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1章 転生と吸血鬼を取り巻く情勢
第13話 策のための模擬戦③
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【レオンダイト視点】
闘技場が魔法で傷付いているとのことで修復中の間、天幕にウルファスを労いにきた。
「ウルファス、良くやった、大金星だな」
「兄上、自分でもそう思いますよ。本当に危なかった。回復魔法の後立て続けに魔法の合わせ技をされれば負けていたのは俺だったでしょうね」
「ウルファス、謙遜なぞせんでよい。さすが某の愛弟子だ。偃月刀の扱い方様になっておったわ。カッカッカッ」
「ジール様がこんな俺に根気強く指導してくださったからですよ」
ジールが天幕に入ってきてウルファスの肩をバシバシ叩きながら笑っている。
「ここまで皆が繋いでくれたから全勝して帰ろう」
「兄上、ご武運を」「若ご武運を」
「あぁ」
天幕から出るとエイミー女王陛下と鉢合わせた。
「吸血鬼がここまで強いとは思いませんでしたわ」
「ハハハ、偶々ですよ」
「ご謙遜を、できればこれからも吸血鬼とは戦いたくないものですわ」
「えぇ」
僕は当たり障りのない回答で済ませる。
闘技場に戻ると魔法で傷付いていた床がきれいに治っていた。
「それでは大将戦を始める」
リリア殿が負けてしまったからだろうか観客のエルフたちに覇気がなく。聞こえてくる声も「リリア様が負けるなんてもう終わりだ」「リリア様ですら勝てないなんて」「キャー私のリリア様が負けるなんて」「大丈夫だまだラス様が」「ラス様がなんとかしてくださるはず」「ラス様頼む」とさっきとは打って変わり4分の3の観客は諦め残りの4分の1は、応援というよりはお祈りしてる感じだ。
「ハハハ、ヴラッド殿、お手柔らかにお願いいたします」
「ラス殿、こちらこそお手柔らかに」
挨拶が済むと動いたのはラス殿だ。武器は双剣のように見えるが両方とも形が少し違う。右手の方は槍のように尖った先端と斧が合わさったようなもの。左手の方は持ち手が真ん中で上と下に湾曲した刃を持っている。
「あの武器はハルバードとハラディだ。あの癖のある武器を両手剣として使うなぞ聞いたことが無い」
ジールが感嘆の声で呟く。
流石武器に詳しいジールの呟きのおかげで武器の名前はわかった。わかったからといって、すぐに対処できないが。要は遠距離だと先端の槍の餌食、中距離だと斧に叩かれる、近距離だとあの鋭そうな上下が湾曲した刃のハラディの餌食になるって事だろう。ならまずは遠距離で様子を見るか。僕は向かってきたラス殿から距離を離し遠距離から魔法で様子を見る。当たっても火傷程度の火の玉だ。
「ファイアーボール」
「遠距離なら安全とお思いか。ウォーターガン」
魔法も火と水という相性まで悪すぎる。次の手を考える。死者を出せない模擬戦に於いて闇魔法は使えない。なら土魔法だが水魔法を止められる程度だろう攻撃には繋げられそうにない。中距離のハルバードの攻撃を掻い潜り、接近してもハラディが待ち受けてる。いや土魔法で盾を作りハラディの攻撃を受け止め、奇襲に特化している僕の相棒モーニングスターで殴れば気絶に持ち込めるか、試してみる価値はある。行動に移そう。
「ファイアーボール」
「ウォーターガン」
先ほどよりも大きいファイアーボールがウォーターガンで消されて水蒸気が発生する煙幕の代わりだ。近づく僕に気付いたラス殿はハルバードで突き刺し攻撃、それを掻い潜ると斧の部分での叩きつけそれも交わして最接近するとハラディでの双刃攻撃、ここだ。
「アースシールド」
ハラディの攻撃を受け止めて絡め取り、モーニングスターでラス殿を殴り飛ばした。
「うっ、土魔法とモーニングスターの合わせ技お見事です。参りました」
「いえラス殿の水の魔法、癖のある武器を両手剣としてここまで使いこなす技量、良いものを見せていただきました」
「勝者レオンダイト・ヴラッド」
勝者を告げるエイミー女王陛下の落ち込み度合いは相当なものだ。観客たちも全員手も足も出ないエルフの精鋭たちの姿を見て意気消沈している。ここだ戦力差を覆すため僕は固有スキル意識支配を仕込む。
浮き沈みの激しい模擬戦で意識支配をかけやすくし、エルフェアリーナ王国を無傷又は最小限の被害で一時的に奪取する。
戦をしていないとドレッド魔王様が怪しむだから戦をしなければならないがこんな事で双方血を流してはならない。
戦いの心得のあるものなら問題はない兵数が足りなくなったと動員される民兵が心配だったのだ。それが動員できないならこちらは戦えるもので残りのエルフ軍を拘束していく、一時恨まれてもエルフと吸血鬼双方に益のあるように持ってけば良い。
模擬戦としか皆に伝えていないのだから今は居城に帰る。だがこれはあくまでドラマリア様の救出作戦と並行して行わなければならない。救出作戦の方が早ければドレッド魔王様とドラゴレアム丞相に怪しまれる。我々がやった可能性を微塵も思わせてはいけないのだ。
僕は今回の件を先ずはエルフの国の情報と偵察のための模擬戦とドレッド魔王様とドラゴレアム丞相に伝えている。
戦を有利にするために情報を知りたいのは当然だろう。
吸血鬼が全て離れないとあの2人を事を起こさないはずだ。
その証拠に2人揃って『エルフェアリーナ王国に戦を仕掛けるときは知らせよ』と言ってきたからな。
闘技場が魔法で傷付いているとのことで修復中の間、天幕にウルファスを労いにきた。
「ウルファス、良くやった、大金星だな」
「兄上、自分でもそう思いますよ。本当に危なかった。回復魔法の後立て続けに魔法の合わせ技をされれば負けていたのは俺だったでしょうね」
「ウルファス、謙遜なぞせんでよい。さすが某の愛弟子だ。偃月刀の扱い方様になっておったわ。カッカッカッ」
「ジール様がこんな俺に根気強く指導してくださったからですよ」
ジールが天幕に入ってきてウルファスの肩をバシバシ叩きながら笑っている。
「ここまで皆が繋いでくれたから全勝して帰ろう」
「兄上、ご武運を」「若ご武運を」
「あぁ」
天幕から出るとエイミー女王陛下と鉢合わせた。
「吸血鬼がここまで強いとは思いませんでしたわ」
「ハハハ、偶々ですよ」
「ご謙遜を、できればこれからも吸血鬼とは戦いたくないものですわ」
「えぇ」
僕は当たり障りのない回答で済ませる。
闘技場に戻ると魔法で傷付いていた床がきれいに治っていた。
「それでは大将戦を始める」
リリア殿が負けてしまったからだろうか観客のエルフたちに覇気がなく。聞こえてくる声も「リリア様が負けるなんてもう終わりだ」「リリア様ですら勝てないなんて」「キャー私のリリア様が負けるなんて」「大丈夫だまだラス様が」「ラス様がなんとかしてくださるはず」「ラス様頼む」とさっきとは打って変わり4分の3の観客は諦め残りの4分の1は、応援というよりはお祈りしてる感じだ。
「ハハハ、ヴラッド殿、お手柔らかにお願いいたします」
「ラス殿、こちらこそお手柔らかに」
挨拶が済むと動いたのはラス殿だ。武器は双剣のように見えるが両方とも形が少し違う。右手の方は槍のように尖った先端と斧が合わさったようなもの。左手の方は持ち手が真ん中で上と下に湾曲した刃を持っている。
「あの武器はハルバードとハラディだ。あの癖のある武器を両手剣として使うなぞ聞いたことが無い」
ジールが感嘆の声で呟く。
流石武器に詳しいジールの呟きのおかげで武器の名前はわかった。わかったからといって、すぐに対処できないが。要は遠距離だと先端の槍の餌食、中距離だと斧に叩かれる、近距離だとあの鋭そうな上下が湾曲した刃のハラディの餌食になるって事だろう。ならまずは遠距離で様子を見るか。僕は向かってきたラス殿から距離を離し遠距離から魔法で様子を見る。当たっても火傷程度の火の玉だ。
「ファイアーボール」
「遠距離なら安全とお思いか。ウォーターガン」
魔法も火と水という相性まで悪すぎる。次の手を考える。死者を出せない模擬戦に於いて闇魔法は使えない。なら土魔法だが水魔法を止められる程度だろう攻撃には繋げられそうにない。中距離のハルバードの攻撃を掻い潜り、接近してもハラディが待ち受けてる。いや土魔法で盾を作りハラディの攻撃を受け止め、奇襲に特化している僕の相棒モーニングスターで殴れば気絶に持ち込めるか、試してみる価値はある。行動に移そう。
「ファイアーボール」
「ウォーターガン」
先ほどよりも大きいファイアーボールがウォーターガンで消されて水蒸気が発生する煙幕の代わりだ。近づく僕に気付いたラス殿はハルバードで突き刺し攻撃、それを掻い潜ると斧の部分での叩きつけそれも交わして最接近するとハラディでの双刃攻撃、ここだ。
「アースシールド」
ハラディの攻撃を受け止めて絡め取り、モーニングスターでラス殿を殴り飛ばした。
「うっ、土魔法とモーニングスターの合わせ技お見事です。参りました」
「いえラス殿の水の魔法、癖のある武器を両手剣としてここまで使いこなす技量、良いものを見せていただきました」
「勝者レオンダイト・ヴラッド」
勝者を告げるエイミー女王陛下の落ち込み度合いは相当なものだ。観客たちも全員手も足も出ないエルフの精鋭たちの姿を見て意気消沈している。ここだ戦力差を覆すため僕は固有スキル意識支配を仕込む。
浮き沈みの激しい模擬戦で意識支配をかけやすくし、エルフェアリーナ王国を無傷又は最小限の被害で一時的に奪取する。
戦をしていないとドレッド魔王様が怪しむだから戦をしなければならないがこんな事で双方血を流してはならない。
戦いの心得のあるものなら問題はない兵数が足りなくなったと動員される民兵が心配だったのだ。それが動員できないならこちらは戦えるもので残りのエルフ軍を拘束していく、一時恨まれてもエルフと吸血鬼双方に益のあるように持ってけば良い。
模擬戦としか皆に伝えていないのだから今は居城に帰る。だがこれはあくまでドラマリア様の救出作戦と並行して行わなければならない。救出作戦の方が早ければドレッド魔王様とドラゴレアム丞相に怪しまれる。我々がやった可能性を微塵も思わせてはいけないのだ。
僕は今回の件を先ずはエルフの国の情報と偵察のための模擬戦とドレッド魔王様とドラゴレアム丞相に伝えている。
戦を有利にするために情報を知りたいのは当然だろう。
吸血鬼が全て離れないとあの2人を事を起こさないはずだ。
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