えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。

揚惇命

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5章 天下統一

劉禅の鍛錬

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 劉封は劉禅をみくびり怠け。
 劉禅は劉封に愛するものを奪われないため鍛錬に励んだ。

 関羽「劉禅様、その程度で疲れては、劉封には勝てませんぞ」

 劉禅「ハァハァハァ。まだまだ~。尚香ねぇちゃんのため。練ちゃんのため。負けるわけには行かないんだ~うおおおおおおおおお」

 張飛「気概だけで、兄者を上回れるなら苦労せんわな」

 劉禅「ゴフッ。まだまだ~」

 関羽「どこから相手が打ち込んでくるのかしっかりと見極めなさいませ」

 劉禅「うおおおおおお」

 張飛「兄者の忠告を全く聞いてねぇな。ありゃ血が頭に登った猪だな」

 劉備「阿斗、それで大切な人を守れるのか?私が亡くなった後、尚香や練師を守れるのか?守りたいものを守れる力が欲しくば、強くなるしかないのだ」

 劉備の言葉を聞いて、突如として冷静になる劉禅。

 劉禅「父上、それって。ウッヒョオ。父上が亡くなった後、尚香ねぇちゃんと練ちゃんを僕にくれるってことですか。ヒャッホー。こうしちゃいられない。関羽叔父上、隙ありです」

 関羽「ハハハ。体勢を崩しながら突きを繰り出すとは、腕を上げられましたな」

 劉禅「僕の愛は、誰にも止められないんだぜ~」

 張飛「じゃ、次は俺の番だな。兄者の柔軟な武技と違い俺のは荒々しいぜ。それこそ、劉封の奴よりずっとな」

 劉禅「連戦なんて聞いてないよ!」

 劉備「張飛の次は父の番だぞ」

 劉禅「こんだけ鍛錬して負けたら叔父上たちを恨んでやるからな~イテッ」

 張飛「まずは俺様の一勝だな」

 劉禅「今のは無し。今のは無しだよ張飛叔父上」

 張飛「はぁ。実戦なら死んでんだぞ阿斗。もっと、注意力をだな」

 劉禅「隙あり」

 張飛「そう来るよな。搦め手ができるのは良いことだが俺には通用しねぇよ」

 劉禅「ぐぬぬ。手が痺れたんだけど!」

 張飛「今ので腕斬り落とされてるから俺様の2勝めだな。兄者は、自分の子供と大兄者の子供に甘いが俺様は違うからな。しっかりと打ち込んでこい」

 劉禅「正面から張飛叔父上に勝てたら劉封兄上なんて怖くないんだよ。そもそも、そこわかってよ!」

 張飛「知るか。お前の守りたい者への想いってのその程度か?俺様は、いつでも月姫への想いを胸に抱いて、逢いたいがために戦場で相手と向き合ってるってのによ」

 劉禅「隙あり」

 張飛「だから通用しねぇっての!うおっ」

 劉禅「フッフッフッ。張飛叔父上といえど目潰しからの水平斬りには対応できなかったね」

 張飛「クッソォ。負けだ負けだ。ったくよ。搦め手にやられるなんざ俺様もまだまだってことだ。良い勉強になったぜ。ったく」

 劉備「さて、真打ち登場だ。父を超えてみよ阿斗」

 劉禅「はぁ。父上、何言ってんの?双璧を倒したんだよ。父上なんて、ちょちょいの。イッテェ~。本気で本気で打ち込むなんて聞いてない!」

 劉備「やれやれ。雲長も翼徳も私には一度も勝ったことはないのだぞ。父が後ろでどっさり構えてるだけだと思っていたのなら改めるべきことだ」

 劉禅「隙あり。ってえっ?イッテェ~」

 劉備「雲長に3回、翼徳に2回負け、私には何度負けるのだろうな阿斗」

 劉禅「クソォ。父上を倒して、尚香ねぇちゃんと練ちゃんと離縁させてやるからな」

 劉備「2人とも私の大事な妻だ。二回り以上下ではあるがな」

 劉禅「この色欲魔人め」

 劉備「その血を色濃く引き継いでるのがお前だと思うが。武は、劉封に。私の女好きは阿斗に」

 義賢「そう言えば、報告も受けましたね女官から。禅に尻を触られて、なし崩し的にエッチしたと。あの歳で、手玉に取られてしまいましたと」

 劉禅「おっ叔父上、それは。その尚香ねぇちゃんの前では言わないでください。お願いします」

 義賢「乳を吸って、なし崩し的に行為に及ぼうとしていた男が?」

 劉備「ほぉ。私の妻に手を出すとは、覚悟はできていような阿斗」

 劉禅「叔父上、父上を焚き付けるとか卑怯だぞ!」

 義賢「知らんな。俺は兄上の目として、見て聞いてきたことを報告しただけだが」

 劉禅「笑みを浮かべて言うことじゃないよ!イッテェ~。イタイって、イタイですって父上!」

 劉備「もう5回は死んでるぞ阿斗」

 劉禅「そんな連続で、何度もなんて聞いてないよ」

 義賢「エロガキには良い躾かと」

 劉禅「叔父上、絶対に後で後悔させてやるからな~董白叔母さんのお尻をツンツンしてやる」

 義賢「兄上、俺も参戦しても?」

 劉備「許可する」

 劉禅「2対1とか聞いてないって。そもそも董白叔母さんにはそんなことしないって、この前冗談で触れようとしたら笑顔で、手首折られかけたんだからな。あんな暴力女、こっちから願い下げだ。うわぁ弓はダメだって。あっ足に足に当たったから。やめ、やめてってば!」

 義賢「安心せよ。鏃の部分も木で丸めた訓練用の特別仕様だからな」

 劉禅「いや、殺気が殺気が溢れてるんだって。もうそんなことしないから許して~」

 義賢「無理だな。俺の董白に触れようとした時点で甥といえど死刑確定だ」

 劉禅「ひぃっ。イタイ。イタイ。色んなところ射抜かれてるって。その中、父上も突っ込んで来ないで!」

 劉備「さて、何度死ぬつもりだ阿斗」

 劉禅「もう、絶対にそんなことしないから許して~」

 張飛「あーあ。阿斗の奴、大兄者と義賢に女の話はダメだな。まぁ複数の女と関係を持つ大兄者はともかく、義賢は俺と同じで妻一筋だからな。ありゃ、虎の尾を踏んだ鼠だ」

 関羽「まぁ、良い鍛錬にはなろう。義賢の弓の援護を受けた兄者相手に打ち合いができるようになればだが。筋は悪くないのだが。やる気の振り幅のほとんどが女絡みの劉禅様ではな」

 劉禅「ひぃっ。卑怯だぞ。父上が踏み込みを浅くしたと思ったら叔父上の弓が飛んできて、どっちも対処してたら防戦一方なんだぞ」

 劉備「対処できる目は養えよう阿斗」

 義賢「さぁ、封に勝ちたいならもっともっと痛みを覚えないとな禅」

 劉禅「もう十分だって。劉封兄上とは一対一なんだから。もう十分。もう十分。イッテェ~」

 劉備「また死んだぞ阿斗」

 劉禅「こんな鍛錬は嫌だ~」

 そう叫びながらひたすらサンドバッグにされる阿斗であった。
 虎の尾、踏むべからずである。
 阿斗にも良い勉強となっただろう。
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