転生したらオープニングで滅ぼされる村の子供?でした➖現代知識とゲーム知識とエッチな知識を駆使して生き残りたいと思います➖

揚惇命

文字の大きさ
上 下
88 / 142
3章 ヒートマウンテンを攻略せよ!

フレイムラクーンの恐ろしさ

しおりを挟む
 いつの間にか周りを取り囲まれていた。
 ヒートマウンテンで1番会いたくなかった魔物に。
 フレイムラクーン、集団で現れて、炎を吐いて、パーティーを壊滅に追い込んでくる火山の殺戮者。
 ダクドラにおけるデスアンカの筆頭に挙げられる見た目は可愛い狸の魔物。

「なぁ、ビビアン。これ、ヤバくないか?」

「ヤバイねぇ。私の部下たちもここに居ないし、アハハ。魔物払いが裏目に出ちゃった。てへっ」

「てへっじゃねぇよ!この状況はマジでヤバいって」

「グオオオオオオオオ」

 フレイムラクーンの劈くような咆哮が轟く。

「ねぇ、トモ君、あの可愛い魔物、怒ってない?」

「見た目に騙されんなよルナ。アイツはマジでヤバいんだ。ナイアにペコラ、炎に気をつけろ」

「御主人様、心配は無用だ。リザードマンは炎に耐性がある。ここは任せてもらおう」

「私は、寒いのは大丈夫だけど炎は苦手だからナイアちゃん、頼んだよ」

「クゥ~ン」

「そうだよな。わかる。メイメイのモフモフが燃やされたら堪らない。ペコラと後方に下がってるんだぞ」

「クゥ~~ン」

「良いんだ。メイメイには、いつも助けられてるからな。こういう時のパーティーだ。ルナ、お前は戦えないよな?」

「えっ?どうだろう?ルカだった時は、城に篭ってたけど」

「何々、面白い話してるわね~。貴方、元男なの?」

「えっ?あっはい。トモ君に女にしてもらったんだよ」

「凄いじゃない。良いこと聞いちゃった。あの男にも仕返ししてやらないとね。その前に大量のフレイムラクーンをどうするかなんだけど」

「ルナにビビアン、どうやら話してる暇は無いみたいだ」

 フレイムラクーンが統率の取れた動きで、炎を纏った身体で、突撃してきた。

「いきなり、大炎車輪かよ」

「御主人様、ここはお任せを。仁王の構え」

 全員の前に立ったナイアに次々に大炎車輪で突撃するフレイムラクーンだが、ナイアに目立ったダメージは無い。

「これしきの炎で我が守りは突破できんぞ。御主人様には、絶対に触れさせはせんぞ。狸ども」

「グオオオオオオオ」

 RPGからタワーディフェンスになったとはいえ。
 攻撃対象を自身に向けさせるスキルで事なきを得た感じだろうか。
 しかし、目立ったダメージは無いと言っても微々たるダメージが積み重なれば、死に直面する。

「ナイア様、回復致します。ヒール」

 ステラがすかさずナイアを回復させる。

「これしきの怪我。いや、助かったステラ嬢」

「いえ、私たちの中で炎に耐性があるのはナイア様だけ。援護にまわります」

「承知した。皆を守る盾とならん」

「でも、守ってばっかりだと勝てないわよね~。スケルトンちゃんたちが居れば、役に立てるんだけど。私の攻撃の多くがフレイムラクーンには効果を為さないのよね~」

 ビビアンの言う通りフレイムラクーンには、状態異常に対して完全耐性を持っている。
 所謂、無効なのだ。

「コンコーン!」

 俺の懐から飛び出したキラリがフレイムラクーンに水の魔法を使った。

「ギャフン」

 一体のフレイムラクーンが戦闘不能となったが、仲間が倒されるとフレイムラクーンには。

「グオオオオオオオ」

 長い咆哮の後、炎を分け与えて、フレイムラクーンが生き返った。

「嘘、蘇生までできるの?あの可愛いの」

 どうやらルナは狸派だったようだ。
 じゃなくて、そうなのだフレイムラクーンの厄介な所の一つがまとめて倒さないと別のフレイムラクーンが炎を分け与えて、蘇らせてくるのだ。

「一体づつ倒しても蘇生してくる。キラリ、全体水魔法は使えるか?」

「コーン」

「いや。良いんだ。単体の水魔法だけでも使えるだけ凄いぞ」

「コンコーン」

 撫でられて、気持ちよさそうにしているキラリは可愛いなぁ。
 じゃなくて、どうする?
 フレイムラクーンの倒し方は、弱点特攻の水魔法で一掃するか。
 無属性魔法と全体攻撃を合わせた攻撃でまとめて倒すしか無い。

「ふんふん。キラリさんのようにこうやって口に水を集めて、いや口から水なんて吐けないよ!掌に集めて、両手を合わせて、ウォータースプラッシュ!」

 ルナが自分自身にツッコミしながら何やら魔法を唱えると水のレーザーでフレイムラクーンを薙ぎ払った。

「ルーちゃん、水魔法が使えましたのね?」

「リーちゃん、切り札は取っておくものなんだよ。っていうのは冗談で。城に籠ってたんだから使えるわけないと思ったんだけど。皆を守らないとって思ったら。はわわ~。トモ君、急に抱きしめられたらドキドキしちゃうよぉ~」

「でかした。これで、フレイムラクーンは」

「一体、残ってるわね~。あら、珍しい、フレイムラクーンの幼児個体だなんて」

「ウワーーン」

 フレイムラクーンの幼児個体が凄まじい炎で倒したフレイムラクーンを回復させた。

「嘘だろ」

 そもそも、あのデスアンカ三強に幼児個体が存在してることすら知らなかったというか、存在してなかったんだよ。
 俺の知るダクドラでは。
 あれっ?
 回復したフレイムラクーンが離れていき、幼児個体だけが残ってる?
 近付いてくるんだけど。
 えっ?
 キラリのように頭を撫でて欲しいって?
 どっどういうこと~?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢はバッドエンド回避で自由になり平穏に生きるはずだったのに、なぜこんなに求婚が!?

花草青依
恋愛
タイトル通りのギャグ短編小説/画像はChatGPT

【BL】どうやら精霊術師として召喚されたようですが5分でクビになりましたので、最高級クラスの精霊獣と駆け落ちしようと思います。

riy
BL
風呂でまったりしている時に突如異世界へ召喚された千颯(ちはや)。 召喚されたのはいいが、本物の聖女が現れたからもう必要ないと5分も経たない内にお役御免になってしまう。 しかも元の世界へも帰れず、あろう事か風呂のお湯で流されてしまった魔法陣を描ける人物を探して直せと無茶振りされる始末。 別邸へと通されたのはいいが、いかにも出そうな趣のありすぎる館であまりの待遇の悪さに愕然とする。 そんな時に一匹のホワイトタイガーが現れ? 最高級クラスの精霊獣(人型にもなれる)×精霊術師(本人は凡人だと思ってる) ※コメディよりのラブコメ。時にシリアス。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~

かずきりり
ファンタジー
望んで異世界へと来たわけではない。 望んで召喚などしたわけでもない。 ただ、落ちただけ。 異世界から落ちて来た落ち人。 それは人知を超えた神力を体内に宿し、神からの「贈り人」とされる。 望まれていないけれど、偶々手に入る力を国は欲する。 だからこそ、より強い力を持つ者に聖女という称号を渡すわけだけれど…… 中に男が混じっている!? 帰りたいと、それだけを望む者も居る。 護衛騎士という名の監視もつけられて……  でも、私はもう大切な人は作らない。  どうせ、無くしてしまうのだから。 異世界に落ちた五人。 五人が五人共、色々な思わくもあり…… だけれど、私はただ流れに流され……

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』

ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。 誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

処理中です...