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1章 転生と吸血鬼を取り巻く情勢
第14話 模擬戦後の対応
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【リリア視点】
模擬戦が終わり、レオンダイト殿御一行がお帰りになられた後。私たち模擬戦参加者はエイミーおねぇちゃんに呼び出しを受けた。
「皆よくきてくれましたね。吸血鬼共は近々攻めてくるでしょう」
唐突だった。模擬戦で負けただけで攻めてくるとは思えない。エルフェアリーナ王国は10万人の常備兵を擁し、民兵まで動員すれば50万人は動員できるだろう。それこそ滅ぶとなれば全員民兵になる。対する吸血鬼はせいぜい2000出せればいいとこだろう。負けるはずも無いのだ。
「エイミー女王陛下、恐れながら杞憂なのでは」
ラスが言った。
「いえ、あの模擬戦は言ってみれば攻める前の前哨戦のようなものです。正直全敗するとは私も思っていませんでした。あの結果我が国は財政難と士気が大きく落ちました」
財政難はエイミーおねぇちゃんが賭け事やってたからよね。自業自得よね。
「エイミー女王陛下、恐れながらそれは賭け事が原因なのでは」
ミーアが呆れたように言う。
「返す言葉もありませんが、ですがあの賭け事は私が行ったことではなく、人間の貿易商人がやっていたのです。その貿易商人はおそらく魔族領の王城にも出入りしてる者でしょう」
まさか、謀られたというの。私たちの国を攻め落とすため、魔王は資金の奪取をし、吸血鬼に士気を挫かせた。
「それが本当ならすぐに防衛を固めないと」
アーチとボーガが呟く。
「既に御触れを出したのですが、近衛軍5千しか応じず。他の9万5千の兵は怯えて使い物にならず。民たちですら茫然自失といった感じです」
「そんなことって」
ありえない。私は驚いてそう言った。兵数で勝ってるのだ。普通に戦えば勝つのは私たちなのに全員が全員模擬戦が終わったこのタイミングで全く使い物にならない。
「吸血鬼随一の切れ者と称されたレオンダイトなら造作もなかったのでしょう。私たちは模擬戦を受けた時点でレオンダイトの術中にハマっていたのです。気付くのが遅かった」
「いえエイミー女王陛下、近衛軍5千で攻めに転じましょう」
「守るのではなく攻める?それは相手に大義名分を与えることになります」
「聡明なレオンダイト殿が私たちの国を攻め滅ぼそうとしてるとはとても思えないのです。真偽を確かめるのならこちらからしかけてみるのが良いかと」
「わかりました。ですが攻めるとしても吸血鬼軍団との国境線までです。それ以降は向こうが仕掛けて来ない限り戦闘行為は許しません」
私たちは支度を整えると近衛軍5千を連れ、吸血鬼との国境線に向かった。
国境線向かい側に誰かいる。
【レオンダイト視点】
ラーキア城に着くと新丞相となったドラゴレアムが訪ねてきた。
「ホッホッホッ、忌々しいエルフ共に模擬戦で勝ったとのこと大義でしたよ。我々も賭け事でエルフ共から儲けさせて貰いました」
模擬戦の裏で人間の貿易商人がいたのはやはりそういうことだったか。意地汚いドラゴレアムの考えそうなことだ。昔からコイツとはソリが合わない。儲けた金額を聞くと1年間財政難になりそうな金額だ。だが今回に関しては、エルフェアリーナ王国に血の一滴も流させないことを考えると財政難でこれ以上民兵に負担を強いることを良しとしないだろう。
「ドラゴレアム丞相の有難い御支援感謝しております」
「ホッホッホッ、ここまで支援してあげたのですからすぐさま攻めてください。情報も充分仕入れたのでしょう」
腕を組みニヤニヤしながら早く攻めろその間にこちらも動きたいんだと態度に現れてる。
「そうですね。この後仕入れた情報を元に皆と会議をして攻めるので明日には全軍出撃予定です」
「ホッホッホッ、必ずや忌々しいエルフ共を根絶やしにするのですよ」
「はっドラゴレアム丞相」
ドラゴレアムはホッホッホッと終始笑いながら王城に向けて飛び去った。
「はぁーあの馬鹿と会話すると肩が凝る」
「兄貴いつも大変だなぁ」
「アーロン、全員応接間に集まってるか」
「あぁ、アイツらもやっときたみたいだぜ」
「良し、攻めては多い方がいいが癖のあるアイツらが僕の指示に従うかだよなぁ」
「兄貴の馴染だろ気張るしかねぇんじゃねぇ、カカカ」
2人で応接間に向かう。
応接間に入ると左側の椅子にアーロン、トーマス、ナターシャ、ジール。中央左にバルバラ右に僕その後ろにウルファスが立ち。右側に長い赤髪の綺麗な容姿をしているが口元と身体に血を浴びている女、その後ろに護衛っぽい男。欠伸をしてだる~といった感じで髪の毛ボサボサの男、その後ろに男を恍惚の目で見つめる女。見た目からして脳筋の男、その後ろにちっちゃくて可愛い人間の女?ホビット?。
よくきてくれたエリザ、ダルタン、アルノルト。
「レオンダイト、お前なぁせっかく聖教国の生娘の女の血で作った風呂と血のシャワーを浴びて潤していたのに酷いじゃないか」
「つかだり~、何のようだよレオンダイト」
「レオンダイトに呼ばれたから来てやったが新しく眷属にしたこの女と1発やる予定だったのだくだらん理由ならすぐ帰るぞ」
レオンダイトと僕を呼び捨てにするこの3人は吸血鬼を神の意に沿わぬ悪魔と称しヴァンパイアハンターを多く抱える教会勢力リグレスト聖教国との防衛を務めている3人だ。いずれも戦闘能力は桁違いで吸血鬼を唯一殺せるヴァンパイアハンターから三悪として恐れられていて、僕の幼馴染だ。
エリザ・ヴェートは聖教国の信者の中から生娘ばかりを集め、体内の血を一滴残らず吸ったり、浴びたり、風呂に溜めて浸かることから生娘喰らいの異名で聖教国内では『エリザが出たぞー』と恐れられている。
ダルタン・ロークスは、だりーだりーと言ってるがイケメンで面倒見が良く、相対するヴァンパイアハンターの有能な女性を何人も眷属にしちゃうことからハンター魅了の異名で恐れられている。
アルノルト・ヴァイスは、一度ヴァンパイアハンターに銀の弾丸で殺されたはずだが、息を吹き返し、そのすぐ後から聖教国内の小さい女性を好んで眷属にするようになり小娘愛の異名で恐れられている。
「3人ともよく来てくれた」「では会議を始めよう」
模擬戦が終わり、レオンダイト殿御一行がお帰りになられた後。私たち模擬戦参加者はエイミーおねぇちゃんに呼び出しを受けた。
「皆よくきてくれましたね。吸血鬼共は近々攻めてくるでしょう」
唐突だった。模擬戦で負けただけで攻めてくるとは思えない。エルフェアリーナ王国は10万人の常備兵を擁し、民兵まで動員すれば50万人は動員できるだろう。それこそ滅ぶとなれば全員民兵になる。対する吸血鬼はせいぜい2000出せればいいとこだろう。負けるはずも無いのだ。
「エイミー女王陛下、恐れながら杞憂なのでは」
ラスが言った。
「いえ、あの模擬戦は言ってみれば攻める前の前哨戦のようなものです。正直全敗するとは私も思っていませんでした。あの結果我が国は財政難と士気が大きく落ちました」
財政難はエイミーおねぇちゃんが賭け事やってたからよね。自業自得よね。
「エイミー女王陛下、恐れながらそれは賭け事が原因なのでは」
ミーアが呆れたように言う。
「返す言葉もありませんが、ですがあの賭け事は私が行ったことではなく、人間の貿易商人がやっていたのです。その貿易商人はおそらく魔族領の王城にも出入りしてる者でしょう」
まさか、謀られたというの。私たちの国を攻め落とすため、魔王は資金の奪取をし、吸血鬼に士気を挫かせた。
「それが本当ならすぐに防衛を固めないと」
アーチとボーガが呟く。
「既に御触れを出したのですが、近衛軍5千しか応じず。他の9万5千の兵は怯えて使い物にならず。民たちですら茫然自失といった感じです」
「そんなことって」
ありえない。私は驚いてそう言った。兵数で勝ってるのだ。普通に戦えば勝つのは私たちなのに全員が全員模擬戦が終わったこのタイミングで全く使い物にならない。
「吸血鬼随一の切れ者と称されたレオンダイトなら造作もなかったのでしょう。私たちは模擬戦を受けた時点でレオンダイトの術中にハマっていたのです。気付くのが遅かった」
「いえエイミー女王陛下、近衛軍5千で攻めに転じましょう」
「守るのではなく攻める?それは相手に大義名分を与えることになります」
「聡明なレオンダイト殿が私たちの国を攻め滅ぼそうとしてるとはとても思えないのです。真偽を確かめるのならこちらからしかけてみるのが良いかと」
「わかりました。ですが攻めるとしても吸血鬼軍団との国境線までです。それ以降は向こうが仕掛けて来ない限り戦闘行為は許しません」
私たちは支度を整えると近衛軍5千を連れ、吸血鬼との国境線に向かった。
国境線向かい側に誰かいる。
【レオンダイト視点】
ラーキア城に着くと新丞相となったドラゴレアムが訪ねてきた。
「ホッホッホッ、忌々しいエルフ共に模擬戦で勝ったとのこと大義でしたよ。我々も賭け事でエルフ共から儲けさせて貰いました」
模擬戦の裏で人間の貿易商人がいたのはやはりそういうことだったか。意地汚いドラゴレアムの考えそうなことだ。昔からコイツとはソリが合わない。儲けた金額を聞くと1年間財政難になりそうな金額だ。だが今回に関しては、エルフェアリーナ王国に血の一滴も流させないことを考えると財政難でこれ以上民兵に負担を強いることを良しとしないだろう。
「ドラゴレアム丞相の有難い御支援感謝しております」
「ホッホッホッ、ここまで支援してあげたのですからすぐさま攻めてください。情報も充分仕入れたのでしょう」
腕を組みニヤニヤしながら早く攻めろその間にこちらも動きたいんだと態度に現れてる。
「そうですね。この後仕入れた情報を元に皆と会議をして攻めるので明日には全軍出撃予定です」
「ホッホッホッ、必ずや忌々しいエルフ共を根絶やしにするのですよ」
「はっドラゴレアム丞相」
ドラゴレアムはホッホッホッと終始笑いながら王城に向けて飛び去った。
「はぁーあの馬鹿と会話すると肩が凝る」
「兄貴いつも大変だなぁ」
「アーロン、全員応接間に集まってるか」
「あぁ、アイツらもやっときたみたいだぜ」
「良し、攻めては多い方がいいが癖のあるアイツらが僕の指示に従うかだよなぁ」
「兄貴の馴染だろ気張るしかねぇんじゃねぇ、カカカ」
2人で応接間に向かう。
応接間に入ると左側の椅子にアーロン、トーマス、ナターシャ、ジール。中央左にバルバラ右に僕その後ろにウルファスが立ち。右側に長い赤髪の綺麗な容姿をしているが口元と身体に血を浴びている女、その後ろに護衛っぽい男。欠伸をしてだる~といった感じで髪の毛ボサボサの男、その後ろに男を恍惚の目で見つめる女。見た目からして脳筋の男、その後ろにちっちゃくて可愛い人間の女?ホビット?。
よくきてくれたエリザ、ダルタン、アルノルト。
「レオンダイト、お前なぁせっかく聖教国の生娘の女の血で作った風呂と血のシャワーを浴びて潤していたのに酷いじゃないか」
「つかだり~、何のようだよレオンダイト」
「レオンダイトに呼ばれたから来てやったが新しく眷属にしたこの女と1発やる予定だったのだくだらん理由ならすぐ帰るぞ」
レオンダイトと僕を呼び捨てにするこの3人は吸血鬼を神の意に沿わぬ悪魔と称しヴァンパイアハンターを多く抱える教会勢力リグレスト聖教国との防衛を務めている3人だ。いずれも戦闘能力は桁違いで吸血鬼を唯一殺せるヴァンパイアハンターから三悪として恐れられていて、僕の幼馴染だ。
エリザ・ヴェートは聖教国の信者の中から生娘ばかりを集め、体内の血を一滴残らず吸ったり、浴びたり、風呂に溜めて浸かることから生娘喰らいの異名で聖教国内では『エリザが出たぞー』と恐れられている。
ダルタン・ロークスは、だりーだりーと言ってるがイケメンで面倒見が良く、相対するヴァンパイアハンターの有能な女性を何人も眷属にしちゃうことからハンター魅了の異名で恐れられている。
アルノルト・ヴァイスは、一度ヴァンパイアハンターに銀の弾丸で殺されたはずだが、息を吹き返し、そのすぐ後から聖教国内の小さい女性を好んで眷属にするようになり小娘愛の異名で恐れられている。
「3人ともよく来てくれた」「では会議を始めよう」
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