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5章 束の間の平穏
幕間 リグレスト夫妻のアイツへの仕返し
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2人は寄り添いこれから起こる世界大戦に心を痛めると同様に息子のことを気にかけ昔に思いを馳せる。
「まさか、アイツがこちらの世界に来るなんてつくづく因縁というものだな」
「そうね。大聖が中学生の時に私に絡んできたアイツを撃退したのよね?」
「そんなこともあったな。朱莉を守ることに必死で忘れてたよ」
「高校以降は会うこともなくずっと平穏で暮らしてたからな」
「そっか。大聖は知らないのよね。亡くなった時のこと」
「ん?」
「アイツが大聖を殺したのよ」
「はっ?俺は消防士活動中の事故で亡くなったんだ」
「違うのよ。アイツがあの大火事の中から最後の1人を救出した大聖たちに向かって、鉄骨の紐を切ったのよ」
「なんだって?アイツはなんでそんなことを」
「アイツは、あの日に実家の裏仕事のことを知ったのよ」
「それって確か殺し屋稼業だったっけ?」
「えぇ、そして殺すターゲットを偶然見つけた大聖にしたそうよ。昔メンツを潰されたこと、そしてあのタイミングで会えたことに運命を感じたそうよ」
「どうして朱莉がそんなこと知ってるんだ」
「私ね。大聖を殺したアイツを許せなくて復讐するつもりでアイツと再婚したのよ」
「そんな何考えてんだ。玲王はそのせいで殺されたのか?朱莉、君は玲王を危険に晒したのか!?」
「違う。玲王は、実家に預けようと思ったの。でも玲王についてくって言われて負けちゃったの。この子を手放したくないって、でも大聖を殺したアイツへの復讐も諦めきれなくて」
「だから玲王も巻き込んだと。俺なんかのために何考えてんだ。朱莉が玲王と幸せに暮らす未来もあったはずだろ。なんで復讐なんてくだらないことに警察官の君が手を汚そうと思ったんだ」
「仕方ないじゃない。私にとっては大聖と玲王と暮らす世界が幸せな世界なの。大聖の居ない世界なんてゴミも同然なのよ」
「朱莉、すまない俺のために君をそこまで追い込んでいたなんて。神になるための修行に明け暮れ見ていない間にそのようなことになっているなんて、思いもしなかった。俺が神になった時には、玲王が死んでいて、こちらの世界に呼ぶのが精一杯だった。俺も似たようなものだな玲王のためにこんなことしたんだから」
「良いのよ大聖。会えなくてもこうしてあの子を見守れるんだから」
「あぁ、だが玲王がアイツに負けたら終わりだ。ニャーコ、ポニー。最後の決戦お前たちにも玲王を守ってもらいたい。頼めるか?」
「もちろんにゃ」
「ヒヒーン。あっ癖でちゃった。勿論です」
「せっかくまたニャーコと会えたのに」
「ママさんに会えて、私も嬉しかったにゃ。いつでも呼び戻してにゃ。私たちは玲王様と同じくらいママ様とパパ様も好きにゃ」
「俺もだよニャーコ。死ぬ姿を俺たちに見せたくなくてこそっと消えたお前を玲王が必死に探しだけど見つからなかった。あの時の玲王の顔を思い出すといたたまれなくなった」
「その節はごめんなさいにゃ」
「良いんだよ。では2人とも宜しく頼むよ」
「はいにゃ」
「ヒヒーン」
ニャーコとポニーが満を辞して、地上へと降りていく。
「ニャーコとポニーだけでは少し不安かしらね。リグレスト聖教会の内乱に少し手を貸すのはどうかしら?」
「具体的にはどうするつもりだい」
「ランスホース帝国を取り返すことは現状不可能でしょ。モルドレッドからはアイツと同じ匂いがするわ。獰猛な獣の匂いがね」
「野蛮な獣同士ふさわしいんじゃないかな。それでどうするの?」
「簡単な話よ。ウルゼ国王と合流したアーサー派がそのままモルドレッドに挑んでも全員が都合の良い駒にされるだけだわ。そこで彼らをリグレスト聖教会に保護してもらうのよ。そうすれば内戦に介入できるでしょ。それがそのまま玲王の力になってくれる方が幾分か心強いでしょ」
「確かにそうだな。だが教会にどう働きかけるか?」
「何言ってるのよ。大聖はセイント・リグレスト、私はマリア・リグレスト、この世界の創造神とその妻よ。少し利用させてもらいましょう」
「ハッハッハ。全く朱莉には敵わないや。確かにそうだった。セイント教を純粋に信仰している者たちの集まりになった今のリグレスト聖教会なら。言葉を届かせることもできるだろう。すぐに取り掛かるとしよう」
「えぇ、でも今暫くは大聖と2人きりの時間を過ごしたいわ」
「朱莉」
「あの、2人きりの空間に入るのはやめてくださいまし」
「キャッ、ミルルいたの?」
「うわっ、ミルル居たのかよ」
「いますわよ。それにさっきから大聖、朱莉とこっちの世界ではセイント様とマリア様なのですから現実世界の名前を出さないでくださいまし」
「ひょっとしてミルル?」
「何ですか?言いかけて止めないでくださいまし」
「寂しいのね。玲王が呼んでくれなくて。こんなに想ってるのに」
「!?違いますわよ」
「図星か?」
「だから違いますわよ」
「じゃあ、ミルルにも玲王を助けてもらおうと思ったんだけど要らないか」
「お待ちくださいまし。私にお任せくださいまし」
「クスクス。ほんと玲王はモテモテね」
「違いますわよ。私はただ御役目を全うするだけで、そのあの」
「恋する乙女ってやつね」
「ミルル、これよりお前の任を解き自由の身とする」
「!?。何故ですか?セイント様、まさか私が不要に」
「違うわ。ミルルも好きな人のそばにずっと居ても良いのよって言いたいのよ大聖は」
「ゴホン。朱莉、何が言いたいのかなぁ。ハハハ」
「ミルル、玲王のこと頼むわね」
「お任せくださいですわ。フェアリーエンジェルの力を使って、必ずやクレオ様をお守りいたしますわよ~」
こうしてミルルも地上へ降り立ったので、2人はやっと2人きりの時間を堪能したのだった。
「まさか、アイツがこちらの世界に来るなんてつくづく因縁というものだな」
「そうね。大聖が中学生の時に私に絡んできたアイツを撃退したのよね?」
「そんなこともあったな。朱莉を守ることに必死で忘れてたよ」
「高校以降は会うこともなくずっと平穏で暮らしてたからな」
「そっか。大聖は知らないのよね。亡くなった時のこと」
「ん?」
「アイツが大聖を殺したのよ」
「はっ?俺は消防士活動中の事故で亡くなったんだ」
「違うのよ。アイツがあの大火事の中から最後の1人を救出した大聖たちに向かって、鉄骨の紐を切ったのよ」
「なんだって?アイツはなんでそんなことを」
「アイツは、あの日に実家の裏仕事のことを知ったのよ」
「それって確か殺し屋稼業だったっけ?」
「えぇ、そして殺すターゲットを偶然見つけた大聖にしたそうよ。昔メンツを潰されたこと、そしてあのタイミングで会えたことに運命を感じたそうよ」
「どうして朱莉がそんなこと知ってるんだ」
「私ね。大聖を殺したアイツを許せなくて復讐するつもりでアイツと再婚したのよ」
「そんな何考えてんだ。玲王はそのせいで殺されたのか?朱莉、君は玲王を危険に晒したのか!?」
「違う。玲王は、実家に預けようと思ったの。でも玲王についてくって言われて負けちゃったの。この子を手放したくないって、でも大聖を殺したアイツへの復讐も諦めきれなくて」
「だから玲王も巻き込んだと。俺なんかのために何考えてんだ。朱莉が玲王と幸せに暮らす未来もあったはずだろ。なんで復讐なんてくだらないことに警察官の君が手を汚そうと思ったんだ」
「仕方ないじゃない。私にとっては大聖と玲王と暮らす世界が幸せな世界なの。大聖の居ない世界なんてゴミも同然なのよ」
「朱莉、すまない俺のために君をそこまで追い込んでいたなんて。神になるための修行に明け暮れ見ていない間にそのようなことになっているなんて、思いもしなかった。俺が神になった時には、玲王が死んでいて、こちらの世界に呼ぶのが精一杯だった。俺も似たようなものだな玲王のためにこんなことしたんだから」
「良いのよ大聖。会えなくてもこうしてあの子を見守れるんだから」
「あぁ、だが玲王がアイツに負けたら終わりだ。ニャーコ、ポニー。最後の決戦お前たちにも玲王を守ってもらいたい。頼めるか?」
「もちろんにゃ」
「ヒヒーン。あっ癖でちゃった。勿論です」
「せっかくまたニャーコと会えたのに」
「ママさんに会えて、私も嬉しかったにゃ。いつでも呼び戻してにゃ。私たちは玲王様と同じくらいママ様とパパ様も好きにゃ」
「俺もだよニャーコ。死ぬ姿を俺たちに見せたくなくてこそっと消えたお前を玲王が必死に探しだけど見つからなかった。あの時の玲王の顔を思い出すといたたまれなくなった」
「その節はごめんなさいにゃ」
「良いんだよ。では2人とも宜しく頼むよ」
「はいにゃ」
「ヒヒーン」
ニャーコとポニーが満を辞して、地上へと降りていく。
「ニャーコとポニーだけでは少し不安かしらね。リグレスト聖教会の内乱に少し手を貸すのはどうかしら?」
「具体的にはどうするつもりだい」
「ランスホース帝国を取り返すことは現状不可能でしょ。モルドレッドからはアイツと同じ匂いがするわ。獰猛な獣の匂いがね」
「野蛮な獣同士ふさわしいんじゃないかな。それでどうするの?」
「簡単な話よ。ウルゼ国王と合流したアーサー派がそのままモルドレッドに挑んでも全員が都合の良い駒にされるだけだわ。そこで彼らをリグレスト聖教会に保護してもらうのよ。そうすれば内戦に介入できるでしょ。それがそのまま玲王の力になってくれる方が幾分か心強いでしょ」
「確かにそうだな。だが教会にどう働きかけるか?」
「何言ってるのよ。大聖はセイント・リグレスト、私はマリア・リグレスト、この世界の創造神とその妻よ。少し利用させてもらいましょう」
「ハッハッハ。全く朱莉には敵わないや。確かにそうだった。セイント教を純粋に信仰している者たちの集まりになった今のリグレスト聖教会なら。言葉を届かせることもできるだろう。すぐに取り掛かるとしよう」
「えぇ、でも今暫くは大聖と2人きりの時間を過ごしたいわ」
「朱莉」
「あの、2人きりの空間に入るのはやめてくださいまし」
「キャッ、ミルルいたの?」
「うわっ、ミルル居たのかよ」
「いますわよ。それにさっきから大聖、朱莉とこっちの世界ではセイント様とマリア様なのですから現実世界の名前を出さないでくださいまし」
「ひょっとしてミルル?」
「何ですか?言いかけて止めないでくださいまし」
「寂しいのね。玲王が呼んでくれなくて。こんなに想ってるのに」
「!?違いますわよ」
「図星か?」
「だから違いますわよ」
「じゃあ、ミルルにも玲王を助けてもらおうと思ったんだけど要らないか」
「お待ちくださいまし。私にお任せくださいまし」
「クスクス。ほんと玲王はモテモテね」
「違いますわよ。私はただ御役目を全うするだけで、そのあの」
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「!?。何故ですか?セイント様、まさか私が不要に」
「違うわ。ミルルも好きな人のそばにずっと居ても良いのよって言いたいのよ大聖は」
「ゴホン。朱莉、何が言いたいのかなぁ。ハハハ」
「ミルル、玲王のこと頼むわね」
「お任せくださいですわ。フェアリーエンジェルの力を使って、必ずやクレオ様をお守りいたしますわよ~」
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