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1章 死亡フラグを回避せよ
村人に武器の適正があるのか?
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ペコラの言葉も最もだ。
たった4人でリザードマンの部隊から村を守れるわけがない。
村人を戦えるようにするのは急務である。
だが、この世界は王道のRPGの世界だ。
NPCである村人に武器の適正があるのかどうか?
そこまで考えて、一つ思い当たる。
自分も子供、いや一応16歳なんだったか。
短剣を装備することができた。
即ち適正があるということだ。
ダクドラの世界では、職業によって装備できる武器と防具が変わる。
その中でも特殊なのが勇者だ。
勇者は全ての武器と防具を装備できる。
その代わり何かに特化するわけでなくバランスよく育つ。
所謂、やり込もうとすればするほど器用貧乏になりやすいのだ。
その点、職業が決まっている仲間は、特化させることができる。
圧倒的高い体力と力を持つ戦士。
魔法を使える代わりに打たれ弱い魔法使い。
味方を回復させる特技を数多く取得する僧侶。
高いスピードを活かして、2回攻撃や敵から物を盗むことができる盗賊。
初めは戦士よりも弱いがレベルが上がるごとに会心率が上がり覚醒する武闘家。
戦闘中に命令できない代わりにいろんな効果が発動する遊ぶという特殊行動を取る遊び人。
何の必要があるのかわからないが移動中に持っている武器・防具を鑑定できる商人。
大概の人は、戦士・武闘家・魔法使い・僧侶・盗賊の職業の仲間の中から3人を選んでパーティを作る。
戦士は両手武器や重装備ができる。
魔法使いと僧侶は打たれ弱い防御力を盛りたいのに装備できるのは、服やローブなどの重さが極端に少ない軽装備のみ。
武闘家は装備できる武器が槍・拳のみで装備も重装備はできず中装備だ。
盗賊は、短剣・片手剣などの二刀流ができ、2回攻撃ができるが威力が少し下がるが装備の中に2回行動可能な物があったりと優遇されている。
そう、僕はNPC村人なのに予備の短剣を含めて6本武器ポケットに差している。
きっと盗賊に設定されている気がする。
あくまで気がするだけで、わからない。
それにダクドラの世界には弓という武器が存在しないのだ。
村人が重い剣を装備できるだろうか?
全員が短剣しか装備できなければ、リーチの長い槍を装備できるリザードマンに勝ち目はない。
だって、こちらは歴戦の勇士の集まりではないのだから。
せめて槍を装備できなければ、敵に刺し殺されて終わりだろう。
そんなことを考えながら俺はペコラと別れて、ナイアと共に村へと戻った。
「トモカズ、無事やったか。どうだ?料理人の魔物とやらの懐柔は進んでんのか?」
「うん。そっちは大丈夫だよ」
「なんやなんや。高校生の時の暴れん坊の面が出てきたんとちゃうか?」
「そ、そ、そ、そんなことないよ。それにそんな昔のことほじくり返すなよ親父!」
「やっと本調子になってきたな。こっちの世界でのお前のことは知らん。けどな、ワシと2人の時は昔みたいに砕けた感じで話せ。親子やけんな」
「そうだな親父。心配かけて悪かった」
「おぅ。ところでよ。リザードマンってのは槍使うんやろ?そう思ってよ。こんなもんを作ったんやが村人含めて興味津々でよ。珍しいもんなんか?」
そう言って親父が取り出したのは弓だった。
そう親父も村人が戦う必要があるってことに思い至ったんだ。
そして、リーチが最も長い武器を作った。
それがこの弓ってことだ。
現代人だからこそ、この世界にない弓を作り出した。
そして、この弓はダクドラの世界には存在しない武器。
即ち、適正が関係なくとも装備できるのではないだろうか?
そう考えた俺は、1人の村人を呼んだ。
「おーい、そこの君、ちょっと来てくれないか?」
「トモじゃねぇか。どうした?また高いところにある物が取れねぇのか?仕方ねぇな。どれだ?」
「これを持って欲しいんだ」
俺から弓を渡された髪は金髪で、なんかチャラチャラした感じの若い男性は、目を丸くしていた。
「これって、さっきモノノフさんが作ってたやつか。興味はあったんだよな。このなんとも言えない曲がりくねったフォルム。良いじゃねぇか。ほんとに持ってみても良いのか?」
「うん」
俺はヤンキー青年に手渡した後、使い方のレクチャーをして、矢を飛ばせるか試してもらった。
「へぇ。そうやって使うもんなのか。これがあれば、狩りとかも楽できそうだよな。その的に当てれば良いんだな?やってやるよ」
ヤンキー青年が放った矢は、初めこそ的にすらかすらなかったが、何度も繰り返すのを見て、負けず嫌いだと思った。
その負けず嫌いの性格も幸いしたのだろう徐々に徐々に的の近くに行くようになり、的の端であるが当たることに成功するのだった。
「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、見たかトモ!」
「うん。凄いよ」
「おい、トモ。これ貰っても良いか?いや、買わせてくれ。モノノフさん、これはいくらなんだ?」
「べらぼうめ。試供品を売れるわけねぇだろうが。タダで良い。その代わり、村人に広めてくれってんだ」
「おっおぅ。なんかトモもモノノフさんも少しおかしい気がするけど。わかった広めるぜ」
ヤンキー青年が弓を持ってその場を後にする。
その目がチラチラとナイアの胸に行ってたのは、まぁ何も言わない。
こんな立派な胸だもんな。
見ちまうのも無理はない。
この村の成人男性の何人がこの胸にやられてるのだろう。
ナイアの胸はなんたって、破壊力抜群なんだよな。
「御主人様、あの武器は何ですか?見たことないのですが」
「弓と言って、槍よりも遠くから攻撃できるけど近付かれると攻撃できないっていう。メリットとデメリットがあって、使いにくい武器ではあるんだけど。あの弓の真骨頂は防衛戦において1番力を発揮するところなんだ」
「えぇ、あれならリザードマンにも対抗できるかもしれません。ですがリザガイルを侮らないことです。あの方は、魔王様の洗礼を受けた猛将中の猛将なのですから」
「まぁ、これだけで勝てるとは思ってない。これと後、もう一つを組み合わせることで」
「おぅ。そっちの準備ももうできてるべ」
親父も向こうの世界の人間だし、親父はなんたって戦国時代が1番好きなんだ。
なら勿論、弓と組み合わせることで最大の威力を発揮する建造物の準備をしていないわけがなかった。
次は、そちらの確認に向かうのだった。
たった4人でリザードマンの部隊から村を守れるわけがない。
村人を戦えるようにするのは急務である。
だが、この世界は王道のRPGの世界だ。
NPCである村人に武器の適正があるのかどうか?
そこまで考えて、一つ思い当たる。
自分も子供、いや一応16歳なんだったか。
短剣を装備することができた。
即ち適正があるということだ。
ダクドラの世界では、職業によって装備できる武器と防具が変わる。
その中でも特殊なのが勇者だ。
勇者は全ての武器と防具を装備できる。
その代わり何かに特化するわけでなくバランスよく育つ。
所謂、やり込もうとすればするほど器用貧乏になりやすいのだ。
その点、職業が決まっている仲間は、特化させることができる。
圧倒的高い体力と力を持つ戦士。
魔法を使える代わりに打たれ弱い魔法使い。
味方を回復させる特技を数多く取得する僧侶。
高いスピードを活かして、2回攻撃や敵から物を盗むことができる盗賊。
初めは戦士よりも弱いがレベルが上がるごとに会心率が上がり覚醒する武闘家。
戦闘中に命令できない代わりにいろんな効果が発動する遊ぶという特殊行動を取る遊び人。
何の必要があるのかわからないが移動中に持っている武器・防具を鑑定できる商人。
大概の人は、戦士・武闘家・魔法使い・僧侶・盗賊の職業の仲間の中から3人を選んでパーティを作る。
戦士は両手武器や重装備ができる。
魔法使いと僧侶は打たれ弱い防御力を盛りたいのに装備できるのは、服やローブなどの重さが極端に少ない軽装備のみ。
武闘家は装備できる武器が槍・拳のみで装備も重装備はできず中装備だ。
盗賊は、短剣・片手剣などの二刀流ができ、2回攻撃ができるが威力が少し下がるが装備の中に2回行動可能な物があったりと優遇されている。
そう、僕はNPC村人なのに予備の短剣を含めて6本武器ポケットに差している。
きっと盗賊に設定されている気がする。
あくまで気がするだけで、わからない。
それにダクドラの世界には弓という武器が存在しないのだ。
村人が重い剣を装備できるだろうか?
全員が短剣しか装備できなければ、リーチの長い槍を装備できるリザードマンに勝ち目はない。
だって、こちらは歴戦の勇士の集まりではないのだから。
せめて槍を装備できなければ、敵に刺し殺されて終わりだろう。
そんなことを考えながら俺はペコラと別れて、ナイアと共に村へと戻った。
「トモカズ、無事やったか。どうだ?料理人の魔物とやらの懐柔は進んでんのか?」
「うん。そっちは大丈夫だよ」
「なんやなんや。高校生の時の暴れん坊の面が出てきたんとちゃうか?」
「そ、そ、そ、そんなことないよ。それにそんな昔のことほじくり返すなよ親父!」
「やっと本調子になってきたな。こっちの世界でのお前のことは知らん。けどな、ワシと2人の時は昔みたいに砕けた感じで話せ。親子やけんな」
「そうだな親父。心配かけて悪かった」
「おぅ。ところでよ。リザードマンってのは槍使うんやろ?そう思ってよ。こんなもんを作ったんやが村人含めて興味津々でよ。珍しいもんなんか?」
そう言って親父が取り出したのは弓だった。
そう親父も村人が戦う必要があるってことに思い至ったんだ。
そして、リーチが最も長い武器を作った。
それがこの弓ってことだ。
現代人だからこそ、この世界にない弓を作り出した。
そして、この弓はダクドラの世界には存在しない武器。
即ち、適正が関係なくとも装備できるのではないだろうか?
そう考えた俺は、1人の村人を呼んだ。
「おーい、そこの君、ちょっと来てくれないか?」
「トモじゃねぇか。どうした?また高いところにある物が取れねぇのか?仕方ねぇな。どれだ?」
「これを持って欲しいんだ」
俺から弓を渡された髪は金髪で、なんかチャラチャラした感じの若い男性は、目を丸くしていた。
「これって、さっきモノノフさんが作ってたやつか。興味はあったんだよな。このなんとも言えない曲がりくねったフォルム。良いじゃねぇか。ほんとに持ってみても良いのか?」
「うん」
俺はヤンキー青年に手渡した後、使い方のレクチャーをして、矢を飛ばせるか試してもらった。
「へぇ。そうやって使うもんなのか。これがあれば、狩りとかも楽できそうだよな。その的に当てれば良いんだな?やってやるよ」
ヤンキー青年が放った矢は、初めこそ的にすらかすらなかったが、何度も繰り返すのを見て、負けず嫌いだと思った。
その負けず嫌いの性格も幸いしたのだろう徐々に徐々に的の近くに行くようになり、的の端であるが当たることに成功するのだった。
「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、見たかトモ!」
「うん。凄いよ」
「おい、トモ。これ貰っても良いか?いや、買わせてくれ。モノノフさん、これはいくらなんだ?」
「べらぼうめ。試供品を売れるわけねぇだろうが。タダで良い。その代わり、村人に広めてくれってんだ」
「おっおぅ。なんかトモもモノノフさんも少しおかしい気がするけど。わかった広めるぜ」
ヤンキー青年が弓を持ってその場を後にする。
その目がチラチラとナイアの胸に行ってたのは、まぁ何も言わない。
こんな立派な胸だもんな。
見ちまうのも無理はない。
この村の成人男性の何人がこの胸にやられてるのだろう。
ナイアの胸はなんたって、破壊力抜群なんだよな。
「御主人様、あの武器は何ですか?見たことないのですが」
「弓と言って、槍よりも遠くから攻撃できるけど近付かれると攻撃できないっていう。メリットとデメリットがあって、使いにくい武器ではあるんだけど。あの弓の真骨頂は防衛戦において1番力を発揮するところなんだ」
「えぇ、あれならリザードマンにも対抗できるかもしれません。ですがリザガイルを侮らないことです。あの方は、魔王様の洗礼を受けた猛将中の猛将なのですから」
「まぁ、これだけで勝てるとは思ってない。これと後、もう一つを組み合わせることで」
「おぅ。そっちの準備ももうできてるべ」
親父も向こうの世界の人間だし、親父はなんたって戦国時代が1番好きなんだ。
なら勿論、弓と組み合わせることで最大の威力を発揮する建造物の準備をしていないわけがなかった。
次は、そちらの確認に向かうのだった。
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