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4章 三国鼎立
甄姫、曹植をたぶらかす
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甄姫は、袁家を取り戻すべく曹家への復讐のために動き出す。手始めに曹操を利用することを考えたが聡明で女性を大事にする曹操に逆に絡め取られる危険性を考え、曹丕の弟である曹植を利用することとした。曹植は、建安七子の1人として、有名な文化人であり後継者の1人として目されていた。だが、野心が高く、それでいて兄である曹丕と仲が良くないと内乱の引き金には持ってこいの人物だったのだ。
甄姫「曹丕様、もうお帰りになられるのですか?私を連れて行ってはくださらないのですか?」
曹丕「洛陽は荒れている土地なのでな。お前には不便をかけるだろう。それに俺の子には伸び伸びと育って欲しいのでな。それに、お前も故郷であるここのが居心地が良かろう」
甄姫「お気遣いありがとうございます。承知いたしました(こいつは思った通りの男ね。手に入ったらもうどうでもいいのよ。寵愛されたのも1年ぐらいかしら。まぁ、コイツの種で孕むなんてごめんだけど。子供も連れて行くなんて言わずに置いていってくれて感謝するわ。貴方との子供じゃないもの人質にされたらどうしようかと思っちゃった。これは好機ね。私も動き出すとしましょう。曹家を混乱に陥れてあげる)」
曹植「兄嫁様。はぁ、兄嫁様。いつでも洛陽に遊びに来てください。今日はお会いできて嬉しゅうございました」
曹丕「私の妻に色気を使うとは良い度胸だな植!」
曹植「そんなことはありませんよ兄上。アハハハハ」
曹丕「フン」
甄姫「(前から思ってたけど成程ね。あの初心な気持ちを利用するのは少し心苦しいけれど利用させてもらうしかないわね)曹植様もいつでも鄴に遊びに来てくださいね」
甄姫は曹植の手を取りながら手の中に丸めた紙を忍ばせた。曹植は、それに気付きながらも想いを寄せている兄嫁様とあわよくばを考えた。
甄姫「それでは、曹丕様。お気を付けて(火種は蒔いておいた。後は曹植次第ね)」
曹植は、鄴にある曹家の仮住まいにて、手のひらに忍ばされた手紙の匂いを嗅いでいた。
曹植「兄嫁様の良い匂いがする。あんなに美しい人がどうしてあんな野蛮人のクソ兄貴の嫁に。命令違反ばかりで、曹家の次代のためにも僕がしっかりしないと。それにしても可愛かったなぁ兄嫁様。確か甄姫様って言うんだよね。『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花』うーん、我ながら兄嫁の良い例えだ。立ち姿は、芍薬の花のようにすらっとしていて美しい体型、座っている姿は牡丹の花のようにずっと見ていたいぐらい、歩く姿は百合の花のように優美で美しい。ハァハァハァ、兄嫁様~。曹植は心よりお慕いいたしております~。いかんいかん。せっかくもらった手紙の内容を読まねば」
このように曹植は甄姫を一眼見た瞬間から理想の女性として恋焦がれていたのである。だからこの手紙をもらって、心の底から喜んでいた。そして、手紙の内容を見て、曹植は兄である曹丕に恨みを募らせるのである。以下、手紙の内容である。
親愛なる曹植様へ 突然、このようなお手紙を渡されて驚かれているかもしれません。曹丕様、いえ曹丕は私に対して乱暴を働くのです。ですが、私は滅んだお家の女。逆らうことなどできません。これが私の人生だと諦めていた最中、貴方様にお会いしたのです。曹植様は私が望んで曹丕様の妻になったと聞いているかも知れませんがそれは曹丕の換言。私は、無理やり乱暴を働かれて逃げられないようにこうして子供まで。私を暗闇から救ってくださるのは貴方様を置いて他にはおりません。曹植様のことを愛しています。この手紙を見て少しでも私のことを思ってくださるなら今夜コッソリと私の元を尋ねてください。 甄姫より
曹植「兄上の奴め。昔から女を取っ替え引っ替え捨てていたがあのように美しい女性にまで、もう許せん!あんな男に曹家の次代を託すことなどできん。兄嫁様は、私が必ずお救いする」
その頃、曹丕は世話係を務めている郭女王という女性を伴い洛陽へと戻っていた。
曹丕「やはり美人は3日見れば飽きる。私の世話をずっとしてくれているお前が1番だ女王よ」
郭女王「曹丕様の感じるツボは全て心得ておりますから。あのような家柄の良い娘にはできないこともこのように」
曹丕「おほぉう。効く効く~。この包まれている感覚、お前にしか出せぬものよな」
郭女王「それにしても私の忠言はお聞き入れくださいましたか?」
曹丕「甄との間に子供が早すぎるという件だな?うーむ。アレがあやつの元旦那との間の子とは突拍子すぎる話だと思うのだが」
郭女王「いえ、私にはわかるのです(曹丕様に悪意を持って近づく女をたくさん側で見てきましたから。あの女には何か裏があります。嫉妬ではありません。まぁ嫉妬もありますが。こうして帰ってきてくださったのですから問題ありません。曹丕様も私から離れられないのですから)」
曹丕「まぁ、女王の勘が外れたことはない。だとすれば如何致すべきか?」
郭女王「先ずは、子供を取り上げましょう」
曹丕「嫌だと言ったら?」
郭女王「そうなれば、元旦那との子供であることは確定です。離別されてるわけでもありませんし本当の子供なら父親に子供を渡さないという選択肢は取らないでしょう」
曹丕「成程な。帰って、試そう」
郭女王「それとあの女が何か企んでいるかもしれませんから早めに処理するのが良いかと」
曹丕「子供を送ってきたらその次に死罪を命じるとするか。全く、郭女王、お前は本当に気が回る女だ。そこ、もっと強くしてくれ」
郭女王「うふふ。本当にここが好きなんですから」
郭女王は、裕福な家であったが没落した後、召使いとして曹操に見出され、曹丕の身の回りの世話を頼まれた。曹丕とは歳も近く身体の相性も抜群であったため飽き性である曹丕が飽きることなく生涯、幾度となく抱いた女性である。だが、郭女王は子供を産めぬ身体であった。だからこそ物言わぬ赤ちゃんのまま、甄姫の子供である曹叡を取り上げようとしていたのである。
甄姫「曹丕様、もうお帰りになられるのですか?私を連れて行ってはくださらないのですか?」
曹丕「洛陽は荒れている土地なのでな。お前には不便をかけるだろう。それに俺の子には伸び伸びと育って欲しいのでな。それに、お前も故郷であるここのが居心地が良かろう」
甄姫「お気遣いありがとうございます。承知いたしました(こいつは思った通りの男ね。手に入ったらもうどうでもいいのよ。寵愛されたのも1年ぐらいかしら。まぁ、コイツの種で孕むなんてごめんだけど。子供も連れて行くなんて言わずに置いていってくれて感謝するわ。貴方との子供じゃないもの人質にされたらどうしようかと思っちゃった。これは好機ね。私も動き出すとしましょう。曹家を混乱に陥れてあげる)」
曹植「兄嫁様。はぁ、兄嫁様。いつでも洛陽に遊びに来てください。今日はお会いできて嬉しゅうございました」
曹丕「私の妻に色気を使うとは良い度胸だな植!」
曹植「そんなことはありませんよ兄上。アハハハハ」
曹丕「フン」
甄姫「(前から思ってたけど成程ね。あの初心な気持ちを利用するのは少し心苦しいけれど利用させてもらうしかないわね)曹植様もいつでも鄴に遊びに来てくださいね」
甄姫は曹植の手を取りながら手の中に丸めた紙を忍ばせた。曹植は、それに気付きながらも想いを寄せている兄嫁様とあわよくばを考えた。
甄姫「それでは、曹丕様。お気を付けて(火種は蒔いておいた。後は曹植次第ね)」
曹植は、鄴にある曹家の仮住まいにて、手のひらに忍ばされた手紙の匂いを嗅いでいた。
曹植「兄嫁様の良い匂いがする。あんなに美しい人がどうしてあんな野蛮人のクソ兄貴の嫁に。命令違反ばかりで、曹家の次代のためにも僕がしっかりしないと。それにしても可愛かったなぁ兄嫁様。確か甄姫様って言うんだよね。『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花』うーん、我ながら兄嫁の良い例えだ。立ち姿は、芍薬の花のようにすらっとしていて美しい体型、座っている姿は牡丹の花のようにずっと見ていたいぐらい、歩く姿は百合の花のように優美で美しい。ハァハァハァ、兄嫁様~。曹植は心よりお慕いいたしております~。いかんいかん。せっかくもらった手紙の内容を読まねば」
このように曹植は甄姫を一眼見た瞬間から理想の女性として恋焦がれていたのである。だからこの手紙をもらって、心の底から喜んでいた。そして、手紙の内容を見て、曹植は兄である曹丕に恨みを募らせるのである。以下、手紙の内容である。
親愛なる曹植様へ 突然、このようなお手紙を渡されて驚かれているかもしれません。曹丕様、いえ曹丕は私に対して乱暴を働くのです。ですが、私は滅んだお家の女。逆らうことなどできません。これが私の人生だと諦めていた最中、貴方様にお会いしたのです。曹植様は私が望んで曹丕様の妻になったと聞いているかも知れませんがそれは曹丕の換言。私は、無理やり乱暴を働かれて逃げられないようにこうして子供まで。私を暗闇から救ってくださるのは貴方様を置いて他にはおりません。曹植様のことを愛しています。この手紙を見て少しでも私のことを思ってくださるなら今夜コッソリと私の元を尋ねてください。 甄姫より
曹植「兄上の奴め。昔から女を取っ替え引っ替え捨てていたがあのように美しい女性にまで、もう許せん!あんな男に曹家の次代を託すことなどできん。兄嫁様は、私が必ずお救いする」
その頃、曹丕は世話係を務めている郭女王という女性を伴い洛陽へと戻っていた。
曹丕「やはり美人は3日見れば飽きる。私の世話をずっとしてくれているお前が1番だ女王よ」
郭女王「曹丕様の感じるツボは全て心得ておりますから。あのような家柄の良い娘にはできないこともこのように」
曹丕「おほぉう。効く効く~。この包まれている感覚、お前にしか出せぬものよな」
郭女王「それにしても私の忠言はお聞き入れくださいましたか?」
曹丕「甄との間に子供が早すぎるという件だな?うーむ。アレがあやつの元旦那との間の子とは突拍子すぎる話だと思うのだが」
郭女王「いえ、私にはわかるのです(曹丕様に悪意を持って近づく女をたくさん側で見てきましたから。あの女には何か裏があります。嫉妬ではありません。まぁ嫉妬もありますが。こうして帰ってきてくださったのですから問題ありません。曹丕様も私から離れられないのですから)」
曹丕「まぁ、女王の勘が外れたことはない。だとすれば如何致すべきか?」
郭女王「先ずは、子供を取り上げましょう」
曹丕「嫌だと言ったら?」
郭女王「そうなれば、元旦那との子供であることは確定です。離別されてるわけでもありませんし本当の子供なら父親に子供を渡さないという選択肢は取らないでしょう」
曹丕「成程な。帰って、試そう」
郭女王「それとあの女が何か企んでいるかもしれませんから早めに処理するのが良いかと」
曹丕「子供を送ってきたらその次に死罪を命じるとするか。全く、郭女王、お前は本当に気が回る女だ。そこ、もっと強くしてくれ」
郭女王「うふふ。本当にここが好きなんですから」
郭女王は、裕福な家であったが没落した後、召使いとして曹操に見出され、曹丕の身の回りの世話を頼まれた。曹丕とは歳も近く身体の相性も抜群であったため飽き性である曹丕が飽きることなく生涯、幾度となく抱いた女性である。だが、郭女王は子供を産めぬ身体であった。だからこそ物言わぬ赤ちゃんのまま、甄姫の子供である曹叡を取り上げようとしていたのである。
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