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2章 ゴブリン共の脅威から防衛せよ!
ゴブリンの繁殖力
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親父が急に現れたということは、どうやら今やられたみたいだ。
「さっきまで戦ってたのか?」
「うむ。どうやらトモカズが王都に向かってからすぐというわけではなく、初めのうちは、押し返せておったのだ」
親父が普通に話しているということは、真面目な話ということだ。
「ゴブリンを?」
「あぁ。それにしてもやられたわい。小鬼などというから赤鬼を想像していたが、身体付きは子供よりも小さい程度で緑色ときた。すばしっこく動いて弓矢の回避性能も高め。初めこそ。対策不足であろうゴブリンを押せたのだが。あの一際大きなゴブリンが現れてからは、一瞬であった。村の中に雪崩れ込まれあちこちで女性の悲鳴が聞こえ、まるで地獄絵図のようであった」
そうなんだよな。メイメイに乗ってる俺のことが見えるのは、ナイア・ペコラ・リーシアだけのはずなんだ。元々は誰にも見えなかったんだが3人が姿を見せている間に奇襲はできないかと考えた時にメイメイが鳴いて、次の瞬間には親父や村のみんなには見えてないのにナイア・ペコラ・リーシアには見えるようになってたんだよな。だから奇襲を考えたのにあのゴブリンは、まるで見えてるかのように俺の顔面に大きな棍棒、そうかあれ金棒か。で殴り潰されたんだよな。
「すまねぇ親父に辛い思いを」
「何、気にすんな。そういう未来にしねぇために与えられた力だろう。それに、勇者が闇堕ちするゲームだと知ってたら買わなかったんだがな。それにこんなエッチな」
「いや、違うから!ダクドラは、王道のロールプレイングゲームだから!タワーディフェンスでもなければ、こんなにエッチなゲームでもねぇよ!」
「そうなのか。すると、何か?勇者が闇堕ちしてしまったがために狂ってしまったということか?」
「そう考えて良いと思う」
「ふむぅ。そもそも対象年齢が全年齢だったしのぉ。で、今回から防衛箇所に王都が追加されたという認識で良いのか?」
「恐らく、魔王が同時攻めを行ったことからも間違いないかと」
「それにしてもゴブリンとは、そのなんだどこでも盛るのだな。まるでトモカズ。いや、息子と比べるのはやめておこう」
「聞こえてるよ親父。いや、ゴブリンがあんな行動をするのもなかったよ!そもそもそういうゲームじゃねぇし!」
「ふむぅ。ということはトモカズのゲーム知識も役に立たないと?」
「いや、ゴブリンには弱点があるんだ」
「ほぉ、弱点とな」
「あぁ、ゴブリンに限らずだが多くの魔物が聖属性の魔法に弱いんだ」
「性属性!?まぁ、あれだけエッチな魔物だからなそれもそうであろうな」
「いや何、勘違いしてんだ親父?聖なるの方の聖な」
「ん?勿論、わかっていたとも。トモカズのことを試したに決まっているだろう」
これは、素で間違えたな。親父が髪を掻く時は、バツが悪い時だ。こういう時は、優しく頷いておくのが大人の対応だ。
「そうか。勘違いして悪かったよ親父」
「分かれば良いのだ」
というかゴブリンが女を襲うとかファンタジー系の小説でしか見たことなかったから王道のRPGゲームのダクドラにも適応されるとかどうなってんだと言いたいが。この目で見た限り、女を苗床にして、繁殖するのがゴブリンというのは、間違いないのだ。
「で、トモカズよ。その聖なる魔法とやらに心当たりはあるのか?」
「いや、前回はただ時間を浪費しただけだからな正直、突破口すら掴めてないな」
こんなことなら前回、ナイアたちとめくるめく情欲の日々を過ごし、時間を浪費するんじゃなかったな。その結果が王都と村の同時攻めだったわけだから。でも、考え方によっては、村にはリザードマンしか来ないわけだから特に対策を新たにする必要はない。
「いや、村の対策は必要ないことはわかったから無駄ではなかったのか?」
「そういう考えは、できるかもしれんな。ということは、今回においては、この村でできることはないと言えるのかもしれんな。要は、この村のことはワシに任せて、トモカズは王都に篭って突破口を探せということじゃ」
「確かにそれが良さそうだな。親父、村のことは任せた」
「うむ」
しかし、そうするとまた奴隷の証が必要になる。あれ付けるの嫌なんだよなナイアもペコラも俺にとっては大事な妻候補なのだ。それにまたあのガキと出くわすと厄介だしな。いっそのこと王様に全てを話すとか。いや、待て、ガイルのやつが興味深いことを言ってた気がする。
確か『此度は人間の』だったか?
この言葉が意味するのは、なんだ?
此度は人間の協力者が居た?
だとすると敵も味方もわからない状態で迂闊に行動するのは、悪手か。でもなぁ。人間の裏切り者がいるとしたら1人心当たりがあるんだよなぁ。でもな、いくらなんでも女を取られただけで、大臣という地位を捨てかねないことしないよな?
とある一室の風景。
あのクソガキが、リーシアを奪っただけでは足りず、甥からは熊を奪い、この俺を散々コケにして、挙げ句の果てには、デストラク村にリザードマンが現れたことで、王の俺に対する信頼は落ちプライドはズタズタだ。この恨みを晴らすべく。こんな醜悪な奴と取引することになろうとは。しかし、この薬を使えば王を意のままに操れるか。あのようなフードを深く被った怪しげな商人の言葉など俄には信じられんが、あのクソガキから全てを取り戻すためと思えば不思議と受け入れられるものだ。
「さっきまで戦ってたのか?」
「うむ。どうやらトモカズが王都に向かってからすぐというわけではなく、初めのうちは、押し返せておったのだ」
親父が普通に話しているということは、真面目な話ということだ。
「ゴブリンを?」
「あぁ。それにしてもやられたわい。小鬼などというから赤鬼を想像していたが、身体付きは子供よりも小さい程度で緑色ときた。すばしっこく動いて弓矢の回避性能も高め。初めこそ。対策不足であろうゴブリンを押せたのだが。あの一際大きなゴブリンが現れてからは、一瞬であった。村の中に雪崩れ込まれあちこちで女性の悲鳴が聞こえ、まるで地獄絵図のようであった」
そうなんだよな。メイメイに乗ってる俺のことが見えるのは、ナイア・ペコラ・リーシアだけのはずなんだ。元々は誰にも見えなかったんだが3人が姿を見せている間に奇襲はできないかと考えた時にメイメイが鳴いて、次の瞬間には親父や村のみんなには見えてないのにナイア・ペコラ・リーシアには見えるようになってたんだよな。だから奇襲を考えたのにあのゴブリンは、まるで見えてるかのように俺の顔面に大きな棍棒、そうかあれ金棒か。で殴り潰されたんだよな。
「すまねぇ親父に辛い思いを」
「何、気にすんな。そういう未来にしねぇために与えられた力だろう。それに、勇者が闇堕ちするゲームだと知ってたら買わなかったんだがな。それにこんなエッチな」
「いや、違うから!ダクドラは、王道のロールプレイングゲームだから!タワーディフェンスでもなければ、こんなにエッチなゲームでもねぇよ!」
「そうなのか。すると、何か?勇者が闇堕ちしてしまったがために狂ってしまったということか?」
「そう考えて良いと思う」
「ふむぅ。そもそも対象年齢が全年齢だったしのぉ。で、今回から防衛箇所に王都が追加されたという認識で良いのか?」
「恐らく、魔王が同時攻めを行ったことからも間違いないかと」
「それにしてもゴブリンとは、そのなんだどこでも盛るのだな。まるでトモカズ。いや、息子と比べるのはやめておこう」
「聞こえてるよ親父。いや、ゴブリンがあんな行動をするのもなかったよ!そもそもそういうゲームじゃねぇし!」
「ふむぅ。ということはトモカズのゲーム知識も役に立たないと?」
「いや、ゴブリンには弱点があるんだ」
「ほぉ、弱点とな」
「あぁ、ゴブリンに限らずだが多くの魔物が聖属性の魔法に弱いんだ」
「性属性!?まぁ、あれだけエッチな魔物だからなそれもそうであろうな」
「いや何、勘違いしてんだ親父?聖なるの方の聖な」
「ん?勿論、わかっていたとも。トモカズのことを試したに決まっているだろう」
これは、素で間違えたな。親父が髪を掻く時は、バツが悪い時だ。こういう時は、優しく頷いておくのが大人の対応だ。
「そうか。勘違いして悪かったよ親父」
「分かれば良いのだ」
というかゴブリンが女を襲うとかファンタジー系の小説でしか見たことなかったから王道のRPGゲームのダクドラにも適応されるとかどうなってんだと言いたいが。この目で見た限り、女を苗床にして、繁殖するのがゴブリンというのは、間違いないのだ。
「で、トモカズよ。その聖なる魔法とやらに心当たりはあるのか?」
「いや、前回はただ時間を浪費しただけだからな正直、突破口すら掴めてないな」
こんなことなら前回、ナイアたちとめくるめく情欲の日々を過ごし、時間を浪費するんじゃなかったな。その結果が王都と村の同時攻めだったわけだから。でも、考え方によっては、村にはリザードマンしか来ないわけだから特に対策を新たにする必要はない。
「いや、村の対策は必要ないことはわかったから無駄ではなかったのか?」
「そういう考えは、できるかもしれんな。ということは、今回においては、この村でできることはないと言えるのかもしれんな。要は、この村のことはワシに任せて、トモカズは王都に篭って突破口を探せということじゃ」
「確かにそれが良さそうだな。親父、村のことは任せた」
「うむ」
しかし、そうするとまた奴隷の証が必要になる。あれ付けるの嫌なんだよなナイアもペコラも俺にとっては大事な妻候補なのだ。それにまたあのガキと出くわすと厄介だしな。いっそのこと王様に全てを話すとか。いや、待て、ガイルのやつが興味深いことを言ってた気がする。
確か『此度は人間の』だったか?
この言葉が意味するのは、なんだ?
此度は人間の協力者が居た?
だとすると敵も味方もわからない状態で迂闊に行動するのは、悪手か。でもなぁ。人間の裏切り者がいるとしたら1人心当たりがあるんだよなぁ。でもな、いくらなんでも女を取られただけで、大臣という地位を捨てかねないことしないよな?
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