56 / 71
最終章 真実をその手に掴み悪を討て
性を貪るもの同士
しおりを挟む
サイクロプスのサイプスが時間稼ぎもできず土蜘蛛のスパーダに撃破されるのと同じ頃。インプのインプルはサキュバスのリリスと相見えていた。
「リリス、お前がそんなに策略家だったとは思いませんでしたよ。キヒヒヒヒ」
「あらーインプルじゃない。まさか、魔王様を裏切るなんて」
「あの平和ボケした雪女に従うなんてナンセンスですよ。デイモン様と共に新たな魔物の時代を作る。それこそ、魔の本分でしょう」
「で、前魔王様に付いて、魔力の供給のために得た女がそれね」
「えぇ、人間の女ですが実に良い魔力を生産してくれていますよ。身体の中に取り込んでいますから声を聴かせられないのが残念ですが」
インプのお腹の辺りに女性の顔をしたものが動いていた。
「相変わらず悍ましいやり方するわね」
「人間など所詮、我ら魔の者の餌。あなた方がおかしいのですよ。人間を愛するなど」
「あらー、私たちは人間と共に生きている魔の者よ。人間がいなければ性が吸えないのに、人間を滅ぼそうと考えている前魔王様に付くことの方が馬鹿じゃないの」
「この俺を馬鹿だと。馬鹿だと言ったのか!下半身の事しか考えてない馬キャバスが」
「言ったわね。そっちこそ、下半身の事しか考えてない馬ンプじゃない」
「この、馬キャバスがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。この俺がここで殺してくれる」
この様子を隠れて見ていたクスネとコノハが会話をしている。
「リリスちゃんのアレは素だよね?」
「えぇ、スパーダの策ではないわね。でも良い感じの挑発になってますから良しとしましょうか」
「でも、まさかクスネ様があの伝説のラミアだったなんて、人間国からの侵攻を土蜘蛛と共に防いだ伝説のラミア。お会いできて光栄です~」
「もう1人も今ここにいるんだから。笑えるわよね」
「もう1人って、文武両道でその武と知で数多の人間を葬った傑物!?」
「あらあらとんでもない異名が付いてるのねスパーダも」
「スパーダ様のことだったんだ。デヘヘ。後でサインもらわなきゃ」
その間も2人は言い合いを続けている。
「この下半身ユルユルの人間媚び媚び馬キュバスが」
「言ったわね。この人間よりも小さくて粗末なそれで良く人間の女を満足させられてると勘違いできるわね馬ンプが」
「俺のモノは小さくなーい」
「だったら下半身で勝負する?アタシは別に良いわよ。毎日毎日、愛するダーリンとラブラブで、アンタの粗末なモノで満足させられるわけないから」
「この俺が人間の男に負けているだと。言わせておけばそんなに言うなら勝負してやるよ。お前のことを吸収して、俺の糧にしてやる」
インプはお腹から女を取り出すと投げ捨てた。
「うっ。やっと解放された。下は入ってるかどうかわかんないレベルだったけど、身体中を舐められて触られてる感じはゾクゾクして、やばかった」
女が解放されたのを確認したクスネとコノハが飛び出して、インプルを突き刺す。
「馬キュバス、卑怯だぞ。これは」
「クスネにコノハ、何してくれてんのよ!この馬ンプとは私が決着を付けるつもりだったのに」
インプルから水晶が転がる。
「挑発に乗ったところまでは良かったのですけれど、あのままだったらリリス様が吸収されてましたから」
「何よ。アタシが負けるって言いたいの?あんな馬ンプに」
「恐らくこの水晶の力は対象を吸収する能力でしょう。リリス様を取り込んで、さらなる高みを目指そうとしていたのではないかと」
「要はリリスちゃんが挑発に乗って、喰われちゃうところだったのを助けたってわけよ~。リリスちゃんを奪ったあの人間は大嫌いだけど。リリスちゃんが悲しむのは見たくないからね~」
「成程、助けてくれてサンキュー」
「単純で良かったですわ」
「なんか言った?」
「いえ、御理解いただけて感謝致しますわ」
サイプスだけでなくインプルも討ち取られて、コカトリスのコカットスは、どうするべきか思案していた。
「やれやれ。サイプスの奴で時間稼ぎをしてくれれば良いと考えておったが、流石スパーダじゃ。よもや、瞬殺しよるとは。インプルの方も挑発で吸収の段階に持っていったまでは良かったが女を吐き出すタイミングが早過ぎたゆえ。反撃を喰らって討たれるとは、それにあのラミアがクスネだったとは、どうして、マリアナ様に力を貸しておるのかはわからぬが。それにしてもゴーブの奴、完全にラミアの力は削ぎ落としたと言うておったのじゃがな。ワシの経験則からして、この状態からの巻き返しはほぼ不可能であろう。退くべきだがワシの背を追い討つ輩が来たようじゃの」
「コカットスの爺さん、久しぶりだなぁ」
「スパーダよ。どうしてデイモン様ではなくマリアナ様に力を貸すのじゃ?」
「愛する女のため」
「お前の愛する女はアラクネであろう。魔物同士、デイモン様に処罰されることもあるまい」
「なら、どうしてシープマンたちを使って、閉じ込めた?俺の力を恐れていたからだろう。だから俺を使って、ルイスだっけの命も狙った。俺はどうにも愛する女が側にいるとポンコツになるようでね」
「フッフッフッ。成程、そこまで見抜きおったか。だから、こんなのでスパーダを従えることなどできんとインプルには言うておったのじゃがな。それで、再会を懐かしみにきたわけではあるまい」
「いや、今この場でコカットス爺さんに何かしようとは思わねぇよ。アンタには一度命を救ってもらった恩があるからな」
「さようか。では、この場は一時退かせてもらうとしよう。次はデイモン様と参るゆえな」
「あぁ、次は俺も容赦しねぇ」
反乱した魔物の第二陣も撃破することに成功したのだった。
「リリス、お前がそんなに策略家だったとは思いませんでしたよ。キヒヒヒヒ」
「あらーインプルじゃない。まさか、魔王様を裏切るなんて」
「あの平和ボケした雪女に従うなんてナンセンスですよ。デイモン様と共に新たな魔物の時代を作る。それこそ、魔の本分でしょう」
「で、前魔王様に付いて、魔力の供給のために得た女がそれね」
「えぇ、人間の女ですが実に良い魔力を生産してくれていますよ。身体の中に取り込んでいますから声を聴かせられないのが残念ですが」
インプのお腹の辺りに女性の顔をしたものが動いていた。
「相変わらず悍ましいやり方するわね」
「人間など所詮、我ら魔の者の餌。あなた方がおかしいのですよ。人間を愛するなど」
「あらー、私たちは人間と共に生きている魔の者よ。人間がいなければ性が吸えないのに、人間を滅ぼそうと考えている前魔王様に付くことの方が馬鹿じゃないの」
「この俺を馬鹿だと。馬鹿だと言ったのか!下半身の事しか考えてない馬キャバスが」
「言ったわね。そっちこそ、下半身の事しか考えてない馬ンプじゃない」
「この、馬キャバスがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。この俺がここで殺してくれる」
この様子を隠れて見ていたクスネとコノハが会話をしている。
「リリスちゃんのアレは素だよね?」
「えぇ、スパーダの策ではないわね。でも良い感じの挑発になってますから良しとしましょうか」
「でも、まさかクスネ様があの伝説のラミアだったなんて、人間国からの侵攻を土蜘蛛と共に防いだ伝説のラミア。お会いできて光栄です~」
「もう1人も今ここにいるんだから。笑えるわよね」
「もう1人って、文武両道でその武と知で数多の人間を葬った傑物!?」
「あらあらとんでもない異名が付いてるのねスパーダも」
「スパーダ様のことだったんだ。デヘヘ。後でサインもらわなきゃ」
その間も2人は言い合いを続けている。
「この下半身ユルユルの人間媚び媚び馬キュバスが」
「言ったわね。この人間よりも小さくて粗末なそれで良く人間の女を満足させられてると勘違いできるわね馬ンプが」
「俺のモノは小さくなーい」
「だったら下半身で勝負する?アタシは別に良いわよ。毎日毎日、愛するダーリンとラブラブで、アンタの粗末なモノで満足させられるわけないから」
「この俺が人間の男に負けているだと。言わせておけばそんなに言うなら勝負してやるよ。お前のことを吸収して、俺の糧にしてやる」
インプはお腹から女を取り出すと投げ捨てた。
「うっ。やっと解放された。下は入ってるかどうかわかんないレベルだったけど、身体中を舐められて触られてる感じはゾクゾクして、やばかった」
女が解放されたのを確認したクスネとコノハが飛び出して、インプルを突き刺す。
「馬キュバス、卑怯だぞ。これは」
「クスネにコノハ、何してくれてんのよ!この馬ンプとは私が決着を付けるつもりだったのに」
インプルから水晶が転がる。
「挑発に乗ったところまでは良かったのですけれど、あのままだったらリリス様が吸収されてましたから」
「何よ。アタシが負けるって言いたいの?あんな馬ンプに」
「恐らくこの水晶の力は対象を吸収する能力でしょう。リリス様を取り込んで、さらなる高みを目指そうとしていたのではないかと」
「要はリリスちゃんが挑発に乗って、喰われちゃうところだったのを助けたってわけよ~。リリスちゃんを奪ったあの人間は大嫌いだけど。リリスちゃんが悲しむのは見たくないからね~」
「成程、助けてくれてサンキュー」
「単純で良かったですわ」
「なんか言った?」
「いえ、御理解いただけて感謝致しますわ」
サイプスだけでなくインプルも討ち取られて、コカトリスのコカットスは、どうするべきか思案していた。
「やれやれ。サイプスの奴で時間稼ぎをしてくれれば良いと考えておったが、流石スパーダじゃ。よもや、瞬殺しよるとは。インプルの方も挑発で吸収の段階に持っていったまでは良かったが女を吐き出すタイミングが早過ぎたゆえ。反撃を喰らって討たれるとは、それにあのラミアがクスネだったとは、どうして、マリアナ様に力を貸しておるのかはわからぬが。それにしてもゴーブの奴、完全にラミアの力は削ぎ落としたと言うておったのじゃがな。ワシの経験則からして、この状態からの巻き返しはほぼ不可能であろう。退くべきだがワシの背を追い討つ輩が来たようじゃの」
「コカットスの爺さん、久しぶりだなぁ」
「スパーダよ。どうしてデイモン様ではなくマリアナ様に力を貸すのじゃ?」
「愛する女のため」
「お前の愛する女はアラクネであろう。魔物同士、デイモン様に処罰されることもあるまい」
「なら、どうしてシープマンたちを使って、閉じ込めた?俺の力を恐れていたからだろう。だから俺を使って、ルイスだっけの命も狙った。俺はどうにも愛する女が側にいるとポンコツになるようでね」
「フッフッフッ。成程、そこまで見抜きおったか。だから、こんなのでスパーダを従えることなどできんとインプルには言うておったのじゃがな。それで、再会を懐かしみにきたわけではあるまい」
「いや、今この場でコカットス爺さんに何かしようとは思わねぇよ。アンタには一度命を救ってもらった恩があるからな」
「さようか。では、この場は一時退かせてもらうとしよう。次はデイモン様と参るゆえな」
「あぁ、次は俺も容赦しねぇ」
反乱した魔物の第二陣も撃破することに成功したのだった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!(改訂版)
IXA
ファンタジー
凡そ三十年前、この世界は一変した。
世界各地に次々と現れた天を突く蒼の塔、それとほぼ同時期に発見されたのが、『ダンジョン』と呼ばれる奇妙な空間だ。
不気味で異質、しかしながらダンジョン内で手に入る資源は欲望を刺激し、ダンジョン内で戦い続ける『探索者』と呼ばれる職業すら生まれた。そしていつしか人類は拒否感を拭いきれずも、ダンジョンに依存する生活へ移行していく。
そんなある日、ちっぽけな少女が探索者協会の扉を叩いた。
諸事情により金欠な彼女が探索者となった時、世界の流れは大きく変わっていくこととなる……
人との出会い、無数に折り重なる悪意、そして隠された真実と絶望。
夢見る少女の戦いの果て、ちっぽけな彼女は一体何を選ぶ?
絶望に、立ち向かえ。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

クラス転移、異世界に召喚された俺の特典が外れスキル『危険察知』だったけどあらゆる危険を回避して成り上がります
まるせい
ファンタジー
クラスごと集団転移させられた主人公の鈴木は、クラスメイトと違い訓練をしてもスキルが発現しなかった。
そんな中、召喚されたサントブルム王国で【召喚者】と【王候補】が協力をし、王選を戦う儀式が始まる。
選定の儀にて王候補を選ぶ鈴木だったがここで初めてスキルが発動し、数合わせの王族を選んでしまうことになる。
あらゆる危険を『危険察知』で切り抜けツンデレ王女やメイドとイチャイチャ生活。
鈴木のハーレム生活が始まる!

無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。


家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~
芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。
駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。
だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。
彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。
経験値も金にもならないこのダンジョン。
しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。
――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!
IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。
無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。
一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。
甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。
しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--
これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話
複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる