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5章 天下統一
劉備暗殺計画
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黄皓から司馬懿に劉封の妻と子を人質に取り、後継者争いを起こすことに成功したと連絡が入る。
黄皓「仲達様より、助言いただいた通り、劉封に身寄りのないみずぼらしい娘を当てがい子を作らせ、まとめて人質として、劉禅と後継者争いをさせることに成功しました」
司馬懿「妻のことは何とも思っていなくても子供のこととなると親というのは、皆必死となるからな。それも赤子となれば、殊更にな」
黄皓「えぇ。劉封の慌てふためく様といったら滑稽でしたよ」
司馬懿「劉禅の暗殺が成功して、劉封共々、葬ることができれば、また連絡をせよ。その時、こちらも動く」
黄皓「かしこまりました。仲達様の手足となり、働きますので、曹丕様に何卒、蜀漢を降した後の統治は」
司馬懿「わかっている。だが今はしっかりと働くのだ。良いな?」
黄皓「はっ。それでは、失礼させていただきます」
遠隔通話が切れると司馬懿は溜め息を付く。
司馬懿「やれやれ、お前のような男に統治など任せるわけがなかろう。せいぜい、使い勝手の良い駒として、働くが良いわ」
???「ふわぁ。でも良いんですか?人質を取るなんて非人道的なこと、曹丕様にも進言したんですよね?」
司馬懿「鍾会よ。時には、非人道的なことも好機となるのだよ。そもそも、曹丕の疑り深い性格が災いしただけのこと。人質など取らずとも曹操の親戚たちは、息子である曹丕になら従ったさ。俺の目的は、曹丕と曹操の間にある溝が修復できないようになるぐらいの仲違いが目的ゆえな」
鍾会「でも、気をつけてくださいよ。水面下でやってても俺のように、司馬懿殿がやったって勘付いてる奴いるんですから。曹操に尚書令として取り立てられた陳琳とか。俺の同期の鄧艾は特に疑ってますから気をつけてくださいよ。ふわぁ。俺の野望のために手貸してるんですから」
司馬懿「わかっている。そろそろ陳琳の奴は鬱陶しいと思っていた。今度来たら処理する」
鍾会「あの仮面付けて、殺すんですね?」
司馬懿「あぁ、全く。劉丁も詰めが甘いわ。広く流通させることで、目眩しに使っているみたいだが。流通させている商人も作っている人間も蜀漢の人間であることは掴んでいるというのに。今までは、曹操が面白いと言って見逃していたことが、俺の一声で、何とでもなるのだからな。曹丕には、長く俺の掌の上で、踊って貰わないとな」
鍾会「怖い怖い。それにしても噂をすれば何とやらですよ」
司馬懿宅の扉を叩く男。
陳琳「司馬懿殿、今日こそ曹丕様にあのような非人道的なことを進言した説明をしてもらいますぞ」
司馬懿「陳琳殿、何度も申している通り、その件については、俺も驚いているのだ。まさか親族の子供を人質に無理やり従わせるなど。いくら、曹操様から早急に権力を掌握するつもりだったとしてもあのような手を使えば反発は免れぬと」
陳琳「他の者は、どうか知りませんがな。そのような詭弁にワシは騙されませんぞ。すぐに人質を解放し、曹操様の御前に出頭するべきだ!」
司馬懿「はぁ。本当に俺は何も知らないんですよ」
陳琳「そんなわけがあるまい。曹丕様の筆頭軍師である貴殿が知らぬなど通用すると思うてか!よもや、この国を簒奪する気ではあるまいな?」
司馬懿「簒奪と言われるとは。南には一大勢力となった劉備が居るとは言え、国力の差は圧倒的なのだ。この状況で、反乱など起こして俺に何の得があると?」
陳琳「どうだかな。貴殿は、曹操様が遠ざけるほどの腹黒い男だ。曹丕様を利用して、使い捨てにしようとしているのであろうが!直ぐに、人質を解放して、曹操様にこの国の運営を。グフッ」
鍾会「良い加減。煩いんだよね。今更さ。曹操にこの国を任せたとしてさ。司馬懿殿に手を貸した人間は冷遇されるよね?曹操様に重用されてた君が曹丕様に冷遇されたようにさ。冥土の土産に教えてあげますよ。曹操の暗殺計画と同時進行で劉備の暗殺計画も行われるんですよ。2人の英雄が同じ日に命を散らすんですよ。その責任は全て曹丕様が背負うんですよ」
陳琳「貴様は、鍾会。この、司馬懿の飼い犬風情が調子に乗りおって、ワシが死んでも、誰かが志を継いでくれるわ。ハァハァハァ。この阿呆どもが」
鍾会「まだ、そんだけ喋れるんだ。あっ、命乞いでもするのかと思って、浅く刺してたんだった。死ね。老害」
陳琳「カハッ(曹操様、袁紹より降ったワシのことを重用してくださったのに恩も返せずこの体たらく。誠に申し訳ありません。この国はもうダメじゃ。崩壊に向かっておる。願わくば、曹操様だけでも逃げられることを願っておりますぞ)」
司馬懿「鍾会、俺の手も斬るのだ」
鍾会「わかってますよ」
司馬懿「うぐっ。誰か誰か来てくれ、仮面をつけたわけのわからない奴に陳琳殿が」
司馬懿の言葉で駆け付けた面々が絶命している陳琳の死を確認し、司馬懿に確認していた。
兵士「司馬懿様、曲者は一体どこから」
司馬懿「お前たちは何をしていたのだ!どうせ、寝ぼけ眼で警備をしていたのであろうが!とっとと、仮面を付けた曲者を捕らえぬか!いけ!」
兵士「はっ。はい」
間も無く、仮面の製造主が董白という劉丁の妻であること、仮面の販売主が陶商という劉備に徐州を譲り渡した陶謙の息子であることが判明し、魏の民たちは劉備による暗殺として、蜀漢滅ぼすべしとの機運が高まり、暗殺には暗殺をといった形で、劉備を暗殺するための捨て駒のような部隊が組織されるのである。
黄皓「仲達様より、助言いただいた通り、劉封に身寄りのないみずぼらしい娘を当てがい子を作らせ、まとめて人質として、劉禅と後継者争いをさせることに成功しました」
司馬懿「妻のことは何とも思っていなくても子供のこととなると親というのは、皆必死となるからな。それも赤子となれば、殊更にな」
黄皓「えぇ。劉封の慌てふためく様といったら滑稽でしたよ」
司馬懿「劉禅の暗殺が成功して、劉封共々、葬ることができれば、また連絡をせよ。その時、こちらも動く」
黄皓「かしこまりました。仲達様の手足となり、働きますので、曹丕様に何卒、蜀漢を降した後の統治は」
司馬懿「わかっている。だが今はしっかりと働くのだ。良いな?」
黄皓「はっ。それでは、失礼させていただきます」
遠隔通話が切れると司馬懿は溜め息を付く。
司馬懿「やれやれ、お前のような男に統治など任せるわけがなかろう。せいぜい、使い勝手の良い駒として、働くが良いわ」
???「ふわぁ。でも良いんですか?人質を取るなんて非人道的なこと、曹丕様にも進言したんですよね?」
司馬懿「鍾会よ。時には、非人道的なことも好機となるのだよ。そもそも、曹丕の疑り深い性格が災いしただけのこと。人質など取らずとも曹操の親戚たちは、息子である曹丕になら従ったさ。俺の目的は、曹丕と曹操の間にある溝が修復できないようになるぐらいの仲違いが目的ゆえな」
鍾会「でも、気をつけてくださいよ。水面下でやってても俺のように、司馬懿殿がやったって勘付いてる奴いるんですから。曹操に尚書令として取り立てられた陳琳とか。俺の同期の鄧艾は特に疑ってますから気をつけてくださいよ。ふわぁ。俺の野望のために手貸してるんですから」
司馬懿「わかっている。そろそろ陳琳の奴は鬱陶しいと思っていた。今度来たら処理する」
鍾会「あの仮面付けて、殺すんですね?」
司馬懿「あぁ、全く。劉丁も詰めが甘いわ。広く流通させることで、目眩しに使っているみたいだが。流通させている商人も作っている人間も蜀漢の人間であることは掴んでいるというのに。今までは、曹操が面白いと言って見逃していたことが、俺の一声で、何とでもなるのだからな。曹丕には、長く俺の掌の上で、踊って貰わないとな」
鍾会「怖い怖い。それにしても噂をすれば何とやらですよ」
司馬懿宅の扉を叩く男。
陳琳「司馬懿殿、今日こそ曹丕様にあのような非人道的なことを進言した説明をしてもらいますぞ」
司馬懿「陳琳殿、何度も申している通り、その件については、俺も驚いているのだ。まさか親族の子供を人質に無理やり従わせるなど。いくら、曹操様から早急に権力を掌握するつもりだったとしてもあのような手を使えば反発は免れぬと」
陳琳「他の者は、どうか知りませんがな。そのような詭弁にワシは騙されませんぞ。すぐに人質を解放し、曹操様の御前に出頭するべきだ!」
司馬懿「はぁ。本当に俺は何も知らないんですよ」
陳琳「そんなわけがあるまい。曹丕様の筆頭軍師である貴殿が知らぬなど通用すると思うてか!よもや、この国を簒奪する気ではあるまいな?」
司馬懿「簒奪と言われるとは。南には一大勢力となった劉備が居るとは言え、国力の差は圧倒的なのだ。この状況で、反乱など起こして俺に何の得があると?」
陳琳「どうだかな。貴殿は、曹操様が遠ざけるほどの腹黒い男だ。曹丕様を利用して、使い捨てにしようとしているのであろうが!直ぐに、人質を解放して、曹操様にこの国の運営を。グフッ」
鍾会「良い加減。煩いんだよね。今更さ。曹操にこの国を任せたとしてさ。司馬懿殿に手を貸した人間は冷遇されるよね?曹操様に重用されてた君が曹丕様に冷遇されたようにさ。冥土の土産に教えてあげますよ。曹操の暗殺計画と同時進行で劉備の暗殺計画も行われるんですよ。2人の英雄が同じ日に命を散らすんですよ。その責任は全て曹丕様が背負うんですよ」
陳琳「貴様は、鍾会。この、司馬懿の飼い犬風情が調子に乗りおって、ワシが死んでも、誰かが志を継いでくれるわ。ハァハァハァ。この阿呆どもが」
鍾会「まだ、そんだけ喋れるんだ。あっ、命乞いでもするのかと思って、浅く刺してたんだった。死ね。老害」
陳琳「カハッ(曹操様、袁紹より降ったワシのことを重用してくださったのに恩も返せずこの体たらく。誠に申し訳ありません。この国はもうダメじゃ。崩壊に向かっておる。願わくば、曹操様だけでも逃げられることを願っておりますぞ)」
司馬懿「鍾会、俺の手も斬るのだ」
鍾会「わかってますよ」
司馬懿「うぐっ。誰か誰か来てくれ、仮面をつけたわけのわからない奴に陳琳殿が」
司馬懿の言葉で駆け付けた面々が絶命している陳琳の死を確認し、司馬懿に確認していた。
兵士「司馬懿様、曲者は一体どこから」
司馬懿「お前たちは何をしていたのだ!どうせ、寝ぼけ眼で警備をしていたのであろうが!とっとと、仮面を付けた曲者を捕らえぬか!いけ!」
兵士「はっ。はい」
間も無く、仮面の製造主が董白という劉丁の妻であること、仮面の販売主が陶商という劉備に徐州を譲り渡した陶謙の息子であることが判明し、魏の民たちは劉備による暗殺として、蜀漢滅ぼすべしとの機運が高まり、暗殺には暗殺をといった形で、劉備を暗殺するための捨て駒のような部隊が組織されるのである。
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