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5章 天下統一
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鷂が3つ目の騒ぎを起こしに向かう。
鷂「火事からの泥棒と来たら次はと。やっぱりこれだよな。おいオメェ、何ガン付けてんだ。オラァ」
長安防衛兵「コイツ、何言ってんだ?さては、酔っ払いか。オッサン、飲み過ぎだ。こっちに」
鷂「触んじゃねえ。税金泥棒が!テメェらなんてこうしてやるよ。オラァ」
長安防衛兵「グハッ。こっちが酔っ払いだからと下手に出ていたらこんなことしやがって、おい牢屋に入れんぞ」
鷂「牢屋だ?すぐに権力振り翳してんじゃねぇぞ。クソが」
長安防衛兵「もう。頭きたぜ。やってやらぁ!」
民女「何々、喧嘩。嫌ね。これだから税金泥棒は」
民男「良いぞ。あんちゃん、税金泥棒なんて、殴り飛ばしちまえ」
長安防衛兵「囃し立てたテメェらも同罪だ。牢屋にぶち込んでやるからな!覚悟してろ」
鷂「腐敗とは、かくも恐ろしいものか。可哀想にな。蜀漢では、役人が税金泥棒だなんて、言われたことは無いがな。ククク」
長安防衛兵「テメェ、まさか!?」
鷂「おっと。俺としたことが。永遠の眠りを与えよう」
長安防衛兵「ガハッ(蜀漢の間者め。高幹様、申し訳)」
民男「ふぅ~スッキリしたぜ。あんちゃん、ありがとな。さ、帰ろ帰ろ」
騒ぎを聞きつけた范先がやってきた。
范先「おい。大丈夫かお前ら。おい。死んでやがる。テメェ、ちょっとこっちに来てもらおうか」
鷂「アッシでやんすか?」
范先「他に誰がいるんだ。犯人は現場に戻るって言うだろ。テメェが犯人だな?」
鷂「アッシは何も知らないでやんすよ。これから衛固の旦那に。うわっと」
ばら撒かれる金を見る范先。
范先「これは、金?貴様、衛固に何を頼まれた?」
鷂「いやぁ。アッシは、ひぃぃぃぃぃ。すいやせん。すいやせん。言いやすから。睨まないでくだせぇ。アッシは、猫商人でやして、逃げた猫を呼びかけてるところを衛固の旦那に見られやしてね。賄賂を要求されやしたんでやす。聞いてないでやすかい?」
范先「初耳だな。その話が本当か。お前を連れて行けばわかることだ。さぁ、来てもらおうか」
鷂「さて、頃合いか」
范先の兵「うぐぐ(何故、縛られて、范先様。お逃げ)」
范先「何を訳のわからないことを言っている」
文良「范先、それはこういうことだ」
范先「カハッ。貴様は、文良。そうか。やはり袁尚は、生きていたか。まさか、こんなところに潜伏していたとは。しかし、卑怯な手を使うようになったものだな。グフッ」
文良「味方のフリをして、躊躇なく袁尚様を売ろうとしたお前たちのがよほど卑怯であろう」
范先「高幹様にこのことを伝えられないことが残念、だ」
范先が絶命すると文良たちは、服を剥ぎ取り、着る。
文良「鷂と言ったか?これで良いのだな?」
鷂「あぁ。では、俺は総仕上げに移る。しからば」
文良「はぁ。親父が聞いたら驚くよな。俺が親父を殺した奴らに間接的に協力してんだからよ。人生、何が起こるかわからねぇもんだな」
鷂「それを言うなら俺とて、主君を殺した相手と同僚になっている。そう思い悩むことはなかろう」
文良「うおっ。まだ居たのかよ。とっとと行け。聞いてんじゃねぇよ」
鷂「フッ。袁家の勇将の子供と期待されていても。まだまだ青いな」
文良「うるせぇ。はよ、行けや!」
鷂は、最後の総仕上げを行う。
鷂「さて、やるか。衛固の旦那~出てきてくだせぇ。ハァハァハァハァ」
衛固「お、お前。何騒いで、クソッ。高幹様にバレるわけにはいかねぇ。こっちに来い」
高幹「どうした衛固?」
衛固「いえ、何でもありません。どうやら、子供が迷子らしくて、探してきます」
高幹「お前が子供を探す?気まぐれか何かか?」
衛固「いえ、実は、コイツ俺の遠い親戚でして」
高幹「成程な。曹丕様にバレるわけにはいかないと?」
衛固「はい」
高幹「お前と俺の仲だ。遅くならないうちに探して、隠しておけ」
衛固「ありがとうございます。それでは」
衛固が高幹をなんとか誤魔化して、鷂を連れ、路地裏に向かう。
衛固「クソッ。肝が冷えたぜ。テメェ、何考えてんだ」
鷂「すいやせん。すいやせん。衛固の旦那、范先って人知ってるでやすか?」
衛固「あぁ、お前は仕事でこっちに来てるからしらねぇのか。同僚だが。どうした?」
鷂「守備兵の人が倒れてるのを発見しやして、その場を范先って人に見られやして、犯人扱いされたんでやす。何とか逃げ出してきやして、ここじゃ頼れるのは衛固の旦那しかいないでやすから」
衛固「そりゃ、お前殺人現場にいたなら犯人扱いされんのも仕方ねぇだろう。で、俺にどうしろと?」
鷂「助けてくだせぇ」
衛固「そりゃ大変だよなぁ。ほら、わかってんだろ?」
鷂は、懐から有金を全部差し出す。
衛固「ヒッヒッヒ。わかってるじゃねぇか。何処だ。案内しろ」
鷂「衛固の旦那。こっちでやす」
鷂が案内したところには、後ろを向かせて座らせた范先がいた。
衛固「おい、范先。悪いな。コイツは、俺の連れでよ。殺人には関わってねぇんだよ。だから機嫌直せって、なっ!?死んでる。どういうことだ」
鷂「ククク。馬鹿は扱いやすくて助かる。金さえ握らせとけば、こちらの思う通りに動いてくれるのだからな。高幹四天王だったか?おまえを除いて、全員排除させてもらった。最後はお前だよ衛固」
衛固「何を言って、カハッ。何で剣が!?」
顔醜「やれやれ、全く何時間待たせるのだ」
衛固「お前は、顔醜?そうか、袁尚の奴か。お前もグルだったのだな。ガハッ」
鷂「グルとは違うな。これは、全て、蜀漢のためなのだからな」
こうして、高幹は知らず知らずのうちに側近を全て殺されて、この騒ぎを合図に人質となっていた曹泰が懲罰牢を抜け出し、他の子供達と合流して、逃げ出すのである。
鷂「火事からの泥棒と来たら次はと。やっぱりこれだよな。おいオメェ、何ガン付けてんだ。オラァ」
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鷂「触んじゃねえ。税金泥棒が!テメェらなんてこうしてやるよ。オラァ」
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鷂「牢屋だ?すぐに権力振り翳してんじゃねぇぞ。クソが」
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民女「何々、喧嘩。嫌ね。これだから税金泥棒は」
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長安防衛兵「囃し立てたテメェらも同罪だ。牢屋にぶち込んでやるからな!覚悟してろ」
鷂「腐敗とは、かくも恐ろしいものか。可哀想にな。蜀漢では、役人が税金泥棒だなんて、言われたことは無いがな。ククク」
長安防衛兵「テメェ、まさか!?」
鷂「おっと。俺としたことが。永遠の眠りを与えよう」
長安防衛兵「ガハッ(蜀漢の間者め。高幹様、申し訳)」
民男「ふぅ~スッキリしたぜ。あんちゃん、ありがとな。さ、帰ろ帰ろ」
騒ぎを聞きつけた范先がやってきた。
范先「おい。大丈夫かお前ら。おい。死んでやがる。テメェ、ちょっとこっちに来てもらおうか」
鷂「アッシでやんすか?」
范先「他に誰がいるんだ。犯人は現場に戻るって言うだろ。テメェが犯人だな?」
鷂「アッシは何も知らないでやんすよ。これから衛固の旦那に。うわっと」
ばら撒かれる金を見る范先。
范先「これは、金?貴様、衛固に何を頼まれた?」
鷂「いやぁ。アッシは、ひぃぃぃぃぃ。すいやせん。すいやせん。言いやすから。睨まないでくだせぇ。アッシは、猫商人でやして、逃げた猫を呼びかけてるところを衛固の旦那に見られやしてね。賄賂を要求されやしたんでやす。聞いてないでやすかい?」
范先「初耳だな。その話が本当か。お前を連れて行けばわかることだ。さぁ、来てもらおうか」
鷂「さて、頃合いか」
范先の兵「うぐぐ(何故、縛られて、范先様。お逃げ)」
范先「何を訳のわからないことを言っている」
文良「范先、それはこういうことだ」
范先「カハッ。貴様は、文良。そうか。やはり袁尚は、生きていたか。まさか、こんなところに潜伏していたとは。しかし、卑怯な手を使うようになったものだな。グフッ」
文良「味方のフリをして、躊躇なく袁尚様を売ろうとしたお前たちのがよほど卑怯であろう」
范先「高幹様にこのことを伝えられないことが残念、だ」
范先が絶命すると文良たちは、服を剥ぎ取り、着る。
文良「鷂と言ったか?これで良いのだな?」
鷂「あぁ。では、俺は総仕上げに移る。しからば」
文良「はぁ。親父が聞いたら驚くよな。俺が親父を殺した奴らに間接的に協力してんだからよ。人生、何が起こるかわからねぇもんだな」
鷂「それを言うなら俺とて、主君を殺した相手と同僚になっている。そう思い悩むことはなかろう」
文良「うおっ。まだ居たのかよ。とっとと行け。聞いてんじゃねぇよ」
鷂「フッ。袁家の勇将の子供と期待されていても。まだまだ青いな」
文良「うるせぇ。はよ、行けや!」
鷂は、最後の総仕上げを行う。
鷂「さて、やるか。衛固の旦那~出てきてくだせぇ。ハァハァハァハァ」
衛固「お、お前。何騒いで、クソッ。高幹様にバレるわけにはいかねぇ。こっちに来い」
高幹「どうした衛固?」
衛固「いえ、何でもありません。どうやら、子供が迷子らしくて、探してきます」
高幹「お前が子供を探す?気まぐれか何かか?」
衛固「いえ、実は、コイツ俺の遠い親戚でして」
高幹「成程な。曹丕様にバレるわけにはいかないと?」
衛固「はい」
高幹「お前と俺の仲だ。遅くならないうちに探して、隠しておけ」
衛固「ありがとうございます。それでは」
衛固が高幹をなんとか誤魔化して、鷂を連れ、路地裏に向かう。
衛固「クソッ。肝が冷えたぜ。テメェ、何考えてんだ」
鷂「すいやせん。すいやせん。衛固の旦那、范先って人知ってるでやすか?」
衛固「あぁ、お前は仕事でこっちに来てるからしらねぇのか。同僚だが。どうした?」
鷂「守備兵の人が倒れてるのを発見しやして、その場を范先って人に見られやして、犯人扱いされたんでやす。何とか逃げ出してきやして、ここじゃ頼れるのは衛固の旦那しかいないでやすから」
衛固「そりゃ、お前殺人現場にいたなら犯人扱いされんのも仕方ねぇだろう。で、俺にどうしろと?」
鷂「助けてくだせぇ」
衛固「そりゃ大変だよなぁ。ほら、わかってんだろ?」
鷂は、懐から有金を全部差し出す。
衛固「ヒッヒッヒ。わかってるじゃねぇか。何処だ。案内しろ」
鷂「衛固の旦那。こっちでやす」
鷂が案内したところには、後ろを向かせて座らせた范先がいた。
衛固「おい、范先。悪いな。コイツは、俺の連れでよ。殺人には関わってねぇんだよ。だから機嫌直せって、なっ!?死んでる。どういうことだ」
鷂「ククク。馬鹿は扱いやすくて助かる。金さえ握らせとけば、こちらの思う通りに動いてくれるのだからな。高幹四天王だったか?おまえを除いて、全員排除させてもらった。最後はお前だよ衛固」
衛固「何を言って、カハッ。何で剣が!?」
顔醜「やれやれ、全く何時間待たせるのだ」
衛固「お前は、顔醜?そうか、袁尚の奴か。お前もグルだったのだな。ガハッ」
鷂「グルとは違うな。これは、全て、蜀漢のためなのだからな」
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