461 / 532
5章 天下統一
いざ、反乱の鎮圧へ
しおりを挟む
目を覚ました義賢の眼前には、董白の背中。
義賢「あっごめん董白。もう成都か」
董白「あっ離れちゃった。じゃなくて、いい身分ねずっと寝て、この私に黝廉の手綱を任せるなんて」
黝廉mark2「ヒヒーン(御主人様を気にして、チラチラ見る董白ちゃん、尊い)」
義賢「ごめんな。なんかすごく眠たくてさ」
董白「もう大丈夫なの?」
義賢「あぁ。スッキリした」
時間が残り少ないこともわかったしな。董白との時間も大事にするためには、とっとと統一しちまわないとな。そのためにも反乱なんて起こして大事な時間を奪った朱褒と雍闓には、とっとと退場してもらおう。
董白「そっなら良かったわ。劉備様に益州都督を任されている人に会うんだからシャキッとしてよね」
義賢「あぁ」
成都に入ると兄上の義理の兄となった呉懿将軍と軍師の法正に迎えられる。
呉懿「呉莧から話は聞いている。劉丁、よく来てくれたな。頼りとさせてもらう」
義賢「兄上と呉莧義姉さんの結婚式以来ですね呉懿義兄さん」
呉懿「あぁ。しかし、傷物の妹を貰い受けたいと言われた時は何かの冗談かと思ったが」
義賢「兄上曰く一目惚れとのことです。最近は女御殿なるものを作って、正室と側室とそれの補佐をする侍女だけの女の園に」
呉懿「呉莧からも聞いている。住み心地が良くて、皆んな仲良く子育てできる空間とのことだが、立案者は劉丁だと聞いたが」
義賢「まぁ、元は兄上に気兼ねなく子作りに励んでもらおうかと提案したんですが、女性しか居ないから産まれた子供たちを皆んなで世話できるとか。そっちで好評になりましたね」
呉懿「赤子が産まれたら取り合いになってると聞いたな。しかし、劉備様が遊興に耽ることがないことは良いことだ。此度も威厳たっぷりで、将たちに指示を飛ばしていたと」
義賢「あぁ。兄上にしては珍しく、焦っている気がしていて、気が気ではないんですが。まぁ気持ちはわかるので、力を尽くすだけですよ」
呉懿「うむ。長々と悪かった。法正、状況の説明を頼む」
法正「うむ。朱褒と雍闓が動いたのだが攻めた先が同じく反乱を起こしたはずの高定で、仲間割れならほっとくべきだと進言したのだが、益州総督の考えは違ってな。高定を救援し、その勢いのまま朱褒と雍闓を討ち、南蛮と条約を結ぶべきだと。そう上手くはいくまい。朱褒と雍闓の反乱には、十中八九、魏が絡んでいるのが透けて見える。そこに来て、好機に動かない南蛮も魏と何かしらの協定があるのだろう。高定が攻められていることが罠だった場合、益州総督の命はない。だから止めるのを手伝って」
義賢「益州総督の作戦は、非常に良いかと。南蛮に関しては、問題ありません。李杏!」
槃李杏「ここに」
義賢「孟獲は許可したか?」
槃李杏「はい。朱褒と雍闓が動けば、益州郡を急襲するでしょう」
義賢「良し。なら、我々は曹丕の備えに兵を割きます。益州総督には、高定の救援に向かってもらいましょう。益州で起こったことは、益州総督に収めていただくのが民の信頼を勝ち取る1番の近道ですから。魏延!虎熊!一軍を率いて、益州総督の護衛をせよ」
魏延「総司令官の命とあらば、従いましょう」
虎熊「コイツらも暴れたがってたんだ。反乱軍なんて喰らい尽くしてやるぜ」
義賢「俺は総司令官という立場を頂いたが、それは対魏に対してのこと。益州における上下は、劉循様が上。しっかりと御身を守るように」
魏延「はっ」
虎熊「お任せくだせぇ」
劉循「お手を煩わせて、申し訳ない劉丁」
義賢「まだぎこちないですな。私と劉循様は義兄弟となりました。他人行儀などせず呉懿義兄さんのようにもうちょっとくだけてくださいよ」
劉循「いや。しかし、父が民にしたことも思えば」
義賢「それは、兄上と桜蘭《オウラン》義姉さんが背負うと宣言しただろう。劉循義兄さんは気にせず益州を統治することだけを考えたら良い。お前の作戦は的を得ている。誇れ」
劉循「劉丁、ありがとう。頼りにさせてもらう」
義賢「勿論だ劉循義兄さん」
劉循「では、劉丁には魏の侵攻に備え、成都に入り、防衛を任せる。呉懿・張任は、兵を率いて高定の救援に向かう供をせよ。法正には軍師として同道を命じる。費禕・蒋琬・郭攸之・董允は、この地について間も無く、右も左もわからぬ劉丁の補佐をせよ」
義賢「謹んでお受けいたします」
呉懿・張任「はっ」
法正「こうなっては仕方ありませんな。献策はお任せを」
費禕「こちらのことはお任せくだされ」
蒋琬「劉丁殿の補佐はお任せください」
郭攸之「殿の命とあれば」
董允「殿、御武運を」
劉循「闡、お前はここに残り、劉丁の世話をせよ」
劉闡「兄上、どうかご無事で」
劉循「あぁ。全軍、反乱起こし世を乱そうとする馬鹿どもを討つぞ。出陣」
劉循は、益州のほとんどの兵を率いて、高定の救援に向かった。残された義賢は、対魏に備えて、場所を復興途上である巴郡に移して居を構える。成都と巴郡を行き来し、必要以上に目立たず劉循に雇われた人間を装って、巴郡の復興に手を貸すのだった。
義賢「あっごめん董白。もう成都か」
董白「あっ離れちゃった。じゃなくて、いい身分ねずっと寝て、この私に黝廉の手綱を任せるなんて」
黝廉mark2「ヒヒーン(御主人様を気にして、チラチラ見る董白ちゃん、尊い)」
義賢「ごめんな。なんかすごく眠たくてさ」
董白「もう大丈夫なの?」
義賢「あぁ。スッキリした」
時間が残り少ないこともわかったしな。董白との時間も大事にするためには、とっとと統一しちまわないとな。そのためにも反乱なんて起こして大事な時間を奪った朱褒と雍闓には、とっとと退場してもらおう。
董白「そっなら良かったわ。劉備様に益州都督を任されている人に会うんだからシャキッとしてよね」
義賢「あぁ」
成都に入ると兄上の義理の兄となった呉懿将軍と軍師の法正に迎えられる。
呉懿「呉莧から話は聞いている。劉丁、よく来てくれたな。頼りとさせてもらう」
義賢「兄上と呉莧義姉さんの結婚式以来ですね呉懿義兄さん」
呉懿「あぁ。しかし、傷物の妹を貰い受けたいと言われた時は何かの冗談かと思ったが」
義賢「兄上曰く一目惚れとのことです。最近は女御殿なるものを作って、正室と側室とそれの補佐をする侍女だけの女の園に」
呉懿「呉莧からも聞いている。住み心地が良くて、皆んな仲良く子育てできる空間とのことだが、立案者は劉丁だと聞いたが」
義賢「まぁ、元は兄上に気兼ねなく子作りに励んでもらおうかと提案したんですが、女性しか居ないから産まれた子供たちを皆んなで世話できるとか。そっちで好評になりましたね」
呉懿「赤子が産まれたら取り合いになってると聞いたな。しかし、劉備様が遊興に耽ることがないことは良いことだ。此度も威厳たっぷりで、将たちに指示を飛ばしていたと」
義賢「あぁ。兄上にしては珍しく、焦っている気がしていて、気が気ではないんですが。まぁ気持ちはわかるので、力を尽くすだけですよ」
呉懿「うむ。長々と悪かった。法正、状況の説明を頼む」
法正「うむ。朱褒と雍闓が動いたのだが攻めた先が同じく反乱を起こしたはずの高定で、仲間割れならほっとくべきだと進言したのだが、益州総督の考えは違ってな。高定を救援し、その勢いのまま朱褒と雍闓を討ち、南蛮と条約を結ぶべきだと。そう上手くはいくまい。朱褒と雍闓の反乱には、十中八九、魏が絡んでいるのが透けて見える。そこに来て、好機に動かない南蛮も魏と何かしらの協定があるのだろう。高定が攻められていることが罠だった場合、益州総督の命はない。だから止めるのを手伝って」
義賢「益州総督の作戦は、非常に良いかと。南蛮に関しては、問題ありません。李杏!」
槃李杏「ここに」
義賢「孟獲は許可したか?」
槃李杏「はい。朱褒と雍闓が動けば、益州郡を急襲するでしょう」
義賢「良し。なら、我々は曹丕の備えに兵を割きます。益州総督には、高定の救援に向かってもらいましょう。益州で起こったことは、益州総督に収めていただくのが民の信頼を勝ち取る1番の近道ですから。魏延!虎熊!一軍を率いて、益州総督の護衛をせよ」
魏延「総司令官の命とあらば、従いましょう」
虎熊「コイツらも暴れたがってたんだ。反乱軍なんて喰らい尽くしてやるぜ」
義賢「俺は総司令官という立場を頂いたが、それは対魏に対してのこと。益州における上下は、劉循様が上。しっかりと御身を守るように」
魏延「はっ」
虎熊「お任せくだせぇ」
劉循「お手を煩わせて、申し訳ない劉丁」
義賢「まだぎこちないですな。私と劉循様は義兄弟となりました。他人行儀などせず呉懿義兄さんのようにもうちょっとくだけてくださいよ」
劉循「いや。しかし、父が民にしたことも思えば」
義賢「それは、兄上と桜蘭《オウラン》義姉さんが背負うと宣言しただろう。劉循義兄さんは気にせず益州を統治することだけを考えたら良い。お前の作戦は的を得ている。誇れ」
劉循「劉丁、ありがとう。頼りにさせてもらう」
義賢「勿論だ劉循義兄さん」
劉循「では、劉丁には魏の侵攻に備え、成都に入り、防衛を任せる。呉懿・張任は、兵を率いて高定の救援に向かう供をせよ。法正には軍師として同道を命じる。費禕・蒋琬・郭攸之・董允は、この地について間も無く、右も左もわからぬ劉丁の補佐をせよ」
義賢「謹んでお受けいたします」
呉懿・張任「はっ」
法正「こうなっては仕方ありませんな。献策はお任せを」
費禕「こちらのことはお任せくだされ」
蒋琬「劉丁殿の補佐はお任せください」
郭攸之「殿の命とあれば」
董允「殿、御武運を」
劉循「闡、お前はここに残り、劉丁の世話をせよ」
劉闡「兄上、どうかご無事で」
劉循「あぁ。全軍、反乱起こし世を乱そうとする馬鹿どもを討つぞ。出陣」
劉循は、益州のほとんどの兵を率いて、高定の救援に向かった。残された義賢は、対魏に備えて、場所を復興途上である巴郡に移して居を構える。成都と巴郡を行き来し、必要以上に目立たず劉循に雇われた人間を装って、巴郡の復興に手を貸すのだった。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる