えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。

揚惇命

文字の大きさ
上 下
392 / 634
4章 三国鼎立

南海城外の攻防戦(急)

しおりを挟む
 趙雲に引き続き張郃の撤退は、諸葛亮の頭を大きく悩ませた。
 諸葛亮「まずいですね。思った以上に相手が手強い。痛覚がない相手の次は、まるで暗殺者のような動きの女たちを率いる男、このような得体の知らない相手と戦うのは骨が折れます」
 孫堅「趙雲殿も張郃殿も名を馳せる猛将。それらを撤退させたとあっては、敵の士気の上昇を止められないだろう」
 黄蓋「全く厄介な相手ですな」
 程普「しかし、我らまで落ち込んではいられませんぞ」
 韓当「俺より存在感が薄いのが居るとはなぁ」
 黄蓋「韓当、ついに存在感が無いと認めたか。ガハハ」
 劉備「趙雲も張郃の傷も心配だ。大事無ければ良いが」
 琥珀姫「大丈夫かと。それに一応応急処置はしと来ましたので、まぁ激しく盛り上がらなければ傷口も開かないかと」
 劉備「盛り上がる?」
 琥珀姫は劉備の耳元で囁く。
 琥珀姫「うっふ~ん。劉備様ったらぁ~。男女で盛り上がるって言ったら~。ま・ぐ・わ・いに決まってるでしょ~。早くおわらせて、私のことを女にしてよね~」
 劉備「!!!!!!耳元でそういうことを言うものではない」
 琥珀姫「好きな癖に~むっつりさんね~」
 劉備「えぇい、やめんか!」
 諸葛亮「玄徳殿、どうかされましたか?」
 劉備「いや、すまぬ。なんでもない。しかし、如何したものか」
 ???「失礼します」
 落ち着いた声がして、男が入ってくる。見た目は、筋肉隆々、歳は40代ぐらいだろうか。
 劉備「呂岱リョタイではないか。呂布と徐州の守りを任せていたはず。もしや徐州に何かあったのか?」
 呂岱「いえ、徐州は平穏そのものです曹操がせめて来る気配もありません。徐盛に任せて、こちらの援軍に参った次第。お邪魔でしたかな?」
 劉備「いや、呂岱が来てくれて助かる」
 呂岱は徐州が戦乱に巻き込まれていた時、まだ小さい子供を連れて、呉郡に向かおうとしていたのだが、劉備の迅速な行動によって、追い払われた曹操、それによって落ち着きを取り戻したことで、徐州に残っていた。すぐに仕官しに向かったのだが、まだ小さい子供のそばに居てやれと優しい言葉をかけてもらい子供との時間を大事にし、この度、息子も成人を迎えたので、劉備に仕えることとなり、徐州の守りを呂布と共に任されていた。文武に優れる猛将である。
 呂岱「こちらに来る途中で趙雲殿に先程張郃殿にお会いしました。2人とも見たところ命に別状はないようで安心しました。それにしてもあのお二人に手傷を負わせるとは、油断ならない相手とお見受けしました」
 諸葛亮「えぇ、呂岱殿の参陣を嬉しく思います。そちらが」
 ???「はっ初めまして。呂凱リョガイと、も、も、申します」
 劉備「そう緊張することはない。一度あっているのだが覚えてないか?」
 呂凱「も、も、も、勿論、お、お、お、覚えています。そ、そ、そ、その節はお世話になりました」
 呂岱「憧れの人に会えて緊張しているのはわかるが」
 呂凱「と、と、と、父さん!!!!」
 劉備「活躍に期待しているぞ呂凱。でも無理せずにな」
 呂凱「は、は、は、はい。か、か、か、必ずやお役に」
 こんな緊張してばっかりの呂凱であったが戦に出れば、百戦錬磨の猛将のように次々と、目の前の敵を討ち取っていき。牛面と対峙した。
 牛面「、、、、、、誰だ?」
 呂凱「我が名は、呂凱。得体の知れない敵とはお前のことだな?」
 牛面「、、、、、、、知らん」
 呂凱「言葉は必要ないということか。簡単で良い。行くぞ」
 呂凱の横を狙う男がいた。獄卒である。
 獄卒「油断大敵だな。劉備軍の将よ」
 呂凱「伏兵か!まずはお前から相手をしてくれる」
 その時、呂凱にとって誰よりも頼もしい男が現れる。
 呂岱「呂凱、コイツの相手は父に任せよ。お前はその牛頭を討ち取るのだ」
 呂凱「父さん。助かったよ。わかった。そちらは任せたよ。ご武運を」
 呂岱「誰に言っている。お前こそ。ご武運を」
 -----------
 獄卒「もう1人いたのか。クソッ。あのクソ女め。俺の大事な尖兵を皆殺しにしよって、お陰で、単独で貴様と当たらねばならんわ!」
 呂岱「何を言っているのか知らんが。報告にあった張郃殿を敗走に追い込んだ女を率いていた頭領だな?」
 獄卒「だったらどうした?お前は剣、俺は鞭。攻撃範囲が違うのだよ!」
 呂岱「人をこき使う男ほど、よく吠えるという。やってみるが良い」
 獄卒の鞭を剣で巻き取ると釣りでもするかのように手首のスナップを聞かせて、こちらに引き寄せた。その拍子で鞭が切れ、飛んできた傷だらけの大男を薙ぎ払った。
 獄卒「こんな馬鹿なことがあるかよ。剣を釣りをするかのように使うなんてよ」
 呂岱「釣りは良い。心が落ち着くからな。お前の敗因は、武器の攻撃範囲に頼りすぎたことだ。さらばだ」
 獄卒「うげげ。だばぁ」
 呂岱「またつまらぬものを薙ぎ払ってしまった」
 -------------
 牛面「、、、、、、獄卒が死んだか」
 呂凱「何を言っている?」
 牛面「、、、、、、フッ気にするな」
 呂凱「その真っ赤な身体、どれだけの人を殺した?」
 牛面「、、、、、、、さぁな。忘れた」
 呂凱「忘れただと!人としての良心はないのか?」
 牛面「、、、、、、、、とうの昔に捨てた」
 呂凱「何を言っても無駄のようだな。その首、呂凱が貰い受けるぞ」
 牛面「、、、、、、、問答など必要ない」
 呂凱の剣と牛面の牛斬り包丁が激しく打ち合う。
 呂凱「何故、そのような力を持ちながら民のために振るわない!」
 牛面「、、、、、、、貴様にはわかるまいよ」
 さらに数合打ち合う。
 呂凱「ハァハァハァ、もう少しだ」
 牛面「、、、、、無駄だ」
 さらに数合打ち合った時、変化があった、牛面の牛斬り包丁が折れたのだ。その隙を見逃さず、一気に叩き切る呂凱。
 呂凱「人を斬りすぎて、刃こぼれに気付かなかったようだな。トドメだ」
 牛面「、、、、、見事。これでようやく眠れる」
 転がった牛の頭から出てきた男の顔は、ようやく終わったと安堵した顔をしていた。こうして、南海城外の戦いは、呂岱・呂凱の援軍を得て、制圧することに成功した。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。補足説明と登場人物の設定資料

揚惇命
SF
『えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。』という作品の世界観の説明補足と各勢力の登場人物の設定資料となります。 本編のネタバレを含むため本編を読んでからお読みください。 ※小説家になろう様・カクヨム様でも掲載しています。

織田信長IF… 天下統一再び!!

華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。 この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。 主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。 ※この物語はフィクションです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部

山本 双六
歴史・時代
たくさんの人が亡くなった太平洋戦争。では、もし日本が勝てば原爆が落とされず、何万人の人が助かったかもしれないそう思い執筆しました。(一部史実と異なることがあるためご了承ください)初投稿ということで俊也さんの『re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ』を参考にさせて頂きました。 これからどうかよろしくお願い致します! ちなみに、作品の表紙は、AIで生成しております。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

処理中です...