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1章 転生と吸血鬼を取り巻く情勢
第6話 目を覚ましたら、、、
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長いこと寝てた気はしてたがえっえっ産まれる前なのマジか!
気がついた玲王は今まさに産まれる前だった。
玲王はこの時代の父と母のことをレオン父様とリリア母様と呼ぶことを決めていたが産まれてすぐ声なんて出ないw
異世界の出産だ。
現代医療のように帝王切開など無い。
産むとなると自然分娩一択になる。
それも座産である。
左右にピンと貼られた2本のロープを掴み、歯を食いしばり、出産の痛みに耐える。
お湯の入った大きめの桶で産まれた赤ちゃんをすぐ洗えるように産婆さんが産まれた赤ちゃんを拾いあげられるように待機している。
助産師さんがいてることで孤独な出産にならないことは救いである。
「リリア様、もうすぐですよ頭が見えていますからね。ヒッヒッフーの呼吸でもう少し頑張りましょうね」
「ハァハァハァ、ヒッヒッフー」
「リリア様、その調子です。もう産まれますよ」
「ハァハァ、ハァハァ、ヒッヒッフゥーー」
「オンギャーオンギャー」
「リリア様、よく頑張りましたね。可愛らしい男の子ですよ」
キーン婆さんはそう言って産まれた赤ちゃんをリリアに見せたあと手際よく赤ちゃんを洗いタオルで包みリリアの隣に寝かせた。
そして扉の前でウロウロと落ち着かないレオンダイトを呼びに向かった。
「レオン坊っちゃま、産まれましたよ。男の子です。リリア様も御子様も心身共に無事です。少し身体の特徴が兎に角御姿を見てあげてください」
そう言って退室したキーン婆さんの後にレオン父様が入ってくる。
レオン父様はまずリリア母様の元に向かって耳元で「ありがとう、良くやった」と感謝を伝えていた。
そして玲王の元にやってきてじっくりと観察し名前を呼ぼうとしたところリリア母様に止められて2人で一緒にこの世界での玲王の名前を呼んだ。
「君の名前はクレオ・ヴラッドだよ」
「貴方の名前はクレオ・ヴラッドよ」
どうやらこの世界での玲王の名前はクレオ・ヴラッドというらしい。
名前を呼ばれたクレオは御手手を大きく伸ばす伸びのポーズをした。
レオン父様とリリア母様はお互い顔を見合わせてクレオを見て嬉しそうに微笑んでいた。
レオン父様は後ろに控えていた2人にお祝いの言葉をかけられていた。
それを聞き終わるとすぐに2人に指示を出した。
「アーロン、あの件について至急話したいことがある。明日もう一度バルバラも連れて来てくれ」
「兄貴わかったぜ。バルバラも喜ぶ。兄貴と姐さんの子供を見たがってたからな」
そういうとアーロンは居城を後にした。
アーロンと呼ばれた方はどうやらレオン父様の弟らしいのでクレオにとって叔父さんである。
「ウルファス、応接間に案内していた客人を客間に案内して休んでもらってくれ、心配ならお前がそばに居ても良いぞ」
「兄上、わかりました。しかし後半の部分は何を言っているのですかなぁ。ハハ」
顔を真っ赤にしながら応接間にルンルン気分で向かって去ろうとしているウルファスと呼ばれた方もレオン父様のことを兄上と呼んでるということはクレオにとって叔父さんということになるのだろうか。
「レオン、バルバラまで呼んで至急話したいことがあるの?」
「あぁ、でもリリアその件は明日クレオのお披露目も兼ねて皆で話し合おう。今はゆっくり休んでよ」
「えぇ、わかったわ」
そう言いリリア母様はクレオの頭を撫でながらスースーと眠りについていた。
それを見届けるとレオンはキーン婆さんを呼んだ。
「キーン、クレオを抱っこして、ついてきてくれ。僕はリリアを抱き抱えて寝室に運ぶ」
「レオン坊ちゃま、承知しました。いえもう父になられたのですからいつまでも坊ちゃまではダメですね。レオン様とお呼びしますね」
クスクスと笑いながらも坊ちゃまと呼べなくなったことに悲しみを滲ませていた。
リリアとクレオを寝室に運んだレオンとキーン婆さんは今後のことを話し合うため執務室に移動する。
「キーン、クレオの身体的特徴だが、おそらく吸血鬼とハイエルフの力を均等に受け継いだ忌み子だ」
「そんなクレオ坊っちゃまが、、、だとしたらレオン様はどうなさるおつもりですか」
「僕とリリアに取って待望の子どもだ。もちろん育て上げるつもりだ。だがそのために魔王様の元にその旨を伝えにいく必要がある。許してくださるかは分からんが」
「そういうことでしたらレオン様が話されるのが良いでしょう。アタシはこのことを魔王様に報告はせず、レオン様から後日謁見の際にお聞きくださいとでも言いましょう」
そう聞くとレオンは驚いた顔をして言った。
「キーン、そんなことをして、お前は大丈夫なのか?」
「レオン様がアタシを信頼してお話ししてくださったのです。アタシは悪魔族ですがいつまでもレオン様の味方ですよ。アタシの心配はせずクレオ坊っちゃまのことだけ考えなさいませ」
「キーン婆や、かたじけない」
キーン婆さんは、魔王を世襲してる悪魔族である。
本来報告の義務も兼ねて派遣されてるはずだ。
なのにその心遣いに感極まり昔の呼び名でキーン婆さんのことを呼びレオンとキーン婆さんは握手を交わした。
「では失礼しますレオン様。リリア様とクレオ坊っちゃまと仲良く健やかにお過ごしくださいませ」
そういうとキーン婆さんは、執務室を出て、魔王城に戻っていった。
それを見届けたレオンは執務室に戻り、明日話すことを頭の中で整理するとリリアとクレオの待つ寝室に向かい眠りについた。
気がついた玲王は今まさに産まれる前だった。
玲王はこの時代の父と母のことをレオン父様とリリア母様と呼ぶことを決めていたが産まれてすぐ声なんて出ないw
異世界の出産だ。
現代医療のように帝王切開など無い。
産むとなると自然分娩一択になる。
それも座産である。
左右にピンと貼られた2本のロープを掴み、歯を食いしばり、出産の痛みに耐える。
お湯の入った大きめの桶で産まれた赤ちゃんをすぐ洗えるように産婆さんが産まれた赤ちゃんを拾いあげられるように待機している。
助産師さんがいてることで孤独な出産にならないことは救いである。
「リリア様、もうすぐですよ頭が見えていますからね。ヒッヒッフーの呼吸でもう少し頑張りましょうね」
「ハァハァハァ、ヒッヒッフー」
「リリア様、その調子です。もう産まれますよ」
「ハァハァ、ハァハァ、ヒッヒッフゥーー」
「オンギャーオンギャー」
「リリア様、よく頑張りましたね。可愛らしい男の子ですよ」
キーン婆さんはそう言って産まれた赤ちゃんをリリアに見せたあと手際よく赤ちゃんを洗いタオルで包みリリアの隣に寝かせた。
そして扉の前でウロウロと落ち着かないレオンダイトを呼びに向かった。
「レオン坊っちゃま、産まれましたよ。男の子です。リリア様も御子様も心身共に無事です。少し身体の特徴が兎に角御姿を見てあげてください」
そう言って退室したキーン婆さんの後にレオン父様が入ってくる。
レオン父様はまずリリア母様の元に向かって耳元で「ありがとう、良くやった」と感謝を伝えていた。
そして玲王の元にやってきてじっくりと観察し名前を呼ぼうとしたところリリア母様に止められて2人で一緒にこの世界での玲王の名前を呼んだ。
「君の名前はクレオ・ヴラッドだよ」
「貴方の名前はクレオ・ヴラッドよ」
どうやらこの世界での玲王の名前はクレオ・ヴラッドというらしい。
名前を呼ばれたクレオは御手手を大きく伸ばす伸びのポーズをした。
レオン父様とリリア母様はお互い顔を見合わせてクレオを見て嬉しそうに微笑んでいた。
レオン父様は後ろに控えていた2人にお祝いの言葉をかけられていた。
それを聞き終わるとすぐに2人に指示を出した。
「アーロン、あの件について至急話したいことがある。明日もう一度バルバラも連れて来てくれ」
「兄貴わかったぜ。バルバラも喜ぶ。兄貴と姐さんの子供を見たがってたからな」
そういうとアーロンは居城を後にした。
アーロンと呼ばれた方はどうやらレオン父様の弟らしいのでクレオにとって叔父さんである。
「ウルファス、応接間に案内していた客人を客間に案内して休んでもらってくれ、心配ならお前がそばに居ても良いぞ」
「兄上、わかりました。しかし後半の部分は何を言っているのですかなぁ。ハハ」
顔を真っ赤にしながら応接間にルンルン気分で向かって去ろうとしているウルファスと呼ばれた方もレオン父様のことを兄上と呼んでるということはクレオにとって叔父さんということになるのだろうか。
「レオン、バルバラまで呼んで至急話したいことがあるの?」
「あぁ、でもリリアその件は明日クレオのお披露目も兼ねて皆で話し合おう。今はゆっくり休んでよ」
「えぇ、わかったわ」
そう言いリリア母様はクレオの頭を撫でながらスースーと眠りについていた。
それを見届けるとレオンはキーン婆さんを呼んだ。
「キーン、クレオを抱っこして、ついてきてくれ。僕はリリアを抱き抱えて寝室に運ぶ」
「レオン坊ちゃま、承知しました。いえもう父になられたのですからいつまでも坊ちゃまではダメですね。レオン様とお呼びしますね」
クスクスと笑いながらも坊ちゃまと呼べなくなったことに悲しみを滲ませていた。
リリアとクレオを寝室に運んだレオンとキーン婆さんは今後のことを話し合うため執務室に移動する。
「キーン、クレオの身体的特徴だが、おそらく吸血鬼とハイエルフの力を均等に受け継いだ忌み子だ」
「そんなクレオ坊っちゃまが、、、だとしたらレオン様はどうなさるおつもりですか」
「僕とリリアに取って待望の子どもだ。もちろん育て上げるつもりだ。だがそのために魔王様の元にその旨を伝えにいく必要がある。許してくださるかは分からんが」
「そういうことでしたらレオン様が話されるのが良いでしょう。アタシはこのことを魔王様に報告はせず、レオン様から後日謁見の際にお聞きくださいとでも言いましょう」
そう聞くとレオンは驚いた顔をして言った。
「キーン、そんなことをして、お前は大丈夫なのか?」
「レオン様がアタシを信頼してお話ししてくださったのです。アタシは悪魔族ですがいつまでもレオン様の味方ですよ。アタシの心配はせずクレオ坊っちゃまのことだけ考えなさいませ」
「キーン婆や、かたじけない」
キーン婆さんは、魔王を世襲してる悪魔族である。
本来報告の義務も兼ねて派遣されてるはずだ。
なのにその心遣いに感極まり昔の呼び名でキーン婆さんのことを呼びレオンとキーン婆さんは握手を交わした。
「では失礼しますレオン様。リリア様とクレオ坊っちゃまと仲良く健やかにお過ごしくださいませ」
そういうとキーン婆さんは、執務室を出て、魔王城に戻っていった。
それを見届けたレオンは執務室に戻り、明日話すことを頭の中で整理するとリリアとクレオの待つ寝室に向かい眠りについた。
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