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4章 三国鼎立
間話③ 孫策の命を最優先す
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これは、孫策が無理を押して、荊州攻略に乗り出して、戦場にて血を吹き出し倒れた後、大喬から真実を聞き、孫策に負荷をかけぬように背負って、荊州奥地にあるとある診療所を目指していた。
小喬「無理しちゃダメだよ周瑜様」
周瑜「大丈夫さ。伯符とは子供の頃から本当の兄弟のように育った。私が背負ってやらねば誰が背負ってやれる。それに未だに信じられないのだ。あの張角が生きているなど」
大喬「無理もありません。私も初めは信じられませんでした。この目で見るまでは。それに父を亡くした私たちを養育してくださったのは、張角様なのです。あの当時、養父となった劉備様は戦に明け暮れていましたから、私たちの安全を確保してくださったのが張角様です」
小喬「凄い優しいお爺ちゃんなんだよ~」
大喬「劉備様と歳は変わらないのですが昔受けた呪いの影響で見た目は凄いお爺ちゃんなんです。言動もですけど。でも身体は若々しいらしいんですけどね」
大喬と小喬が慈しむように張角のことを語る。
周瑜「そうか、私が聞いていた張角は、黄巾の乱を起こし世を乱した叛逆者と聞いていた」
大喬「では、あったら驚きますね。今の張角様は、罪滅ぼしのために民の病を無料で診察して、必要な治療を施す善意の塊みたいな人ですから」
小喬「うんうん。きっと周瑜様も良い人だって思うはずだよ」
この時、周瑜はまさか孫策を助けるために于吉の元に現れた手に杖を持ち、黄色の道士服を纏った翁が張角であることを。
そう遠目から見ただけで只者では無いと思った。
ようやく診療所に辿り着く。
張梁「誰だ?って、大喬に小喬じゃねぇか!久しぶりだなぁ。元気にしてたか。嫁いだって聞いて、兄貴がどんだけ泣いたか。こうしちゃいられねぇ。兄貴に知らせねぇと。案内は任せるぞ馬元義・張曼成」
馬元義「あぁ早く大師様に報告してこいよ張梁」
張曼成「では、こちらにどうぞ。その背にいる方は、いえ何でもありません。中に入ったら長椅子のところにゆっくりと寝かせて、安静にすると良いかと」
張曼成は疲れている周瑜の顔を見て、背負うのを変わりましょうかと言おうとしたのを鬼気迫る顔を見て、飲み込んで、任せることにした。
周瑜「お気遣いに感謝する。本当に生きていたのだな。黄巾の乱の面々が」
張曼成「あの時、大師様に従い死ぬ運命だったのですが、こうして生きながらえました。この命は、俺たちが困らせた民に生涯をかけて償っていくべきことだと。ある人に死ぬのは簡単だが生きて罪を償うのは大変だと諭されましてね」
小喬「曼成のおじちゃん、またアイツの自慢?」
張曼成「アハハ、小喬は本当にあの御方が嫌いみたいですな」
小喬「だって、私たちのことを嘘吐き呼ばわりしたんだからお姉ちゃんは許しても私は絶対に許してあげないんだから」
張曼成「君たちのことを心配して何度も様子を見にきてくれていたのにかい?」
小喬「それとこれとは別だもん!」
馬元義「まぁしゃあねぇわな。あの御仁は、いつも遠回り的な言い方だからよ。小喬はそういうの嫌いだもんな」
小喬「流石、元義おじちゃん、わかってるぅ」
このやりとりを見て、長椅子に孫策を下ろし終え、ようやく気を許したのか周瑜が笑みを溢す。
周瑜「フフッ。小喬は、ここにいる人たちにも迷惑をかけたのだな」
小喬「あっ周瑜様が笑った!もう大丈夫そうだね」
周瑜「あぁ、心配をかけた。太平道の信徒、張曼成殿に馬元義殿とお見受けする」
張曼成「えぇ、そうです。今はしがない診療所の職員の1人で、治安と受付までの案内を担当しています。お見知り置きを周瑜殿」
馬元義「馬元義だ。張曼成と同じく診療所の職員の1人だ。治安と経理を担当している」
周瑜「???その見た目で?」
馬元義「言うと思ったわ!こう見えても実家が商人なんでな。ガキの頃から金勘定は仕込まれてんだよ。悪いか!アァ」
周瑜「すまない。意外だったもので」
張曼成「柊殿、引き継ぎを頼めるか?」
柊「嫌よ。コイツらは私たちの大事な許貢様を殺した極悪人よ!」
柊はそう言って、受付の業務を放り出して、外に出ていく。
張曼成「すまないうちの受付が失礼した」
周瑜「いや、見覚えがある。そうか、彼女たちもここで」
馬元義「普段はあんな激情を見せることはないんだけどよ。仕方ねぇな。張宝様は帰ってたっけ?」
呼ばれた張宝が奥から現れる。
張宝「馬元義ったら騒々しいわね。あらお客様?今日の受付は柊のはずだけどあの子、お客様をほったらかしにして何処に?」
周瑜「すまない。私たちのせいだ。いや正確には、私とここに寝ている伯符だな」
張宝「そう。仕方ないわ。戦争が続く限り、悲しむ人は無くならないもの。でも、それを少しでも癒してあげれる助けになれればと。あの子の傷は思った以上に深いみたいね」
周瑜「誤って許されることではないが、謝りたい」
張宝「おやめなさい。今はそっとしておくべきよ。それに謝って許されて楽になりたいのは貴方の方じゃなくて?それは柊にとって失礼よ」
周瑜「!。確かにそうだな。流石、こんな奥地で、来る日も来る日も罪を償っている人の言葉は重いな」
張宝「えぇ、私の罪はこんなもので消せないほど深いもの。でも償える機会を貰えただけ、私も梁も兄も幸せだと思っているわ」
周瑜「あぁ、私もまさか黄巾の乱の首謀者の1人が女性だとは思わなかった」
張宝「あら『美人な』が抜けているわよ周瑜殿」
小喬「私以外に色目使っちゃダメ!それに張宝姉様は」
小喬が続きを言う前に、張宝の旦那である波才が出てきた。
波才「俺も宝が他の男に色目使うのはいただけないな」
張宝「あら、珍しいじゃない波才がそんなに嫉妬してくれるなんて」
波才「俺だって、嫉妬ぐらいします。張宝様の事が大好きなんですから」
張宝「もう。さっきは男らしくなったのにまた敬語になってるわよ」
波才「あっ、すまない」
張宝「波才、もう良いわよ。兄に誤用かしら?」
周瑜「あぁ、伯符のことを助けて欲しい!」
深々と頭を下げ、目からポロポロと涙を流し、頼み込む周瑜。
張宝「あらあら綺麗な顔が台無しね。私の大事な妹の旦那様」
小喬「張宝姉様、お願い」
張宝「小喬、ここが何処だかわかって言ってるの?もう準備してるわよ。ほら」
張宝が促した先では、張角と華佗がいるのだった。
小喬「無理しちゃダメだよ周瑜様」
周瑜「大丈夫さ。伯符とは子供の頃から本当の兄弟のように育った。私が背負ってやらねば誰が背負ってやれる。それに未だに信じられないのだ。あの張角が生きているなど」
大喬「無理もありません。私も初めは信じられませんでした。この目で見るまでは。それに父を亡くした私たちを養育してくださったのは、張角様なのです。あの当時、養父となった劉備様は戦に明け暮れていましたから、私たちの安全を確保してくださったのが張角様です」
小喬「凄い優しいお爺ちゃんなんだよ~」
大喬「劉備様と歳は変わらないのですが昔受けた呪いの影響で見た目は凄いお爺ちゃんなんです。言動もですけど。でも身体は若々しいらしいんですけどね」
大喬と小喬が慈しむように張角のことを語る。
周瑜「そうか、私が聞いていた張角は、黄巾の乱を起こし世を乱した叛逆者と聞いていた」
大喬「では、あったら驚きますね。今の張角様は、罪滅ぼしのために民の病を無料で診察して、必要な治療を施す善意の塊みたいな人ですから」
小喬「うんうん。きっと周瑜様も良い人だって思うはずだよ」
この時、周瑜はまさか孫策を助けるために于吉の元に現れた手に杖を持ち、黄色の道士服を纏った翁が張角であることを。
そう遠目から見ただけで只者では無いと思った。
ようやく診療所に辿り着く。
張梁「誰だ?って、大喬に小喬じゃねぇか!久しぶりだなぁ。元気にしてたか。嫁いだって聞いて、兄貴がどんだけ泣いたか。こうしちゃいられねぇ。兄貴に知らせねぇと。案内は任せるぞ馬元義・張曼成」
馬元義「あぁ早く大師様に報告してこいよ張梁」
張曼成「では、こちらにどうぞ。その背にいる方は、いえ何でもありません。中に入ったら長椅子のところにゆっくりと寝かせて、安静にすると良いかと」
張曼成は疲れている周瑜の顔を見て、背負うのを変わりましょうかと言おうとしたのを鬼気迫る顔を見て、飲み込んで、任せることにした。
周瑜「お気遣いに感謝する。本当に生きていたのだな。黄巾の乱の面々が」
張曼成「あの時、大師様に従い死ぬ運命だったのですが、こうして生きながらえました。この命は、俺たちが困らせた民に生涯をかけて償っていくべきことだと。ある人に死ぬのは簡単だが生きて罪を償うのは大変だと諭されましてね」
小喬「曼成のおじちゃん、またアイツの自慢?」
張曼成「アハハ、小喬は本当にあの御方が嫌いみたいですな」
小喬「だって、私たちのことを嘘吐き呼ばわりしたんだからお姉ちゃんは許しても私は絶対に許してあげないんだから」
張曼成「君たちのことを心配して何度も様子を見にきてくれていたのにかい?」
小喬「それとこれとは別だもん!」
馬元義「まぁしゃあねぇわな。あの御仁は、いつも遠回り的な言い方だからよ。小喬はそういうの嫌いだもんな」
小喬「流石、元義おじちゃん、わかってるぅ」
このやりとりを見て、長椅子に孫策を下ろし終え、ようやく気を許したのか周瑜が笑みを溢す。
周瑜「フフッ。小喬は、ここにいる人たちにも迷惑をかけたのだな」
小喬「あっ周瑜様が笑った!もう大丈夫そうだね」
周瑜「あぁ、心配をかけた。太平道の信徒、張曼成殿に馬元義殿とお見受けする」
張曼成「えぇ、そうです。今はしがない診療所の職員の1人で、治安と受付までの案内を担当しています。お見知り置きを周瑜殿」
馬元義「馬元義だ。張曼成と同じく診療所の職員の1人だ。治安と経理を担当している」
周瑜「???その見た目で?」
馬元義「言うと思ったわ!こう見えても実家が商人なんでな。ガキの頃から金勘定は仕込まれてんだよ。悪いか!アァ」
周瑜「すまない。意外だったもので」
張曼成「柊殿、引き継ぎを頼めるか?」
柊「嫌よ。コイツらは私たちの大事な許貢様を殺した極悪人よ!」
柊はそう言って、受付の業務を放り出して、外に出ていく。
張曼成「すまないうちの受付が失礼した」
周瑜「いや、見覚えがある。そうか、彼女たちもここで」
馬元義「普段はあんな激情を見せることはないんだけどよ。仕方ねぇな。張宝様は帰ってたっけ?」
呼ばれた張宝が奥から現れる。
張宝「馬元義ったら騒々しいわね。あらお客様?今日の受付は柊のはずだけどあの子、お客様をほったらかしにして何処に?」
周瑜「すまない。私たちのせいだ。いや正確には、私とここに寝ている伯符だな」
張宝「そう。仕方ないわ。戦争が続く限り、悲しむ人は無くならないもの。でも、それを少しでも癒してあげれる助けになれればと。あの子の傷は思った以上に深いみたいね」
周瑜「誤って許されることではないが、謝りたい」
張宝「おやめなさい。今はそっとしておくべきよ。それに謝って許されて楽になりたいのは貴方の方じゃなくて?それは柊にとって失礼よ」
周瑜「!。確かにそうだな。流石、こんな奥地で、来る日も来る日も罪を償っている人の言葉は重いな」
張宝「えぇ、私の罪はこんなもので消せないほど深いもの。でも償える機会を貰えただけ、私も梁も兄も幸せだと思っているわ」
周瑜「あぁ、私もまさか黄巾の乱の首謀者の1人が女性だとは思わなかった」
張宝「あら『美人な』が抜けているわよ周瑜殿」
小喬「私以外に色目使っちゃダメ!それに張宝姉様は」
小喬が続きを言う前に、張宝の旦那である波才が出てきた。
波才「俺も宝が他の男に色目使うのはいただけないな」
張宝「あら、珍しいじゃない波才がそんなに嫉妬してくれるなんて」
波才「俺だって、嫉妬ぐらいします。張宝様の事が大好きなんですから」
張宝「もう。さっきは男らしくなったのにまた敬語になってるわよ」
波才「あっ、すまない」
張宝「波才、もう良いわよ。兄に誤用かしら?」
周瑜「あぁ、伯符のことを助けて欲しい!」
深々と頭を下げ、目からポロポロと涙を流し、頼み込む周瑜。
張宝「あらあら綺麗な顔が台無しね。私の大事な妹の旦那様」
小喬「張宝姉様、お願い」
張宝「小喬、ここが何処だかわかって言ってるの?もう準備してるわよ。ほら」
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