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5章 天下統一

行動を開始する蜀漢

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 益州郡にて雍闓・朱褒による大規模な反乱が起こっただけでなく漢中からは魏王となった曹丕が軍を呉からは呉王となった孫翊が徐州へと侵攻を開始したという報告を受け、劉備は、本拠地である襄陽にて、対策に追われていた。

 霊帝「して劉備よ。どうするつもりじゃ」

 劉備「霊帝様の心配には及びません。ここは私と臣下たちにお任せを。私は臣下たちの力を信じていますから」

 そういうと劉備は集まった外交官たちに次々と指示を飛ばす。その姿は、国を想い民を守る領主の姿であった。

 劉備「簡雍、徐州に向かい呂布に全ての責任は私が取る。今こそ大将軍の権限を使って好きにして構わぬと伝えよ!」

 簡雍「玄徳、本当に良いんだね?」

 劉備「あぁ、今こそ国家存亡の危機。必ずや守り抜くために呂布には今まで我慢をさせ続けた。ここらで好きに暴れてもらうのも良いだろう」

 簡雍「そういうことならわかったよ」

 簡雍がすぐに席を立ち、呂布の元へと向かう。

 劉備「孫乾、急ぎ交州に向かい孫堅に呂布と共に対呉に当たるように伝えよ!家族と戦うのは辛いだろうがこのような結果となってしまったこと申し訳ないと一言添えておいてくれ」

 孫乾「委細、承知しました」

 孫乾が席を立ち、直ぐに交州へと向かう。

 劉備「伊籍、直ぐに揚州北部に向かい、袁燿に呂布を支援するように伝えよ!揚州北部都督に付いて間も無く、夫婦の邪魔をした詫びてくれ」

 伊籍「かしこまりました」

 伊籍が笑いながら席を立ち、揚州北部へと向かっていくのを見届けて、次は軍に的確な指示を出していく。

 劉備「翼徳・雲長は、私と共に襄陽にて、各地の穴を付いて動いてくる魏軍を撃退する」

 張飛「おぅよ。大兄者、俺に任せとけ」

 関羽「兄者、某が御身を守りましょうぞ」

 劉備「我が義兄弟たちよ。此度も頼りにしている。子龍と儁乂は遊撃隊を指揮し、漢中から迫り来る曹丕の側面を付くのだ!」

 趙雲「はっ。必ずや益州北部にて食い止めます」

 張郃「我らにお任せを」

 劉備「2人とも責任は全て私が取る。気にせず逆賊曹丕に目にもの見せてやれ」

 趙雲「殿、感謝します」

 張郃「決して、益州の地は踏ませません」

 趙雲と張郃は、その場を後にすると準備をして、益州北部の要地漢中から迫り来る曹丕の側面を付くべく行動を開始した。

 劉備「華雄、戦いたいのだろう?呂布の支援を命じる。存分に暴れてくるが良い」

 華雄「見透かされてましたか。久々に暴れたくなりましてな。感謝致す」

 華雄が徐栄と李儒を連れて、呂布の支援のため兵を束ねて徐州へと向かう。

 劉備「子義、お前にも今まで守りばかりで我慢させたな。劉琮の元に向かい水軍を率いて、各地を支援せよ」

 太史慈「劉備殿、労い感謝する。この戦いにて、劉備軍に太史子義ありと見せ付けよう」

 太史慈が荊州南部を治める劉琮の元に向かって行く。

 劉備「徐盛、何をしている。お前はもう雲長の供回りをすることはない。今まで幾度となく我慢させたな。敵は曹操ではなくなったがどうしたい?」

 徐盛「へへっ。そんなの決まってる。俺たちの大事な殿と霊帝様の土地に侵攻しようって馬鹿は叩き出してやらねぇとな」

 劉備「そうか。では、行ってこい。許可する」

 徐盛「ありがとよ。俺はあの時の選択を後悔してねぇよ。殿が徐州に来て、民たちを守ってくれた。曹操の行いは決して許さねぇ。でも、今多くの民が侵攻を受けて悲しんでんだ。それを無くしたいって殿の信念。俺にも守らせてもらう」

 劉備「ありがとう」

 徐盛が気恥ずかしそうにその場を後にして、益州北部へと向かっていく。

 劉備「最後に我が弟、丁。軍総司令として、益州に向かい反乱を鎮圧する劉循の補佐及び不測の事態の場合は、子龍と儁乂の補佐を任せる!」

 義賢「謹んでお受けいたします兄上」

 再び軍師という役職付きとなってしまった義賢であったが、この度劉備の名代として、一時的に益州における最高司令官の軍総司令という役職を賜ることとなったのだ。そして、劉備は最後に軍師たちに指示を飛ばす。

 劉備「孔明は、私と共にここにて、全権の指揮を取るのだ」

 諸葛亮「玄徳殿、承知いたしました」

 劉備「文若は、荀攸と共に呂布の補佐を」

 荀彧「心得ました殿」

 劉備「士元は」

 龐統「アッシは、趙雲殿と張郃殿に付いていくさ。それのが義賢も楽できるだろう?」

 義賢「場合によりますね。龐統が漢中を取ってくれるというのなら楽できるかなぁ」

 龐統「無茶言いなさんな。しかし漢中かい。益州を守る絶対的な要地だねぇ。まぁ、趙雲殿に張郃殿がいるさ。やれるだけやってみるか」

 黄忠「そういうことならワシにも協力させい」

 龐統「黄忠殿かい。これは頼もしい援軍だねぇ」

 義賢「はぁ。益州でのことは、俺が全て責任持ちますから程々に頼みますよ」

 魏延「漢中だけで良いのか?その先、長安を落とせば、曹丕は本拠地を失う。敗走させたら間髪入れずに攻めるのが良いだろう」

 義賢「そういうことは、現地に入ってから考えてくれます?」

 魏延「今、話しても問題はないだろう」

 義賢「ここ、陛下と兄上の御前なんで」

 このやり取りを玉座に座る霊帝とその脇に控える劉備が眺めていた。

 霊帝「劉備よ。良い仲間を得たな」

 劉備「えぇ。自慢の弟と臣下たちです。必ずやこの危機を乗り換え、逆襲します」

 霊帝「その意気じゃ。ワシも最後の命を燃やし尽くし、息子との再会を心待ちとしよう」

 劉備「必ずやその夢を叶えます」

 霊帝「フッ。頼りにしておる劉備よ」

 劉備「はっ」

 こうして、侵攻してきた奴らを叩くために各地に飛ぶのだった。
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