああ、そうだね。確かに奴らなら、やりかねないね」
「ですから、さようなことを防ぐために、まずは、警察庁の下上様に連絡を、お取りになられた方がよろしいかと」
「えっ! 義兄さんかよ!」
 競羅は思わず声を上げた。下上警視正、先ほども説明にあげたが、国際的事件には強い力も持つ警察官であった。御雪も面識があるので、そう言ったのである。
「さようで御座います。下上様の協力を得るのです。天美ちゃんのお力については、ご存じの方ですから。また、職業柄、必ず注視をなさっていらっしゃいます」
「ああ、あの中国人が殺されたとき話し合ったよ、今回のことについては、まだ、連絡が来てないけど、いずれ、何か言ってくるだろうね。いや、義兄さんのことだから、すでに、色々と捜査をしているかもしれないね」
「ですからこそ、スムーズにことを運ぶためには、かような情況を、包み隠さず申し上げるのです。こころよく、協力をしてくださると存じます」
「そうだね。すぐに、連絡を取ってみるよ」
「ありがとう御座います。あとは、基地内の天美ちゃんを救出される方法ですが」
「結局、問題はそこなのだよ。どうやって、自由にするかということだけど、これは、本当に簡単なことではないね、けどね、その方法を見つけないと」
「さようで御座いますね。わたくしの方も、いろいろと当たりますが、さすがにアメリカ軍関係者との交友は御座いません」
「そうかよ。さすがに米軍には知り合いはいないか。あんたみたいな女性でも、向こうの軍人さんには縁がないか、うーん、そこまで、付き合ってる奴というと・・」
 競羅は難しそうな顔をして考えていたが、思いついたように、
「いたよ。そう言えば、一人いたよ」
「さようで御座いますか。わたくしのご存じの方ですか」
「いや、知らないと思うよ。けどね、今回のこと、下っ端軍人ふぜいで、何とかなる問題ではないだろ。だいたい、協力してくれないし、内通者には、もっと大物が必要だよ」
「確かに、さようでは御座いますが」
  御雪は宙をにらみながら答えていた。




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