魔族に転生したので魔族の頂点を目指したいと思います!

揚惇命

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4章 聖血戦争とクーデターの結末

幕間 マリア・リグレストの誕生

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天界では、朱莉が神となる修行をセイントこと大聖の元で必死に行なっていた。毎日ヘトヘトになる朱莉の癒しはニャーコだ。
「こっちの世界ではお話しできるなんてね」
「玲王様のママに会えて私も嬉しいにゃ」
朱莉は、猫又になっているニャーコを膝に乗せてナデナデしている。
「ちょっと太ったんじゃない」
「ギクッ。んなことないにゃ」
「あらほんとかしら」
そう言いニャーコのお腹を摘む朱莉。
「グフゥもう止めるにゃ太ったにゃ」
「ミルル」
「ギクッ何ですか?」
「ニャーコが可愛いからって餌あげすぎたら太るでしょ。もうこんなにお腹プニプニよ」
「ニャーコは、お腹ぷにぷにが良いのですわ」
「太ったら病気になりやすいんだからダメよ」
「それは困るのですわ。減らします」
「そんにゃ」
「ニャーコも明日から私と一緒に訓練しましょうね」
「嫌にゃ~ミルル助けてにゃ」
「ごめんなさいニャーコちゃん、私も辛いの。でも病気になって欲しくない」
「裏切り者にゃ~」
翌日から朱莉と共に訓練をして疲れ果てるニャーコはみるみるうちに元の体重に戻った。
「ヨシヨシ、可愛さが戻ったわね。玲王もきっと喜ぶわ」
「ごろにゃぁ~ん」
ミルルが撫でようとする。
「フシャーーーー裏切り者には触らせないにゃ」
「せっかくプリン持ってきたのに」
「プリンにゃ。アイスクリームも欲しいにゃ」
「これかなぁ」
目をキラキラさせてプリンとアイスクリームに近づくニャーコに朱莉が一言かける。
「また太ったら玲王に嫌われちゃうわね」
ニャーコの足は止まり耐える。
「チョコレートもつけるのですわ」
「ごろにゃぁ~ん」
ニャーコはミルルに擦り寄りデザートを食べる。
「朱莉さんに勝ちましたわ」
ドヤ顔のミルルに朱莉が悲しそうに言う。
「ミルルのせいでニャーコが死んでしまうかもしれないわね」
「嫌ですわ。もう没収ですわ」
「ふにゃあ~ん、嫌にゃ~もっと食べるにゃ」
「太ったらまたあの特訓ね」
「我慢にゃ我慢するにゃ」
「相変わらずだね朱莉は」
「大聖」
朱莉はセイントに抱き付く。
「うーん、異世界の大聖も筋肉質で良いですなぁ」
「なんだかそれおじさんくさいよ」
「こっちはどうかな?」
「うっ、辞めなさい」
「えっ、現実世界の時よりさらに大きくない」
「そんなこと無いはず」
「いや、大きいよ。今夜じっくり見てあげる」
「馬鹿、創造神に対して無礼であるぞマリア・リグレストよ」
セイント様は、どさくさに紛れて朱莉に洗礼を与えた。
「えっ何?」
朱莉の周りを神々しさが包む。
「姿は変わってないから玲王の前にはでちゃダメだよ。あくまで見守るだけな。指パッチンすれば玲王のこと見れるから試しにやってみな」
朱莉は言われた通りに指パッチンする。
「クレオ様~耳はやめて~尻尾も~あっそんなに触っちゃぁああん」
「ここか、ここが良いのかアリッサ」
朱莉は、玲王とアリッサと呼ばれる獣人娘の情事を見て顔を赤らめる。
「大聖よりでかいのは、あの子にはキツイんじゃ。同情するわ」
「我が息子ながらやるな。今日はアリッサの日だったか」
「今日はアリッサの日?」
「あぁ玲王には今8人の妻がいるぞ」
「えっええええええええ8人。あの馬鹿息子。ピー潰してやる」
「朱莉、ここは異世界だよ。一夫多妻や一妻多夫なんて当たり前だよ」
「良し、一夫一妻制度の導入を進めましょうか」
「何言ってんだよ。男の理想を崩すことは許さないぞ」
「それもそうね。ということは私も浮気し放題って事かしら。良い男が居たら連れてこようかしら」
「やめてくださいマリア様」
「じゃあ一夫一妻制度の導入ね」
「そんなことしたら、玲王のこと愛してるあの娘たちが可哀想だと思わない?親なら見守ろうよ」
「私の可愛かった玲王は、あんな色欲魔人じゃなかったわよ。でも幸せそうで良かったわ」
「うっなんだこれはよからぬやつが生まれ出でようとしている。不味いこれは。待て、なんでアイツが」
「大聖、どうしたの。しっかりして」
気絶したセイントを朱莉とミルルが運ぶ。
「ミルル、どういうことなの?」
「恐らく異分子がこの異世界に落ちたのかと思いますわ」
「それってあることなの?」
「初めてですわ。セイント様が承認しなければこちらの世界に落ちてこれないのですわ。よほど因縁のある人なのかと」
「まさかアイツなの?どうして、この世界でも私たち家族を苦しめようというの?許さないそれだけは絶対に許さない」
「朱莉、やめろ。こうなってはどうしようもない。もう生まれ出たのなら後はこっちの世界の玲王に任せるしかない」
「でもあの子はアイツに」
「信じよう僕たちの息子を」
「わかったわ」
「ミルル、チュンコに助言を与えて玲王の元へ下ろす」
「はいですわ」
「チュンコ、玲王にこれだけ伝えてくれ。因縁が生まれ出たと」
「了解しました。お世話になりました」
「あぁ、玲王のことよろしく頼む」
チュンコは光に包まれて下に降りて行った。
戦乱は止まるところを知らず。クレオと魔王を中心に更に加速していくのだった。
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