24 / 102
1章 死亡フラグを回避せよ
今度こそループからの脱却を目指す
しおりを挟む
2人が記憶を取り戻した俺の肩筋に甘噛みという罰を与えている。
「御主人様~心配したんですから。これは罰です~」
「僕ちゃん、私に記憶を思い出させた責任取ってね。うっすらと覚えてた私と違って全く忘れてたことは許さないけどね」
2人とも加減はしてくれているがリザードマンと兎の獣人だ。
傷跡は残った。
「この傷跡を思い出して、自分の愚かさを恥じてください」
「うんうん。ナイアちゃんの言う通りだよ。お姉さんは、僕ちゃんがまた無茶をしないか心配だよ。ということで、今日からナイアちゃんと一緒に僕ちゃんの家でお世話になるね」
「アハハ、お手柔らかに頼むよ」
不思議と痛みはない。
寧ろ俺のためにこんなに心配してくれている人たちを残して、自死を選び諦めた並行世界の俺に沸々と怒りが込み上がってきた。
自分自身の事なので、怒ろうにも怒れないのだが。
そして、家に帰ってきたら当然の如く親父にゲンコツを喰らって、抱きしめられた。
「この親不孝者が!現世だけでなくこげんファンタジーの世界でもワシを1人にしようとしおって!でも、本当に記憶が戻って良かったわい。ガハハ」
笑っているが目からは涙が溢れている親父を見て、心配をかけたことを素直に謝る。
「ごめん親父。勝手に諦めたりなんかして、もう諦めない。どんなことになっても此処のみんなの運命を変える!」
「それでこそワシの息子じゃ。じゃが、事は簡単ではないぞ。堀に水を流すのは止めるとしてもじゃ。櫓を物理的に壊す部隊とあの盾兵を排除できなければ、あのループからは脱出できんじゃろう」
確かに親父の言う通りだ。
村まで逃げ切りリザードマンの部隊を迎え撃った並行世界での俺は、最初に死ぬ犠牲者としての運命は変えられたにしてもこの村と共に滅ぶ運命を変えることはできなかった。
その大きな原因は、大楯を持ちながら規律ある行動で、前進してきた部隊とその後ろに控えていた櫓を壊すぐらいの圧倒的力を発揮した部隊によって、村への侵入を許すこととなり滅んだのだ。
流石に弓で大楯を貫通するには至らなかった。
なら殺傷力をあげればどうにかなるのか?
いや、根本的に足りていないものがある騎兵隊だ。
歩兵を踏み潰すならやはり馬がいる。
しかし、馬を扱えるものが居ない。
いや正確には、あのヤンキー青年の一家のように密かに適性がある人はいるのだろうが、10人程度では全く意味がない。
親父もそれには思い至ったのだろう。
「うーむ騎兵が居れば、盾兵を踏み潰せるかもしれんがこの村で馬を取り扱っている奴らは居らん。そうじゃ!ワシは今から王都に頼まれた武器を作る。トモカズ、お前はそれを持って、王都に迎え。王都で助けてくれそうな騎兵隊を探すんじゃ。ここはワシ1人でも問題ないわい。子供にブーメラン、大人に弓とリザードマンの嬢ちゃんに教わる事は、なかったんじゃ。それに料理に関してもレシピを配ってくれればなんとかなるじゃろ」
親父はそんなことを言う。
確かにこの村でできることは前回やったので限界だとは思っている。
間違えた箇所があるとすれば、堀に水を流して、リザードマンたちの移動速度を上昇させてしまったことだ。
かといって、俺が王都に向かえば、展開が先に進んだと見なされて、進むことは無いだろうか?
「王都に私たち魔族は入れませんよ」
ナイアとペコラが口を揃えたように言うがそれに関してはアテがある。
変幻自在の玉の存在だ。
アレがあれば2人を人間の姿に変化させて、王都に潜入することはできる。
だが、これを手に入れるために日数がかかる。
なら、きえさりの実を使うか?
いや、効果が切れる直前に姿を見られれば、とんでもないことになる。
やはり、そうなると変幻自在の玉が必要不可欠だ。
それかもしくは2人を俺の奴隷って事にするか。
幸い王都では奴隷売買が横行している。
その中には、可愛らしい見た目をしているが獰猛な魔物が剥製用に買われたりしているのを知っている。
何故なら、イベントアイテムとして、キングベアーの剥製を求められるクエストがあるのだ。
このキングベアー、熊なのだがめちゃくちゃ可愛い、まぁ可愛いのは赤ちゃんの個体なのだが、それに名前も変わる。
しかし、その愛らしさがとんでもない。
だが、決して人には懐かず多くの人を食い殺したことから地獄の殺し屋と呼ばれている恐ろしい魔物だ。
俺は覚悟を決めて、ナイアとペコラに言う。
「2人とも俺の奴隷になってくれ!」
俺の唐突な言葉に目をまんまるとさせている2人とその横で、顔を強張らせている親父。
そこで俺はようやく言い方が悪かったと思った時には遅く、ナイアとペコラからはビンタ。
親父からはゲンコツが飛んできて、今こうして説明させられている。
「ふむぅ。成程のぉ。まぁ悪気はなかったようじゃがあの言い方はおなごに対して失礼じゃ」
「本当ですよ御主人様。まるで人を性奴隷みたいに。でも確かにその方法で王都に潜入する方が良いですね」
「僕ちゃん、お姉さんを本気で奴隷にしようとしてるのかと疑っちゃったよ。まぁ、確かにその方法なら私たちに危害を加えようとする人は居ないかもね。良いんじゃないかな」
「そうと決まれば、早速今から武器を仕上げる。明日には完成するじゃろ。前回より4日早いんじゃ。なんとか突破法を探してくるんじゃぞ」
「あぁ。村のことは親父に任せたよ」
「任されたわい」
こうして、俺はナイアとペコラの首に奴隷の象徴となる首輪を付けて、俺がその鎖をまた主人という感じで、3人で王都へと向かうのだった。
「御主人様~心配したんですから。これは罰です~」
「僕ちゃん、私に記憶を思い出させた責任取ってね。うっすらと覚えてた私と違って全く忘れてたことは許さないけどね」
2人とも加減はしてくれているがリザードマンと兎の獣人だ。
傷跡は残った。
「この傷跡を思い出して、自分の愚かさを恥じてください」
「うんうん。ナイアちゃんの言う通りだよ。お姉さんは、僕ちゃんがまた無茶をしないか心配だよ。ということで、今日からナイアちゃんと一緒に僕ちゃんの家でお世話になるね」
「アハハ、お手柔らかに頼むよ」
不思議と痛みはない。
寧ろ俺のためにこんなに心配してくれている人たちを残して、自死を選び諦めた並行世界の俺に沸々と怒りが込み上がってきた。
自分自身の事なので、怒ろうにも怒れないのだが。
そして、家に帰ってきたら当然の如く親父にゲンコツを喰らって、抱きしめられた。
「この親不孝者が!現世だけでなくこげんファンタジーの世界でもワシを1人にしようとしおって!でも、本当に記憶が戻って良かったわい。ガハハ」
笑っているが目からは涙が溢れている親父を見て、心配をかけたことを素直に謝る。
「ごめん親父。勝手に諦めたりなんかして、もう諦めない。どんなことになっても此処のみんなの運命を変える!」
「それでこそワシの息子じゃ。じゃが、事は簡単ではないぞ。堀に水を流すのは止めるとしてもじゃ。櫓を物理的に壊す部隊とあの盾兵を排除できなければ、あのループからは脱出できんじゃろう」
確かに親父の言う通りだ。
村まで逃げ切りリザードマンの部隊を迎え撃った並行世界での俺は、最初に死ぬ犠牲者としての運命は変えられたにしてもこの村と共に滅ぶ運命を変えることはできなかった。
その大きな原因は、大楯を持ちながら規律ある行動で、前進してきた部隊とその後ろに控えていた櫓を壊すぐらいの圧倒的力を発揮した部隊によって、村への侵入を許すこととなり滅んだのだ。
流石に弓で大楯を貫通するには至らなかった。
なら殺傷力をあげればどうにかなるのか?
いや、根本的に足りていないものがある騎兵隊だ。
歩兵を踏み潰すならやはり馬がいる。
しかし、馬を扱えるものが居ない。
いや正確には、あのヤンキー青年の一家のように密かに適性がある人はいるのだろうが、10人程度では全く意味がない。
親父もそれには思い至ったのだろう。
「うーむ騎兵が居れば、盾兵を踏み潰せるかもしれんがこの村で馬を取り扱っている奴らは居らん。そうじゃ!ワシは今から王都に頼まれた武器を作る。トモカズ、お前はそれを持って、王都に迎え。王都で助けてくれそうな騎兵隊を探すんじゃ。ここはワシ1人でも問題ないわい。子供にブーメラン、大人に弓とリザードマンの嬢ちゃんに教わる事は、なかったんじゃ。それに料理に関してもレシピを配ってくれればなんとかなるじゃろ」
親父はそんなことを言う。
確かにこの村でできることは前回やったので限界だとは思っている。
間違えた箇所があるとすれば、堀に水を流して、リザードマンたちの移動速度を上昇させてしまったことだ。
かといって、俺が王都に向かえば、展開が先に進んだと見なされて、進むことは無いだろうか?
「王都に私たち魔族は入れませんよ」
ナイアとペコラが口を揃えたように言うがそれに関してはアテがある。
変幻自在の玉の存在だ。
アレがあれば2人を人間の姿に変化させて、王都に潜入することはできる。
だが、これを手に入れるために日数がかかる。
なら、きえさりの実を使うか?
いや、効果が切れる直前に姿を見られれば、とんでもないことになる。
やはり、そうなると変幻自在の玉が必要不可欠だ。
それかもしくは2人を俺の奴隷って事にするか。
幸い王都では奴隷売買が横行している。
その中には、可愛らしい見た目をしているが獰猛な魔物が剥製用に買われたりしているのを知っている。
何故なら、イベントアイテムとして、キングベアーの剥製を求められるクエストがあるのだ。
このキングベアー、熊なのだがめちゃくちゃ可愛い、まぁ可愛いのは赤ちゃんの個体なのだが、それに名前も変わる。
しかし、その愛らしさがとんでもない。
だが、決して人には懐かず多くの人を食い殺したことから地獄の殺し屋と呼ばれている恐ろしい魔物だ。
俺は覚悟を決めて、ナイアとペコラに言う。
「2人とも俺の奴隷になってくれ!」
俺の唐突な言葉に目をまんまるとさせている2人とその横で、顔を強張らせている親父。
そこで俺はようやく言い方が悪かったと思った時には遅く、ナイアとペコラからはビンタ。
親父からはゲンコツが飛んできて、今こうして説明させられている。
「ふむぅ。成程のぉ。まぁ悪気はなかったようじゃがあの言い方はおなごに対して失礼じゃ」
「本当ですよ御主人様。まるで人を性奴隷みたいに。でも確かにその方法で王都に潜入する方が良いですね」
「僕ちゃん、お姉さんを本気で奴隷にしようとしてるのかと疑っちゃったよ。まぁ、確かにその方法なら私たちに危害を加えようとする人は居ないかもね。良いんじゃないかな」
「そうと決まれば、早速今から武器を仕上げる。明日には完成するじゃろ。前回より4日早いんじゃ。なんとか突破法を探してくるんじゃぞ」
「あぁ。村のことは親父に任せたよ」
「任されたわい」
こうして、俺はナイアとペコラの首に奴隷の象徴となる首輪を付けて、俺がその鎖をまた主人という感じで、3人で王都へと向かうのだった。
1
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女貞操逆転世界で、自己肯定感低めのお人好し男が、自分も周りも幸せにするお話
カムラ
ファンタジー
※下の方に感想を送る際の注意事項などがございます!
お気に入り登録は積極的にしていただけると嬉しいです!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あらすじ
学生時代、冤罪によってセクハラの罪を着せられ、肩身の狭い人生を送ってきた30歳の男、大野真人(おおのまさと)。
ある日仕事を終え、1人暮らしのアパートに戻り眠りについた。
そこで不思議な夢を見たと思ったら、目を覚ますと全く知らない場所だった。
混乱していると部屋の扉が開き、そこには目を見張るほどの美女がいて…!?
これは自己肯定感が低いお人好し男が、転生した男女貞操逆転世界で幸せになるお話。
※本番はまぁまぁ先ですが、#6くらいから結構Hな描写が増えます。
割とガッツリ性描写は書いてますので、苦手な方は気をつけて!
♡つきの話は性描写ありです!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
誤字報告、明らかな矛盾点、良かったよ!、続きが気になる! みたいな感想は大歓迎です!
どんどん送ってください!
逆に、否定的な感想は書かないようにお願いします。
受け取り手によって変わりそうな箇所などは報告しなくて大丈夫です!(言い回しとか、言葉の意味の違いとか)
作者のモチベを上げてくれるような感想お待ちしております!
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる