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5章 天下統一

曹泰の頑張り

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 曹泰は3日後の深夜のために昼間は寝て、夜は起きていた。

 曹泰「火事?ひょっとして、これかな。こんなわかりにくいのが合図って、何なんだ。良し、行くぞ」

 懲罰牢の監視兵「ふわぁ。ったく。火事なんかこの長安で起こるわけ。って火事!!!!それにあっちの方角は、家のある方じゃねぇか。マイハニー、待っててね~。すぐに君の無事を確認しに行くよ~」

 こうして、懲罰牢を監視している兵士がいなくなるのを見た曹泰は、脱獄を試みる。
 脱獄を繰り返していたので、鍵開けは、得意だった。

 曹泰「カチャカチャカチャってね。先ずは、囚われてる皆んなのところに」

 曹泰は、懲罰牢を抜け出すと一般牢へと向かった。

 曹泰「良かった。みんな無事か?」

 ???「曹泰君、良かった。別のところに連れて行かれたから心配してたんだ」

 曹泰「李禎リテイ君。何で、真ん中に線を引いて」

 李禎「それは」

 ???「オメェのせいだ曹泰!」

 曹泰「曹爽ソウソウ君、それは何で?」

 曹爽「テメェが何度も逃げ出そうとするから同罪だって、殴られたんだよ!だから俺たちは分裂した。俺が率いる曹丕様に膝を折る派閥とお前の志を継いだ李禎が率いる屈さない派閥にな」

 曹泰「まさか、曹爽君は、自分が殴られるのが嫌で李禎君たちに。なんてことを。何を考えてるんだ!そんなことしたらこんなことしてる曹丕と同じじゃ無いか!父上を曹丕から解放するって誓い合ったのは嘘だったのか!」

 曹爽「状況が変わったんだよ!テメェのせいでな。脱獄なんてせずに隙をずっと伺ってりゃ良かったんだ。だよな曹義ソウギ曹訓ソウクン

 曹義「ごめんね曹泰君。兄上の言う通り僕たちは、もう殴られるのは、嫌なんだよ」

 曹訓「ぼくは、にいちゃんたちにちたがうの。いたいの、やなの(僕は、兄ちゃんたちに従うの。痛いのは嫌なの)」

 曹泰「だからって押し付けるのは間違っている!何で、そんなこともわからないんだ」

 ???「仕方ないよ曹泰君。曹爽君は、助かるために曹丕と取引したんだよ。僕たちを逃がさないように見張っとけってね」

 曹泰「楽綝ガクリン君。それは、本当なの?」

 曹爽「あぁ。そうだよ。俺は弟たちを守るために曹丕様と取引したんだよ。お前らが逃げ出そうとしたら密告する代わりに躾と称して殴らないように高幹を諌めてくれってな。だから、残念だったな。大変だ~曹泰がまた逃げ出してるぞ~」

 曹泰「ぐっ(どうしたら。でも僕を信じてくれている人を残していくわけには行かない。こうなったら)」

 李禎「曹泰君、何をしてるの?早く逃げて」

 曹泰「置いていけるわけないだろ。曹爽君、君は最後まで抗えなかったことを今後後悔することになる。それだけは断言しておくよ。弟たちを守ろうとした君は立派だ。でも、それを押し付けるのは違う。じゃあね」

 曹泰が連れ出したのは、李禎と楽綝、それともう2人。

 ???「曹泰よ。俺のことは気にせず李禎と楽綝と弟を頼む」

 曹泰「そんな傷だらけなのを見て、ほって置けるわけないだろう曹肇ソウチョウ君」

 曹肇「だからこそだ。俺は足手纏いになる。李禎と楽綝と弟を優先してくれ。追手は、俺が」

 曹泰「馬鹿を言うな!皆んなで、逃げて、父さんの目を覚まさせるって誓っただろう。僕は、もう誰1人見捨てないぞ」

 ???「そうたいにぃに、にゃいてるの(曹泰兄ちゃん、泣いてるの?)」

 曹泰「大丈夫だよ曹纂ソウサン君」

 曹泰は1番年少の曹纂を背中で背負って、李禎や楽綝たちと離れないように手を繋いで逃げていた。

 曹泰「(僕が逃げても父さんは、身重な母さんのために曹丕に従うことをやめないだろう。ここ長安が真の意味で解放されない限り)曹肇君、外に出れば外に出れば助かるんだ。絶対に置いていかないぞ」

 曹肇「だが、このままでは、いずれ追い付かれる」

 牢屋の兵士「逃げるなガキども!こっちだ」

 曹肇「声がだいぶ近くなっているだろう。俺を捨ておけ。さぁ」

 ???「よく頑張ったのぉ。もう大丈夫じゃ」

 曹泰「オジサンは?」

 ???「オジサンか。ホッホッホ。気の良いお爺ちゃんと思われたかったのだが。ワシの名は、田豊。蜀漢のために重い腰を上げた隠居ジジイじゃよ。では、任せましたぞい丘力居殿」

 丘力居「承知した。兵どもは我ら烏桓兵に任せよ」

 牢屋の兵士「いたぞ。んん?何だアイツらは?」

 丘力居「烏桓族、族長の丘力居と申す。我らが主君、霊帝様のため、貴様ら子供をいたぶる悪人に天罰をくだしてやろう。蹋頓・楼班、子供達を守れ」

 蹋頓「叔父貴、了解だ。久々に暴れてやるぞテメェら」

 烏桓兵「うおおおおお!!!」

 楼班「蹋頓、張り切ってるな。こっちも負けてられないな。動いてる敵兵は皆殺しだ!」

 烏桓兵「ヒャッハーーーーー」

 曹肇「た、助かったのか?でも、蜀漢って、今度は父上が蜀漢に利用されるのでは?」

 ???「安心せよ。我らが首相は、子供を人質に取るような愚かな真似はせん。近いうちに皆、父親の元に帰れるであろう」

 曹肇「そうか。良かった。ところで爺さん、何者だ?」

 ???「これは失礼したのぉ。ワシは、沮授。田豊と同じく蜀漢のために重い腰を上げた、隠居ジジイじゃよ」

 曹肇「長安を奇襲されるなんて、曹丕の奴も思ってなかっただろうな。俺は疲れた」

 曹泰「曹肇君、嘘だろ。ここまで来たのに」

 沮授「安心せよ。どうやら、気絶したようじゃ。しかし、この傷。我らの医者に見せても構わぬか?」

 曹泰「お願いします」

 そうこう話をしている間に、丘力居の率いた烏桓兵が牢屋にいた兵士を殲滅して、まだ残っていた子供を連れてきたのだった。
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