魔族に転生したので魔族の頂点を目指したいと思います!

揚惇命

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最終章 第三幕

第2話 首脳会談

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 魔王軍を跳ね返した各国の首脳を一同に集めて、やり取りを行なった。場所の提供を担ってくれたのは、ドラグーン飛空挺団のデュラハムであった。そして、クラフト共和国のバトルシップで初の会談が行われた。
「お集まりいただき感謝します。改めて自己紹介をしましょう。魔頂村で村長を務めておりますクレオ・ヴラッドです。この度は場所の提供をしてくださったデュラハム殿、魔王軍を跳ね返してすぐにお呼びしたお疲れの皆々様、集まってくださりありがとうございます」
「ほぅお主がピレネの言っていたクレオ殿か。いや、面白いものを作ると聞いた。今後は、技術の相互提供とかもしていきたいと考えておる。クラフト共和国を束ねているガンテツ・スミスだ。ガンテツのおっさんと呼んでくれ。ガッハッハ」
「ドラグーン飛空挺団で党首を務めているデュラハムだ。今回は場所の提供をさせてもらった。皆様、よろしくお願いする」
「次は私ね。エルフェアリーナ王国の女王エイミー・オフィーリアよ。クレオちゃんの大叔母にあたるの。クレオちゃん、救援ありがとね。もう帰ってもらったからこの会談が終わる頃には魔頂村に着いてると思うわよ」
「吸血鬼軍の党首レオンダイト・ヴラッド。クレオの父にあたります。息子の要請に応じてくださった皆々様に感謝いたします。クレオ、お前の救援のおかげでなんとか吸血鬼軍は壊滅を免れた。感謝する」
「次は我だな。枝垂桜海洋国家で盟主をしている織田武である。クラフト共和国の技術提供について、賛成じゃ。枝垂桜海洋国家も技術を今後は提供しようぞ」
「次は俺の番ですね。ビースト連合の党首に就任したウルフメンです。新参者ですがよろしくお願いいたします」
「あっ俺の番か。新生ランスホース帝国の国王に就いたアーサー・クラウンだ。父の名を汚さぬように励むつもりだ。皆々様、よろしく頼む。クレオ、ランスホース帝国を取り返すことができたのはお前の救援のおかげだ。感謝する」
「リグレスト国の国王に就任した。ザイールだ。これからよろしくたのむ」
「セイント教の法皇に就任したティメールです。皆々様、よろしくお願いいたします」
 自己紹介が終わり、織田武はティメールに話しかけていた。
「ほぅ、剣聖ティタンが法皇になっていたとはな」
「織田殿とは昔何度か手合わせ致しましたね」
「ハハハ。まっこと恐ろしき女子じゃった」
「あら、そんなに恐ろしかったかしら」
「わかった。ワシが悪かったからその覇気を降ろせ」
「フフフ」
 ガンテツは僕のところに来て、妻の昔のことを聞きたがっていた。
「クレオ殿には妻のピレネが昔世話になったと。その頃の妻はどうでしたか?」
「どうでしたかとは?」
「あの頃の妻はフロード工業の男性と結婚しておりましてな。その様子とかそのどうであったか」
「気になっているんですね。普通だったと思います。厳しくホビット語を教えていただきました」
「そうですか。妻の旦那とは妻のことを取り合った仲でしてな。負けたワシはもう結婚せんと独身を貫いておったのじゃがジャックスのやつが商人たちの護衛として出かけた矢先、魔王の襲撃を受けましてな。女共は奴隷として連れて行かれ、ジャックスのやつも殺されてしまった。クレオ殿とお会いした時はそんな時期だったのです」
「そんな辛いことが」
「えぇ、ですが帰ってきたピレネはワシの元に来て再婚を願い出たのです。そして、こう言ったのです。『とても面白い男の子に会ったの。その子は忌御子として産まれたのに自分のことを誇らしく思っていた。そして勉強熱心で不思議な魅力を持っていた。そんな彼を見て、私も立ち直らないとって。それにいつまでも主人のことを引きずっていられません。それに子供が欲しくなりました。そして思ったのです。主人と私のことを取り合った貴方の元に行くのなら主人も許してくれるんじゃないかって』とな。ワシは嬉しかった。ずっと想い続けてきたピレネがワシの元にきてくれたのじゃ。そしてすぐに子供に恵まれた。その子はな。忌御子じゃった。ワシの残念そうな顔を見た妻はな。こう言ったんじゃよ。『私が昔世話した男の子のことを話したことがあったわよね。その子はね。忌御子について、こう言っていたの。別の種族同士の愛の結晶なんじゃないかって。ねっこの子も一緒。私とアナタの血が綺麗に混ざってるのよ。可愛い』ってな。ワシは目が覚めた。そして、ずっと御礼を言いたかったのじゃが出会う機会がなかったものでな。感謝しておる」
「そこにも救われた方が居たんだね。こちらこそ貴重なお話を聞かせていただきありがとうございます。これから頼りにしております」
「うむ」
 そしてクレオは皆に向き直ると議題を話し始める。
「この度皆様に集まって頂いたのは、魔王国への逆侵攻を考えています。そのために皆様には魔王軍の兵を引きつけてもらいたいのです。魔王軍の総数は300万、今回侵攻した兵数は100万。魔頂村の総数は準備できて50万。150万の兵数を各々の国で受け止めてもらいたいのです。如何ですか?」
 皆の反応は様々だった。
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