魔族に転生したので魔族の頂点を目指したいと思います!

揚惇命

文字の大きさ
上 下
103 / 220
4章 聖血戦争とクーデターの結末

第9話 激化する戦場

しおりを挟む
レオンダイトたちの元に伝令が温かいご飯を持ってきた。「温かいご飯とはアーロン様も気がきくね~」ダルタンが一口食べて、驚愕している。その表情にイリスとミーアも食べる。「美味しい」「美味しいにゃ」一口食べて顔が綻んでいる。その表情を見た。エリザとツルギも食べる。「何だよこれホントにあのラットモーグルの肉か?いつものより段違いにうめぇぞ」「某もこれほど美味い料理食べたことありませぬ」2人ともガツガツ食べる。それを聞いたアルノルトが「お前ら大袈裟すぎるだろ。ん?こんなの食ったことねぇ」と態度を180度変える。ミリーも「おいしいですぅ」と食べている。他の吸血鬼たちも「うめぇ」「おかわり」「生き返る~」と大満足だ。レオンダイトは、皆の様子を見て、クレオの到着の与えた影響に驚愕する。そこにミミがやってきて「玲王様の料理はね。みんなを笑顔にする魔法なの~。食べることは活力になるって言ってたの~」そんなミミもクレオから渡されているドライフルーツをほっぺに詰めて、モグモグしていた。そんなミミをセリアが呼びにきた。「ミミ様、こんなところに早く戻って重症者の治療を手伝ってください」「あっセリアなの~。はい」手渡された料理を食べるセリア。「美味しい。この味はもしやクレオ様?」「そうなの~本陣に来てるみたいなの~嬉しいの~」ピョンピョン飛び跳ねて嬉しさを表現するミミ。「でも、先ずは治療のお手伝いですよ」そう言ってセリアに抱き抱えられて連れて行かれるミミ。1人残されたレオンダイトはミミの言っていたことを考える。皆の顔を見てるとクレオのいうことは的を得ていると思う。先ほどまでの皆なら次の敵の攻勢は耐えられなかったかも知れないが今の皆の顔ならまだ耐えれる。そんな気がする。皆食べて、クレオから渡された耳栓とやらを付けて半数が眠りにつく。残りの半数で夜襲に備えるが不気味な静けさだけを残して、朝を迎えた。そして眼前に広がるヴァンパイアハンター。レオンダイトたちの正念場が今始まろうとしていた。連日騒いでいたリグレスト聖教国軍が静かだったのは何故か。「ここ数日の馬鹿騒ぎで吸血鬼共は疲弊している。今夜は静かに眼前まで進軍せよとの軍師殿の通達だ。皆のもの今こそ憎き吸血鬼を殲滅する時ぞ」「オオオオオオ」と静かに士気を高め砦の眼前にまで進軍していたからである。だがこの作戦は奇しくもクレオが訪れたことにより士気と体力の回復した吸血鬼軍により頓挫する。

「バカな何故?吸血鬼共はこんなに元気なのだ」
「軍団長、指示をグワァー」
「散々馬鹿騒ぎして疲弊させてくれた返しをしてやらねぇとなぁ」
「くっ三悪の1人魅了のダルタンか。ワシの命運も尽きたか。良いだろう。この軍団長ビッグスが相手になって」
「ノコノコ話すのを待ってると思うか馬鹿がよ」
ザシュッとダルタンが一刀の元に斬り捨てた。
「敵将ビッグス、ダルタンが討ち取った」
「あのれ、兄者の敵はこのウェッジが取る」
「あらあら、もう1人の敵将も馬鹿でしたのね」
「にゃは、釣られて出てくるおバカさんなのにゃ」
イリスとミーアは息を合わせて「クロス斬り」とウェッジを切り裂いた。
「グワァー、おのれおのれ吸血鬼共め。必ずやバーン8世法皇様が滅してくれる」
そう言って事切れるウェッジ。

エリザとツルギは傭兵団と対峙していた。
「裏切り者のツルギか?吸血鬼の女に骨抜きにされたと聞いていたが本当だったとはな。お前程の猛者が嘆かわしいことだ」
「ほざけ。某は、エリザ様の剣。お前たちと共に過ごしたツルギは居ないと心得よ。その覚悟を持てぬものは立ち去るが良い」
「愚問だな。皆のもの三悪の1人エリザと裏切り者のツルギを討て」
「オオオオオオ」
傭兵団のほとんどがツルギにより刀の錆となる。
「流石は剣豪ツルギ、一筋縄では行かぬか。ワシが相手となろう。我が名はイットウサイ、いざ参る」
「今の某は吸血鬼の力も合わさっている。貴様らの鈍い剣筋などたわいもない。剣流居合い抜き」
ザシュッと斬られるイットウサイ。
「このような剣豪の手で最後を迎えられるとは本望ぞ」
そう言い事切れる。
「ツルギ?」
共に過ごした傭兵団を自らの手で葬り去ったツルギを心配するエリザ。
「エリザ様、心配をおかけして申し訳ございませぬ」
「そんなこと気にしなくて良い。それにお前はもうアタシの大事な家族だ」
「エリザ様、某に勿体なき御言葉。これからも貴方様を守りましょうぞ」
「あぁ頼りにしてるぞ。ツルギ」
「はっ」

アルノルトとミリーはヴァンパイアハンターに囲まれていた。
「三悪の1人アルノルトよ。どうやら貴様もここまでのようだな」
「カッカッカッカッ」
「死に瀕して可笑しくなったか。一思いに殺してくれる」
「作戦通り惹きつけたぞ。レオンダイト」
「アルノルト、よくやった。後は任せろ。ポーチくらい尽くせ」
「ワオーーーン」
その遠吠えにキラージャッカルたちがヴァンパイアハンターを襲撃する。
「キラージャッカルの群れ?」
「一体どこに潜んでいた?」
「グワァー」
パニックになったヴァンパイアハンターの多くが命を落とす。
こうして、疲れ果てた吸血鬼軍を奇襲にて、殲滅しようと大攻勢をかけた3万のリグレスト聖教国軍は逆に吸血鬼軍の反撃を受け、僅かの兵だけ逃げ帰る結果となった。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。 自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。 いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して! この世界は無い物ばかり。 現代知識を使い生産チートを目指します。 ※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...