転生したらオープニングで滅ぼされる村の子供?でした➖現代知識とゲーム知識とエッチな知識を駆使して生き残りたいと思います➖

揚惇命

文字の大きさ
上 下
114 / 142
3章 ヒートマウンテンを攻略せよ!

女神様からのお願い事

しおりを挟む
 と、まぁすっかり周りの時も動き始めた頃、俺は先程言われた女神様からのお願い事について、考えていた。
 ビビアンの中でマチルダが生き続けていること。
 まぁ、現代医療の最先端で卵子を冷凍凍結して保存したりできるらしいし。
 人間が蛇に丸呑みされて仮死状態のまま、知らず知らずのうちに身体が回復してたって認識で良いのか?
 いや、無理があるよな。
 蛇が獲物を丸呑みしたら胃液で跡形もなく消え去るよなぁ。
 だとしたら何でビビアンの身体の中でマチルダは今も生きてるのかって事だ。
 まさか胃液とは別に何か貯蔵しておく空間があって、そこにマチルダの遺体、じゃないんだよな。
 えーっと、仮死状態の身体があるって考えるしかないよな。
 そんな事可能なのか?
 うーん、どう考えたって理解できないよな。
 まぁ、これが現実世界の話でならだけどな。
 ここは、ファンタジーの世界。
 まぁ、現実世界の人間の俺には理解に苦しむ事だけど、生きてるっていうんだからそうなんだろうと納得するしかないんだよなぁ。
 で、肝心のビビアンにマチルダが生きていることをどう認識させるかだよな。
 後、マチルダを吐き出しても別にビビアンの姿が元に戻る訳ではないと。
 いや、顔は変わるとか言ってたっけ?
 というか今の顔って、マチルダの顔だったんだな。
 ピンク色の整えられた綺麗な髪に、むしゃぶりつきたくなるようなぽってりとした唇。
 クリッとした目に、ノの字のように僅かに窪んだ鼻筋と。
 まぁ、すごく綺麗なんだけど。
 女性兵士のマチルダだったと言われて、納得する部分があるんだよな。
 それは、戦傷が多いってことなんだけどな。
 顔の至る所に目に見える傷が多い。
 きっとマチルダ本人の身体も傷が多いんだろう。
 でも、それはマチルダ本人が命をかけて村を守り抜いてきた勲章であり誇りだ。
 そうか、俺自身はマチルダとの記憶があるわけでもないし、ダクドラのプレイ開始のオープニングムービーで、死ぬ定めのキャラに転生して、そのキャラの深掘りなんてゲーム内でされたこともないから女神から聞いた話は、俺にとっても初見だった。
 まぁ、そうだよな。
 ゲーム内の登場人物たちにも俺たちがプレイする物語よりも前の人生があるのは当然だよな。
 ゲームとはいえその世界で生きてるんだから。
 まぁ、こんな考えも実際にゲーム世界に転生したから受け入れられるわけで、現実世界でゲーム内の登場人物にも過去や未来があるんだぜ。
 なんて言っても、だから何?
 で済まされるだけだろう。
 ただ、そうなるとあの2人には俺が2人の知ってる俺じゃないってこともきちんと伝えるのが筋だよな。
 あの2人がこのキャラの昔の行いに感謝していて恩返しのつもりだとしても今の俺とは全く関係ない話だ。
 俺はそれであの2人を縛りたく無い。
 あの2人には、真実を話した上で、選んでもらいたい。
 例え2人を傷付けることになったとしてもそれが礼儀ってもんだ。

「親父、俺行ってくるわ」

「トモカズ。わかった。他のもんには、ワシから話があるってことにしておくとしよう。しっかり話してからが良い」

 親父は本当に勘が鋭い。
 俺が何をしようとしてるか俺の顔を見て理解したんだろう。
 その上で、他の仲間には今打ち明ける必要がないことがわかっている。
 これで、俺がこの世界の人間じゃないことを知るのは、ナイアとペコラに続いて、3人目、いや4人目になるのか。
 よし、行くか。

「ビビアン、少しヒートマウンテンの防衛のことで話があるんだけど良いか?」

「トモちゃんったら、どうしたの?テンペストに任せていれば安心。いえ、私もちょうど話したいことがあったのよ。良いわ」

 ビビアンが答えるとナイアが代表して、話をする。

「そういうことなら私たちも御主人様に付いて」

 そこまで話すと遠くから俺の親父であるモノノブ、この世界ではモノノフがやってきた。

「おーい、トモカズ。ちょいと人手が欲しいんじゃが構わんか?」

「親父が人手が欲しいなんて珍しいな。何かあったのか?」

「ちょいとな。リザードマンの嬢ちゃんには、若者たちに武術指南をしてやって欲しいんじゃ。村が襲われて以来、守る気持ちに目覚めた若者が後を立たなくてな。それと女たちも食で支えたいと。兎の嬢ちゃんには、料理指南を。後、女神様とやらについて聞きたいという若者も現れてな。ステラ嬢には、女神様について、教えを説いてもらいたい。リーシア嬢とルナ嬢には、王都の暮らしについて聞きたいと殺到していてな。ワシには面倒見きれん。てんてこ舞いじゃ。サイクロプスの嬢ちゃんとトロールの嬢ちゃんとオークの嬢ちゃんには、受け入れたものたちが危険のないことを村人たちに示してもらう必要がある。そういうことじゃ」

「わかりました。そういうことでしたら。私たちは、御主人様の御父様のお手伝いをしましょう。皆も良いですね?」

 ナイアの言葉に全員がコクコクと頷く。

「そういうことですので、御主人様のことはビビアン様にお任せします」

「えぇ、任せてちょうだい。本来は関係ないはずの私の拠点のことまで気にしてくれるんだもの。しっかりと話を詰めるわ」

「よろしくお願い致しますビビアン様」

 ナイアはそう言うと親父の待つ方へとビビアン以外の皆を連れて、向かう。
 俺とビビアンは、誰にも話が聞かれないように転移門を通り、ヒートマウンテンへと移動。
 この間にテンペストに脳内通信で会話して、誰も来ないように取り計らってもらい今に至るのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜

EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」 優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。 傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。 そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。 次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。 最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。 しかし、運命がそれを許さない。 一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか? ※他サイトにも掲載中

悪役令嬢はバッドエンド回避で自由になり平穏に生きるはずだったのに、なぜこんなに求婚が!?

花草青依
恋愛
タイトル通りのギャグ短編小説/画像はChatGPT

【BL】どうやら精霊術師として召喚されたようですが5分でクビになりましたので、最高級クラスの精霊獣と駆け落ちしようと思います。

riy
BL
風呂でまったりしている時に突如異世界へ召喚された千颯(ちはや)。 召喚されたのはいいが、本物の聖女が現れたからもう必要ないと5分も経たない内にお役御免になってしまう。 しかも元の世界へも帰れず、あろう事か風呂のお湯で流されてしまった魔法陣を描ける人物を探して直せと無茶振りされる始末。 別邸へと通されたのはいいが、いかにも出そうな趣のありすぎる館であまりの待遇の悪さに愕然とする。 そんな時に一匹のホワイトタイガーが現れ? 最高級クラスの精霊獣(人型にもなれる)×精霊術師(本人は凡人だと思ってる) ※コメディよりのラブコメ。時にシリアス。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~

かずきりり
ファンタジー
望んで異世界へと来たわけではない。 望んで召喚などしたわけでもない。 ただ、落ちただけ。 異世界から落ちて来た落ち人。 それは人知を超えた神力を体内に宿し、神からの「贈り人」とされる。 望まれていないけれど、偶々手に入る力を国は欲する。 だからこそ、より強い力を持つ者に聖女という称号を渡すわけだけれど…… 中に男が混じっている!? 帰りたいと、それだけを望む者も居る。 護衛騎士という名の監視もつけられて……  でも、私はもう大切な人は作らない。  どうせ、無くしてしまうのだから。 異世界に落ちた五人。 五人が五人共、色々な思わくもあり…… だけれど、私はただ流れに流され……

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

処理中です...