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1章 第六天魔王、異世界に降り立つ
2話 日の本とは別世界だった
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よくわからない異国の地に輪廻転生した織田信長であったが、先ずは成長して読み書きができるようになることが急務だと考え、聞こえる言葉、目にする文字を覚えようと神経を尖らせる。
どんな言葉も聞き逃さずどんな文字も見逃さず。
そして、一つわかったことは、バテレンの宣教師たちの話していた言語によく似ているということだった。
確かバテレンのルイス・フロイスであったか?
奴の話していた言葉に似ておるな。
ところでワシの名前なのだが何の因果かワシの通称であった三郎に似た発音でサブローとなった。
そして、もう一つわかったこともある。
どうやらワシの両親は、貴族といって、位が高いらしい。
サブロー・ハインリッヒ、それがワシの新たな名前である。
ハインリッヒと言うのは、日の本で言う苗字みたいなものだ。
ハインリッヒ家のサブローと言われれば、ワシのことと思ってもらえれば良い。
そして、ワシの住むこの小さな郡の名前なのだがこれも何の因果か知らぬがオダ郡というらしい。
まぁ、その分愛着は沸くのじゃがな。
~~~~~3年後~~~~~
3年も経つと言葉もわかり文字もそれなりにかけるようになるものじゃ。
そして、この頃からこの辺りの地図や歴史を読み漁った結果、ここはワシの住む国と全く別の世界であることがわかった。
ヴァルシュラ大陸というらしい。
このヴァルシュラ大陸には7つの国があり、戦争が絶えないそうじゃ。
1番北に遊牧民を中心に最大勢力を誇るノルマディック王国。
ノルマディック王国に接する魔法大国のマジカル王国。
マジカル王国とノルマディック王国に接する騎士国家のガルディアン王国。
マジカル王国とガルディアン王国に接していて、最も小さい島国、アイランド公国。
このアイランド公国がワシの住む国らしい。
この他に3つの国があるようじゃがここにある資料では詳しくは、わからなかった。
弓の扱いと高度な魔法に長ける耳の長い者たちの国。
力と物作りの技術は並ぶものがないと言われている小人ばかりが住む国。
見た目は人間でありながら獣のような耳と尻尾を持つ集団と古の龍を彷彿とさせる姿をした人間が治める国があるそうだ。
どうやら彼らをまとめて亜人族というらしく、それらの国の情報は、この程度しか書かれていなかったのだ。
そして、ワシの住むアイランド公国を取り巻く環境であるがハッキリ言うとかなり悪い。
アイランド公国を治めるルードヴィッヒ14世は、騎士王国のガルディアン王国と同盟を結んでいるようだが、とても対等な同盟とは言えない。
ガルディアン王国の従属国としての扱いなのである。
これで、国として維持していると言えるのかは全く理解できぬが。
そのため度重なるマジカル王国との戦によって、疲弊している。
このままでは近い未来アイランド公国は滅びの道を辿ることとなろう。
やれやれ、輪廻転生してまで、すぐに死にたくはない。
必死に生きてこそ、その生涯は光を放つ。
ならばワシがやるしかなかろう。
そのためには、人材発掘が急務じゃ。
そんなことを考えていた信長の部屋をノックする音が聞こえる。
「入るが良い」
「失礼する。ここに居られましたか若。探しましたぞ。また、書斎にて本を読みあさっておられたのですかな?マリー、居るのはわかっている」
「はわわわわ。ロー様、すみません、すみません、すみません」
ワシのことを威厳のある声で若と呼ぶのは、父のロルフがワシの傅役に付けてくれた。
銀髪のオールバックで至る所に戦傷があり、筋肉隆々のロー・レイヴァンド。
祖父の代から戦に出続けている猛将だ。
といっても35歳じゃ。
この国は戦続きで、当主の討ち死になど日常茶飯事だ。
だから男児は持ち上げられて、甘やかされる。
甘やかされて育った子供が戦時で生き抜くことなどできると思うか?
答えは否じゃ。
その中で、祖父の代から生き抜いているこの男がどれだけ優秀かよくわかるであろう。
ワシは親しみを込めてロー爺と呼んでいる。
その度に、ワシがうつけと言われても信じて、その振る舞いが間違っていれば叱りつけ、ワシのためにその命をも差し出した平手政秀のことを思い出すのじゃが。
此奴の性格は、アヤツそっくりじゃ。
このワシのことを思って、厳しく接してくれる。
此奴には政秀のようになっては欲しくないものじゃ。
アヤツ程、家を取りまとめるのに長けていた男はおらんかったからの。
そのロー爺に怒られているのは、父がワシにあてがったメイドというワシの身の回りの世話をしてくれているマリーという女じゃ。
この世界、兎に角、上下社会が厳しい。
領主→貴族→士族→商人→職人→農民→女→奴隷といった感じで徹底されている。
だが女の扱いまでは、まぁ許容範囲と言えなくもないがその下の奴隷の扱いはとても酷いものじゃ。
元の名は捨て去られ、戦では逃げることを許されない最前線の人盾として使われる。
人を盾に使うなど何を考えておるのかワシには全く理解できん。
奴隷と聞くたびにバテレンのクソみたいな宣教師どものことを思い出す。
奴らの目的は布教などと言っておきながらその実は日本の女子供を拉致することであった。
それらから守るためワシは奴らの布教を認める代わりに条件を出した。
およそ人の所業とは思えなことをすれば、覚悟せよとな。
その頃には、ワシは神や仏も恐れぬ第六天魔王と恐れられておったからな。
大いに役に立った肩書きであったわ。
いかんいかん。
脱線してしもうたな。
マリーも例外ではない。
メイドというのは元奴隷が多い。
このマリーもそうじゃが女の方がまだマシな扱いと言える。
こうして、名を与えられるほどにはな。
さて、マリーの容姿じゃがかつて日の本でバテレンが持ってきた丸眼鏡なるものを付けて、髪を後ろで束ねて結び、白く透き通る肌。
鼻は高くて、唇はぷるぷる。
フリフリの服と服が汚れないための前掛け。
この世界ではエプロンというのであったか?
そういうのを付けておる。
「ロー爺、そう怒ってくれるな。マリーはワシに付き合ったまでじゃ。それにしてもロー爺がワシを探しておったということは、稽古の時間であったか?」
「まぁ、マリーの件は、いつも通り目を瞑っておきましょう」
「ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます」
しきりにペコペコと頭を下げるマリー。
「ロー爺、いつもすまないな。では、練兵場に参るとするか。今日こそは一本取らせてもらうぞ」
「まだまだ若には負けられませんな」
「マリー、書斎の片付けは任せたぞ」
「はい。かしこまりました若様」
マリーをその場に残して、ワシはロー爺と練兵場へと向かった。
どんな言葉も聞き逃さずどんな文字も見逃さず。
そして、一つわかったことは、バテレンの宣教師たちの話していた言語によく似ているということだった。
確かバテレンのルイス・フロイスであったか?
奴の話していた言葉に似ておるな。
ところでワシの名前なのだが何の因果かワシの通称であった三郎に似た発音でサブローとなった。
そして、もう一つわかったこともある。
どうやらワシの両親は、貴族といって、位が高いらしい。
サブロー・ハインリッヒ、それがワシの新たな名前である。
ハインリッヒと言うのは、日の本で言う苗字みたいなものだ。
ハインリッヒ家のサブローと言われれば、ワシのことと思ってもらえれば良い。
そして、ワシの住むこの小さな郡の名前なのだがこれも何の因果か知らぬがオダ郡というらしい。
まぁ、その分愛着は沸くのじゃがな。
~~~~~3年後~~~~~
3年も経つと言葉もわかり文字もそれなりにかけるようになるものじゃ。
そして、この頃からこの辺りの地図や歴史を読み漁った結果、ここはワシの住む国と全く別の世界であることがわかった。
ヴァルシュラ大陸というらしい。
このヴァルシュラ大陸には7つの国があり、戦争が絶えないそうじゃ。
1番北に遊牧民を中心に最大勢力を誇るノルマディック王国。
ノルマディック王国に接する魔法大国のマジカル王国。
マジカル王国とノルマディック王国に接する騎士国家のガルディアン王国。
マジカル王国とガルディアン王国に接していて、最も小さい島国、アイランド公国。
このアイランド公国がワシの住む国らしい。
この他に3つの国があるようじゃがここにある資料では詳しくは、わからなかった。
弓の扱いと高度な魔法に長ける耳の長い者たちの国。
力と物作りの技術は並ぶものがないと言われている小人ばかりが住む国。
見た目は人間でありながら獣のような耳と尻尾を持つ集団と古の龍を彷彿とさせる姿をした人間が治める国があるそうだ。
どうやら彼らをまとめて亜人族というらしく、それらの国の情報は、この程度しか書かれていなかったのだ。
そして、ワシの住むアイランド公国を取り巻く環境であるがハッキリ言うとかなり悪い。
アイランド公国を治めるルードヴィッヒ14世は、騎士王国のガルディアン王国と同盟を結んでいるようだが、とても対等な同盟とは言えない。
ガルディアン王国の従属国としての扱いなのである。
これで、国として維持していると言えるのかは全く理解できぬが。
そのため度重なるマジカル王国との戦によって、疲弊している。
このままでは近い未来アイランド公国は滅びの道を辿ることとなろう。
やれやれ、輪廻転生してまで、すぐに死にたくはない。
必死に生きてこそ、その生涯は光を放つ。
ならばワシがやるしかなかろう。
そのためには、人材発掘が急務じゃ。
そんなことを考えていた信長の部屋をノックする音が聞こえる。
「入るが良い」
「失礼する。ここに居られましたか若。探しましたぞ。また、書斎にて本を読みあさっておられたのですかな?マリー、居るのはわかっている」
「はわわわわ。ロー様、すみません、すみません、すみません」
ワシのことを威厳のある声で若と呼ぶのは、父のロルフがワシの傅役に付けてくれた。
銀髪のオールバックで至る所に戦傷があり、筋肉隆々のロー・レイヴァンド。
祖父の代から戦に出続けている猛将だ。
といっても35歳じゃ。
この国は戦続きで、当主の討ち死になど日常茶飯事だ。
だから男児は持ち上げられて、甘やかされる。
甘やかされて育った子供が戦時で生き抜くことなどできると思うか?
答えは否じゃ。
その中で、祖父の代から生き抜いているこの男がどれだけ優秀かよくわかるであろう。
ワシは親しみを込めてロー爺と呼んでいる。
その度に、ワシがうつけと言われても信じて、その振る舞いが間違っていれば叱りつけ、ワシのためにその命をも差し出した平手政秀のことを思い出すのじゃが。
此奴の性格は、アヤツそっくりじゃ。
このワシのことを思って、厳しく接してくれる。
此奴には政秀のようになっては欲しくないものじゃ。
アヤツ程、家を取りまとめるのに長けていた男はおらんかったからの。
そのロー爺に怒られているのは、父がワシにあてがったメイドというワシの身の回りの世話をしてくれているマリーという女じゃ。
この世界、兎に角、上下社会が厳しい。
領主→貴族→士族→商人→職人→農民→女→奴隷といった感じで徹底されている。
だが女の扱いまでは、まぁ許容範囲と言えなくもないがその下の奴隷の扱いはとても酷いものじゃ。
元の名は捨て去られ、戦では逃げることを許されない最前線の人盾として使われる。
人を盾に使うなど何を考えておるのかワシには全く理解できん。
奴隷と聞くたびにバテレンのクソみたいな宣教師どものことを思い出す。
奴らの目的は布教などと言っておきながらその実は日本の女子供を拉致することであった。
それらから守るためワシは奴らの布教を認める代わりに条件を出した。
およそ人の所業とは思えなことをすれば、覚悟せよとな。
その頃には、ワシは神や仏も恐れぬ第六天魔王と恐れられておったからな。
大いに役に立った肩書きであったわ。
いかんいかん。
脱線してしもうたな。
マリーも例外ではない。
メイドというのは元奴隷が多い。
このマリーもそうじゃが女の方がまだマシな扱いと言える。
こうして、名を与えられるほどにはな。
さて、マリーの容姿じゃがかつて日の本でバテレンが持ってきた丸眼鏡なるものを付けて、髪を後ろで束ねて結び、白く透き通る肌。
鼻は高くて、唇はぷるぷる。
フリフリの服と服が汚れないための前掛け。
この世界ではエプロンというのであったか?
そういうのを付けておる。
「ロー爺、そう怒ってくれるな。マリーはワシに付き合ったまでじゃ。それにしてもロー爺がワシを探しておったということは、稽古の時間であったか?」
「まぁ、マリーの件は、いつも通り目を瞑っておきましょう」
「ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます」
しきりにペコペコと頭を下げるマリー。
「ロー爺、いつもすまないな。では、練兵場に参るとするか。今日こそは一本取らせてもらうぞ」
「まだまだ若には負けられませんな」
「マリー、書斎の片付けは任せたぞ」
「はい。かしこまりました若様」
マリーをその場に残して、ワシはロー爺と練兵場へと向かった。
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