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5章 天下統一
呂壱の切り札
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2頭の首は犬ではなく呂壱と孫暠で、身体は真っ黒な黒犬で、尻尾が二又に分かれている異様な姿の怪物を前に左慈が式符を手に相手をしていた。
呂壱「俺の切り札の力を想い知れ左慈方士ぃぃぃぃ」
左慈「やれやれ、小生も舐められたものだ。出でよ獬豸・騶虞・白沢」
獬豸「左慈しゃま~。呼んで頂き嬉しいでしゅ~。あの野蛮な犬をやっつけたら良いんでしゅね~。頑張っちゃうぞ~」
騶虞「左慈様のお呼びとあらば手を貸すのが我が喜び、狗もどきがバウバウと吠えるな。すぐに滅してくれようぞ」
白沢「左慈よ。ワシまで呼び出すとは、成程。この2人を上手く使いこなせということか。やれやれ」
左慈「白沢なら得意分野であろう」
白沢「ふむ。して、あの禍々しいのは何だ。人の子が化け物に身を落とすなど正気の沙汰では無かろうて」
左慈「訳あって、四神の手を借りられぬ故、白沢達に頼らざるおえないのだ」
白沢「さては、左慈よ。黄竜様と何か約束事でもしたのかのぉ?」
左慈「言わんでくれ。約束事を破ったと知られれば、どんな目に合わされるかわかったものではない」
白沢「成程、まぁ黄竜様の気まぐれは良い時も悪い時もあるからのぉ。やれやれ、そういうことなら手を貸してやるとしよう。獬豸に騶虞よ。真正面からぶつかるで無いぞ。アヤツは、地獄の獣ゆえな」
獬豸「了解でしゅ。騶虞と掻き回すでしゅ」
騶虞「ふむ。承知した」
ここで少し説明を挟もう。
獬豸とは、狛犬の姿をしている。
騶虞とは、虎の姿をしている。
白沢とは、白い獅子の姿をしている。
これら3つの左慈の式神は、瑞獣である。
瑞獣とは、動物たちの長であり、特異な特徴を持つ動物たちである。
この他に9本の尻尾がある狐の九尾もそうなのだが。
左慈「やれやれ、九尾の奴は何処に」
騶虞「あの男好きの化け狐のことなど知らん。我らと同列に扱われているなど許せぬ」
???「あら~騶虞ちゃんったら失礼しちゃうわね。アタシは別に左慈の式神ではないもの。好きに動いても責められる謂れはなくってよ。それにしても禍々しい化け物ちゃんね~」
獬豸「九尾お姉ちゃんだ~。久しぶりでしゅ~」
九尾「もふもふ度が増して、より一層可愛くなってるわよ獬豸ちゃん」
獬豸「エヘヘ。九尾お姉ちゃんに褒められた~。嬉しいでしゅ~」
白沢「来たからには手を貸す気はあるのじゃろう九尾よ?」
九尾「勿論よ白沢。それにしても、気持ち悪い狗ね~」
孫暠「さっきから獣風情がキャンキャン盛りやがって、纏めて喰らってくれるわ」
言葉と裏腹にその場から動けないオルトロス。
九尾「あらあら、どうしちゃったの。威勢よく吠えてた癖に全然動けてないわよ」
孫暠「狐女。貴様、何をした」
九尾「あら、狐女だなんて、失礼しちゃう。私クラスになるとこうやって、人のような姿にもなれるんだから」
呂壱「そんなことは聞いていない。身体が重い」
九尾「黒狗ちゃんだけ、重力を10倍にしてみたのよ」
白沢「相変わらずえげつないことをするのぉ」
孫暠「頭に血液と水が行き渡らん。苦しい」
呂壱「この化け狐が。早く重力を戻せ。苦しい」
九尾「あらあら。苦しそうな顔しちゃって、素敵よ~。だけどごめんなさいね。アタシ、得にならないことは、しない主義なの。一応、聞いてあげるけど。貴方たちを戻して、アタシに何の得があるのかしら?」
孫暠「頭が身体がもう限界だ。息がもう」
呂壱「左慈方士ぃぃぃぃ。やはり貴様は、我々呪術師の天敵だ。この恨み、いつか必ず晴らしてくれるわ」
ボカンと破裂して、血飛沫を被った九尾は舐めとる。
九尾「マッズ。腐った人間の味ね~。ヤダヤダ、アタシのお肌が汚れちゃったわ。左慈ちゃん、悪いんだけどさ。この近くに秘湯ってないわけ?それで、今回のことはチャラにしてあげるし、黄竜ちゃんにも報告しないであげるわよ」
左慈「それならこの近くに1つ」
九尾「あら、それは助かるわ。じゃ、今回の働きはこれでチャラってことで~」
白沢「左慈よ。九尾にも頼んでいたのだな」
左慈「小生も緊急事態だったゆえ。見返りに要求されたのが秘湯であって、良かったと言えよう」
白沢「全くじゃ。要求されたのが男だったらと考えると恐ろしい」
左慈「本人に自覚がなくとも絶世の美女として君臨して、国を傾けさせてしまいますゆえな」
白沢「ふむ」
獬豸「あっ九尾お姉ちゃん、行っちゃったでしゅ。もっとお話ししたかったのでしゅ」
騶虞「やめておけ、あのような馬鹿狐に感化されてはならん」
左慈「何はともあれ、協力に感謝する。これで、黄竜様から」
その言葉を聞いて、急いで式符に戻った獬豸と騶虞と白沢。
そこには。
???「童よ。我は呪術の消滅を命じたはずだが。先程の禍々しい気配の説明はできるのであろうな?」
左慈「これは、これは黄竜様、はて何のことやら」
黄竜「惚けても無駄じゃ。ワシは、この地を守護してきた神の頂点ぞ」
左慈「あの。その。小生は何も」
黄竜「ほぉ、あくまで白を切ると。では、天界にて、キッチリと絞ってやろうかのぉ」
左慈「うわぁぁぁぁぁ」
黄竜の前では、いかに左慈といえ赤子も同然、この後コッテリと絞られたのは言うまでもない。
呂壱「俺の切り札の力を想い知れ左慈方士ぃぃぃぃ」
左慈「やれやれ、小生も舐められたものだ。出でよ獬豸・騶虞・白沢」
獬豸「左慈しゃま~。呼んで頂き嬉しいでしゅ~。あの野蛮な犬をやっつけたら良いんでしゅね~。頑張っちゃうぞ~」
騶虞「左慈様のお呼びとあらば手を貸すのが我が喜び、狗もどきがバウバウと吠えるな。すぐに滅してくれようぞ」
白沢「左慈よ。ワシまで呼び出すとは、成程。この2人を上手く使いこなせということか。やれやれ」
左慈「白沢なら得意分野であろう」
白沢「ふむ。して、あの禍々しいのは何だ。人の子が化け物に身を落とすなど正気の沙汰では無かろうて」
左慈「訳あって、四神の手を借りられぬ故、白沢達に頼らざるおえないのだ」
白沢「さては、左慈よ。黄竜様と何か約束事でもしたのかのぉ?」
左慈「言わんでくれ。約束事を破ったと知られれば、どんな目に合わされるかわかったものではない」
白沢「成程、まぁ黄竜様の気まぐれは良い時も悪い時もあるからのぉ。やれやれ、そういうことなら手を貸してやるとしよう。獬豸に騶虞よ。真正面からぶつかるで無いぞ。アヤツは、地獄の獣ゆえな」
獬豸「了解でしゅ。騶虞と掻き回すでしゅ」
騶虞「ふむ。承知した」
ここで少し説明を挟もう。
獬豸とは、狛犬の姿をしている。
騶虞とは、虎の姿をしている。
白沢とは、白い獅子の姿をしている。
これら3つの左慈の式神は、瑞獣である。
瑞獣とは、動物たちの長であり、特異な特徴を持つ動物たちである。
この他に9本の尻尾がある狐の九尾もそうなのだが。
左慈「やれやれ、九尾の奴は何処に」
騶虞「あの男好きの化け狐のことなど知らん。我らと同列に扱われているなど許せぬ」
???「あら~騶虞ちゃんったら失礼しちゃうわね。アタシは別に左慈の式神ではないもの。好きに動いても責められる謂れはなくってよ。それにしても禍々しい化け物ちゃんね~」
獬豸「九尾お姉ちゃんだ~。久しぶりでしゅ~」
九尾「もふもふ度が増して、より一層可愛くなってるわよ獬豸ちゃん」
獬豸「エヘヘ。九尾お姉ちゃんに褒められた~。嬉しいでしゅ~」
白沢「来たからには手を貸す気はあるのじゃろう九尾よ?」
九尾「勿論よ白沢。それにしても、気持ち悪い狗ね~」
孫暠「さっきから獣風情がキャンキャン盛りやがって、纏めて喰らってくれるわ」
言葉と裏腹にその場から動けないオルトロス。
九尾「あらあら、どうしちゃったの。威勢よく吠えてた癖に全然動けてないわよ」
孫暠「狐女。貴様、何をした」
九尾「あら、狐女だなんて、失礼しちゃう。私クラスになるとこうやって、人のような姿にもなれるんだから」
呂壱「そんなことは聞いていない。身体が重い」
九尾「黒狗ちゃんだけ、重力を10倍にしてみたのよ」
白沢「相変わらずえげつないことをするのぉ」
孫暠「頭に血液と水が行き渡らん。苦しい」
呂壱「この化け狐が。早く重力を戻せ。苦しい」
九尾「あらあら。苦しそうな顔しちゃって、素敵よ~。だけどごめんなさいね。アタシ、得にならないことは、しない主義なの。一応、聞いてあげるけど。貴方たちを戻して、アタシに何の得があるのかしら?」
孫暠「頭が身体がもう限界だ。息がもう」
呂壱「左慈方士ぃぃぃぃ。やはり貴様は、我々呪術師の天敵だ。この恨み、いつか必ず晴らしてくれるわ」
ボカンと破裂して、血飛沫を被った九尾は舐めとる。
九尾「マッズ。腐った人間の味ね~。ヤダヤダ、アタシのお肌が汚れちゃったわ。左慈ちゃん、悪いんだけどさ。この近くに秘湯ってないわけ?それで、今回のことはチャラにしてあげるし、黄竜ちゃんにも報告しないであげるわよ」
左慈「それならこの近くに1つ」
九尾「あら、それは助かるわ。じゃ、今回の働きはこれでチャラってことで~」
白沢「左慈よ。九尾にも頼んでいたのだな」
左慈「小生も緊急事態だったゆえ。見返りに要求されたのが秘湯であって、良かったと言えよう」
白沢「全くじゃ。要求されたのが男だったらと考えると恐ろしい」
左慈「本人に自覚がなくとも絶世の美女として君臨して、国を傾けさせてしまいますゆえな」
白沢「ふむ」
獬豸「あっ九尾お姉ちゃん、行っちゃったでしゅ。もっとお話ししたかったのでしゅ」
騶虞「やめておけ、あのような馬鹿狐に感化されてはならん」
左慈「何はともあれ、協力に感謝する。これで、黄竜様から」
その言葉を聞いて、急いで式符に戻った獬豸と騶虞と白沢。
そこには。
???「童よ。我は呪術の消滅を命じたはずだが。先程の禍々しい気配の説明はできるのであろうな?」
左慈「これは、これは黄竜様、はて何のことやら」
黄竜「惚けても無駄じゃ。ワシは、この地を守護してきた神の頂点ぞ」
左慈「あの。その。小生は何も」
黄竜「ほぉ、あくまで白を切ると。では、天界にて、キッチリと絞ってやろうかのぉ」
左慈「うわぁぁぁぁぁ」
黄竜の前では、いかに左慈といえ赤子も同然、この後コッテリと絞られたのは言うまでもない。
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