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4章 三国鼎立
南海城、燃ゆる
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士祇が討ち取られた。それを見て発狂しながら民の元へと向かう士頌と士幹。
士頌「兄上様をよくも、よくも殺してくれたな。このクソ野郎が。殺してやる殺してやる。今こそお前らの出番だろうが!さっさとその埋め込まれた爆弾の導火線に火を付けろ!」
士幹「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ兄様ーーーーーーーーー。クソがクソがクソが私と兄様のめくるめく情欲の日々を奪うだなんて、絶対に殺してやるんだから、殺してやるんだから」
士頌は男口調に戻ったが士幹の方は女性口調から戻っていなかった。
劉備「待て、お前たちは負けたのだ。投降すれば命は取らん」
民老「おしまいじゃ。おしまいじゃ。この交州の守護神様が他に伏してしまったのじゃ。せめて、この爆弾で、簒奪者どもの王は道連れにしてくれるわ」
民男「はひひはひひひはひひひひ。士祇様が士祇様がはひひひひひひひ」
民女「そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁそんなことってーーーーーーーーー。こんなの嘘よ嘘よ嘘よ。娘や妹が強姦王に弄ばれる未来なんてごめんだわ。殺してあげる。私が殺してあげる」
その場にいた民たちに劉備の声は届かない。それどころか皆一様に、爆弾の導火線に火を付け始めた。
劉備「何を考えている!命は大事にするのだ」
士頌「これで、貴様も終わりだ。逃げ場のないこの城の崩落に巻き込まれて死ぬがいい。あっこれもしておかねばな」
士頌はそういうと士幹と共に士祇の亡骸を抱えて、まるで城下の民にその死を見せる。
士幹「これでアンタも終わりよ。兄様の死が城下町のみんなにも知れ渡ったんだから。今頃、城下町のみんなも爆弾の導火線に火をつけ始めた頃よ。アンタだけは絶対に道連れにしてやるんだから!」
士頌「貴様の最後を見られないのは残念だが。兄上様をあの世で1人にはさせられないのでな」
士幹「これで負けたのはアンタだからね」
そういうと2人は士祇の亡骸を抱えながら身を投げた。
劉備「待て、クソッ。どうしたらいい?皆んなには遠くに離れるように言った。恐らく巻き込まれるのは私だけだ。どうしたら」
???「ヒヒーン(我が主の危機に颯爽と登場致した)」
劉備「的盧!お前は本当によくできた馬だ。私をこの死地から救出しに来てくれたのか!」
的盧「ヒヒーン(当然だ。我が主は、貴方様だけと決めている。死ぬ時は共にだ。だが死なせはせんよ)」
劉備「しかし、どう切り抜けるつもりだ」
的盧「ヒヒーン(そんなのはこうするまでよ)」
的盧は先程、士頌と士幹が身を投げたところから下に向かって駆け降りた。
劉備「うおっ。的盧、城の外壁を駆け降りるなんて、何考えて、下にも民たちが爆誕となって、我々を待ち受けているのだぞ!」
的盧「ヒヒーン。ブルブル(我が主を死なせはせん。ここだこの城の外壁と城の外につながる外壁の間隔が短いここで)」
的盧は飛んだ。城の外壁と城外の外壁の間隔が少なくなったタイミングで跳躍して、城外の外壁へと飛び移り、さらにそのまま、外へと城外の外壁を駆け降り、走り去った。その時間、5分とはかからなかっただろう。その間もそこら中で爆発の音が聞こえるが、それを器用に避けて、駆け降りる的盧に凶馬という言葉似合わない幸運という言葉がよく似合った。
劉備「的盧!お前、なんて無茶をするんだ。だが助かった。脚に問題はないか?何処か怪我していないか?」
的盧「ヒヒーン!!!!(全く心配性な我が主よ。だが、そこが良い。絶対に死なせはせんよ。我が主が俺に乗ってくれる限りはな)」
劉備「大丈夫そうだな。助かったぞ的盧」
的盧「ヒヒーン(我が主よ。もっと褒めても構わんぞ)」
劉備はチラリと背後を見た。爆発が大きかった南海城は粉々に壊れ、城下町のあちこちからは火の手が上がっていた。あの場にいたらきっとその爆発に巻き込まれて、瓦礫の下敷きとなり命を失っていたであろう。的盧が来てくれたことで無事に逃げ切れたのである。
劉備「このようなことになんの意味がある。士祇が死んだのだ。どうして、こんな無駄死にを」
孫堅「彼らにとって、士祇が絶対的な王だったのだろう。それ以外の統治者を認めるつもりはなかったのかもしれん」
諸葛亮「えぇ、言葉というのはそれだけ影響力があるのです。士祇は殿にまつわる話を悪い方に悪い方に民たちを誘導しました。そして、それを盲目に信じた民たちは士祇の信奉者となり、その命ですら差し出したのです」
張飛「でも大兄者が無事で良かったぜ。陳到の奴が白毦の奴らと帰ってきた時は、どうしていいかよぉわからなかった」
劉備は張飛と熱い抱擁を交わす。
劉備「翼徳、よく我慢してくれたな。お前が私を助けに来て亡くなっていたかも知れぬと思うと心が張り裂けそうだ」
張飛「くっ苦しいぜ大兄者。まぁでも嬉しいぜ。こういうのは久々だからよ。でも、なんだやっぱり妻のが良いな」
劉備「この!すっかり愛妻家になりおって。ハッハッハッハ」
張飛「まぁな。これだけ離れるとよ。恋しくなるもんだ」
劉備「確かにな。関羽とはもう暫く顔を合わせていない。早く、また3人で顔を合わせたいものだ」
張飛「おぅ。もう兄者が時間を稼ぐ必要もねぇ。また会えるぜ」
劉備「そうだな」
士祇の死、士頌と士幹の身投げ、士祇を信奉する民たちの命をかけた特攻からなんとか命からがら逃げ切った劉備は、崩落した南海城の復旧作業に追われるのである。
士頌「兄上様をよくも、よくも殺してくれたな。このクソ野郎が。殺してやる殺してやる。今こそお前らの出番だろうが!さっさとその埋め込まれた爆弾の導火線に火を付けろ!」
士幹「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ兄様ーーーーーーーーー。クソがクソがクソが私と兄様のめくるめく情欲の日々を奪うだなんて、絶対に殺してやるんだから、殺してやるんだから」
士頌は男口調に戻ったが士幹の方は女性口調から戻っていなかった。
劉備「待て、お前たちは負けたのだ。投降すれば命は取らん」
民老「おしまいじゃ。おしまいじゃ。この交州の守護神様が他に伏してしまったのじゃ。せめて、この爆弾で、簒奪者どもの王は道連れにしてくれるわ」
民男「はひひはひひひはひひひひ。士祇様が士祇様がはひひひひひひひ」
民女「そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁそんなことってーーーーーーーーー。こんなの嘘よ嘘よ嘘よ。娘や妹が強姦王に弄ばれる未来なんてごめんだわ。殺してあげる。私が殺してあげる」
その場にいた民たちに劉備の声は届かない。それどころか皆一様に、爆弾の導火線に火を付け始めた。
劉備「何を考えている!命は大事にするのだ」
士頌「これで、貴様も終わりだ。逃げ場のないこの城の崩落に巻き込まれて死ぬがいい。あっこれもしておかねばな」
士頌はそういうと士幹と共に士祇の亡骸を抱えて、まるで城下の民にその死を見せる。
士幹「これでアンタも終わりよ。兄様の死が城下町のみんなにも知れ渡ったんだから。今頃、城下町のみんなも爆弾の導火線に火をつけ始めた頃よ。アンタだけは絶対に道連れにしてやるんだから!」
士頌「貴様の最後を見られないのは残念だが。兄上様をあの世で1人にはさせられないのでな」
士幹「これで負けたのはアンタだからね」
そういうと2人は士祇の亡骸を抱えながら身を投げた。
劉備「待て、クソッ。どうしたらいい?皆んなには遠くに離れるように言った。恐らく巻き込まれるのは私だけだ。どうしたら」
???「ヒヒーン(我が主の危機に颯爽と登場致した)」
劉備「的盧!お前は本当によくできた馬だ。私をこの死地から救出しに来てくれたのか!」
的盧「ヒヒーン(当然だ。我が主は、貴方様だけと決めている。死ぬ時は共にだ。だが死なせはせんよ)」
劉備「しかし、どう切り抜けるつもりだ」
的盧「ヒヒーン(そんなのはこうするまでよ)」
的盧は先程、士頌と士幹が身を投げたところから下に向かって駆け降りた。
劉備「うおっ。的盧、城の外壁を駆け降りるなんて、何考えて、下にも民たちが爆誕となって、我々を待ち受けているのだぞ!」
的盧「ヒヒーン。ブルブル(我が主を死なせはせん。ここだこの城の外壁と城の外につながる外壁の間隔が短いここで)」
的盧は飛んだ。城の外壁と城外の外壁の間隔が少なくなったタイミングで跳躍して、城外の外壁へと飛び移り、さらにそのまま、外へと城外の外壁を駆け降り、走り去った。その時間、5分とはかからなかっただろう。その間もそこら中で爆発の音が聞こえるが、それを器用に避けて、駆け降りる的盧に凶馬という言葉似合わない幸運という言葉がよく似合った。
劉備「的盧!お前、なんて無茶をするんだ。だが助かった。脚に問題はないか?何処か怪我していないか?」
的盧「ヒヒーン!!!!(全く心配性な我が主よ。だが、そこが良い。絶対に死なせはせんよ。我が主が俺に乗ってくれる限りはな)」
劉備「大丈夫そうだな。助かったぞ的盧」
的盧「ヒヒーン(我が主よ。もっと褒めても構わんぞ)」
劉備はチラリと背後を見た。爆発が大きかった南海城は粉々に壊れ、城下町のあちこちからは火の手が上がっていた。あの場にいたらきっとその爆発に巻き込まれて、瓦礫の下敷きとなり命を失っていたであろう。的盧が来てくれたことで無事に逃げ切れたのである。
劉備「このようなことになんの意味がある。士祇が死んだのだ。どうして、こんな無駄死にを」
孫堅「彼らにとって、士祇が絶対的な王だったのだろう。それ以外の統治者を認めるつもりはなかったのかもしれん」
諸葛亮「えぇ、言葉というのはそれだけ影響力があるのです。士祇は殿にまつわる話を悪い方に悪い方に民たちを誘導しました。そして、それを盲目に信じた民たちは士祇の信奉者となり、その命ですら差し出したのです」
張飛「でも大兄者が無事で良かったぜ。陳到の奴が白毦の奴らと帰ってきた時は、どうしていいかよぉわからなかった」
劉備は張飛と熱い抱擁を交わす。
劉備「翼徳、よく我慢してくれたな。お前が私を助けに来て亡くなっていたかも知れぬと思うと心が張り裂けそうだ」
張飛「くっ苦しいぜ大兄者。まぁでも嬉しいぜ。こういうのは久々だからよ。でも、なんだやっぱり妻のが良いな」
劉備「この!すっかり愛妻家になりおって。ハッハッハッハ」
張飛「まぁな。これだけ離れるとよ。恋しくなるもんだ」
劉備「確かにな。関羽とはもう暫く顔を合わせていない。早く、また3人で顔を合わせたいものだ」
張飛「おぅ。もう兄者が時間を稼ぐ必要もねぇ。また会えるぜ」
劉備「そうだな」
士祇の死、士頌と士幹の身投げ、士祇を信奉する民たちの命をかけた特攻からなんとか命からがら逃げ切った劉備は、崩落した南海城の復旧作業に追われるのである。
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