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3章 ヒートマウンテンを攻略せよ!
火山地帯ってことは、もしかして
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メアリーを背中に背負ってみんなのところに戻る。
「ただいま。ん?ビビアン?深刻そうな顔してどうしたんだ?」
「えっ?あぁ。ちょっとね。若様にね絶縁状を送りつけられたのよ」
「若様って、確か当代の魔王だっけ?」
俺が知ってるダクドラの魔王は、この世界では殺されてて、新しく魔王の子供が魔王になってるんだよな。
どっちも魔王で、言いにくいんだが。
まぁ、魔王に子供がいることも知らなかったし、勇者一筋のアリシアが勇者を巻き込んで、闇堕ちした理由もわからないんだよなぁ。
挙句の果て、ビビアンの話が本当なら身体に魔族の核を取り込んで、サキュバスになったんだよな。
で、新しい魔王様を裏で意のままに操ってると。
うーん、子供といえどあの残虐非道な魔王の子供がそうそう簡単に手籠にされるのだろうか?
あっ、ここで俺が知ってる魔王の話をするんだけど、この主人公の故郷の人間を皆殺しにした極悪人で、魔王ピンサロという。
ピンサロで、エッチな想像をしたそこの君。
勿論、ダクドラは健全なRPGゲームだからな。
って、俺は誰に注意してんだ。
まぁ、そんな残虐非道な人間の子供が人間であるアリシアに依存する理由がわからないんだよな。
「えぇ、そうよ。魔王様が病死したからその跡を継いだのよ」
「病死?」
「やっぱり、そこ気になるわよね。私も疑ってるのよね。魔王様は、アリシアに殺されたんじゃないかってね」
「ビビアンがそう思うってことは、何か根拠はあるのか?」
「若様が女狐と婚姻すると宣言したのを魔王様は、人と魔族の婚姻など絶対に認めんと。息子を誑かした女狐のことを鋭く睨み付けて言ったのよ。魔族になるなら考えてやるってね。魔王様は、生粋の人間嫌いだから」
「成程。で、アリシアは魔族の核を取り込んだと」
「えぇ、躊躇せずにこう言ったのよ。あら、それぐらいで良いの?随分と簡単ねって」
俺の知ってるアリシアは、幼馴染である勇者のためにその身を犠牲にするほどの献身的な女性だ。
とても、魔族に魂を売る女性とは思えない。
だが、この世界でのアリシアは、まるで、若様と呼ばれる当代の魔王様に献身的に尽くしているように感じる。
献身的?
そうか、性格自体は変わってないのか。
とすると、何かのきっかけで、アリシアは勇者よりも当代の魔王様を選んだってことか。
そもそも接触する機会なんて、あったのか?
いや、やっぱり疑問は全く解消されない。
「魔族の核は、魔王が用意したのか?」
「えぇ、女ならこの辺りが良いだろうって。サキュバスとヴァンパイアとハーピーとセイレーンの四つから迷わずサキュバスを選んだわ。まるで、若様を籠絡してるのは、私よとでも言ってるみたいにね」
そうか、そういう捉え方もできるのか。
俺ならその中からならヴァンパイアを選ぶ。
いや、考えてみたらヴァンパイアって弱点だらけだな。
太陽の光にニンニクに十字架と。
それならまだハーピーのが良いか。
空飛べるし。
まぁ見た目が鳥人族みたいな感じなのに目を瞑れば。
いや、やっぱり人間が良いな。
「それだけでは、疑惑止まりで確信には至らないよな」
「えぇ。でもその後の動きを見れば、女狐が怪しいのは確かよ」
「まぁ、考えてても仕方ないな。で、ここの防衛はテンペスト将軍に任せるんだろ?」
「えっ?えぇ」
「そんなに驚かなくてもそれぐらいわかるって。推測で。それにテンペスト将軍なら安心だしな。でも、見る限り暑さに弱そうなアイツらはどうする」
俺が指差した方では、オークとサイクロプスとトロールが額から汗がダラダラと滝のように流れていた。
「そうね。どうしようかしら?」
「一度、俺の育った村に連れてってみるか。皆なら魔族の中にも良い奴がいることは知ってるから放逐して、暴れられるよりマシだろう」
「あら、それは、あの娘たちを連れ回すことになる罪悪感からかしら?」
「揶揄わないでくれ。それはそうと、ここって火山地帯だよな?」
「えぇ。当然どうしたの?」
「温泉ってあるか?」
「温泉?」
あちゃー。
これは、俺の聞き方が悪かったよな。
温泉とか言われてもわかるわけ無いもんな。
「えーっと人肌ぐらいにあったかい水?」
「あぁ、それならあるわよ」
「あるの!?」
「えぇ」
嘘だろ。
ダクドラの世界にも温泉はあったのか。
俺、感激だ。
やっぱり、日本男児たるもの温泉でゆっくりしっぽりしたい!
「でも、あんなの誰も使ったことないわよ」
「勿体無い!こうなったら全員で行くぞ」
こうして、俺たちは急遽、全員でビビアンの知ってる温泉に連れて行ってもらったのだが。
「ご、御主人しゃま~。何ですか。このキモチイイの。浸かってるだけで、蕩けちゃいます」
ナイアはこの通り。
「ナイアちゃんの気持ちわかる。水浴びって、冷たいだけで嫌だったんだけど。これは、あったかくて、それに僕ちゃんが優しく身体を拭いてくれて、身体も心もポカポカするよ」
ペコラも水浴びと違い気に入ってくれたみたいで。
「ルーちゃん、えいっ」
「リーちゃん、やったな。それっ」
リーシアとルナは、こうやってお湯を掛け合って遊んでいる。
「トモ様に裸を見られて、何もされない。あっ。これが本当の放置プレイ」
ステラは、全く意味がわからないことをぶつぶつと。
「はぁ。あったかい水に浸かるのがこんなにキモチイイだなんて、マチルダはどうして教えてくれなかったのよ!」
「妾とて、知らん。水浴びしたことなかったのだからな」
ビビアンとマチルダは、知らない人から見たら1人漫才でもしてるかのようで。
「何や。このあっついの。キモチええやんか」
「オイラ、温泉気に入っただに」
「温泉、マジキモチ良くない。テンション、アゲアゲなんだけど~」
メアリーとロクサーヌとオフィーリアにも気に入ってもらえたようだ。
俺は、そんなみんなを眺めながら温泉で目の保養と共に極楽気分を味わって、疲れを癒すのだった。
「ただいま。ん?ビビアン?深刻そうな顔してどうしたんだ?」
「えっ?あぁ。ちょっとね。若様にね絶縁状を送りつけられたのよ」
「若様って、確か当代の魔王だっけ?」
俺が知ってるダクドラの魔王は、この世界では殺されてて、新しく魔王の子供が魔王になってるんだよな。
どっちも魔王で、言いにくいんだが。
まぁ、魔王に子供がいることも知らなかったし、勇者一筋のアリシアが勇者を巻き込んで、闇堕ちした理由もわからないんだよなぁ。
挙句の果て、ビビアンの話が本当なら身体に魔族の核を取り込んで、サキュバスになったんだよな。
で、新しい魔王様を裏で意のままに操ってると。
うーん、子供といえどあの残虐非道な魔王の子供がそうそう簡単に手籠にされるのだろうか?
あっ、ここで俺が知ってる魔王の話をするんだけど、この主人公の故郷の人間を皆殺しにした極悪人で、魔王ピンサロという。
ピンサロで、エッチな想像をしたそこの君。
勿論、ダクドラは健全なRPGゲームだからな。
って、俺は誰に注意してんだ。
まぁ、そんな残虐非道な人間の子供が人間であるアリシアに依存する理由がわからないんだよな。
「えぇ、そうよ。魔王様が病死したからその跡を継いだのよ」
「病死?」
「やっぱり、そこ気になるわよね。私も疑ってるのよね。魔王様は、アリシアに殺されたんじゃないかってね」
「ビビアンがそう思うってことは、何か根拠はあるのか?」
「若様が女狐と婚姻すると宣言したのを魔王様は、人と魔族の婚姻など絶対に認めんと。息子を誑かした女狐のことを鋭く睨み付けて言ったのよ。魔族になるなら考えてやるってね。魔王様は、生粋の人間嫌いだから」
「成程。で、アリシアは魔族の核を取り込んだと」
「えぇ、躊躇せずにこう言ったのよ。あら、それぐらいで良いの?随分と簡単ねって」
俺の知ってるアリシアは、幼馴染である勇者のためにその身を犠牲にするほどの献身的な女性だ。
とても、魔族に魂を売る女性とは思えない。
だが、この世界でのアリシアは、まるで、若様と呼ばれる当代の魔王様に献身的に尽くしているように感じる。
献身的?
そうか、性格自体は変わってないのか。
とすると、何かのきっかけで、アリシアは勇者よりも当代の魔王様を選んだってことか。
そもそも接触する機会なんて、あったのか?
いや、やっぱり疑問は全く解消されない。
「魔族の核は、魔王が用意したのか?」
「えぇ、女ならこの辺りが良いだろうって。サキュバスとヴァンパイアとハーピーとセイレーンの四つから迷わずサキュバスを選んだわ。まるで、若様を籠絡してるのは、私よとでも言ってるみたいにね」
そうか、そういう捉え方もできるのか。
俺ならその中からならヴァンパイアを選ぶ。
いや、考えてみたらヴァンパイアって弱点だらけだな。
太陽の光にニンニクに十字架と。
それならまだハーピーのが良いか。
空飛べるし。
まぁ見た目が鳥人族みたいな感じなのに目を瞑れば。
いや、やっぱり人間が良いな。
「それだけでは、疑惑止まりで確信には至らないよな」
「えぇ。でもその後の動きを見れば、女狐が怪しいのは確かよ」
「まぁ、考えてても仕方ないな。で、ここの防衛はテンペスト将軍に任せるんだろ?」
「えっ?えぇ」
「そんなに驚かなくてもそれぐらいわかるって。推測で。それにテンペスト将軍なら安心だしな。でも、見る限り暑さに弱そうなアイツらはどうする」
俺が指差した方では、オークとサイクロプスとトロールが額から汗がダラダラと滝のように流れていた。
「そうね。どうしようかしら?」
「一度、俺の育った村に連れてってみるか。皆なら魔族の中にも良い奴がいることは知ってるから放逐して、暴れられるよりマシだろう」
「あら、それは、あの娘たちを連れ回すことになる罪悪感からかしら?」
「揶揄わないでくれ。それはそうと、ここって火山地帯だよな?」
「えぇ。当然どうしたの?」
「温泉ってあるか?」
「温泉?」
あちゃー。
これは、俺の聞き方が悪かったよな。
温泉とか言われてもわかるわけ無いもんな。
「えーっと人肌ぐらいにあったかい水?」
「あぁ、それならあるわよ」
「あるの!?」
「えぇ」
嘘だろ。
ダクドラの世界にも温泉はあったのか。
俺、感激だ。
やっぱり、日本男児たるもの温泉でゆっくりしっぽりしたい!
「でも、あんなの誰も使ったことないわよ」
「勿体無い!こうなったら全員で行くぞ」
こうして、俺たちは急遽、全員でビビアンの知ってる温泉に連れて行ってもらったのだが。
「ご、御主人しゃま~。何ですか。このキモチイイの。浸かってるだけで、蕩けちゃいます」
ナイアはこの通り。
「ナイアちゃんの気持ちわかる。水浴びって、冷たいだけで嫌だったんだけど。これは、あったかくて、それに僕ちゃんが優しく身体を拭いてくれて、身体も心もポカポカするよ」
ペコラも水浴びと違い気に入ってくれたみたいで。
「ルーちゃん、えいっ」
「リーちゃん、やったな。それっ」
リーシアとルナは、こうやってお湯を掛け合って遊んでいる。
「トモ様に裸を見られて、何もされない。あっ。これが本当の放置プレイ」
ステラは、全く意味がわからないことをぶつぶつと。
「はぁ。あったかい水に浸かるのがこんなにキモチイイだなんて、マチルダはどうして教えてくれなかったのよ!」
「妾とて、知らん。水浴びしたことなかったのだからな」
ビビアンとマチルダは、知らない人から見たら1人漫才でもしてるかのようで。
「何や。このあっついの。キモチええやんか」
「オイラ、温泉気に入っただに」
「温泉、マジキモチ良くない。テンション、アゲアゲなんだけど~」
メアリーとロクサーヌとオフィーリアにも気に入ってもらえたようだ。
俺は、そんなみんなを眺めながら温泉で目の保養と共に極楽気分を味わって、疲れを癒すのだった。
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