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最終章 真実をその手に掴み悪を討て
治療薬を使う
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カイルが前線へと戻るとマモーネのフリをしたゲキーネが女ゾンビ3人とキマイラをぐるぐる巻きにして捕らえていた。
「一歩でも動いたらこの娘たちを潰してあげる」
「卑怯者め。俺が怖いか。デモンズ様に魂を売り、魔物となった俺が」
「いいえ、怖くなんてないわ。人質を取れば楽ができるって考えただけよ。合理的にね。私、効率まで追い求める強欲なの」
「フン。キマリのことは好きにして構わない。だがマミ・ユミ・アカリは返せ。そんなに人質は必要ないだろう」
「嫌よ。私、強欲なの。キマイラもこの娘たちもぜーんぶ人質として捕らえておくわ」
「チッ。使えないゾンビどもめ。とっとと取り返してこい」
「それ以上、ゾンビを近づかせたら殺すわよ」
「ぐっ」
「さっきから人質取られてるくせに舐めた口聞いてるけど、自分の立場わかってるの?」
「アヒャヒャヒャヒャ。立場だと。お前こそ自分の立場をわかっているってのか?デモンズ様がこの世を統べた後、逆らったお前などゴミ同然だ」
「話にならないわね。どうして、そちらが勝つ気満々なのかしら」
「あの御方は素晴らしい。俺に魔物の力を与え、幼馴染たちを救う手段を教えてくださった。そうだ。ゾンビならもう一生離れることはない。キャハハハハ。母さんがデモンズ様の子供を産んでくれて心底感謝しているよ。こうして、あの無能なエンペラード王国の馬鹿王との間として生まれた俺がこうして贔屓してもらえているのだからなぁ」
「話に全く噛み合っていない」
「マモーネ、無駄だ。人間としての心を壊し魔物としてあそこまで身体を変化させ、自分の世界に籠った奴の末路だ」
「スパーダ、そんなことはわかっている。でも、そんな奴でも旦那様は助けたいとおっしゃっていた」
「旦那様ねぇ」
「何よ」
「いいや。ようやく妹の身体から出てきた理由に合点がいってな」
「!?黙ってなさいよ!」
「はいはい」
「2人で何話してやがる!さっさと人質を解放しろ。今解放するなら。俺からデモンズ様に便宜を図ってやっても良いぞ」
「お前の王にもう従うつもりはない。我が王は、マリアナ様だ!」
「裏切り者が。裏切り者は裏切り者らしくまた裏切れば良かったってのによ!!!!!」
「マモーネ、よくやった」
カイルは、母イーリスより賜ったゾンビ治療薬を3人の女ゾンビに飲ませる。
「やめろやめろやめろ。貴様ーーーーーーーー。俺の愛する者に何を飲ませた!」
正気が無くあうあうと言っていた。女ゾンビたちに正気が戻る。
「何処のどなたかは存じませんがありがとうございます。ですが私たちの身体は長く魔物になっていたせいで、ボロボロです。恐らく、直ぐにあの世へと逝くでしょう。私たちにもう一度、プリンス君と話す機会をくれてありがとう」
「うそだうそだうそだ。マミもユミもアカリもそんなことは言わない。もう一度ゾンビにしてやる。何度だってお前たちをゾンビにして側でずっと守ってやる」
「私たちはそんなことを望んでいない。キマリもきっとそう。ごめんね。痛かったでしょう」
「気にしないで、プリンス様を守るのは私たち女騎士団の役目でしょ」
「ウフフ。えぇ、そうね」
「何を言っているキマリ?キマリは。うっ。なんで、俺を喰らったキマイラに名前なんてつけたんだ?」
「ひょっとして魔物と人の境目に戻ってきているというのか!馬鹿な。あの状態から戻ってくるなど不可能に近い確率なのだぞ」
「キマリは、そうだ。研究室で変な声が聞こえた時に、連れて行かれた。俺の目の前で身体のパーツを分解されて、脳だけになった。オェェェェェェ。そして、合成魔獣キマイラに。それを討伐。うっ。俺はなんてことを。オェェェェェェ」
「プリンス君、思い出して、貴方は本当に魔物になりたかったの?もう、十分でしょ。私たちも一緒に地獄に行ってあげるから。もう終わりにしよう」
「あぁ、そうだな。カイルと言ったか。その薬を俺にも投与してくれ」
「あぁ」
カイルはキマリとプリンスにもゾンビ治療薬を投与した。
「ありがとうございます。私の身体も度重なる彼女たちの噛みつきでゾンビ化していました。これで、人として、やっと死ねます。デモンズは恐ろしい化け物です。各国の王妃を性奴隷へと変えただけで無く。自分の力を受け継ぐ魔物の男児を産み落とす道具としました。王家の持つ力を取り入れたより強い力を持つ男児を。レインクラウズクリア王国の王妃様だけでも無事でよかった。本当にありがとう」
人間の姿に戻ったキマリがその場に倒れ込み灰となって消えた。
「ヌグォォォォォォォォォォ。ハァハァハァ。熱い。身体が熱い。これが俺への罰か。まだ息のあったマミとユミとアカリをゾンビに変え、キマリの存在を消し去り、殻に閉じこもって、物事の本質を見ることをやめた俺への。ウガァォァァォァァァァァ。カイルよ。次は各国の王妃が相手となろう。だが躊躇するな。奴らも既に人ではない。母をそうした俺が言えたことではないがな。ガァァォァァォァォ」
「プリンス君、大丈夫だから。私たち、ずっと一緒だから。みんなで罪を償いに地獄へ行こう」
「フッ。地獄に行くのは俺だけさ。でも、ありがとうな。ガァァァァァァァァァァァ」
消えそうなプリンスに駆け寄り抱きついたマミ・ユミ・アカリも一緒に消えていく。こうして、3将軍を退けることに成功するのだった。
「一歩でも動いたらこの娘たちを潰してあげる」
「卑怯者め。俺が怖いか。デモンズ様に魂を売り、魔物となった俺が」
「いいえ、怖くなんてないわ。人質を取れば楽ができるって考えただけよ。合理的にね。私、効率まで追い求める強欲なの」
「フン。キマリのことは好きにして構わない。だがマミ・ユミ・アカリは返せ。そんなに人質は必要ないだろう」
「嫌よ。私、強欲なの。キマイラもこの娘たちもぜーんぶ人質として捕らえておくわ」
「チッ。使えないゾンビどもめ。とっとと取り返してこい」
「それ以上、ゾンビを近づかせたら殺すわよ」
「ぐっ」
「さっきから人質取られてるくせに舐めた口聞いてるけど、自分の立場わかってるの?」
「アヒャヒャヒャヒャ。立場だと。お前こそ自分の立場をわかっているってのか?デモンズ様がこの世を統べた後、逆らったお前などゴミ同然だ」
「話にならないわね。どうして、そちらが勝つ気満々なのかしら」
「あの御方は素晴らしい。俺に魔物の力を与え、幼馴染たちを救う手段を教えてくださった。そうだ。ゾンビならもう一生離れることはない。キャハハハハ。母さんがデモンズ様の子供を産んでくれて心底感謝しているよ。こうして、あの無能なエンペラード王国の馬鹿王との間として生まれた俺がこうして贔屓してもらえているのだからなぁ」
「話に全く噛み合っていない」
「マモーネ、無駄だ。人間としての心を壊し魔物としてあそこまで身体を変化させ、自分の世界に籠った奴の末路だ」
「スパーダ、そんなことはわかっている。でも、そんな奴でも旦那様は助けたいとおっしゃっていた」
「旦那様ねぇ」
「何よ」
「いいや。ようやく妹の身体から出てきた理由に合点がいってな」
「!?黙ってなさいよ!」
「はいはい」
「2人で何話してやがる!さっさと人質を解放しろ。今解放するなら。俺からデモンズ様に便宜を図ってやっても良いぞ」
「お前の王にもう従うつもりはない。我が王は、マリアナ様だ!」
「裏切り者が。裏切り者は裏切り者らしくまた裏切れば良かったってのによ!!!!!」
「マモーネ、よくやった」
カイルは、母イーリスより賜ったゾンビ治療薬を3人の女ゾンビに飲ませる。
「やめろやめろやめろ。貴様ーーーーーーーー。俺の愛する者に何を飲ませた!」
正気が無くあうあうと言っていた。女ゾンビたちに正気が戻る。
「何処のどなたかは存じませんがありがとうございます。ですが私たちの身体は長く魔物になっていたせいで、ボロボロです。恐らく、直ぐにあの世へと逝くでしょう。私たちにもう一度、プリンス君と話す機会をくれてありがとう」
「うそだうそだうそだ。マミもユミもアカリもそんなことは言わない。もう一度ゾンビにしてやる。何度だってお前たちをゾンビにして側でずっと守ってやる」
「私たちはそんなことを望んでいない。キマリもきっとそう。ごめんね。痛かったでしょう」
「気にしないで、プリンス様を守るのは私たち女騎士団の役目でしょ」
「ウフフ。えぇ、そうね」
「何を言っているキマリ?キマリは。うっ。なんで、俺を喰らったキマイラに名前なんてつけたんだ?」
「ひょっとして魔物と人の境目に戻ってきているというのか!馬鹿な。あの状態から戻ってくるなど不可能に近い確率なのだぞ」
「キマリは、そうだ。研究室で変な声が聞こえた時に、連れて行かれた。俺の目の前で身体のパーツを分解されて、脳だけになった。オェェェェェェ。そして、合成魔獣キマイラに。それを討伐。うっ。俺はなんてことを。オェェェェェェ」
「プリンス君、思い出して、貴方は本当に魔物になりたかったの?もう、十分でしょ。私たちも一緒に地獄に行ってあげるから。もう終わりにしよう」
「あぁ、そうだな。カイルと言ったか。その薬を俺にも投与してくれ」
「あぁ」
カイルはキマリとプリンスにもゾンビ治療薬を投与した。
「ありがとうございます。私の身体も度重なる彼女たちの噛みつきでゾンビ化していました。これで、人として、やっと死ねます。デモンズは恐ろしい化け物です。各国の王妃を性奴隷へと変えただけで無く。自分の力を受け継ぐ魔物の男児を産み落とす道具としました。王家の持つ力を取り入れたより強い力を持つ男児を。レインクラウズクリア王国の王妃様だけでも無事でよかった。本当にありがとう」
人間の姿に戻ったキマリがその場に倒れ込み灰となって消えた。
「ヌグォォォォォォォォォォ。ハァハァハァ。熱い。身体が熱い。これが俺への罰か。まだ息のあったマミとユミとアカリをゾンビに変え、キマリの存在を消し去り、殻に閉じこもって、物事の本質を見ることをやめた俺への。ウガァォァァォァァァァァ。カイルよ。次は各国の王妃が相手となろう。だが躊躇するな。奴らも既に人ではない。母をそうした俺が言えたことではないがな。ガァァォァァォァォ」
「プリンス君、大丈夫だから。私たち、ずっと一緒だから。みんなで罪を償いに地獄へ行こう」
「フッ。地獄に行くのは俺だけさ。でも、ありがとうな。ガァァァァァァァァァァァ」
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