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3章 ヒートマウンテンを攻略せよ!
聞くも涙語るも涙の物語
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女神が話し始めるビビアンとマチルダの物語。
「元々。あのラミアはただの蛇だったんです」
ビビアンがただの蛇?
蛇と聞いて、親父の顔が険しくなってる。
聞きたくないだろうな。
ケアしておくか。
「待ってくれ。その胴体がやたら長い動物の名前なんだが、スネークにしてくれないか?」
「トモカズ、ワシに気を遣う必要はない。あんなただ胴体が長いだけの爬虫類なぞ恐るるに」
「あっ。そういうことでしたか?配慮が足らず申し訳ありません。スネークは言いづらいので、ラミアのままにしておきましょうか。ラミアは、そう何にもなれないちっぽけな存在だったのです。ある少年と出会うまでは」
へぇ、あの強気な女性がね~。
何にもなれないちっぽけな存在だったなんて、信じられないや。
ある少年?
まぁ、この流れだとこの少年が多分俺のこの身体の持ち主ってことだよな。
「今の話で、推測できる通り、この少年というのは、トモのことです。トモは、冒険者によって殺されそうになっていたへ。ゴホン。ラミアを助け名前を付けたのです。そう、ビビアンと。それから彼女は変わりました。自分を助けてくれた少年を守るため。いつか恩を返すため強くなろうと。それから彼女は毎日のように影から少年のことを眺めるようになります」
ストーカーや!
スニーキングスキルの高いストーカーや!
こっわ。
この身体の持ち主は、気付いてなかったのか?
「少年が毎日、村を守ってくれている1人の女性兵士に花畑で摘んだ花を渡しているところ。女性兵士から頭を撫でられて、照れているところ。そして、魔物の大軍から村を守って、女性兵士が亡くなって、少年が涙を流すところ。彼女は、少年が涙を流してまで、女性兵士の死を悲しんでいることに胸を痛め、葬儀の後、土葬された遺体を丸呑みしました」
はっ?
いやいやいや、どこが語るも涙聞くも涙や!
丸呑みって、グロさで言ったらスプラッターと肩を並べるぞ。
方や血が出るか。
そのまま、丸呑みされて消化されるかの違いや!
蛇と丸呑みは切ってもきれん関係って言ってだな。
お約束の展開なんや。
もうちょっとその辺りのこと勉強しやなあかんで女神はん。
「でも、これは女性兵士の望んだことでもありまして」
マチルダが望んだ?
いや、何をどうしたら丸呑みされることを望むんや?
訳分からんわ!
「女性兵士は、毎日花を摘んで渡してくれる少年に抱いてはいけない感情を抱いてしまっていたのです」
ショタ展開キターーーーー!!!!
って、いきなりすぎるやろ!!!!
「そう、許されない恋ほど燃え上がってしまうものなのです」
まぁ、何のデータか知らんけど男性は不倫相手に本気になりにくくて、女性は不倫相手に本気になりやすいとか。
意外にも女性の方が不倫率が高いなんてデータもあったな。
まぁ、家帰ってきたら料理ができていて当たり前、風呂が沸いていて当たり前なんて思ってる男性が未だに多いからやろな。
そんな当たり前ちゃうからな。
作ってくれてありがとうって感謝の気持ちも込めて、頂きますとご馳走様ってちゃんと言ってるか?
気持ちは言わないと伝わらんぞ。
って、俺は誰に言ってんだ?
まぁ、そうだよな許されない恋ほど燃えるよな。
いやダメやけども!
でも、えーっとリーシアに。
ステラにメアリーにロクサーヌにオフィーリアと。
うん。
俺も大概だわ!
今、名前をあげたメンバーは相手のいる人間や魔物から寝取ったからな。
いや、それで言うとペコラもなのか?
確か、元々はあのガイルにそういうことも含めて買われたんだっけ?
まぁ、我ながら結構な男を泣かせたな。
いや、でも女性を道具扱いするお前らが悪いんだぞ。
いや、待てよ。
俺は人のこと言えんのか?
暇があれば、誰かしらとやってるなぁ。
皆んなでやる時もあるなぁ。
プレイとは言え、ドMのステラには酷いことも散々言ったししたよなぁ。
何だか、思い出す度に人のこと言えない気がしてきたぞ。
「その女性兵士の許されざる秘めた想いと彼女の少年に恩返ししたいという気持ちが混ざり合って、あの姿に昇華したのです」
へぇ。
まぁ、これは女神が言ってるだけだよな。
真実は、あの2人から聞こう。
実は全く違うなんてこともあるかもしれないし。
「うっうぅ。えぇ、話じゃ。のぉトモカズ?」
いや、今ので泣くのか親父ーーーー!!!
「うぅ。そのビビアンとやらとマチルダとやらは分裂させてやることはできんのか?どうなんじゃ?」
「あっ。はい。実は、そのことでお願いが。マチルダの身体は、ビビアンの身体で生き続けています。それも回復してるんですよ~。何故か分からないんですけど。勇者トモが調略してすぐぐらいから。まぁ、瀕死の状態で死亡扱いされて埋められちゃいましたからね。その状態で丸呑みされたから身体が仮死状態に陥りまして、そして回復しちゃったんですよね~」
いやいや、この世界の死亡判断、雑すぎやろ!
瀕死で生き埋めとか2度苦しいわ!
なったことないから分からんけども!
「お願いじゃと?」
「はい。勇者トモならビビアンとマチルダをもう一度分裂させることができるかと」
「俺が?でもそんなことしたらビビアンは普通の胴体が長い爬虫類に逆戻りなんじゃ?」
「いえ、そのようなことにはなりませんが。恐らく今の顔は、マチルダの顔なので、その辺りは変わるかと。まぁ、具体的な方法は、マチルダに身体が生きていることを自覚させるだけです。まぁ私のお願いを聞いてもらうのですからこちらもお願いを聞いてあげようかと。先出ししたんですよね~」
「成程、そういうことなら良いよ。俺も生きてる母さんに会える。親父もハッピー。マチルダとビビアンもハッピーってことだろ。やってやるよ」
「ありがとうございます。では、お任せしますね~」
そう言うと女神は、目の前から姿を消したのである。
というか長い間蛇に丸呑みされてて消化されてないって、どういうこと!!!
と一応ツッコミを入れておく俺だったよ。
勿論、心の中だけだけどね。
「元々。あのラミアはただの蛇だったんです」
ビビアンがただの蛇?
蛇と聞いて、親父の顔が険しくなってる。
聞きたくないだろうな。
ケアしておくか。
「待ってくれ。その胴体がやたら長い動物の名前なんだが、スネークにしてくれないか?」
「トモカズ、ワシに気を遣う必要はない。あんなただ胴体が長いだけの爬虫類なぞ恐るるに」
「あっ。そういうことでしたか?配慮が足らず申し訳ありません。スネークは言いづらいので、ラミアのままにしておきましょうか。ラミアは、そう何にもなれないちっぽけな存在だったのです。ある少年と出会うまでは」
へぇ、あの強気な女性がね~。
何にもなれないちっぽけな存在だったなんて、信じられないや。
ある少年?
まぁ、この流れだとこの少年が多分俺のこの身体の持ち主ってことだよな。
「今の話で、推測できる通り、この少年というのは、トモのことです。トモは、冒険者によって殺されそうになっていたへ。ゴホン。ラミアを助け名前を付けたのです。そう、ビビアンと。それから彼女は変わりました。自分を助けてくれた少年を守るため。いつか恩を返すため強くなろうと。それから彼女は毎日のように影から少年のことを眺めるようになります」
ストーカーや!
スニーキングスキルの高いストーカーや!
こっわ。
この身体の持ち主は、気付いてなかったのか?
「少年が毎日、村を守ってくれている1人の女性兵士に花畑で摘んだ花を渡しているところ。女性兵士から頭を撫でられて、照れているところ。そして、魔物の大軍から村を守って、女性兵士が亡くなって、少年が涙を流すところ。彼女は、少年が涙を流してまで、女性兵士の死を悲しんでいることに胸を痛め、葬儀の後、土葬された遺体を丸呑みしました」
はっ?
いやいやいや、どこが語るも涙聞くも涙や!
丸呑みって、グロさで言ったらスプラッターと肩を並べるぞ。
方や血が出るか。
そのまま、丸呑みされて消化されるかの違いや!
蛇と丸呑みは切ってもきれん関係って言ってだな。
お約束の展開なんや。
もうちょっとその辺りのこと勉強しやなあかんで女神はん。
「でも、これは女性兵士の望んだことでもありまして」
マチルダが望んだ?
いや、何をどうしたら丸呑みされることを望むんや?
訳分からんわ!
「女性兵士は、毎日花を摘んで渡してくれる少年に抱いてはいけない感情を抱いてしまっていたのです」
ショタ展開キターーーーー!!!!
って、いきなりすぎるやろ!!!!
「そう、許されない恋ほど燃え上がってしまうものなのです」
まぁ、何のデータか知らんけど男性は不倫相手に本気になりにくくて、女性は不倫相手に本気になりやすいとか。
意外にも女性の方が不倫率が高いなんてデータもあったな。
まぁ、家帰ってきたら料理ができていて当たり前、風呂が沸いていて当たり前なんて思ってる男性が未だに多いからやろな。
そんな当たり前ちゃうからな。
作ってくれてありがとうって感謝の気持ちも込めて、頂きますとご馳走様ってちゃんと言ってるか?
気持ちは言わないと伝わらんぞ。
って、俺は誰に言ってんだ?
まぁ、そうだよな許されない恋ほど燃えるよな。
いやダメやけども!
でも、えーっとリーシアに。
ステラにメアリーにロクサーヌにオフィーリアと。
うん。
俺も大概だわ!
今、名前をあげたメンバーは相手のいる人間や魔物から寝取ったからな。
いや、それで言うとペコラもなのか?
確か、元々はあのガイルにそういうことも含めて買われたんだっけ?
まぁ、我ながら結構な男を泣かせたな。
いや、でも女性を道具扱いするお前らが悪いんだぞ。
いや、待てよ。
俺は人のこと言えんのか?
暇があれば、誰かしらとやってるなぁ。
皆んなでやる時もあるなぁ。
プレイとは言え、ドMのステラには酷いことも散々言ったししたよなぁ。
何だか、思い出す度に人のこと言えない気がしてきたぞ。
「その女性兵士の許されざる秘めた想いと彼女の少年に恩返ししたいという気持ちが混ざり合って、あの姿に昇華したのです」
へぇ。
まぁ、これは女神が言ってるだけだよな。
真実は、あの2人から聞こう。
実は全く違うなんてこともあるかもしれないし。
「うっうぅ。えぇ、話じゃ。のぉトモカズ?」
いや、今ので泣くのか親父ーーーー!!!
「うぅ。そのビビアンとやらとマチルダとやらは分裂させてやることはできんのか?どうなんじゃ?」
「あっ。はい。実は、そのことでお願いが。マチルダの身体は、ビビアンの身体で生き続けています。それも回復してるんですよ~。何故か分からないんですけど。勇者トモが調略してすぐぐらいから。まぁ、瀕死の状態で死亡扱いされて埋められちゃいましたからね。その状態で丸呑みされたから身体が仮死状態に陥りまして、そして回復しちゃったんですよね~」
いやいや、この世界の死亡判断、雑すぎやろ!
瀕死で生き埋めとか2度苦しいわ!
なったことないから分からんけども!
「お願いじゃと?」
「はい。勇者トモならビビアンとマチルダをもう一度分裂させることができるかと」
「俺が?でもそんなことしたらビビアンは普通の胴体が長い爬虫類に逆戻りなんじゃ?」
「いえ、そのようなことにはなりませんが。恐らく今の顔は、マチルダの顔なので、その辺りは変わるかと。まぁ、具体的な方法は、マチルダに身体が生きていることを自覚させるだけです。まぁ私のお願いを聞いてもらうのですからこちらもお願いを聞いてあげようかと。先出ししたんですよね~」
「成程、そういうことなら良いよ。俺も生きてる母さんに会える。親父もハッピー。マチルダとビビアンもハッピーってことだろ。やってやるよ」
「ありがとうございます。では、お任せしますね~」
そう言うと女神は、目の前から姿を消したのである。
というか長い間蛇に丸呑みされてて消化されてないって、どういうこと!!!
と一応ツッコミを入れておく俺だったよ。
勿論、心の中だけだけどね。
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