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5章 束の間の平穏

第11話 要塞と城壁の増設

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 今後のことも考えて、クレオは高台拠点と村とホープシティの3つをそれぞれ囲いさらにその周りを囲う二段構えの防壁の建設に着手する。
「みんな、聞いてくれ。今から、村とホープシティと高台拠点のさらなる要塞化を行う。期間は3年を目処にする」
「殿、流石に3年でそのようなこと無茶ですぞ」
「シュテンの申す通りだ。圧倒的人材不足である。そこで新たにサキュバス族とラミア族を迎え入れる事に決めた」
 ざわざわする魔頂村の面々。
「前々からホープシティのモネ殿を通じてコンタクトがあった。この中にいるものの中にもこの人にお世話になった方もいるのではないか。サキュバスのララ、挨拶を」
 サキュバスの名前を聞き歓喜が飛び交う。
「みんなの精気は私の物。美少女サキュバスのララだよ~」
「ララちゃーん」
「ヒューヒュー」
「俺の精気を吸ってくれ~」
「ララちゃんがこの村に来てくれるってことはいつでもやり放題」
「おいおいお前鼻血出てるぞ」
「ララ、ララ、ララ」
 中には踊り出すものまでいた。しかも見事なまでの現実世界の文化のあの踊りだ。カラフルライトを持たせればうんアリだな作るか(笑)
「静まってくれないと美少女サキュバスのララが搾り取っちゃうぞ」
「あぁ、ララちゃーん最高」
「もっとやって~」
「全部持ってって~」
「ヒューヒュー」
「ハァハァ」
 アイドルだな一種のだが話が全然進まない。
「ゴホン。次はラミア族の女性を紹介する。ラミア族のラミアン、挨拶を」
「ララの挨拶がまだ済んでいませんわよ」
「いやあれはもう挨拶ではない。コンサートだ」
「行くよー皆、次の曲はアイラブセレナーデだよ」
「ララ、ララ、ララ、ウーハイ」
 歌まで歌い出してるし、それにみんなノリノリだし、って違う違う。
「ララ、それぐらいにしないとモネ様に報告ですわよ」
「ラミアン、それだけはやめて~モネ様からの罰サキュバスとしては辛い精気の吸収1日禁止とかなんだからぁ」
「ララ、じゃあ貴方の今回の役目は何かしら?」
「この周辺に住む男たちを虜にして魔頂村の大掛かりな城壁建設のお手伝いですぅ」
「今どうなってますか?」
「私の悪ふざけのせいで混沌としてますぅ」
「よくできました。じゃあどうやって収めるんだったかしら?」
「美少女サキュバスのララに会いたい人はホープシティの娼館『セレナーデ』に来てね」
「毎日行くぜ」
「俺も俺も」
「今日行きます」
 なんとかおさまったみたいだ。
「クレオ様、ララが失礼しました。魔頂村の皆様、ご機嫌よう。先ほど紹介に預かりました。ラミア族のラミアンです」
「なんちゃうナイスバディだ」
「霰もない姿で歩くんじゃねぇよ。目をどこに向けたら良いかわかんねぇ」
「うっうっ美しい」
 今度は年寄り連中が騒ぎ立てている。これがオールドキラーってか。この2人のせいで仕事が捗らないなんてことのが大きいのでは。トホホ。
「静まってください。私たちはお手伝いに呼ばれました。分かりますよね。娼館『セレナーデ』のツートップがモネ様によりここに派遣されたのです。そうです。皆様の中で1日の仕事量が1番の人、1人に2人から御奉仕のプレゼントですわよ」
「まっマジかよ!?」
「クレオ様、なんてことしてくれたんだ!?」
「俺たちのやる気は今まさに絶好調だ!」
「要塞、3年じゃなく1年で完成させてやるぜ!」
「うおおおおおおお」
 俺は小声でラミアンとララに聞く。
「モネ殿がそんなこと言ったのか?」
「いいえ、クレオ様、これは私達の村を守ってもらうための私たちなりの対価ですわ。ねぇララ」
「美少女サキュバスのララ、男たちにやる気を出させるのは得意なんだよ~」
「はぁ、私が言うまで混沌とさせていたのはどこの子かしら」
「知らないでーす」
「私にそれは通用しませんわよ」
「ぎゃーラミアンがぶった。親にも打たれたこと無いのに」
「そもそも私たちは、娼館で育ててもらって、親なんかいないでしょうが」
「へっへっへんだ」
 まぁ、この2人のおかげで男どものやる気は絶好調。先ずは高台拠点の周りを城壁で囲って行く道中の街道も広めに横壁を作って所々に穴を開け連弩を設置する。ハリネズミ戦法だ。外側は掘りにして水を流し簡単にこちら側に来れないようにする。その第一段階で先ずは横壁の建設。それを高台拠点まで繋げてそこから高台拠点を囲む壁の何箇所かに穴を開けて建設その内側には連弩を置いていく。鉄の鎧をも簡単に打ち砕く連打で攻め寄せる敵を粉砕する鉄壁要塞ださら横壁の上には上がれるようにして道幅ほどにして、所々に相手の矢を防ぐ盾を設置しつつこちら側も矢を射かけられる二段構え。この要塞を攻めるなら覚悟しろと言わんばかりの周到な準備を施す。
「殿、どうして道をさらに広げるのかと思いましたがなるほど移動型の連弩の設置とは驚きましたぞ」
「シュテン、道中の連弩は移動しやすいように考えてみたんだよ。まぁ動かせるだけで動かすことが無いことを期待したいけどね。それってかなり奥深くまで攻め込まれてるってことだからさ」
「確かにそうですなぁ」
 2人で高台拠点と村を結ぶ横壁の建設を眺めているのだった。
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