399 / 631
4章 三国鼎立
南海城の瓦礫の撤去作業
しおりを挟む
劉備たちは、南海城の瓦礫の撤去作業を始める。城下町は焼け焦げ、城は跡形もなく崩れていた。
劉備「お前たちは別に手伝わなくても良い。南の地に帰るが良い」
刀流「何をおっしゃられる。劉備殿たちは命の恩人。我々は劉備殿に臣従したのだ。それにここは元々我らの土地、そこを士燮が占拠し、士祇が私物化したのだ。我々の土地を綺麗にしてくれようとしているのを黙って見ていることなどできんよ」
梓巫「その通りです。えーっと、それで瓦礫は何処でしょうか?」
目の見えない梓巫が手探りで瓦礫を探そうとしているのを慌てて止める刀流。
刀流「お前の可愛い手が傷ついてしまうだろ。お前には、みんなを励ましてやってほしい。お前の声を聞くと不思議と力が湧くからな」
梓巫「でも」
劉備「梓巫殿のことを気にしながらでは刀流殿も安心できないであろう。2人とも手伝ってくれるのは助かる。すまないな」
梓巫「わかりました。ここで刀流の応援をしてます」
刀流「そうしてくれると助かる」
孫堅「こうしていると洛陽の炎上の消化活動と民の避難をさせたことを思い出すな。もぅ、だいぶ昔のことのようにも思うがな」
劉備「そうですね。ですが何度経験しても良い気はしません」
孫堅「あぁ、そうだな。だが、これが国が滅ぶという事なのかもしれん。劉備よ。我らは南海城の瓦礫の撤去を優先したいと思っている」
劉備「孫堅殿を守って行方不明となられている祖茂殿、それと滞在を許してくださった士燮殿たちを探したいんですね?」
孫堅「あぁ、いるとしたら南海城が一番可能性があるからな。生きていて、俺に連絡がないことは考えにくいからその亡骸を弔ってやることしかできんがな」
劉備「わかりました。我々は城下町の方を担当しましょう」
孫堅「我儘を言ってしまいすまない。この埋め合わせは何れ必ず」
孫堅殿たちはそういうと南海城があった方に向かっていった。琥珀姫がやってくる。皆んながいるから御嬢様口調だ。
琥珀姫「ここまで厳重に作って、自分たちで壊すなんて、考えられませんわ。全く、私がもっともっと強固な城にしてあげます。昔見た。熊の本城みたいに」
劉備「琥珀姫、お前にも苦労をかけるな。結局、抱いてやれてない。すまない。これが終わって落ち着いたら必ず。ところで話は変わるがその熊の本?というのは、なんだ?」
琥珀姫「もう旦那様ったら。そんなことは気にしなくて良いのですよ。後でたーっぷり可愛がって貰うつもりなのですから。熊の本はすごい城なんですよ。別名、銀の杏とか。その木何ですけどね食べれるらしいんです実が!それに大きく反りかえる石垣、地下通路や城の素材の中には食べられるものを使って、籠城もできるようにしてたらしいんです!凄くないですか!すごいですよね!ねっ!ねっ!」
琥珀姫が言ってるのは、勿論熊の本という名前ではない。熊本城《くまもとじょう》。別名は、銀杏城《ぎんなんじょう》のことである。加藤清正《カトウキヨマサ》が藤堂高虎《トウドウタカトラ》や馬場信房《ババノブハル》と共に築城したとされている日本三名城の一つである。ここに義賢が居たら解説してくれたであろうが今はいないので、こちらで補足・追記しておく。
劉備「うむ。何やら知らぬが琥珀姫がそんなに興奮しているのならよっぽどのことなのだろう」
琥珀姫「えぇ、ここに熊の本城に似たものを作るぞ!」
劉備「いやいや、そんなにすごい城ならこんな遠方に作らずとも」
琥珀姫「いやよ。それだけは飲めません。だって、絵に描かれていた熊の本城も遠方に作られてたんだもん!」
劉備「わかったわかった。好きにするといい」
琥珀姫「ヤッター。旦那様~大好き~」
城下町の方は木造建築が多かったため焼けこげた後から四肢を欠損した遺体や、内臓が破裂したような遺体、誰ともわからないぐらいぐちゃぐちゃになった遺体を運び出し、共同墓地に埋めてやり供養することとする。その頃、孫堅たちの南海城では。
孫堅「全く、この惨状を招いたお前たちの遺体が1番綺麗だとはな」
黄蓋「壊してやりますか殿?」
孫堅「いや、もう亡くなっているのだ。死体蹴りをするつもりはない。運んで、埋めてやれ」
程普「殿、そのようなことをする必要があるでしょうか?このような奴ら、打ち捨てて鳥の餌にでもしてやれば良いのです」
孫堅「そうしたいのは山々だが、ダメだ」
韓当「じゃあ、俺が適当に埋めといてやるんだな」
孫堅「あぁ、頼む。できれば兄弟一緒にな」
韓当「了解した」
孫堅軍兵士「殿、こちらに来てください、何やら怪しい地下へと降りる階段が!」
孫堅「なんだと!?直ぐに行く」
地下と聞き、何も被害を受けていないことから孫堅はもしかしたら捕虜となってまだ生きているかもしれないと地下へと進む。そこは牢獄だった。そして、手前の牢から順に士燮・士壱・士䵋・士武といった士燮と共に反乱したであろう者たちの遺体が転がっていた。そのどれもがひどく痩せこけ身体の水分が亡くなったかのような。一言で言えばミイラのような。そして、1番奥の牢に磔の状態で、まるで生きているかのような男が居ましたが、その体中からは鮮血が飛び出したであろう血溜まりができていた。
孫堅「祖茂、祖茂ーーーーーーーーー!!!!」
黄蓋「祖茂、お前、こんなになるまで殿を」
程普「これは相当ひどい拷問も受けたかと」
祖茂「殿の声が聞こえるな。ゴホッゴホッ」
孫堅「祖茂、祖茂、生きているのか!」
祖茂「最後に声が聞こえるなんて幸運だな。殿の無事な姿が見れて、俺はもう満足ですよ」
そう祖茂は生きていた。あの時死んだかのように見えたが、士幹が兵たちを止め、地下牢へ幽閉。拷問して孫堅のことを聞き出そうとしたのだ。その身体中からは血が吹き出していたが、それは勿論一回で出た量ではない。それに他の奴らと違い、祖茂は治療と食事を与えられていた。これは、士幹が士祇に褒めてもらいたくて、逃げた孫堅を捕らえようとした独断であった。
劉備「お前たちは別に手伝わなくても良い。南の地に帰るが良い」
刀流「何をおっしゃられる。劉備殿たちは命の恩人。我々は劉備殿に臣従したのだ。それにここは元々我らの土地、そこを士燮が占拠し、士祇が私物化したのだ。我々の土地を綺麗にしてくれようとしているのを黙って見ていることなどできんよ」
梓巫「その通りです。えーっと、それで瓦礫は何処でしょうか?」
目の見えない梓巫が手探りで瓦礫を探そうとしているのを慌てて止める刀流。
刀流「お前の可愛い手が傷ついてしまうだろ。お前には、みんなを励ましてやってほしい。お前の声を聞くと不思議と力が湧くからな」
梓巫「でも」
劉備「梓巫殿のことを気にしながらでは刀流殿も安心できないであろう。2人とも手伝ってくれるのは助かる。すまないな」
梓巫「わかりました。ここで刀流の応援をしてます」
刀流「そうしてくれると助かる」
孫堅「こうしていると洛陽の炎上の消化活動と民の避難をさせたことを思い出すな。もぅ、だいぶ昔のことのようにも思うがな」
劉備「そうですね。ですが何度経験しても良い気はしません」
孫堅「あぁ、そうだな。だが、これが国が滅ぶという事なのかもしれん。劉備よ。我らは南海城の瓦礫の撤去を優先したいと思っている」
劉備「孫堅殿を守って行方不明となられている祖茂殿、それと滞在を許してくださった士燮殿たちを探したいんですね?」
孫堅「あぁ、いるとしたら南海城が一番可能性があるからな。生きていて、俺に連絡がないことは考えにくいからその亡骸を弔ってやることしかできんがな」
劉備「わかりました。我々は城下町の方を担当しましょう」
孫堅「我儘を言ってしまいすまない。この埋め合わせは何れ必ず」
孫堅殿たちはそういうと南海城があった方に向かっていった。琥珀姫がやってくる。皆んながいるから御嬢様口調だ。
琥珀姫「ここまで厳重に作って、自分たちで壊すなんて、考えられませんわ。全く、私がもっともっと強固な城にしてあげます。昔見た。熊の本城みたいに」
劉備「琥珀姫、お前にも苦労をかけるな。結局、抱いてやれてない。すまない。これが終わって落ち着いたら必ず。ところで話は変わるがその熊の本?というのは、なんだ?」
琥珀姫「もう旦那様ったら。そんなことは気にしなくて良いのですよ。後でたーっぷり可愛がって貰うつもりなのですから。熊の本はすごい城なんですよ。別名、銀の杏とか。その木何ですけどね食べれるらしいんです実が!それに大きく反りかえる石垣、地下通路や城の素材の中には食べられるものを使って、籠城もできるようにしてたらしいんです!凄くないですか!すごいですよね!ねっ!ねっ!」
琥珀姫が言ってるのは、勿論熊の本という名前ではない。熊本城《くまもとじょう》。別名は、銀杏城《ぎんなんじょう》のことである。加藤清正《カトウキヨマサ》が藤堂高虎《トウドウタカトラ》や馬場信房《ババノブハル》と共に築城したとされている日本三名城の一つである。ここに義賢が居たら解説してくれたであろうが今はいないので、こちらで補足・追記しておく。
劉備「うむ。何やら知らぬが琥珀姫がそんなに興奮しているのならよっぽどのことなのだろう」
琥珀姫「えぇ、ここに熊の本城に似たものを作るぞ!」
劉備「いやいや、そんなにすごい城ならこんな遠方に作らずとも」
琥珀姫「いやよ。それだけは飲めません。だって、絵に描かれていた熊の本城も遠方に作られてたんだもん!」
劉備「わかったわかった。好きにするといい」
琥珀姫「ヤッター。旦那様~大好き~」
城下町の方は木造建築が多かったため焼けこげた後から四肢を欠損した遺体や、内臓が破裂したような遺体、誰ともわからないぐらいぐちゃぐちゃになった遺体を運び出し、共同墓地に埋めてやり供養することとする。その頃、孫堅たちの南海城では。
孫堅「全く、この惨状を招いたお前たちの遺体が1番綺麗だとはな」
黄蓋「壊してやりますか殿?」
孫堅「いや、もう亡くなっているのだ。死体蹴りをするつもりはない。運んで、埋めてやれ」
程普「殿、そのようなことをする必要があるでしょうか?このような奴ら、打ち捨てて鳥の餌にでもしてやれば良いのです」
孫堅「そうしたいのは山々だが、ダメだ」
韓当「じゃあ、俺が適当に埋めといてやるんだな」
孫堅「あぁ、頼む。できれば兄弟一緒にな」
韓当「了解した」
孫堅軍兵士「殿、こちらに来てください、何やら怪しい地下へと降りる階段が!」
孫堅「なんだと!?直ぐに行く」
地下と聞き、何も被害を受けていないことから孫堅はもしかしたら捕虜となってまだ生きているかもしれないと地下へと進む。そこは牢獄だった。そして、手前の牢から順に士燮・士壱・士䵋・士武といった士燮と共に反乱したであろう者たちの遺体が転がっていた。そのどれもがひどく痩せこけ身体の水分が亡くなったかのような。一言で言えばミイラのような。そして、1番奥の牢に磔の状態で、まるで生きているかのような男が居ましたが、その体中からは鮮血が飛び出したであろう血溜まりができていた。
孫堅「祖茂、祖茂ーーーーーーーーー!!!!」
黄蓋「祖茂、お前、こんなになるまで殿を」
程普「これは相当ひどい拷問も受けたかと」
祖茂「殿の声が聞こえるな。ゴホッゴホッ」
孫堅「祖茂、祖茂、生きているのか!」
祖茂「最後に声が聞こえるなんて幸運だな。殿の無事な姿が見れて、俺はもう満足ですよ」
そう祖茂は生きていた。あの時死んだかのように見えたが、士幹が兵たちを止め、地下牢へ幽閉。拷問して孫堅のことを聞き出そうとしたのだ。その身体中からは血が吹き出していたが、それは勿論一回で出た量ではない。それに他の奴らと違い、祖茂は治療と食事を与えられていた。これは、士幹が士祇に褒めてもらいたくて、逃げた孫堅を捕らえようとした独断であった。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説

えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。補足説明と登場人物の設定資料
揚惇命
SF
『えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。』という作品の世界観の説明補足と各勢力の登場人物の設定資料となります。
本編のネタバレを含むため本編を読んでからお読みください。
※小説家になろう様・カクヨム様でも掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜
華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日
この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。
札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。
渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。
この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。
一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。
そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。
この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。
この作品はフィクションです。
実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。

日日晴朗 ―異性装娘お助け日記―
優木悠
歴史・時代
―男装の助け人、江戸を駈ける!―
栗栖小源太が女であることを隠し、兄の消息を追って江戸に出てきたのは慶安二年の暮れのこと。
それから三カ月、助っ人稼業で糊口をしのぎながら兄をさがす小源太であったが、やがて由井正雪一党の陰謀に巻き込まれてゆく。
月の後半のみ、毎日10時頃更新しています。

第二次戦国時代
豆大福
SF
20XX年
日本政府は、少子高齢化による人口減少、失われた20年による経済の停滞、さらに南海トラフによる主要地域の喪失をきっかけに日本政府は崩壊の危機が迫っていた。長期的安定した時代がついに終わりを迎えようとしている。


本能のままに
揚羽
歴史・時代
1582年本能寺にて織田信長は明智光秀の謀反により亡くなる…はずだった
もし信長が生きていたらどうなっていたのだろうか…というifストーリーです!もしよかったら見ていってください!
※更新は不定期になると思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる