転生したらオープニングで滅ぼされる村の子供?でした➖現代知識とゲーム知識とエッチな知識を駆使して生き残りたいと思います➖

揚惇命

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1章 死亡フラグを回避せよ

女神によって与えられたスキル

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 俺が女神様に向き直り話を聞こうとしたところで、親父が言葉を話す。

「先程は、こちらの世界の神とやらが失礼を働いて申し訳なかった。ワシもトモカズも神というものは信じておらん故、あのような態度であるが御容赦願いたい」

「いえいえ、お気遣い頂かなくて結構ですよ。貴方方はこの世界の救世主なのですから。どうかこの世界をお助けください!」

 女神が頭を下げる姿を見て、俺は気になったことを恐る恐る聞いてみる。

「あの不躾な質問で申し訳ないのですが、聞き間違いでなければ、先程勇者の産まれなくなった世界と言ってたと思うのですが、お間違いありませんか?」

「はい。先ずはその話からしなければなりませんね。突如として魔王の軍が勇者の故郷に進軍、旅立ちを控えていた勇者に成す術はなく惨殺されてしまったのです」

 ん?

 今女神様が話されたのは、確かダクドラの勇者の旅立ちのワンシーンだな。

 違うところがあるとすれば、勇者の身代わりとなって、幼馴染の女の子が殺されてしまい。プレイヤーの心がこの魔物ども許さんという没入感に引き込む良い演出なのだが。

 勇者が死んだとはどういうことだろうか?

「あの差し支えなければ、この世界の質問に答えていただきたいのですが、確か勇者様の身代わりとなって幼馴染の女の子が犠牲になるのでは無かったですか?」

「えぇ。よくご存知で。私があの女の子に神の啓示として御言葉を。勇者が死ぬのは何としても防がなければなりませんから」

「それはあまりにもエゴというものではないか?」

 聞いていた親父が神とは、なんと傲慢かと睨みながら言う。

「はぃ。ですから彼女には、この世界を見守る存在として、私の補佐をしてもらう予定だったのです。あの村で勇者を守れるのは彼女だけでしたから」

 ん?

 補佐をしてもらう予定だったということは、今現在補佐をしてもらっていないということだ。それは、幼馴染の女の子が死んでないか、もしくは勇者共々殺されて、見守る必要が無くなったかのどちらかだ。

「それは何故だ?」

「彼女には不思議な力がありまして、姿形をそっくりそのままコピーすることができるのです。まだ旅立ちもしていない弱い勇者を守るためには仕方のない措置だったのです。ですが心を痛めていないと思われているのでしたらそれは大きな間違いです。誰が可愛い我が子を殺すことなどできるでしょうか。この世界の民は等しく皆私の子供なのです。勇者が死ねば、沢山の民が魔王軍の犠牲となります。それだけは防がなければならなかったのです」

「成程な。其方の言い分は理解した」

 親父はまだ納得していない様子だったが一定の理解は示していた。

「失礼を承知でお聞きしますが、その話し方からすると勇者様の幼馴染の女の子は死んでいないのですか?」

「いえ、状況はもっと深刻です。彼女が勇者の身体を魔王に差し出したのです。その結果、勇者の心は闇へと染まり、暗黒騎士として彼女と共に魔王に服従したのです」

 えっ?

 要は、勇者が闇堕ちしだってことだよな?

 だとすれば暗黒勇者なのでは?

 何故、暗黒騎士なのだろうか?

「あの、勇者様が闇に堕ちたという認識で良いのですよね?」

「えぇ」

「なら暗黒勇者なのでは?どうして、暗黒騎士なのですか?」

「魔王を守る騎士となったから暗黒騎士です。それに彼女は、暗黒司祭となり暗黒騎士のサポートをしています」

「成程」

 まぁ確かに魔王の騎士になったのに暗黒勇者って言葉は妥当ではないか。

「女神様は、俺たちにこの世界を助けて欲しいと言いましたが具体的にはどうすれば良いのでしょうか?」

「王都エインヘリヤルを守り抜いて欲しいのです」

 成程、王道のRPGからTDになったってことか。

 TDとは、タワーディフェンスの略だ。

 タワーディフェンスとは、防衛ゲーム。即ち、拠点に人や物を配置して守るというゲームである。だが、守って欲しいのが王都エインヘリヤルで、この村ではないのだ。

「この村ではなく王都エインヘリヤルを守る?」

「正確には、魔王軍の侵攻から王都エインヘリヤルを守り抜き、反撃の機会を作り出して欲しいのです」

「うむ。要は、二足歩行の蜥蜴どもを追い払った時のようにすれば良いということか?」

「はい。その認識で構いません。そのために貴方方には一時的に勇者の死んでも蘇る力と役に立つんでスキルを付与しました」

 やっぱり異世界転生と言ったらこうでないとな。与えられたスキルについて、聞きたかったんだよな。まぁ、俺の予想では、淫紋かな。

「あの神とは別の力ということか?」

「はい。鍛治師モノノフの姿をされている貴方様には、あらゆる武器を作り出す鍛治スキルとどんな素材でも精錬できる精錬スキルと前世の記憶を読み取り、建築スキルを付与しました」

「ふむ。確かに知らぬ知識でも使いこなせていたのは認める。あの神よりは、よっぽど人のためになる神とみえる」

「俺は俺は!」

「トモの姿をされている貴方様には、職業をテイマーにさせていただくことで心を通わせた魔獣を仲間にできるようにいたしました」

「えっ?それだけ?」

「はい。貴方様には、その前世で突き詰められたモノがありませんでしたので、せめて職業をテイマーにして、魔獣を仲間にできるようにすることしかできなかったのです。どうやら前世でも動物が好きだったみたいですので、嬉しいかと。まさかお嫌でしたか?」

「いや、そんなことはないよ。だとしたら、リザードマンのナイア、兎の獣人であるペコラ、王都の天馬騎士団のリーシアのお腹に現れた紋様に説明が付かないんだよな。あれは一体」

「お腹に紋様!?それはひょっとして、こういうものですか?」

 女神様が見せてきたのはサキュバスのハート型の淫紋に天使のような翼が生えた、よく知る紋様だった。

「そうです!これです!」

「なんということでしょう。よもや、支配のスキルを増やしてしまっていたなんて。そのスキルの悪用だけはやめてくださいね。そのスキル、異性の相手なら誰でも虜にできるのです。それこそ相手の理想とする。その、あの、おち」

「おち?」

「相手の理想とするおちんちんになってしまうんです!そんな状態で、奥の奥に出されるとこの人以外なんであり得ないと刻まれてしまうんです。そして、それを刻まれたもの同士は心で会話することができると言いますがさっきの様子から使いこなしてますよね?」

「はい。でも、一回だけだと効果が薄くてですね。死んだ時に、忘れられていることが多かったんですが、死ぬのを何度も繰り返してるうちに、向こうの方が覚えているようになってまして」

「なんて事、隷属のスキルまで。あわわわわ。こんなことが知られてしまったら私は、くれぐれも守るためだけにそのスキルを利用してください!良いですね!」

「もっ勿論です。悪用なんてしません」

「その言葉を信じますよ。あっ、魔王のやつが勘付きました。トモカズにモノノブ、この世界のことを頼みますよ」

 最後に俺たちの名前を言って女神の姿が消えると止まっていた時が動き出したのである。

 俺に抱きつこうと動いていたナイアとペコラとリーシアは、そこに俺が居なかったため、3人揃って転び。

「「「どうして避けるんですか!?」」」

 と詰め寄られたのは言うまでもない。
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