456 / 531
5章 天下統一
呂布、出陣
しおりを挟む
呂布の元に簡雍が訪れていた。
呂布「簡雍殿、よく来てくれた。しかし、貴殿が来たということは外交上の問題が発生したのか?」
簡雍「玄徳からの頼み事をねぇ」
呂布「劉備様が」
簡雍「玄徳は、呂布殿に徐州の守りを任せてから好きに暴れさせてやれなかったことを後悔しているよ。それで此度の大将軍就任を機に」
呂布「気にすることはない。父殺しと呼ばれる俺の真実を知り、受け入れてくれただけでなく、家族の幸せと家臣の幸せを見守ることができたのだ。ようやくお役御免という事か。後任は決まっているのか?」
簡雍「1人で先走っちゃいけないよ。玄徳はさ。徐州にて起こったことの全ての責任を取るから呂布殿の好きにして良いってお達しさ。要は、孫翊をせめて捕まえるのも青州へ攻めるのも全て呂布殿の判断に任せるとね」
呂布「劉備様が。本当に良いのか?この俺がもう一度表舞台にノコノコ出て行っても」
簡雍「それを玄徳は望んでいるさ。それに霊帝様も重い荷を下ろせとね。丁原殿が死んだのは、呂布殿のせいじゃないさ。もう良いんだよ。自分を押し込めなくてさ」
呂布「感謝する。なら先ずは戦において後顧の憂いを断つのは、常道だ。荀攸、急ぎ支度をすませよ。手始めに揚州に攻め入る。交州の孫堅殿と揚州北部の婿殿に使者を」
荀攸「ようやく我が才知を活かせるわけだな。孫翊など軽く捻り潰してあげますよ」
簡雍「頼もしいねぇ。使者については、その必要はないさ。玄徳は、呂布殿が動くことを見越して、先手を打ってくれているだろうからね。ハァ。アッシは、疲れたからちょいと休ませてもらうよ」
呂布「ハハハ。承知した。村一番の大きな宿屋の一室を貸切にしておこう」
簡雍「そりゃ助かるよ」
出陣すると決めた呂布の行動は早かった。丁原時代からの同僚である高順・侯成・魏続・宗憲は大層喜び準備をいつも以上に素早く行い。そしてこの行動の速さが孫翊にとって最悪の状況での呂布と平地戦をすることとなるのである。
呂布「フハハハハ。血がたぎる。たぎるぞ。なぁ高順」
高順「解き放たれて嬉しい殿を見るのは、久しぶりですな」
魏続「ハハハ。殿、我らが武勇が衰えていないことを証明しますぞ」
侯成「武門の家がどちらか教え込んでやりましょうぞ」
宗憲「おいおいおいおい、徐州に攻めてきたのは評価してやるが。その数で落とせると本気で思ってんのかね」
成廉「皆、イキイキしてますな殿」
呂布「荒くれ者だったあいつらにも随分我慢させた。俺の贖罪に付き合う必要などなかったのにな」
魏越「それは違うぜ殿。兄貴も殿と同じようにもう表舞台に立つことはできないって言ってたしよ」
張燕「それに俺たちは殿の武勇に惚れ込んで付いてきた。殿が我慢しておられるのを知ってはっちゃけられるか。侯成殿は、コッソリと酒を振る舞っていたりしたがな」
侯成「それは言わない約束だぞ張燕」
呂布「そうか鞭打ちと棒叩き、どっちを選ぶ?」
侯成「殿もノリノリでそんなこと言わんでください」
呂布「ワハハハハハ。俺も久々で楽しいのだ。やはり戦場は良いな。この戦で孫翊を捕らえ揚州を降伏させる。時をかければそれだけ曹丕が地盤を固め劉備様の天下統一に遅れが出るからな。時は有限ぞ。中央左を高順。中央右を張燕。左軍を魏越。右軍を成廉に任せる。魏越には侯成・魏続・宗憲の三将軍を成廉には薛蘭・李封・曹性の三将軍を付ける。調子に乗って攻めてきた孫翊の若造に呂布軍の恐ろしさを叩き込んでやれ」
張燕「腕がなりますな」
高順「陥陣営が錆びついていないことをお見せ致そう」
成廉「魏越、負けんぞ」
魏越「今度も俺が勝つ」
こうなるといきなり現れた呂布軍に浮き足立つのは、呉軍である。しかも孫翊自らが出陣してるのだ。何かあれば、それは建国したばかりの呉が1年も経たずして滅亡することとなる。孫翊にとっても負けられない戦いに、あろう事か出張って来たのは、呂布である。
孫翊「あれがかつて反董卓連合の面々を震わせた呂奉先。何という威圧感だ。誰だ、数年出ていないから怖くないなどとのたうちまわったのは!何故、こちらの動きがバレているのだ!」
呂蒙「劉備と関わると碌な目に合わない。どうして奴らは我らの先の先を行くのだ」
董襲「何とかするしかねぇだろ。行くぞ。オラァ」
しかし、浮き足だった兵士たちは全然続けない。
蒋欽「兎に角、混乱を鎮めるんだ」
周善「何でアイツらは何度も何度も俺たちの考えを見透かしてやがんだよ」
と口々に言われても呂布は別に呼んだわけではない。戦の常道である後顧の憂いを完全に断ち切るために兵を動かしたところにたまたま偶然孫翊が率いる呉軍がいて、むしろ驚いていたのは呂布である。
荀攸「呉王は、囲まれた状況を打破するべく防備の弱い袁燿様を攻めようと考えたのだ。そこに呂布殿が」
呂布「即ち、これは好都合と言うわけだな荀攸?」
荀攸「あぁ、そう捉えてもらって相違無い」
聞いた呂布の判断は早い。戦における嗅覚において、呂布を超えるのは並大抵のことではない。すぐに陣を敷き。攻撃的な呂布軍と相性抜群の車懸かりで隙を見逃さず次々に攻めかかるのである。孫翊の命運やいかに。
呂布「簡雍殿、よく来てくれた。しかし、貴殿が来たということは外交上の問題が発生したのか?」
簡雍「玄徳からの頼み事をねぇ」
呂布「劉備様が」
簡雍「玄徳は、呂布殿に徐州の守りを任せてから好きに暴れさせてやれなかったことを後悔しているよ。それで此度の大将軍就任を機に」
呂布「気にすることはない。父殺しと呼ばれる俺の真実を知り、受け入れてくれただけでなく、家族の幸せと家臣の幸せを見守ることができたのだ。ようやくお役御免という事か。後任は決まっているのか?」
簡雍「1人で先走っちゃいけないよ。玄徳はさ。徐州にて起こったことの全ての責任を取るから呂布殿の好きにして良いってお達しさ。要は、孫翊をせめて捕まえるのも青州へ攻めるのも全て呂布殿の判断に任せるとね」
呂布「劉備様が。本当に良いのか?この俺がもう一度表舞台にノコノコ出て行っても」
簡雍「それを玄徳は望んでいるさ。それに霊帝様も重い荷を下ろせとね。丁原殿が死んだのは、呂布殿のせいじゃないさ。もう良いんだよ。自分を押し込めなくてさ」
呂布「感謝する。なら先ずは戦において後顧の憂いを断つのは、常道だ。荀攸、急ぎ支度をすませよ。手始めに揚州に攻め入る。交州の孫堅殿と揚州北部の婿殿に使者を」
荀攸「ようやく我が才知を活かせるわけだな。孫翊など軽く捻り潰してあげますよ」
簡雍「頼もしいねぇ。使者については、その必要はないさ。玄徳は、呂布殿が動くことを見越して、先手を打ってくれているだろうからね。ハァ。アッシは、疲れたからちょいと休ませてもらうよ」
呂布「ハハハ。承知した。村一番の大きな宿屋の一室を貸切にしておこう」
簡雍「そりゃ助かるよ」
出陣すると決めた呂布の行動は早かった。丁原時代からの同僚である高順・侯成・魏続・宗憲は大層喜び準備をいつも以上に素早く行い。そしてこの行動の速さが孫翊にとって最悪の状況での呂布と平地戦をすることとなるのである。
呂布「フハハハハ。血がたぎる。たぎるぞ。なぁ高順」
高順「解き放たれて嬉しい殿を見るのは、久しぶりですな」
魏続「ハハハ。殿、我らが武勇が衰えていないことを証明しますぞ」
侯成「武門の家がどちらか教え込んでやりましょうぞ」
宗憲「おいおいおいおい、徐州に攻めてきたのは評価してやるが。その数で落とせると本気で思ってんのかね」
成廉「皆、イキイキしてますな殿」
呂布「荒くれ者だったあいつらにも随分我慢させた。俺の贖罪に付き合う必要などなかったのにな」
魏越「それは違うぜ殿。兄貴も殿と同じようにもう表舞台に立つことはできないって言ってたしよ」
張燕「それに俺たちは殿の武勇に惚れ込んで付いてきた。殿が我慢しておられるのを知ってはっちゃけられるか。侯成殿は、コッソリと酒を振る舞っていたりしたがな」
侯成「それは言わない約束だぞ張燕」
呂布「そうか鞭打ちと棒叩き、どっちを選ぶ?」
侯成「殿もノリノリでそんなこと言わんでください」
呂布「ワハハハハハ。俺も久々で楽しいのだ。やはり戦場は良いな。この戦で孫翊を捕らえ揚州を降伏させる。時をかければそれだけ曹丕が地盤を固め劉備様の天下統一に遅れが出るからな。時は有限ぞ。中央左を高順。中央右を張燕。左軍を魏越。右軍を成廉に任せる。魏越には侯成・魏続・宗憲の三将軍を成廉には薛蘭・李封・曹性の三将軍を付ける。調子に乗って攻めてきた孫翊の若造に呂布軍の恐ろしさを叩き込んでやれ」
張燕「腕がなりますな」
高順「陥陣営が錆びついていないことをお見せ致そう」
成廉「魏越、負けんぞ」
魏越「今度も俺が勝つ」
こうなるといきなり現れた呂布軍に浮き足立つのは、呉軍である。しかも孫翊自らが出陣してるのだ。何かあれば、それは建国したばかりの呉が1年も経たずして滅亡することとなる。孫翊にとっても負けられない戦いに、あろう事か出張って来たのは、呂布である。
孫翊「あれがかつて反董卓連合の面々を震わせた呂奉先。何という威圧感だ。誰だ、数年出ていないから怖くないなどとのたうちまわったのは!何故、こちらの動きがバレているのだ!」
呂蒙「劉備と関わると碌な目に合わない。どうして奴らは我らの先の先を行くのだ」
董襲「何とかするしかねぇだろ。行くぞ。オラァ」
しかし、浮き足だった兵士たちは全然続けない。
蒋欽「兎に角、混乱を鎮めるんだ」
周善「何でアイツらは何度も何度も俺たちの考えを見透かしてやがんだよ」
と口々に言われても呂布は別に呼んだわけではない。戦の常道である後顧の憂いを完全に断ち切るために兵を動かしたところにたまたま偶然孫翊が率いる呉軍がいて、むしろ驚いていたのは呂布である。
荀攸「呉王は、囲まれた状況を打破するべく防備の弱い袁燿様を攻めようと考えたのだ。そこに呂布殿が」
呂布「即ち、これは好都合と言うわけだな荀攸?」
荀攸「あぁ、そう捉えてもらって相違無い」
聞いた呂布の判断は早い。戦における嗅覚において、呂布を超えるのは並大抵のことではない。すぐに陣を敷き。攻撃的な呂布軍と相性抜群の車懸かりで隙を見逃さず次々に攻めかかるのである。孫翊の命運やいかに。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。補足説明と登場人物の設定資料
揚惇命
SF
『えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。』という作品の世界観の説明補足と各勢力の登場人物の設定資料となります。
本編のネタバレを含むため本編を読んでからお読みください。
※小説家になろう様・カクヨム様でも掲載しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
タイムワープ艦隊2024
山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。
この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる