上 下
480 / 544
5章 天下統一

劉禅の鍛錬

しおりを挟む
 劉封は劉禅をみくびり怠け。
 劉禅は劉封に愛するものを奪われないため鍛錬に励んだ。

 関羽「劉禅様、その程度で疲れては、劉封には勝てませんぞ」

 劉禅「ハァハァハァ。まだまだ~。尚香ねぇちゃんのため。練ちゃんのため。負けるわけには行かないんだ~うおおおおおおおおお」

 張飛「気概だけで、兄者を上回れるなら苦労せんわな」

 劉禅「ゴフッ。まだまだ~」

 関羽「どこから相手が打ち込んでくるのかしっかりと見極めなさいませ」

 劉禅「うおおおおおお」

 張飛「兄者の忠告を全く聞いてねぇな。ありゃ血が頭に登った猪だな」

 劉備「阿斗、それで大切な人を守れるのか?私が亡くなった後、尚香や練師を守れるのか?守りたいものを守れる力が欲しくば、強くなるしかないのだ」

 劉備の言葉を聞いて、突如として冷静になる劉禅。

 劉禅「父上、それって。ウッヒョオ。父上が亡くなった後、尚香ねぇちゃんと練ちゃんを僕にくれるってことですか。ヒャッホー。こうしちゃいられない。関羽叔父上、隙ありです」

 関羽「ハハハ。体勢を崩しながら突きを繰り出すとは、腕を上げられましたな」

 劉禅「僕の愛は、誰にも止められないんだぜ~」

 張飛「じゃ、次は俺の番だな。兄者の柔軟な武技と違い俺のは荒々しいぜ。それこそ、劉封の奴よりずっとな」

 劉禅「連戦なんて聞いてないよ!」

 劉備「張飛の次は父の番だぞ」

 劉禅「こんだけ鍛錬して負けたら叔父上たちを恨んでやるからな~イテッ」

 張飛「まずは俺様の一勝だな」

 劉禅「今のは無し。今のは無しだよ張飛叔父上」

 張飛「はぁ。実戦なら死んでんだぞ阿斗。もっと、注意力をだな」

 劉禅「隙あり」

 張飛「そう来るよな。搦め手ができるのは良いことだが俺には通用しねぇよ」

 劉禅「ぐぬぬ。手が痺れたんだけど!」

 張飛「今ので腕斬り落とされてるから俺様の2勝めだな。兄者は、自分の子供と大兄者の子供に甘いが俺様は違うからな。しっかりと打ち込んでこい」

 劉禅「正面から張飛叔父上に勝てたら劉封兄上なんて怖くないんだよ。そもそも、そこわかってよ!」

 張飛「知るか。お前の守りたい者への想いってのその程度か?俺様は、いつでも月姫への想いを胸に抱いて、逢いたいがために戦場で相手と向き合ってるってのによ」

 劉禅「隙あり」

 張飛「だから通用しねぇっての!うおっ」

 劉禅「フッフッフッ。張飛叔父上といえど目潰しからの水平斬りには対応できなかったね」

 張飛「クッソォ。負けだ負けだ。ったくよ。搦め手にやられるなんざ俺様もまだまだってことだ。良い勉強になったぜ。ったく」

 劉備「さて、真打ち登場だ。父を超えてみよ阿斗」

 劉禅「はぁ。父上、何言ってんの?双璧を倒したんだよ。父上なんて、ちょちょいの。イッテェ~。本気で本気で打ち込むなんて聞いてない!」

 劉備「やれやれ。雲長も翼徳も私には一度も勝ったことはないのだぞ。父が後ろでどっさり構えてるだけだと思っていたのなら改めるべきことだ」

 劉禅「隙あり。ってえっ?イッテェ~」

 劉備「雲長に3回、翼徳に2回負け、私には何度負けるのだろうな阿斗」

 劉禅「クソォ。父上を倒して、尚香ねぇちゃんと練ちゃんと離縁させてやるからな」

 劉備「2人とも私の大事な妻だ。二回り以上下ではあるがな」

 劉禅「この色欲魔人め」

 劉備「その血を色濃く引き継いでるのがお前だと思うが。武は、劉封に。私の女好きは阿斗に」

 義賢「そう言えば、報告も受けましたね女官から。禅に尻を触られて、なし崩し的にエッチしたと。あの歳で、手玉に取られてしまいましたと」

 劉禅「おっ叔父上、それは。その尚香ねぇちゃんの前では言わないでください。お願いします」

 義賢「乳を吸って、なし崩し的に行為に及ぼうとしていた男が?」

 劉備「ほぉ。私の妻に手を出すとは、覚悟はできていような阿斗」

 劉禅「叔父上、父上を焚き付けるとか卑怯だぞ!」

 義賢「知らんな。俺は兄上の目として、見て聞いてきたことを報告しただけだが」

 劉禅「笑みを浮かべて言うことじゃないよ!イッテェ~。イタイって、イタイですって父上!」

 劉備「もう5回は死んでるぞ阿斗」

 劉禅「そんな連続で、何度もなんて聞いてないよ」

 義賢「エロガキには良い躾かと」

 劉禅「叔父上、絶対に後で後悔させてやるからな~董白叔母さんのお尻をツンツンしてやる」

 義賢「兄上、俺も参戦しても?」

 劉備「許可する」

 劉禅「2対1とか聞いてないって。そもそも董白叔母さんにはそんなことしないって、この前冗談で触れようとしたら笑顔で、手首折られかけたんだからな。あんな暴力女、こっちから願い下げだ。うわぁ弓はダメだって。あっ足に足に当たったから。やめ、やめてってば!」

 義賢「安心せよ。鏃の部分も木で丸めた訓練用の特別仕様だからな」

 劉禅「いや、殺気が殺気が溢れてるんだって。もうそんなことしないから許して~」

 義賢「無理だな。俺の董白に触れようとした時点で甥といえど死刑確定だ」

 劉禅「ひぃっ。イタイ。イタイ。色んなところ射抜かれてるって。その中、父上も突っ込んで来ないで!」

 劉備「さて、何度死ぬつもりだ阿斗」

 劉禅「もう、絶対にそんなことしないから許して~」

 張飛「あーあ。阿斗の奴、大兄者と義賢に女の話はダメだな。まぁ複数の女と関係を持つ大兄者はともかく、義賢は俺と同じで妻一筋だからな。ありゃ、虎の尾を踏んだ鼠だ」

 関羽「まぁ、良い鍛錬にはなろう。義賢の弓の援護を受けた兄者相手に打ち合いができるようになればだが。筋は悪くないのだが。やる気の振り幅のほとんどが女絡みの劉禅様ではな」

 劉禅「ひぃっ。卑怯だぞ。父上が踏み込みを浅くしたと思ったら叔父上の弓が飛んできて、どっちも対処してたら防戦一方なんだぞ」

 劉備「対処できる目は養えよう阿斗」

 義賢「さぁ、封に勝ちたいならもっともっと痛みを覚えないとな禅」

 劉禅「もう十分だって。劉封兄上とは一対一なんだから。もう十分。もう十分。イッテェ~」

 劉備「また死んだぞ阿斗」

 劉禅「こんな鍛錬は嫌だ~」

 そう叫びながらひたすらサンドバッグにされる阿斗であった。
 虎の尾、踏むべからずである。
 阿斗にも良い勉強となっただろう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。補足説明と登場人物の設定資料

揚惇命
SF
『えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。』という作品の世界観の説明補足と各勢力の登場人物の設定資料となります。 本編のネタバレを含むため本編を読んでからお読みください。 ※小説家になろう様・カクヨム様でも掲載しています。

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

性転換マッサージ

廣瀬純一
SF
性転換マッサージに通う人々の話

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

始業式で大胆なパンチラを披露する同級生

サドラ
大衆娯楽
今日から高校二年生!…なのだが、「僕」の視界に新しいクラスメイト、「石田さん」の美し過ぎる太ももが入ってきて…

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...