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最終章 真実をその手に掴み悪を討て
時間稼ぎ
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カイルがイーリスの元に向かう頃、屍王プリンスの率いる屍軍団とスパーダ・オックス率いるオーク・蜘蛛軍団。
「全ての魔物は我らが王デモンズ様に平伏せるがいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」
「オックス、来るぞ。やることはわかっておるな?」
「時間稼ぎですな」
「うむ。スパイダーたちは、できるだけゾンビを惹きつけよ。決して、噛み付かれてはならんぞ」
「我が親愛なるオークたちよ。武器を槍から長槍へと変えよ。ゾンビどもを決して近づけさせるな」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ、みんなみんな殺してやる殺してやるよ。俺がデモンズ様と共に魔物の世界を作るんだ。アヒャヒャヒャヒャヒャ。キマリ、マミ・ユミ・アカリの護衛は任せるぞ」
「仰せのままに」
攻め寄せるゾンビの頭を狙って長槍を突き刺していくオーク。抜き差しが容易な間は、それで何回も突き刺し、数を減らすが、ゾンビの血によって錆びて抜けなくなる。そんな時のために大量の長槍を用意していた。ゾンビといえど頭蓋骨という致命傷を貫かれれば、もう動くことはできない。魔物同士、相手の弱点など熟知している。オックスの指揮によりオークたちの士気も高い。
「何をやっている馬鹿どもめ。これだから話せぬゾンビは邪魔なのだ。我らが王、プリンス様。あのゾンビどもの不甲斐なさ、甚だ申し訳ない。我らスケルトン隊にお任せくだされ」
「スケイル、失敗したらわかっているな?」
「はっ、豚オークどもを弓にて殲滅するのだ」
「我らの天敵スケルトンか。流石に弓相手に長槍では武が悪い。ゾンビを捨て駒の歩兵として使い。後ろからスケルトンが弓を射るとは、ここにきて連携を取ってきたか」
「オックス様、何か手を打たないと。スケルトンの弓が厄介です」
「わかっている」
「退いてなさい。スライムシールド」
「うおっ。突然目の前に盾が。これでは弓が通らぬではないか。何者だ?」
「誰だとは失礼ね。私こそが魔王国、四天王が1人。怠惰のミューラ、種族はヒューマンスライムよ」
「まさか、かつては敵だったお前に助けられるとはな」
「こっちもアンタを助ける側になるとは思わなかったわよ。カイルちゃんも厄介なこと押し付けてくれるんだから。オックスもスパーダも魔王国に必要な人材って、頭を下げられたら助けるしかないじゃない。あの鬱陶しい弓は私が防いであげるからアンタたちは、引き続き攻め寄せるゾンビを殲滅しなさい」
「うむ。心得た。弓はお任せする」
「クソが何が四天王だ。我らが王、プリンス様は大将軍様なのだ。我は負けるわけには行かんのだ。身体の一部を使った防御の脆弱さ。身をもって知るが良いわ。ありったけの電撃矢を打ち込んでやれ」
「まぁ、そう来るわよね。スライムは水が中に通ってるから電気は弱点だもの。でも、そんなこと四天王の私が対策してないと思ってるのかしら。舐められたものね。スライムシールド」
「馬鹿め。電撃で身を焦がすが良い。なっ何!?」
「電気を通さないようにしてるに決まってるじゃない。このゴムでコーティングしてるのよ。私の服もゴム製なのよ~。残念でした」
「ククク。なら燃やせば良いだけではないか火矢を打ち込め」
「馬鹿はどちらなのかしら」
「足元が疎かやね~」
「糸が絡まって、引っ張られる。なんだこれは?」
「四天王が1人、強欲のマモーネ。カイル様に頼まれて、こっちにきたわ。あらっスパーダ、ゾンビに苦戦するなんてらしくないじゃない?」
「苦戦してるように見えたなら目が曇っているんじゃないか。時間稼ぎをしているのがわからぬとは。お前らが来て計画が台無しだ」
「あらっ時間稼ぎの前に露払いするのが普通ではなくて」
「ああいえばこういう屁理屈の多い女じゃ。だから男が寄り付かんのだ」
「良いもん良いもんカイル様さえ居れば良いもん」
「こんな欲の塊みたいな女まで堕とすとは、アイツ結構すごいんだな」
「貴様らだけで盛り上がりおって、離せ離さぬか」
「ジタバタしてもダメよ。特別製の糸だから。逃げられないし、後は私の餌になるだけだよ」
「貴様、同じ魔物を喰らうと言うのか?全ての魔物は、魔王に従わねばならんのだぞ。魔王は今も昔もデモンズ様1人だ」
「あらあら、あなたの王は、プリンスなんじゃなかったかしら?我らが王とか言ってとわよね。コロコロと自分の中の王を変えるなんて、それが世渡り上手とでも思っているのかしら?それはね。八方美人って言うのよ。なんなら私に命乞いでもしてみる」
「お願いします。助けてください。死にたくないです。我らが王はマリアナ様です」
「アッハッハッハっ、聞いたスパーダ?」
「あぁ、ここまで口から嘘が出てくる魔物は久々だ」
「何を言ってるんでやす。アッシは、マモーネ様とスパーダ様の方も舐めますぜ。兎に角、助けてくだせぇ」
「軽薄な男は信じないことにしてるの。ごめんね~」
「ぎいゃぁーーーーーーーーーーー。パリポリ食べないでーーーーーーーー」
「ご馳走様でしたと」
「あんなのよく食うな」
「あら、意外とスケルトンの骨って美味しいのよ。カルシウムは豊富だし、乳の出も良くなるし、胸も大きくなるしで、一石三鳥なのよ」
「へぇ。それは良いことを聞いた。今度アラクミーに食べさせて、にゅふふ」
「スパーダ、変な顔になってるわよ。怖いんだけど」
「ゴホン。まぁ、計画は狂わされたが救援には感謝する」
こうして、時間稼ぎには成功するのだった。
「全ての魔物は我らが王デモンズ様に平伏せるがいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」
「オックス、来るぞ。やることはわかっておるな?」
「時間稼ぎですな」
「うむ。スパイダーたちは、できるだけゾンビを惹きつけよ。決して、噛み付かれてはならんぞ」
「我が親愛なるオークたちよ。武器を槍から長槍へと変えよ。ゾンビどもを決して近づけさせるな」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ、みんなみんな殺してやる殺してやるよ。俺がデモンズ様と共に魔物の世界を作るんだ。アヒャヒャヒャヒャヒャ。キマリ、マミ・ユミ・アカリの護衛は任せるぞ」
「仰せのままに」
攻め寄せるゾンビの頭を狙って長槍を突き刺していくオーク。抜き差しが容易な間は、それで何回も突き刺し、数を減らすが、ゾンビの血によって錆びて抜けなくなる。そんな時のために大量の長槍を用意していた。ゾンビといえど頭蓋骨という致命傷を貫かれれば、もう動くことはできない。魔物同士、相手の弱点など熟知している。オックスの指揮によりオークたちの士気も高い。
「何をやっている馬鹿どもめ。これだから話せぬゾンビは邪魔なのだ。我らが王、プリンス様。あのゾンビどもの不甲斐なさ、甚だ申し訳ない。我らスケルトン隊にお任せくだされ」
「スケイル、失敗したらわかっているな?」
「はっ、豚オークどもを弓にて殲滅するのだ」
「我らの天敵スケルトンか。流石に弓相手に長槍では武が悪い。ゾンビを捨て駒の歩兵として使い。後ろからスケルトンが弓を射るとは、ここにきて連携を取ってきたか」
「オックス様、何か手を打たないと。スケルトンの弓が厄介です」
「わかっている」
「退いてなさい。スライムシールド」
「うおっ。突然目の前に盾が。これでは弓が通らぬではないか。何者だ?」
「誰だとは失礼ね。私こそが魔王国、四天王が1人。怠惰のミューラ、種族はヒューマンスライムよ」
「まさか、かつては敵だったお前に助けられるとはな」
「こっちもアンタを助ける側になるとは思わなかったわよ。カイルちゃんも厄介なこと押し付けてくれるんだから。オックスもスパーダも魔王国に必要な人材って、頭を下げられたら助けるしかないじゃない。あの鬱陶しい弓は私が防いであげるからアンタたちは、引き続き攻め寄せるゾンビを殲滅しなさい」
「うむ。心得た。弓はお任せする」
「クソが何が四天王だ。我らが王、プリンス様は大将軍様なのだ。我は負けるわけには行かんのだ。身体の一部を使った防御の脆弱さ。身をもって知るが良いわ。ありったけの電撃矢を打ち込んでやれ」
「まぁ、そう来るわよね。スライムは水が中に通ってるから電気は弱点だもの。でも、そんなこと四天王の私が対策してないと思ってるのかしら。舐められたものね。スライムシールド」
「馬鹿め。電撃で身を焦がすが良い。なっ何!?」
「電気を通さないようにしてるに決まってるじゃない。このゴムでコーティングしてるのよ。私の服もゴム製なのよ~。残念でした」
「ククク。なら燃やせば良いだけではないか火矢を打ち込め」
「馬鹿はどちらなのかしら」
「足元が疎かやね~」
「糸が絡まって、引っ張られる。なんだこれは?」
「四天王が1人、強欲のマモーネ。カイル様に頼まれて、こっちにきたわ。あらっスパーダ、ゾンビに苦戦するなんてらしくないじゃない?」
「苦戦してるように見えたなら目が曇っているんじゃないか。時間稼ぎをしているのがわからぬとは。お前らが来て計画が台無しだ」
「あらっ時間稼ぎの前に露払いするのが普通ではなくて」
「ああいえばこういう屁理屈の多い女じゃ。だから男が寄り付かんのだ」
「良いもん良いもんカイル様さえ居れば良いもん」
「こんな欲の塊みたいな女まで堕とすとは、アイツ結構すごいんだな」
「貴様らだけで盛り上がりおって、離せ離さぬか」
「ジタバタしてもダメよ。特別製の糸だから。逃げられないし、後は私の餌になるだけだよ」
「貴様、同じ魔物を喰らうと言うのか?全ての魔物は、魔王に従わねばならんのだぞ。魔王は今も昔もデモンズ様1人だ」
「あらあら、あなたの王は、プリンスなんじゃなかったかしら?我らが王とか言ってとわよね。コロコロと自分の中の王を変えるなんて、それが世渡り上手とでも思っているのかしら?それはね。八方美人って言うのよ。なんなら私に命乞いでもしてみる」
「お願いします。助けてください。死にたくないです。我らが王はマリアナ様です」
「アッハッハッハっ、聞いたスパーダ?」
「あぁ、ここまで口から嘘が出てくる魔物は久々だ」
「何を言ってるんでやす。アッシは、マモーネ様とスパーダ様の方も舐めますぜ。兎に角、助けてくだせぇ」
「軽薄な男は信じないことにしてるの。ごめんね~」
「ぎいゃぁーーーーーーーーーーー。パリポリ食べないでーーーーーーーー」
「ご馳走様でしたと」
「あんなのよく食うな」
「あら、意外とスケルトンの骨って美味しいのよ。カルシウムは豊富だし、乳の出も良くなるし、胸も大きくなるしで、一石三鳥なのよ」
「へぇ。それは良いことを聞いた。今度アラクミーに食べさせて、にゅふふ」
「スパーダ、変な顔になってるわよ。怖いんだけど」
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