45 / 142
2章 ゴブリン共の脅威から防衛せよ!
如何にするべきか
しおりを挟む
衛兵に連れられて、俺は歩かされている。
「この王を誑かそうとする悪魔め!お前には地下牢なんて生温い死罪が言い渡されるところだ。宰相様のお心遣いに感謝するのだな」
あのクソメガネ大臣がよりによって宰相かよ。
生きていた前王様の子供に実権を奪われることを危惧して、魔物と結託し子供の連れてきた妻を攫って、魔物に差し出すんだったよな。
これではっきりした魔物と通じてるのは、あのクソメガネだ。
だがそうなるとリーシアが心配だな。
何もなければ良いが。
「話もできぬか、このガキが!」
「おふっ」
衛兵の拳が鳩尾に決まり、俺は脚が崩れて情けない声を出して蹲る。
「どうした。王様を誑かそうとするなんて百万年早いんだよ。ボケが」
「殺されないことを宰相様に感謝しながらそこに入ってるんだな!」
乱暴に放り投げられて、鍵をガチャリとかける音が聞こえた。
---------------
トモカズ様と引き離されてしまいましたわ。
状況としては、最悪ですわね。
なんとかして、外にいるナイア様とペコラ様と連絡が取れれば良いのですが。
「ククク。お前は俺の元に戻ってくると言っただろう。残念だったな。今の王なら俺とお前の結婚を強引に進めてくれるさ。さて、久々に愛してやるとしよう」
「やめなさいこの外道!こんな勝ち方で嬉しいんですの?哀れですわね」
「なんとでも言うが良い。勝てば良いのだよ勝てば」
近付いてきたルカがいえクソメガネですわね。
私に触れて良いのは、トモカズ様だけですわ。
なんとかしませんと。
「抵抗もできまい。一つづつ服を剥いでいくのもまた面白いものだ。ククク」
こんな男に屈辱ですわ。
不感症だと思っていたのですがトモカズ様と交わるようになってから濡れやすくなってしまいましたの。
この勝ち誇った顔がムカつきますわ。
「なんだ!?このサキュバスのような紋様は、魔物に堕ちたかリーシア!」
「これは、トモ様から頂いた大事な印。私の身体はもうトモ様のモノなんですのよ!」
「だがこれではっきりした。あの男は大罪人として処刑してくれる!それもリーシア、お前の前でな!」
「この国で、そんなこと王様が許しませんわ!」
「普段の王であればな。俺をコケにし逆らうから悪いのだ。ただの村のガキが甥から熊を俺から女を奪った。許せると思うか?許せるわけがないだろう!」
「まさか、王様に何かしたんですの?」
「ククク。さぁな、だがもう少しでわかるんじゃないか」
「このクソメガネ、貴方こそ人ではありませんわ」
「そうかも知れんがそうしたのはお前だ。その紋様も消さなくてはな」
クソメガネがこの紋様を見て、何か影響を受けるかもしれないと手を出さずに立ち去ってくれたのは幸いですが、困りましたわね。
服は切り刻まれ、私は手足を縛られて、クソメガネの部屋に転がされて、トモカズ様は地下に幽閉だなんて、異常に気付いて2人が駆けつけてくれれば良いのですが。
今は、この窮地を切り抜けなければ、トモカズ様を救えませんものね。
--------------
王様に許可を貰ってくると御主人様が城に向かった後、ナイアとメイメイの元に戻っていました。
「メイメイ、こんなところで待たせてごめんね」
「クーン」
機嫌が悪くなくて良かった。
私は御主人様程、メイメイが何を言っているかはわかりません。
それでも私たちに頭を擦り寄せて来てくれるということは、待たされたことを怒っては居ないのでしょう。
「メイメイ、ナイアにモフモフアタックです!」
「キャン」
「メイメイちゃんにやられた~。アハハ、くすぐったいよぉ~。ナイアちゃんにお返しだよ。メイメイちゃん、モフモフアタック!」
「キャン」
「負けませんよ。今日こそもふもふの海を回避してみせます。はわわ~この手触り、この感触、気持ちくて、もうダメ~。スヤァ」
「ずるいぞナイアちゃん、私も~」
そんな感じで、私たちは楽しくしていたのですが急にメイメイが立ち上がって、周りをキョロキョロとした後、不安そうに鳴いて、私たちに背に乗るように促したのです。
「ヒーン。バフっ」
「どうしたのですかメイメイ?急に伏せるなんて」
「これは、僕ちゃんを背に乗せた時と同じだね。何か不安に感じてるのかも」
「ペコラ、そういうことなら乗りましょう。メイメイは賢い子です。何か察知したのかも知れません」
「そうだなナイアちゃん」
こうして、私たちがメイメイの背に乗ると、テントをそのままにして、森の奥へと駆け出し、そこからテントのあった方を見ていました。
「おい、何もいないじゃねぇか。リザードマンの女と獣人の女がいたんじゃなかったのかよ」
「これを見てみろ。火がまだ消えてない。慌てて逃げ出したんだろう。まだその辺りに居るはずだ。探すぞ」
その言葉の後にゾロゾロと人が現れて、その数が30人程になり、森のあちこちに向かって走り出したのです。
「メイメイ、早く逃げましょう」
「ナイアちゃん、ひょっとしたらこの状態は向こうには見えてないのかもしれない。そして、これはすごく変だよ。僕ちゃんが話をしているのにどうして、兵士の格好をした人が私たちのことを探す必要があるの?考えられるのは」
「まさか御主人様の身に何かあったと!?」
「その可能性が濃厚だよ。メイメイちゃんはきっとそのことにいち早く察知したんだ。だから、こうして、人質になりそうな私たちを助けたんだよ」
「成程、確かに王都を守らなければならないと御主人様から聞いている以上、こちらからその戦力を減らすことはできません。でもどうしますペコラ?」
「ここはメイメイちゃんを信じて、秘密裏に王都に入るしかないね。リーシアちゃんから知らせがないこともそうだけど、考えている以上にまずい状況かもしれない」
「わかりました。メイメイ、御主人様を追えますか?」
「キャン」
「良い返事です。では、メイメイ、駆けなさい!」
私の言葉を聞いて、メイメイが勢いよく王都に向かうと思ったのですが、爪で土を凄い勢いで掘り始めたのでした。
「この王を誑かそうとする悪魔め!お前には地下牢なんて生温い死罪が言い渡されるところだ。宰相様のお心遣いに感謝するのだな」
あのクソメガネ大臣がよりによって宰相かよ。
生きていた前王様の子供に実権を奪われることを危惧して、魔物と結託し子供の連れてきた妻を攫って、魔物に差し出すんだったよな。
これではっきりした魔物と通じてるのは、あのクソメガネだ。
だがそうなるとリーシアが心配だな。
何もなければ良いが。
「話もできぬか、このガキが!」
「おふっ」
衛兵の拳が鳩尾に決まり、俺は脚が崩れて情けない声を出して蹲る。
「どうした。王様を誑かそうとするなんて百万年早いんだよ。ボケが」
「殺されないことを宰相様に感謝しながらそこに入ってるんだな!」
乱暴に放り投げられて、鍵をガチャリとかける音が聞こえた。
---------------
トモカズ様と引き離されてしまいましたわ。
状況としては、最悪ですわね。
なんとかして、外にいるナイア様とペコラ様と連絡が取れれば良いのですが。
「ククク。お前は俺の元に戻ってくると言っただろう。残念だったな。今の王なら俺とお前の結婚を強引に進めてくれるさ。さて、久々に愛してやるとしよう」
「やめなさいこの外道!こんな勝ち方で嬉しいんですの?哀れですわね」
「なんとでも言うが良い。勝てば良いのだよ勝てば」
近付いてきたルカがいえクソメガネですわね。
私に触れて良いのは、トモカズ様だけですわ。
なんとかしませんと。
「抵抗もできまい。一つづつ服を剥いでいくのもまた面白いものだ。ククク」
こんな男に屈辱ですわ。
不感症だと思っていたのですがトモカズ様と交わるようになってから濡れやすくなってしまいましたの。
この勝ち誇った顔がムカつきますわ。
「なんだ!?このサキュバスのような紋様は、魔物に堕ちたかリーシア!」
「これは、トモ様から頂いた大事な印。私の身体はもうトモ様のモノなんですのよ!」
「だがこれではっきりした。あの男は大罪人として処刑してくれる!それもリーシア、お前の前でな!」
「この国で、そんなこと王様が許しませんわ!」
「普段の王であればな。俺をコケにし逆らうから悪いのだ。ただの村のガキが甥から熊を俺から女を奪った。許せると思うか?許せるわけがないだろう!」
「まさか、王様に何かしたんですの?」
「ククク。さぁな、だがもう少しでわかるんじゃないか」
「このクソメガネ、貴方こそ人ではありませんわ」
「そうかも知れんがそうしたのはお前だ。その紋様も消さなくてはな」
クソメガネがこの紋様を見て、何か影響を受けるかもしれないと手を出さずに立ち去ってくれたのは幸いですが、困りましたわね。
服は切り刻まれ、私は手足を縛られて、クソメガネの部屋に転がされて、トモカズ様は地下に幽閉だなんて、異常に気付いて2人が駆けつけてくれれば良いのですが。
今は、この窮地を切り抜けなければ、トモカズ様を救えませんものね。
--------------
王様に許可を貰ってくると御主人様が城に向かった後、ナイアとメイメイの元に戻っていました。
「メイメイ、こんなところで待たせてごめんね」
「クーン」
機嫌が悪くなくて良かった。
私は御主人様程、メイメイが何を言っているかはわかりません。
それでも私たちに頭を擦り寄せて来てくれるということは、待たされたことを怒っては居ないのでしょう。
「メイメイ、ナイアにモフモフアタックです!」
「キャン」
「メイメイちゃんにやられた~。アハハ、くすぐったいよぉ~。ナイアちゃんにお返しだよ。メイメイちゃん、モフモフアタック!」
「キャン」
「負けませんよ。今日こそもふもふの海を回避してみせます。はわわ~この手触り、この感触、気持ちくて、もうダメ~。スヤァ」
「ずるいぞナイアちゃん、私も~」
そんな感じで、私たちは楽しくしていたのですが急にメイメイが立ち上がって、周りをキョロキョロとした後、不安そうに鳴いて、私たちに背に乗るように促したのです。
「ヒーン。バフっ」
「どうしたのですかメイメイ?急に伏せるなんて」
「これは、僕ちゃんを背に乗せた時と同じだね。何か不安に感じてるのかも」
「ペコラ、そういうことなら乗りましょう。メイメイは賢い子です。何か察知したのかも知れません」
「そうだなナイアちゃん」
こうして、私たちがメイメイの背に乗ると、テントをそのままにして、森の奥へと駆け出し、そこからテントのあった方を見ていました。
「おい、何もいないじゃねぇか。リザードマンの女と獣人の女がいたんじゃなかったのかよ」
「これを見てみろ。火がまだ消えてない。慌てて逃げ出したんだろう。まだその辺りに居るはずだ。探すぞ」
その言葉の後にゾロゾロと人が現れて、その数が30人程になり、森のあちこちに向かって走り出したのです。
「メイメイ、早く逃げましょう」
「ナイアちゃん、ひょっとしたらこの状態は向こうには見えてないのかもしれない。そして、これはすごく変だよ。僕ちゃんが話をしているのにどうして、兵士の格好をした人が私たちのことを探す必要があるの?考えられるのは」
「まさか御主人様の身に何かあったと!?」
「その可能性が濃厚だよ。メイメイちゃんはきっとそのことにいち早く察知したんだ。だから、こうして、人質になりそうな私たちを助けたんだよ」
「成程、確かに王都を守らなければならないと御主人様から聞いている以上、こちらからその戦力を減らすことはできません。でもどうしますペコラ?」
「ここはメイメイちゃんを信じて、秘密裏に王都に入るしかないね。リーシアちゃんから知らせがないこともそうだけど、考えている以上にまずい状況かもしれない」
「わかりました。メイメイ、御主人様を追えますか?」
「キャン」
「良い返事です。では、メイメイ、駆けなさい!」
私の言葉を聞いて、メイメイが勢いよく王都に向かうと思ったのですが、爪で土を凄い勢いで掘り始めたのでした。
1
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
【BL】どうやら精霊術師として召喚されたようですが5分でクビになりましたので、最高級クラスの精霊獣と駆け落ちしようと思います。
riy
BL
風呂でまったりしている時に突如異世界へ召喚された千颯(ちはや)。
召喚されたのはいいが、本物の聖女が現れたからもう必要ないと5分も経たない内にお役御免になってしまう。
しかも元の世界へも帰れず、あろう事か風呂のお湯で流されてしまった魔法陣を描ける人物を探して直せと無茶振りされる始末。
別邸へと通されたのはいいが、いかにも出そうな趣のありすぎる館であまりの待遇の悪さに愕然とする。
そんな時に一匹のホワイトタイガーが現れ?
最高級クラスの精霊獣(人型にもなれる)×精霊術師(本人は凡人だと思ってる)
※コメディよりのラブコメ。時にシリアス。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~
かずきりり
ファンタジー
望んで異世界へと来たわけではない。
望んで召喚などしたわけでもない。
ただ、落ちただけ。
異世界から落ちて来た落ち人。
それは人知を超えた神力を体内に宿し、神からの「贈り人」とされる。
望まれていないけれど、偶々手に入る力を国は欲する。
だからこそ、より強い力を持つ者に聖女という称号を渡すわけだけれど……
中に男が混じっている!?
帰りたいと、それだけを望む者も居る。
護衛騎士という名の監視もつけられて……
でも、私はもう大切な人は作らない。
どうせ、無くしてしまうのだから。
異世界に落ちた五人。
五人が五人共、色々な思わくもあり……
だけれど、私はただ流れに流され……

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる