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3章 ヒートマウンテンを攻略せよ!
フレイムラクーンの恐ろしさ
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いつの間にか周りを取り囲まれていた。
ヒートマウンテンで1番会いたくなかった魔物に。
フレイムラクーン、集団で現れて、炎を吐いて、パーティーを壊滅に追い込んでくる火山の殺戮者。
ダクドラにおけるデスアンカの筆頭に挙げられる見た目は可愛い狸の魔物。
「なぁ、ビビアン。これ、ヤバくないか?」
「ヤバイねぇ。私の部下たちもここに居ないし、アハハ。魔物払いが裏目に出ちゃった。てへっ」
「てへっじゃねぇよ!この状況はマジでヤバいって」
「グオオオオオオオオ」
フレイムラクーンの劈くような咆哮が轟く。
「ねぇ、トモ君、あの可愛い魔物、怒ってない?」
「見た目に騙されんなよルナ。アイツはマジでヤバいんだ。ナイアにペコラ、炎に気をつけろ」
「御主人様、心配は無用だ。リザードマンは炎に耐性がある。ここは任せてもらおう」
「私は、寒いのは大丈夫だけど炎は苦手だからナイアちゃん、頼んだよ」
「クゥ~ン」
「そうだよな。わかる。メイメイのモフモフが燃やされたら堪らない。ペコラと後方に下がってるんだぞ」
「クゥ~~ン」
「良いんだ。メイメイには、いつも助けられてるからな。こういう時のパーティーだ。ルナ、お前は戦えないよな?」
「えっ?どうだろう?ルカだった時は、城に篭ってたけど」
「何々、面白い話してるわね~。貴方、元男なの?」
「えっ?あっはい。トモ君に女にしてもらったんだよ」
「凄いじゃない。良いこと聞いちゃった。あの男にも仕返ししてやらないとね。その前に大量のフレイムラクーンをどうするかなんだけど」
「ルナにビビアン、どうやら話してる暇は無いみたいだ」
フレイムラクーンが統率の取れた動きで、炎を纏った身体で、突撃してきた。
「いきなり、大炎車輪かよ」
「御主人様、ここはお任せを。仁王の構え」
全員の前に立ったナイアに次々に大炎車輪で突撃するフレイムラクーンだが、ナイアに目立ったダメージは無い。
「これしきの炎で我が守りは突破できんぞ。御主人様には、絶対に触れさせはせんぞ。狸ども」
「グオオオオオオオ」
RPGからタワーディフェンスになったとはいえ。
攻撃対象を自身に向けさせるスキルで事なきを得た感じだろうか。
しかし、目立ったダメージは無いと言っても微々たるダメージが積み重なれば、死に直面する。
「ナイア様、回復致します。ヒール」
ステラがすかさずナイアを回復させる。
「これしきの怪我。いや、助かったステラ嬢」
「いえ、私たちの中で炎に耐性があるのはナイア様だけ。援護にまわります」
「承知した。皆を守る盾とならん」
「でも、守ってばっかりだと勝てないわよね~。スケルトンちゃんたちが居れば、役に立てるんだけど。私の攻撃の多くがフレイムラクーンには効果を為さないのよね~」
ビビアンの言う通りフレイムラクーンには、状態異常に対して完全耐性を持っている。
所謂、無効なのだ。
「コンコーン!」
俺の懐から飛び出したキラリがフレイムラクーンに水の魔法を使った。
「ギャフン」
一体のフレイムラクーンが戦闘不能となったが、仲間が倒されるとフレイムラクーンには。
「グオオオオオオオ」
長い咆哮の後、炎を分け与えて、フレイムラクーンが生き返った。
「嘘、蘇生までできるの?あの可愛いの」
どうやらルナは狸派だったようだ。
じゃなくて、そうなのだフレイムラクーンの厄介な所の一つがまとめて倒さないと別のフレイムラクーンが炎を分け与えて、蘇らせてくるのだ。
「一体づつ倒しても蘇生してくる。キラリ、全体水魔法は使えるか?」
「コーン」
「いや。良いんだ。単体の水魔法だけでも使えるだけ凄いぞ」
「コンコーン」
撫でられて、気持ちよさそうにしているキラリは可愛いなぁ。
じゃなくて、どうする?
フレイムラクーンの倒し方は、弱点特攻の水魔法で一掃するか。
無属性魔法と全体攻撃を合わせた攻撃でまとめて倒すしか無い。
「ふんふん。キラリさんのようにこうやって口に水を集めて、いや口から水なんて吐けないよ!掌に集めて、両手を合わせて、ウォータースプラッシュ!」
ルナが自分自身にツッコミしながら何やら魔法を唱えると水のレーザーでフレイムラクーンを薙ぎ払った。
「ルーちゃん、水魔法が使えましたのね?」
「リーちゃん、切り札は取っておくものなんだよ。っていうのは冗談で。城に籠ってたんだから使えるわけないと思ったんだけど。皆を守らないとって思ったら。はわわ~。トモ君、急に抱きしめられたらドキドキしちゃうよぉ~」
「でかした。これで、フレイムラクーンは」
「一体、残ってるわね~。あら、珍しい、フレイムラクーンの幼児個体だなんて」
「ウワーーン」
フレイムラクーンの幼児個体が凄まじい炎で倒したフレイムラクーンを回復させた。
「嘘だろ」
そもそも、あのデスアンカ三強に幼児個体が存在してることすら知らなかったというか、存在してなかったんだよ。
俺の知るダクドラでは。
あれっ?
回復したフレイムラクーンが離れていき、幼児個体だけが残ってる?
近付いてくるんだけど。
えっ?
キラリのように頭を撫でて欲しいって?
どっどういうこと~?
ヒートマウンテンで1番会いたくなかった魔物に。
フレイムラクーン、集団で現れて、炎を吐いて、パーティーを壊滅に追い込んでくる火山の殺戮者。
ダクドラにおけるデスアンカの筆頭に挙げられる見た目は可愛い狸の魔物。
「なぁ、ビビアン。これ、ヤバくないか?」
「ヤバイねぇ。私の部下たちもここに居ないし、アハハ。魔物払いが裏目に出ちゃった。てへっ」
「てへっじゃねぇよ!この状況はマジでヤバいって」
「グオオオオオオオオ」
フレイムラクーンの劈くような咆哮が轟く。
「ねぇ、トモ君、あの可愛い魔物、怒ってない?」
「見た目に騙されんなよルナ。アイツはマジでヤバいんだ。ナイアにペコラ、炎に気をつけろ」
「御主人様、心配は無用だ。リザードマンは炎に耐性がある。ここは任せてもらおう」
「私は、寒いのは大丈夫だけど炎は苦手だからナイアちゃん、頼んだよ」
「クゥ~ン」
「そうだよな。わかる。メイメイのモフモフが燃やされたら堪らない。ペコラと後方に下がってるんだぞ」
「クゥ~~ン」
「良いんだ。メイメイには、いつも助けられてるからな。こういう時のパーティーだ。ルナ、お前は戦えないよな?」
「えっ?どうだろう?ルカだった時は、城に篭ってたけど」
「何々、面白い話してるわね~。貴方、元男なの?」
「えっ?あっはい。トモ君に女にしてもらったんだよ」
「凄いじゃない。良いこと聞いちゃった。あの男にも仕返ししてやらないとね。その前に大量のフレイムラクーンをどうするかなんだけど」
「ルナにビビアン、どうやら話してる暇は無いみたいだ」
フレイムラクーンが統率の取れた動きで、炎を纏った身体で、突撃してきた。
「いきなり、大炎車輪かよ」
「御主人様、ここはお任せを。仁王の構え」
全員の前に立ったナイアに次々に大炎車輪で突撃するフレイムラクーンだが、ナイアに目立ったダメージは無い。
「これしきの炎で我が守りは突破できんぞ。御主人様には、絶対に触れさせはせんぞ。狸ども」
「グオオオオオオオ」
RPGからタワーディフェンスになったとはいえ。
攻撃対象を自身に向けさせるスキルで事なきを得た感じだろうか。
しかし、目立ったダメージは無いと言っても微々たるダメージが積み重なれば、死に直面する。
「ナイア様、回復致します。ヒール」
ステラがすかさずナイアを回復させる。
「これしきの怪我。いや、助かったステラ嬢」
「いえ、私たちの中で炎に耐性があるのはナイア様だけ。援護にまわります」
「承知した。皆を守る盾とならん」
「でも、守ってばっかりだと勝てないわよね~。スケルトンちゃんたちが居れば、役に立てるんだけど。私の攻撃の多くがフレイムラクーンには効果を為さないのよね~」
ビビアンの言う通りフレイムラクーンには、状態異常に対して完全耐性を持っている。
所謂、無効なのだ。
「コンコーン!」
俺の懐から飛び出したキラリがフレイムラクーンに水の魔法を使った。
「ギャフン」
一体のフレイムラクーンが戦闘不能となったが、仲間が倒されるとフレイムラクーンには。
「グオオオオオオオ」
長い咆哮の後、炎を分け与えて、フレイムラクーンが生き返った。
「嘘、蘇生までできるの?あの可愛いの」
どうやらルナは狸派だったようだ。
じゃなくて、そうなのだフレイムラクーンの厄介な所の一つがまとめて倒さないと別のフレイムラクーンが炎を分け与えて、蘇らせてくるのだ。
「一体づつ倒しても蘇生してくる。キラリ、全体水魔法は使えるか?」
「コーン」
「いや。良いんだ。単体の水魔法だけでも使えるだけ凄いぞ」
「コンコーン」
撫でられて、気持ちよさそうにしているキラリは可愛いなぁ。
じゃなくて、どうする?
フレイムラクーンの倒し方は、弱点特攻の水魔法で一掃するか。
無属性魔法と全体攻撃を合わせた攻撃でまとめて倒すしか無い。
「ふんふん。キラリさんのようにこうやって口に水を集めて、いや口から水なんて吐けないよ!掌に集めて、両手を合わせて、ウォータースプラッシュ!」
ルナが自分自身にツッコミしながら何やら魔法を唱えると水のレーザーでフレイムラクーンを薙ぎ払った。
「ルーちゃん、水魔法が使えましたのね?」
「リーちゃん、切り札は取っておくものなんだよ。っていうのは冗談で。城に籠ってたんだから使えるわけないと思ったんだけど。皆を守らないとって思ったら。はわわ~。トモ君、急に抱きしめられたらドキドキしちゃうよぉ~」
「でかした。これで、フレイムラクーンは」
「一体、残ってるわね~。あら、珍しい、フレイムラクーンの幼児個体だなんて」
「ウワーーン」
フレイムラクーンの幼児個体が凄まじい炎で倒したフレイムラクーンを回復させた。
「嘘だろ」
そもそも、あのデスアンカ三強に幼児個体が存在してることすら知らなかったというか、存在してなかったんだよ。
俺の知るダクドラでは。
あれっ?
回復したフレイムラクーンが離れていき、幼児個体だけが残ってる?
近付いてくるんだけど。
えっ?
キラリのように頭を撫でて欲しいって?
どっどういうこと~?
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