魔族に転生したので魔族の頂点を目指したいと思います!

揚惇命

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3章 領地改革と帝国の襲来

第11話 それぞれの思惑

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【クレオ視点】

「殿、よく堪えられましたな」

「シュテンお前の方こそ」

「あのクソ商人め。クレオ様を薄汚いだと身の程を弁えやがれ」

「ダスティル、俺も同じ気持ちだ。だがよく堪えてくれたな」

「シュテンもクレオ様も堪えてるのに俺が逆らうわけにはいかねぇだろう」

「今夜だ今夜アイツらを血祭りにあげてやる」

【スレイブシティ内】

「これはこれはようこそ起こしくださいましたわ。スレイブ様」

「ハハハこの街はいつ来ても良い女共の歓迎。流石魔王様の元奴隷だ。よく躾けられてる。今日はコイツらにも楽しませてやりたいからなぁ。15人ほど頼む」

「かしこまりました。この中からお選びください」

「ほぅこの女はランスホース帝国の元騎士軍将じゃねぇか。アイツには馬鹿にされたからなぁ。今夜ヒィヒィ言わせてやるとしよう。コイツを俺に後は適当に良いのを見繕ってやってくれ女将」

「はい。かしこまりました。お値段は金貨75枚となります」

「今日は気分が良いので、少し多めに80枚払おう」

「ありがとうございます」

【???視点】

クソまさかこの私を売るとはいったい何を考えているのだ今の上層部は。

「エレインさん、御指名よ」

「女将さん、私はそういうことはしないと申したはずですが」

「あのね。私たちは皆売られた奴隷なの。人権なんてないのよ。それにね逆らうと魔王様の調教を受けることになるわよ。そういうのから守ってる私の立場を少しは考えてほしいわね」

「ふざけるのも大概にしなさい。守っている?皆に身体を売らせることしかできないのに。本当に守るってのは戦うってことよ」

「何を言われたとしても私は私なりにみんなを守っているとしか言えないわ。どうしても嫌だと言うのなら貴方は私の手には負えませんでしたと報告するしかないわね」

「くっ、わかった従う。誰の相手をすれば良いのだ」

「スレイブ様よ」

スレイブだと。

まさかアグラヴェインお抱えの奴隷商人、私はそれを咎めたから売られたと言うのか。

聞き出さねばならない。

「了解いたしました」

「そうそれで良いのよ」

【クレオ視点】

あたりはすっかり暗くなり夜になる。

「良し皆作戦通りに頼むぞ」

「おぅ」

皆が答える。

騒ぎを聞き王都軍がここに来るまでに迅速に終わらせる。

来た場合はフレイム隊とハピネス隊の揺動と撹乱が頼りとなる。

「御館様、王都にて商人が遅れているという偽報を流しておきましたわ、。暫く時間は稼げるかと」

「良くやったアラナミ。メデイア隊に合流して奴隷商人共を南門に誘導せよ」

「かしこまりましたわ」

ほんとアランの声は艶っぽいよな。

メデイア隊とアラン隊による襲撃により混乱状態の奴隷商人の部隊が西に東に北に活路を見出そうとするがロッキー隊、シュテン隊、シーザー隊により封鎖されている。

一つの逃げ道に安心した全員が南にやってくる、そこをサモン隊が一斉に矢を放つ。

ドンドンやられて死体の山が築かれるが14人だ。

1人足りないそれも俺のことを薄汚いと罵ったリーダー格の男だ。

まさか取り逃したのか?

死体はゴブリット達が皮を剥ぎ肉を削ぎ落とし骨だけにする。

人間の肉は魔族にとって美味いらしく無駄にはしたくないとのことなので僕の無限収納鞄に入れる。

その骨にサモンが何かを唱えるとその骨達が動き出しスケルトンとなりサモンの指揮下に入る。

「サモン、スケルトンの生成なんてできるのか?」

「わかりませぬがいつのまにかできるようになっておりましてな。親父殿のお役に立てると思いましたが余計でしたかな」

「いやこれからも頼む」

「もちろんですぞ親父殿」

「御館様、奴隷達の位置を特定しました。案内いたしますわ」

アラン隊の案内により向かうと。

先行させていたダスティルがエルフの女を背に守りながら縛られている奴隷商人を渡そうとしない1人の女騎士と戦っていた。

「くっ、この女騎士手強いな」

「この薄汚いオークめ。エルフと奴隷達をこちらに引き渡せ」

「断固拒否致す。この者達を守るが俺がクレオ様より命じられた大事なお役目。例え討ち死にしようとも守り抜く」

「その心意気や良し。魔族であることが残念だが死んでもらう」

「くっここまで押し込まれようとはまだまだ修行が足りなかったか」

「おやめください」

その言葉に「何故」と呟き女騎士が動きを止める。

「この者は貴方が縛り上げたそいつが私を襲おうとした時に身を挺して助けてくださいました。薄汚いオークなどではありません。血の通った心が清らかなオークです。それに奴隷となった皆を助けてくださった勇士です。それに引き換え貴方は何ですか理由も聞かずに魔族と見るやいなやいきなり襲いかかる。騎士の風上にもおけぬ所業と思いますが」

「くっ。魔族を庇うエルフがいるとは滑稽だ。その者達があなた方を奴隷として魔王様に引き渡す尖兵だとも知らずに」

「何を言う。俺達はそんなことはしない」

「薄汚いオークの言葉など信じられるか」

そこまでの罵り合いを聞き僕がスタスタと出ていく。

「女騎士殿のお言葉ごもっともだと思います。ですが私の街のものが魔王に媚びることはございません。それはこの僕吸血鬼でありエルフでもあるクレオ・ヴラッドが保証いたします」

「あの由緒正しき吸血鬼一族の党首にしてエルフェアリーナ王国と同盟を結んだとされるあのヴラッド家の人間か」

「えぇ、僕の一族が懇意にしているエルフの女性が奴隷として売られるという情報を聞き僕の街の住人達と共に奪還に来た次第。姿を見られて魔王に報告されるとまずいゆえ奴隷商人共を皆殺しにする必要があります。お渡しいただけますか?」

「断る。この者は重要な証人なのだ。私がしっかり手綱を握るゆえ見逃していただきたい」

「それはできぬ相談です。あなたのその出たち恐らくランスホース帝国の騎士軍将ってとこでしょう。ならば魔王と繋がっているかもしれない見逃しはできぬ相談です」

「何だと、言うに事欠いて我々が魔王と通じているだとふざけるのも大概にしろ」

「お互い引けぬと言うのなら。この僕と奴隷商人を賭け一騎討ちは如何ですか?」

「それだけでは緩い。私が負けるようなことがあれば貴方に従おう。これでもランスホース帝国では名の知れた武人魅惑のエレインなのだから」

一騎討ちにて雌雄を決すなんて何処の少年漫画だよって話だけどね。
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