転生したらオープニングで滅ぼされる村の子供?でした➖現代知識とゲーム知識とエッチな知識を駆使して生き残りたいと思います➖

揚惇命

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2章 ゴブリン共の脅威から防衛せよ!

旅の司祭ステラ・ハート

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 私の名前はステラ・ハートと申します。

 私の出身地であるブッラの大聖堂にある金色に輝く女神像からは、女神様のお告げが聞こえることがあるそうで、私はブッラのシスター教会に所属していることもあり、毎日礼拝に訪れています。

 今日も礼拝をしていたのです。

『シスターステラ、私の声が聞こえますか?』

 えっ?

 今、何処かから声が聞こえました。

 でも国民の皆様に開放される礼拝の時間はまだ先です。

 一体誰でしょうか?

『シスターステラ、聞こえますか?聞こえたら返事を』

「はい」

『聞こえているようですね。これは女神のお告げです。すぐに北西にあるエイン砦に向かいなさい。魔物の軍勢が向かっています。多くの罪なき民を助けるのです。それがシスターの務め』

「そんな。女神様の声が聞こえるだなんて。あのその神秘的な声じゃなくて、色っぽい声をしていらっしゃるのですね?」

『私は隣人を愛する愛の女神ですから』

「成程、理解しました。このステラ・ハートがお役に立てるのなら女神様のお告げに従います。あのこれ以降の連絡手段はどうすれば宜しいのでしょうか?」

『この天然娘が。とっとと行きなさいっての』

「あの何かおっしゃられましたでしょうか?」

『いえ、何でもありません。そうですね。では、こうしましょう。貴方がいつも持ち歩いている木彫りの女神像を通して、必要なら新たなお告げをします』

「女神様は何でも御存知なのですね。でも、これはそのあの私が夜こっそりと1人でするためのアレでして、木彫りの女神像だなんて大層なものでは、まさかアレも見られているのでしょうか?すみませんすみません。神に仕える身でありながら我慢できなかったんです」

『チッ。大丈夫ですよ。女性も溜まりますからね。そのような事で、私は見放したりしませんよ。あの、そろそろ向かってもらえると助かるのですが』

「あっ私ったらすみませんすみません。女神様と話せたのが嬉しくて、このステラ・ハートにお任せください。エイン砦の皆様はお救いします」

『お願いしますね』

 こうして、ステラ・ハートが旅立ったのを見て、金色に輝く女神像の中から女神のフリをしていたフードを被った妖艶な女性が現れる。

---------------

 はぁ。

 演出とは言え、女神像の中に入るのは疲れるわね。

 でもこれでステラの闇堕ちの布石は打てたかしら。

 その後のことは、リードに任せるとしましょう。

 あんな勇者なんかのために私が死ぬ運命よりも勇者を闇堕ちさせて、魔王様に仕える道を選択したんだもの。

 だって魔王様があんなに小さくて小さくて可愛いだなんて~。

 あぁ小さくて可愛い魔王様~。

 可愛い魔王様のためにお姉ちゃんがまだまだ暗躍させてもらうわ。

 この魔族として生まれ変わったサキュバスの力を使ってね。

 ウフフ、ごめんなさいねステラ。

 でも貴方もきっと魔族の身体を気にいると思うわ。

 さて、次は人間の商人に化けて、王都エインヘリヤルを混乱に陥れないと。

 ある時は女神様のフリ、ある時は商人のフリをしているこの女性こそが魔王に魂を売り渡した勇者の幼馴染の女の子であり、その中身はトモカズと同じくこの世界とは別の世界の転生者である。

 おねショタが大好物な女性で、引き篭もってダクドラばかりをしていた超絶やり込みプレイヤーでもある。

 この世界に転生してすぐに勇者の村を襲いに来た小さくて、子供にしか見えない魔王様を見て、勇者をあっさり売り渡し、魔王様の女となり、魔族のサキュバスとなるのを全く躊躇わないぐらい好みの男性に甘々なのである。

 それと並行して、目的のためなら躊躇いのなさも持ち合わせていて、まだ完全に闇堕ちの完成していない勇者を闇の衣という精神を少しづつ黒く染め上げる玉の中に閉じ込めて、自身はせっせと勇者パーティの女性たちを闇堕ちさせる準備を進めているのである。

 あぁん。

 それにしても2Dじゃなくて3Dは良いわ~。

 魔王様が実はあんなにちっちゃくて可愛いだなんて~。

 お姉ちゃんが守ってあげなくちゃ~。

 騙されているとは知らずステラは、女神様と話せたことにウキウキとしながらエイン砦へと向かったのである。

----------------

 はわわ~。

 女神様と話しちゃいました~。

 あんなに色っぽい声をしているだなんて~。

 それに私がやってる不浄なことも許してくださいました。

 女神様のお告げのためにエイン砦をお救いしないとですね。

 ステラ・ハート、頑張っちゃいます。

 意気込んでいたステラだったがエイン砦に着いて間も無く捕まっていた。

「はわわ~不審者じゃないのです。この砦に危険が迫っていると女神様が」

「そのような諫言で、我が砦の兵士を誑かす貴様こそ危険人物である」

 職務に忠実で、頭が固くて、全身鎧をキッチリと着込んで、ステラを詰問しているのがエイン砦の砦長である。

「そんな~。私はブッラの宗教教会所属のシスターなんです。これ、これを見てください」

 ステラが取り出したのは、身分を証明するものではなくて、最近この世界でも普及し始めていた避妊具、簡単に言うとコンドームである。

「お前は何がしたいのだ?いつからシスターは、こういうことに寛容になったのだ?破廉恥め。やはり信用ならん。閉じ込めておくのだ」

「はっ」

 2人の兵士が砦長の言葉で、ステラの両脇を抱えて、牢屋へと向かう。

「待ってください~。女神様がここに危険が訪れるって~言ってたんです~」

「煩い煩い煩い。ただでさえ、最近活発化してきた魔物共に頭を悩ませているところにそのような諫言で、兵士たちを不安がらせよって、見たところ人間であるから殺さず拘束するということに感謝せよ」

「でもでも私は~」

「えぇい、とっとと連れていけ!」

 ステラ・ハートは、超が付くほどの天然でドジっ子だった。

 急いでいたとしてもどう間違ったら教会手帳とコンドームを間違えるのか。

 まぁどっちも一応四角ではあるが。

 いや間違えるわけがない。

 しかし、それをやってのけて仕舞えるのがステラ・ハートという人物なのである。
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