僕が悪魔に!?

百鬼夜行

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第2話!

今夜は月が綺麗ですね(第一夜)

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「勝手な妄想だが、これからは【テルマ】を捜索する方向でいったほうがいいな。この手紙の人物の安否も気になるし、この街の人々がどうなっているかも気になる」

「んだな。しゃーねーがそういうことにしよう。」

 ようやく話がまとまり、それぞれ解散。と言ったところでヨシアキが突然口を開いた。

「アキトよぉ、そう言えばお前の能力はなんなんだ?」

いきなり過ぎる質問だった。

「能力?そなものなかったはずだけど……」

 今まで戦闘になったこともなければ、誰かの傷を癒したりなどのことですらしたことがない。そんな自分に能力はなんだ?と聞かれて答えられるはずもない。

「無いわけねぇだろwこの魔界じゃ、誰もが能力を持ってる。」

「そうなのか、例えばだが、ヨシアキはなんの能力を持っているんだ?」

「俺か?俺の能力はそれほど稀有でもないだ。けど、この手の奴らはかなり居て、戻すことが出来るやつもいれば、進めることも、止めることも出来る奴もいる。だから、あんまり珍しくはねぇ」

「ヨシアキはどこら辺まで使えるんだ?その能力を」

「なんでも出来るな。時間を進めることも、戻すことも、漏れなく出来たはずだ。あとは、相手の寿命も減らすことが出来ることに最近気づいた」

「お前………それはかなりやばい能力なんじゃないか?良く考えればさ、話を聞いた限りによるけど、その時間を操る能力ってのは総称のことだと思うんだよ。そして、ヨシアキが言っていたように各個人に一つずつ使える個性があるはずだ。時間を戻すみたいな」

「ああ、そうだぜ?」

「けど、ヨシアキは総称されているであろう技の内全てを使える、それはつまりチートクラスの能力だと言っても過言じゃない。そして、寿命操作は完全にチートだ」

「あーまぁ、確かに言われてみればそうかもしれん。」

「そう言えば、どうやって寿命操作に気づいたんだ?相手を殺すでもしない限りわからないだろう?まず、発動条件も発動したかどうかもわからないような気がする」

「全くその通りだ。普通なら殺さなきゃ気づけない、オマケに殺したとしてもそいつがたまたま死んだ可能性もあるからな」

 では、ヨシアキはどうやって判別したというのだろうか?

「簡単なことさ。植物に影響が出たんだ。ある任務中にな」

「どういうことだよ……」

「南部都市の森にちと面倒な植物がいるんだよ。そこの奴らは普通の植物とは違う。まぁ、魔界の植物自体おかしなものばかりだがな。で、何が違うのかと言うと、魔界の植物とは違ってそこの森の植物は動く、そして、意思を持ってる。」

 その植物の正体ならかなり有名なので知っている。

人形植物<マンドラゴラ>か………」

「ああ、結構めんどくせぇ連中だ。縄張りに入った暁には武器持った集団に襲われる。俺ですら地味にびびったぜ、負けないとわかっていても威圧感が凄いからな……」

「人形植物自体の戦闘力みたいなものはそれほど高くないわけだな」

「その通りだ。けど、あいつらは頭がいいし、チームワークもかなり強い。ちなみにそいつらから1発貰っちまったからな……」

『ヨシアキすらダメージを受けるとなると相当な強さなんだろうな……チームワークの面で。そうなってくると、南部都市の付近の森はセーフティエリアでも設けなければならないな………なるべく早めに対応するとするか』

「ヨシアキ、ひとつ頼まれてくれるか?」

「ん、いいぜ?なんでもばっち来いだ」

「さっき言ってた森を探って人形植物が敵意を持たずに抜けるルートを探ってきてはくれないか?南部都市から中部都市まで来るにはそこを少なからず通らなきゃならないだろう。今まで事故の件数がそれほどではないのは通った者達が複数の手練を雇っていた場合と、運良くマンドラゴラのナワバリに触れずに通り抜けたことが出来たかの2つだろう。もしもそれ以外に安全な方法があるのならばまた話は別だが、なんにせよ安全道は作っておかなきゃならないだろうな。都市と都市の中間に位置しているんだ、必ず多くの人が通る。その中には手練を雇えない人もいるだろう。だからこそ……だ」

「わかったわかった。簡潔に言えば俺に体張って民のために安全な道を作りたいってんだな。りょーかいしました」 

 ヨシアキが変な敬礼をとるので思わず笑ってしまった。魔界でよくある事故、そのひとつの原因を解決できることに少しの喜びを感じていた。
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