魔族に転生したので魔族の頂点を目指したいと思います!

揚惇命

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3章 領地改革と帝国の襲来

第22話 要塞内の秘密兵器のお披露目だ!

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【ガウェイン軍視点】

まずは小手調べだ。

我々が誇る重装歩兵隊の突破力に震えるがいい。

重装歩兵隊1000にて第一陣を突き崩す。

所詮魔族の籠る砦など対人戦で鍛えられた我々に遠く及ばない。

「皆の者、相手にはエルフやハーピー、獣人の娘なんかもいるそうだ。勝てば略奪し放題の無礼講だ。せいぜい励めよ」

「一度エルフとやってみたかったんだよ」
「俺はイヤイヤと泣き叫ぶハーピーとやりてぇ」
「獣人の娘をペットのように躾けるのもいいなぁ」

単純な奴らだ。

俺は異種族とやるなどごめんだが。

まぁせいぜい震えるが良い。

もう間も無く砦前だ。

「なっ何、布陣しているだと?」

【クレオ視点】

ガウェイン隊の殲滅には砦内への進入をスムーズに行わさせなければならない。

だがただ待ち構えるだけでは警戒して入ってきてくれないかもしれない。

アラン隊とメデイア隊とシュテン隊はエレインと共にエイコーンフォレストに向かわせた。

グィネヴィアを除くグィネヴィア隊を壊滅させ捕虜にするためだ。

「悩んでいるようですなぁクレオ様」

「あぁ」

「クレオ様はお優しいから捨て駒ができぬと見える」

「うちに捨てて良い駒なんて無いよ」

「ですがこのまま砦に籠っていては腕が鈍りますのでのぅ。ワシはシーザーと共に打って出るつもりです」

「何言ってるんだロッキー、自殺行為だ」

「要は布陣して頃合いを見て引き砦内へ引き込めば良いのでしょう。それならクレオ様が守りの要と言ってくださった我々しかできますまい」

「某もロッキー殿と同意見である。無理はしないとお約束いたしますので布陣を許可いただきたい」

「2人の意思は固そうだね。わかったよ降参だ。ダスティルは2人の援護でいつでも出撃できるように準備、サモンは弓隊で監視櫓から援護。ゴブリットは砦内に敵が引き込まれたら秘密兵器で殲滅」

「オーク騎馬隊の出番ですな」
「リン隊もサモン隊と共に援護するわ。エルフ弓兵の恐ろしさ見せてやるんだから」
「親父殿のため皆のために拙者も精一杯援護いたそう」
「この秘密兵器のお披露目ですな」

皆がいうや否や布陣を始めるのであった。

【シーザー隊、ロッキー隊視点】

砦前にて、左右の監視櫓からの援護を受けるように布陣する。

「シーザー殿、見てください。あれがランスホース帝国の重装歩兵隊です」

「あの威圧感はちときついですなぁ。ダグラス殿、付き合わせてしまって申し訳ない」

「何をおっしゃいますやら、我らはクレオ様と共に戦うことを誓った風変わりな人間。お気遣いは無用。必ずやこの作戦を成功に導きましょうぞ」

「あぁよろしく頼む」

「ワシも忘れんでくれ」

「ロッキー、我らにてクレオ様の作戦を成功させるぞ」

「もちろんじゃ」

シーザー隊は前列の兵士は大盾を全面に出し後列の兵はその上に大盾を並べて、盾の隙間から槍にて突くファランクス陣形だ。

ロッキー隊は、高い守備力を生かして大将を中心に敵を迎え撃つ方円陣だ。

【ガウェイン軍視点】

魔族が一丁前に布陣からの陣形しかも我ら重装歩兵にファランクス陣形だと舐め腐りやがって、踏み潰してくれる。

「こちらもファランクス陣形にて格の違いも見せつけてやれ」

「はっ」

1000対100だ。

圧倒的格の違いを見せつけてやろう。

「ぐわぁー、上から弓が」

後列の兵士が上に盾を向けた瞬間、盾の隙間から槍にて喉を貫かれるガウェイン兵士。

それに合わせる形で上からの弓でさらに兵士を削られる。

弓の存在を忘れるなど馬鹿か俺は兵士100人を失ってしまった。

「三段構えにて前列は前に中列はその上に後列は空に盾を構えよ」

弓さえ防げばこちらのもんよ。

すり潰してくれる。

【サモン隊、リン隊視点】

「ロッキーとシーザーが十分に引き付けてくれたわね。みんな矢の雨を降らせてやりましょう」

「えぇ、愛する者のいるエルフ弓兵の恐ろしさを見せてやりますわ」

「リン殿に負けておられませんなぁ。サモン隊も矢の雨を降らせるのだ」

「カシラにばっか良いとか持ってかれてるからなぁ。俺たちも親父殿のために頑張るぞ」

飾りはできたが流石にランスホース帝国、陣形を組み替えて矢の雨をシャットアウトする。

「流石場慣れしているランスホース帝国ね。ここからは援護に切り替えるわ。隙を見て盾の隙間から矢を通して仕留めることも忘れないで」

「我らにはそこまでの技量はまだ不可能。ならば、相手の動きを鈍らせるために矢を放つまでよ」

双方の援護を受けシーザー隊とロッキー隊は奮戦する。

【シーザー隊、ロッキー隊視点】

「来たな」

組み合いの中上からの弓にて、咄嗟にガードしようと空に盾を構えた瞬間を見逃さずに盾の隙間から槍で喉を狙う。

ザクっという感じで槍が喉にめり込む。

「やったぜ。えっ抜けない」

槍が抜けず必死になる。

「無理に抜く必要はない。某らの役目はあくまで防衛。槍が抜けなくなったものは腰の帯刀に切り替えよ」

「おぅ、抜けなくなって焦っちまった」

「見事な采配ですシーザー殿」

「ラグラス殿は、流石歴戦の戦士ですなぁ」

「槍にて突く、時に深く刺さって抜けなくなるのはあります。ですがそれに狼狽えると死の危機に陥ります。シーザー殿はそれを見事に防いだ。立派な軍団長です」

「いえ、このファランクス陣形が我が隊にあってると教えてくれなければここまで被害を軽微にできなかった。感謝する」

「もうそろそろ相手も陣形を変える頃合いじゃろう。こちらも引く準備じゃ」

「了解だロッキー」

程なくして三列陣形に変えた相手とこちらではどんどん押し込まれる形となり守りに徹しながら砦内へ引いていく。

そこにダスティルのオーク騎馬隊が駆けつけ、重装歩兵隊を馬で蹂躙する。

【ダスティル視点】

よし頃合いだな。

「オーク騎馬隊、シーザー隊とロッキー隊の救援のため突撃する」

「心得た」

目標はシーザー隊とロッキー隊にまとわりつく第一陣の重装歩兵。

【ガウェイン軍視点】

陣形を三列にして相手の弓をシャットアウトしてからはこちらの一方的な蹂躙だ。

初戦付け焼き刃の陣形に負けるはずもない。

リザードマンとゴーレムを押し込んでいく。

しかし、リザードマンやゴーレムが武器防具を装備しただけでここまで固くなるとは思わなかった。

こういうことをしているクレオという魔族は確実にここで討ち果たさねばなるまい。

まぁこのまま押し込み砦内に入れば時間の問題だがな。

「うわぁ」

「今度はどうした」

「オーク騎馬隊により包囲を外されリザードマンとゴーレムの撤退を許してしまいました」

「えぇい、鬱陶しいオークめ。このまま追い立てよ」

救援が済んだオーク騎馬隊も殿を務めつつ引いていく。

どうやらぴったりとくっついていたことで城門を閉じれなかったようだ。

これで終いだな。

「全軍、砦城内になだれ込め~」

「エルフ、エルフ」「ハーピー、ハーピー」「獣人、獣人」

砦内に入った瞬間俺は信じられない光景を見た。

次の瞬間。

「グワァー」「ガウェイン様を守れ」「ガウェイン様、お逃げください罠です」

その言葉を受け、状況を理解した俺はわずかな供回りのみで逃げ帰るしかなかった。

魔族如きにしてやられたというのかこの俺が。

【ゴブリット視点】

「間も無く砦内に敵侵入します」

「良しよーく引き付け、狙って一気にはなつだ」

ビューンと飛んでいく大型の矢は盾と鎧を貫きランスホース帝国の兵士共を絶命させる。

防衛兵器連弩である。

絶え間なく射出される大型の鉄の矢が迫り来るガウェイン隊をどんどん仕留める。

「ガウェイン隊、わずかな兵で撤退しました」

「良し、大戦果だ」

【アーサー軍視点】

目の前に泥だらけのガウェインと20ほどの重装歩兵がいる。

ガウェインは両手を後ろ手に縛り付け俺にひざまづきながら言う。

「アーサー、油断したすまねぇ。この罪は俺が背負う。どうかこの首を受け取ってくれ」

「馬鹿なことは良せ、勝敗は兵家の常である。次戦にて汚名をそそぐのだ」

「アーサー、すまねぇ。大事な兵を本当にすまねぇ」

「気にするな。俺が相手の挑発にならなければこんなことにはならなかったのだ。だが負けたばかりでは済ませられねぇ。重装騎馬隊5000にて雌雄を決するとしよう」

待っていろクレオ。

お前の首を取りエレインは返してもらうぞ。
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