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5章 天下統一

新たな輸送兵器

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 孫翊から家族と再会できるのはこちらも嬉しいと手紙の返事を貰ったとはいえ、孫堅軍だけでは、兵として心許ない。
 そんな、兵問題を解決したのは、諸葛亮の妻で兵器開発の天才である黄月英と投石器を改良した馬鈞であった。

 劉備「兵をバレずに送り込めるそんな兵器があれば良いのだが」

 諸葛亮「我が妻、月英ならば何か思いつくやも知れません」

 劉曄「殿、そういうことでしたら我が友人の馬鈞もお呼びください」

 劉備「2人なら何か思いつくか。すぐここに」

 間も無く黄月英と馬鈞が中に入ってきた。

 黄月英「バレずに兵を送り込む兵器ですか?もう馬鈞殿と開発してしまいましたよ~」

 劉備「何!?それは真か!」

 馬鈞「益州に行く前に義賢に頼まれた」

 諸葛亮「それが我が妻と協力することにつながるのですか?」

 馬鈞「訪ねてきた」

 諸葛亮「???」

 黄月英「馬鈞殿、それだと主人が不倫を疑うのも無理はありませんよ~」

 馬鈞「そうなのか?」

 黄月英「私のところにも劉丁様が訪ねてきたんですよ。劉備様を守るために見た目には兵が輸送されているとわからない兵器が必要になると」

 諸葛亮「そういうことでしたか」

 黄月英「それはそうと旦那様。私が旦那様以外に色目を使うと本気でお思いですか?」

 諸葛亮「そ、そんなこと思っているわけが無いでしょう」

 黄月英「まぁ、良いでしょう。それで、開発しました」

 馬鈞「義賢の奴は面白い」

 劉備「話が全く見えないのだが」

 黄月英「あの設計図は凄かったですよね」

 馬鈞「うむ。あれは俺でも思い付かん」

 黄月英「まさか、大きな木馬を作るだなんて」

 馬鈞「うむ。攻城戦では一度きりの使用」

 黄月英「えぇ。でも輸送方法としては、見た目にはただの木馬にしか見えませんもんね」

 馬鈞「うむ。義賢は目の付け所が面白い」

 諸葛亮「月英、兵器開発が楽しかったのは、わかりますが2人で盛り上がっては、殿に伝わらないでしょう」

 黄月英「失礼しました劉備様。私と馬鈞殿で開発したのは、大きな木馬です」

 馬鈞「実物はこっちだ」

 外に案内されるとそこには、見事な木馬があった。

 劉備「これなら確かに傍目にはわからないと思うのだが」

 諸葛亮「このような目立つものを通すでしょうか?」

 馬鈞「だから言った」

 黄月英「だって、言われた通り、そのまま作ったのを先ずは見てもらいたいじゃ無いですか!これを改良して兵糧輸送用の木牛流馬ぼくぎゅうりゅうばなんてものも開発できましたし。牛さんに似て可愛いんですよ~。次は、虎さんに似せた火を吹く車の開発中何ですから」

 諸葛亮「それは面白いですね。流石、我が妻です」

 黄月英「エヘヘ。旦那様に褒められちゃいました~」

 馬鈞「惚気か」

 黄月英「馬鈞殿も結婚すればわかります!」

 馬鈞「女に興味ない。研究こそ我が人生」

 黄月英「・・・旦那様に出会わなかったら私もきっとそうだったなぁ。エヘヘ」

 馬鈞「惚気め」

 劉備「えーっと、で、これだと目立つ。他にあるのだろう?」

 馬鈞「これだ」

 そこには、大きな木像があった。

 劉備「いや、だから大きいから目立つと」

 馬鈞「大丈夫だ」

 劉曄「馬鈞、それでは伝わらないかと」

 馬鈞「そうなのか?」

 黄月英「はい」

 馬鈞「うむ。伝えるのは難しい」

 黄月英「もう。その何でしたっけ?そうそう、呂壱です。呂壱は、自分のことが大好きみたいで、この大きな木像を贈ったら、喜んで、中に招き入れるとか。なんとか。会ったことないので、どんな人かもわからないはずなのに、スラスラと話していました」

 劉備「成程。丁の奴は、これも経験したのか。いや、まさか私が死ぬところを見たのか」

 諸葛亮「おそらくは。そうでなければ、敵のことを知りようがありません。ですが、敵の名前がわかりましたね」

 孫尚香「呂壱ですって!?あのクソ宦官が孫翊兄様を誑かしたのね。納得したわ。あのクソ野郎の急所に弓で風穴開けてやるんだから」

 劉備「宦官というのは、その男性として自ら不能にした者だな?」

 孫尚香「それだけじゃ無いの。呂壱は、孫家の奴隷であり官僚と言えば良いかしら。まぁ、良い言い方をすれば、古くから仕えてる家柄ね」

 劉備「奴隷?」

 孫尚香「奴隷と言っても酷い扱いはしてないわ。家の周りのことをやってくれる使用人みたいなものかしら」

 劉備「それがどうして?」

 孫尚香「アイツはね。野心が高かったのよ。私に向ける目もいやらしくて、本当に去勢してるのってぐらいギラついてたんだから」

 劉備「ん?尚香は、6歳でこちらに嫁いできたよな?」

 孫尚香「えぇ、そうよ」

 劉備「私の尚香に。幼女時代の尚香に変態な目を向けるなどけしからん。尚香は私のものだ」

 孫尚香「あら、玄徳様が嫉妬してくれるなんて、嬉しい」

 馬鈞「話を戻す」

 黄月英「まぁ、内部を見てください」

 中に案内されるとまるで家かと言うようなくつろげる空間が広がっていた。

 馬鈞「この木像自体が機械仕掛けで動く人形だ」

 劉備「こんなものを開発したのか?」

 馬鈞「久々に楽しめた。義賢の発想は、好きだ」

 黄月英「えぇ、私もあの設計図を見て、ワクワクしました」

 馬鈞「研究者は、皆義賢が好きだ」

 黄月英「わかります。何というか、支援からかかる費用まで捻出してくださいますものね」

 馬鈞「うむ。義賢は、最高だ」

 劉曄「馬鈞がそこまで気を許すのは、僕ぐらいだと思ってましたよ」

 馬鈞「劉曄より義賢のが上だ」

 劉曄「そ、そうですか」

 諸葛亮「ですが殿、これなら」

 劉備「あぁ、兵士の問題は何とかなりそうだ」

 馬鈞「こんなのも作った」

 そこには、女性の木像があった。

 劉備「これは?」

 馬鈞「変態ならこれを欲しがる」

 黄月英「もう、口足らずですよ。嬀覧っていう変態ならこれを喉から手が出るほど欲するから、これも難なく入れると。大体、2つで兵士10万は輸送できるかと」

 劉備「確かに、縦に長いこの大きさなら納得だ。感謝する」

 馬鈞「楽しめたから良い。義賢、帰ってきたら呼べ」

 黄月英「えぇ、もっとお話ししたいので、是非」

 劉備「承知した」

 こうして、兵問題を解決して、呉へと向かう当日を迎えるのだった。
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