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1章 死亡フラグを回避せよ
建造物の正体
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親父に言われて、建造物の確認にやってきた。
そこには立派な弓櫓が建っていた。
「御主人様、この建物は何ですか?」
「流石、親父だよな。ここまで見事な櫓の数々を立てるなんてな。これが親父の言ってたことか」
「おぅ。現実世界でなら何日もかかるものがよ。こっちの世界では一瞬だってんだからこんなもん作っちまったぜ。ガハハ」
村に入る時にも見たから実は知ってたんだけど柵の設置、堀作り、橋までかけて、村を要塞化していた。
「魔物から村を守るんだからこれぐらいはしねぇとな。ガハハ。ちなみに橋は開閉式だからよ。水の中に入らないとこっちには来られないってんだ。ガハハ」
だが僕は堀に流された水を見て絶望していた。今回攻めてくるのはリザードマンなのだ。
リザードマンは水を無視して進める。
人のように水だから渡れないと埋め立てたりすることはない。
そのまま泳いで渡ってくる。
即ち、ここでの正解は堀には水を流さないである。
俺は親父に言う。
「残念だけど今回は悪手だ」
「御主人様はご存知でしたか。えぇ、リザードマンは水の中を歩けます。泳ぐのも得意です。いえ、逆に水の中でなら素早く動けます」
「へっ?ってことはこれは逆に首を絞めたってことかよい?」
「うん。橋のこちら側にも柵を設けるしかないかな」
「えぇ、御主人様のおっしゃる通りです。寧ろここに水を流さないで、落とし穴にした方がダメージを与えられたかと」
「すまねぇ。こうすることで畑も潤してやれるからよ。何も考えずに水を流しちまったぜ」
「いや、大丈夫だよ。寧ろ、俺たちは近付かれたら負けなんだ。ここを渡られた時点で俺たちの負けだよ。渡られる前にリザードマンを全滅させないと」
「えぇ、御主人様のおっしゃる通りです」
村人たちが弓を使えることはわかった。
後は、櫓の上から一方的に弓を打ち込んで、敵の侵入をどれだけ防げるかなのだ。
----------------
俺の名前はまだない。
強いていうならヤンキー青年だ。
いや、今後与えられると信じている。
えっ?
そんな予定はない?
なんとかしてくれよ。
出番もらえたんだからよ。
まぁ、それはさておき。
モノノフさんが楽しく何やら村の周りを柵で囲んで、四方八方に建造物を作って、外側の土を掘って、そこに水を流していた。
俺は何か面白いことが起こるんじゃないかと思って、楽しく見ていた。
まぁ、ちょっと俺のことを話しておこうか。
俺は肉屋の息子だ。
今日も狩りから帰ってきたところだ。
まぁ、狩りといっても罠を仕掛けて引っ掛かった動物を回収するだけなんだけどな。
そして、帰ってきたら今度はモノノフさんが新しい武器を作っていた。
ひねくれた曲がったデザインを俺はカッコいいと思っちまった。
だが、あんなのは見たことがない。
モノノフさんは王都の方から直に注文を受けるほどの鍛治師だ。
あれもきっと王都に治める武器なのだろう。
良いよな。
俺も使ってみてぇ。
完成するのをこうして、肉屋の前で売り子をやりながら見ていた。
そこにトモの奴が帰ってきた。
そうそう、アイツ両親を失って弟や妹のために金が必要で働いてんだ。
健気だよな。
だから俺も密かに応援してたんだが。
今はめちゃくちゃ嫉妬してる。
昨日、村に攻めてきたはずのリザードマンの女性を手懐けてしまったみたいで、昨日の夜は、それにしてもヤバかった。
俺もよ。
親父とお袋のを覗き見たことはあるけどよ。
そん時の声とは違って、街中にエロい声が響き渡るんだもんな。
どんなセックスしてんだよって、悶々として寝られなくなっちまった。
そんなこともあって寝不足だ。
えっ?
なんで、そのリザードマンが女だと気付いたかって?
そんなのみりゃわかるだろ。
いや、ちょっと見栄を張っちまったな。
昨日の時点では、俺もわからなかったよ。
勿論、でもよ。
今は明らかにわかる。
あんな爆乳、見たことねぇってんだぁぁぁぁぁぁぁぁ。
それにしてももう25にもなる俺がトモに先を越されるなんてよ。
何がって?
そんなのアッチに決まってるだろ。
はっきり言えって?
あぁそうだよ。
俺はまだ女性経験のない童貞だよ。
悪いかオラァ。
おっと口が悪くなっちまったな。
そんなトモがよ俺を呼ぶんだ。
大方、また高いところのものが取れなくて困ってんだろう。
仕方ねぇな。
いや、近くであのリザードマンの女性の胸をガン見したいからとかじゃねぇから。
断じてそうじゃねぇから。
だったらあわよくば、あの武器を触らせてもらおうと考えてるんじゃないかって、そそそそ、そんなことねぇよ。
断じてないない。
まぁ、その後、トモの言葉には驚いたし、モノノフさんもまさかこれを俺にくれるなんて思わなかった。
ただ宣伝してくれってことだから。
まずは、親父とお袋と弟と妹に勧めてるとこだ。
なんたってうちは狩りを生業としているからな。
これを使いこなせれれば、獲物が罠にかかっていない時の収入源を防げるかもしれねぇんだからよ。
まぁ、結果はこの通り、さすが俺の家族だよな。
全員興味津々で、早速モノノフさんに4つ注文したところだ。
そして、家族で狩りをしに来ているところだ。
こりゃあいい。
本当に獲物に向かって飛んで行く。
でも、あれだな風の影響とかをモロに受けるみてぇだな。
流されちまった。
その辺りは、何度も繰り返し掴むしかない。
せっかくいいものを貰ったんだから使いこなせるようにならないとな。
そこには立派な弓櫓が建っていた。
「御主人様、この建物は何ですか?」
「流石、親父だよな。ここまで見事な櫓の数々を立てるなんてな。これが親父の言ってたことか」
「おぅ。現実世界でなら何日もかかるものがよ。こっちの世界では一瞬だってんだからこんなもん作っちまったぜ。ガハハ」
村に入る時にも見たから実は知ってたんだけど柵の設置、堀作り、橋までかけて、村を要塞化していた。
「魔物から村を守るんだからこれぐらいはしねぇとな。ガハハ。ちなみに橋は開閉式だからよ。水の中に入らないとこっちには来られないってんだ。ガハハ」
だが僕は堀に流された水を見て絶望していた。今回攻めてくるのはリザードマンなのだ。
リザードマンは水を無視して進める。
人のように水だから渡れないと埋め立てたりすることはない。
そのまま泳いで渡ってくる。
即ち、ここでの正解は堀には水を流さないである。
俺は親父に言う。
「残念だけど今回は悪手だ」
「御主人様はご存知でしたか。えぇ、リザードマンは水の中を歩けます。泳ぐのも得意です。いえ、逆に水の中でなら素早く動けます」
「へっ?ってことはこれは逆に首を絞めたってことかよい?」
「うん。橋のこちら側にも柵を設けるしかないかな」
「えぇ、御主人様のおっしゃる通りです。寧ろここに水を流さないで、落とし穴にした方がダメージを与えられたかと」
「すまねぇ。こうすることで畑も潤してやれるからよ。何も考えずに水を流しちまったぜ」
「いや、大丈夫だよ。寧ろ、俺たちは近付かれたら負けなんだ。ここを渡られた時点で俺たちの負けだよ。渡られる前にリザードマンを全滅させないと」
「えぇ、御主人様のおっしゃる通りです」
村人たちが弓を使えることはわかった。
後は、櫓の上から一方的に弓を打ち込んで、敵の侵入をどれだけ防げるかなのだ。
----------------
俺の名前はまだない。
強いていうならヤンキー青年だ。
いや、今後与えられると信じている。
えっ?
そんな予定はない?
なんとかしてくれよ。
出番もらえたんだからよ。
まぁ、それはさておき。
モノノフさんが楽しく何やら村の周りを柵で囲んで、四方八方に建造物を作って、外側の土を掘って、そこに水を流していた。
俺は何か面白いことが起こるんじゃないかと思って、楽しく見ていた。
まぁ、ちょっと俺のことを話しておこうか。
俺は肉屋の息子だ。
今日も狩りから帰ってきたところだ。
まぁ、狩りといっても罠を仕掛けて引っ掛かった動物を回収するだけなんだけどな。
そして、帰ってきたら今度はモノノフさんが新しい武器を作っていた。
ひねくれた曲がったデザインを俺はカッコいいと思っちまった。
だが、あんなのは見たことがない。
モノノフさんは王都の方から直に注文を受けるほどの鍛治師だ。
あれもきっと王都に治める武器なのだろう。
良いよな。
俺も使ってみてぇ。
完成するのをこうして、肉屋の前で売り子をやりながら見ていた。
そこにトモの奴が帰ってきた。
そうそう、アイツ両親を失って弟や妹のために金が必要で働いてんだ。
健気だよな。
だから俺も密かに応援してたんだが。
今はめちゃくちゃ嫉妬してる。
昨日、村に攻めてきたはずのリザードマンの女性を手懐けてしまったみたいで、昨日の夜は、それにしてもヤバかった。
俺もよ。
親父とお袋のを覗き見たことはあるけどよ。
そん時の声とは違って、街中にエロい声が響き渡るんだもんな。
どんなセックスしてんだよって、悶々として寝られなくなっちまった。
そんなこともあって寝不足だ。
えっ?
なんで、そのリザードマンが女だと気付いたかって?
そんなのみりゃわかるだろ。
いや、ちょっと見栄を張っちまったな。
昨日の時点では、俺もわからなかったよ。
勿論、でもよ。
今は明らかにわかる。
あんな爆乳、見たことねぇってんだぁぁぁぁぁぁぁぁ。
それにしてももう25にもなる俺がトモに先を越されるなんてよ。
何がって?
そんなのアッチに決まってるだろ。
はっきり言えって?
あぁそうだよ。
俺はまだ女性経験のない童貞だよ。
悪いかオラァ。
おっと口が悪くなっちまったな。
そんなトモがよ俺を呼ぶんだ。
大方、また高いところのものが取れなくて困ってんだろう。
仕方ねぇな。
いや、近くであのリザードマンの女性の胸をガン見したいからとかじゃねぇから。
断じてそうじゃねぇから。
だったらあわよくば、あの武器を触らせてもらおうと考えてるんじゃないかって、そそそそ、そんなことねぇよ。
断じてないない。
まぁ、その後、トモの言葉には驚いたし、モノノフさんもまさかこれを俺にくれるなんて思わなかった。
ただ宣伝してくれってことだから。
まずは、親父とお袋と弟と妹に勧めてるとこだ。
なんたってうちは狩りを生業としているからな。
これを使いこなせれれば、獲物が罠にかかっていない時の収入源を防げるかもしれねぇんだからよ。
まぁ、結果はこの通り、さすが俺の家族だよな。
全員興味津々で、早速モノノフさんに4つ注文したところだ。
そして、家族で狩りをしに来ているところだ。
こりゃあいい。
本当に獲物に向かって飛んで行く。
でも、あれだな風の影響とかをモロに受けるみてぇだな。
流されちまった。
その辺りは、何度も繰り返し掴むしかない。
せっかくいいものを貰ったんだから使いこなせるようにならないとな。
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