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4章 三国鼎立
高涼の人々を安心させるためにどうするべきか
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囮を務めてくれた孫堅のお陰で、森で問題はあったがなんとか高涼城の背後を取り、難なく制圧することに成功した劉備軍だったが中にいた民たちは劉備と連れてる獣たちにすっかり怯えていた。
民翁「ワシらを食べようというんじゃな。骨だけで美味しゅうない。やめてくれんか?」
民婆「ひぃぃぃぃぃぃ。虎じゃ。熊じゃ。蛇じゃ。丸呑みされとうない」
民男「まだ負けたわけじゃねぇ。絶対に士祇様が助けてくださる。妻は絶対に渡さない!」
民男の妻「劉備様、何でもしますからどうか夫が今言ったことは忘れてください」
少年「えぇい。悪の権化め。倒してやる~」
民男の妻「坊や。やめなさい!」
しまいにはおもちゃの剣で殴りかかってくる少年。
劉備「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。やられた~」
しかしお茶目な劉備は少年の遊びに付き合ったのだ。それを見て、少し安心する民たち。
民男「あの噂は本当なのか?」
民男の妻「すみません。すみません。うちの子が」
劉備「元気があって良い。将来、きっと優秀な兵士になれるだろう」
少年「ヤッタ~。いつもの劉備様だよ。みんな~」
民翁「思えば、あの噂の出所は士祇じゃ。劉備様を陥れようとしていたということかの」
民婆「何もされんのか?虎や熊や蛇に丸呑みされんのか?」
虎熊「俺の可愛い動物たちに人間の肉なんか食わせられるか。それより、これじゃ信用もしてくれないよなぁ。仕方ない。一芸を見せてやるか。虎吉あれをやるぞ」
虎吉「グルァァァァァ」
虎熊「さぁさぁ、お集まりの皆様に一つ動物たちが面白い芸を見せてくれますよ。先ずはこのなんの変哲もない燃えやすい輪っかのようなものを取り出しまして、火を付けます。これを虎吉が潜ります。では、ご覧ください」
虎吉が火の輪っかを何度もピョンピョンと間を抜けるのを見て、子供達が大興奮していた。
少年「すっすげ~。なんであんなことできるんだ?火が怖くないの?」
虎熊「勿論、火が怖いわけじゃない。だが、できるんだなぁこれが」
少女「おじちゃんもわかってないってこと?」
虎熊「おじちゃん!?まっまぁそうだな。動物たちへの恐怖心は消えたかな?」
少年「うん。他にも何かないの?」
虎熊「そうだなぁ。次は、熊美、あれを見せてやるぞ」
熊美「コッコッコ」
虎熊「よーしよし、落ち着いてるな。では、次は自慢の熊美が皆様に玉乗りをお見せしましょう。このなんの変哲もない丸いボール。この上に熊美が乗りまして、上下左右に動きます。危ないので少し離れた位置からご覧ください。それでは」
熊美が器用に玉の上に乗ると立ち上がって、あっちこっちに動く。それを見て、民たちから大歓声と拍手が巻き起こる。
民男「熊にあんなことができんのか?」
民男の妻「坊や。楽しいわね」
少年「うん」
民たちの笑顔を見て、劉備も嬉しくなる。
劉備「虎熊のお陰で民たちに笑顔が戻ったな。どこか猛獣たちを信用できていなかったのは私も同じだ。だが、あの猛獣たちは、本当に民たちを喜ばせて笑顔にさせている」
諸葛亮「えぇ、あのようなことを猛獣たちにさせて、民たちに笑顔を取り戻させることができるとは思いませんでした」
魏延「虎熊は、優しいやつなんだ。紹介されてた虎と熊に育てられたみたいだけどよ。熊と虎が仲良く子育てしてる風景とか想像できるか?そういうことを聞いたからアイツの名前にぴったりだと思ったんだよ。名前が無いアイツの名前にな」
劉備「苦労したのであろうな」
民たちからもっと見たいと言われた虎熊は困りながらも最後に蛇を使った一芸を見せることにした。
民男「最高だ!他にはないのか?もっと見たい」
民翁「蛇はまだじゃろ」
民婆「蛇は何もできんじゃろうて」
民男の妻「虎さんも熊さんもこうしてみると可愛いわね」
少年「虎も熊も大好きになった~」
少女「もっと見た~い」
虎熊「たくさんの御声援、本当に有り難く思っておりますが。他に何か。あっありました。ここになんの変哲もない木を削って穴をくり抜いた音が鳴る笛があります。こちらの音を慣らしますとあら不思議、この壺に入れた蛇丸が仲間たちと共に奇妙な踊りを見せてくれます。それでは吹き鳴らしましょう」
虎熊の吹く音色はとても綺麗で、それに合わせて蛇丸の率いる蛇たちが次々とニャロニョロと出てきてはクネクネと踊って壺に戻るを繰り返す。
民翁「ほらばぁさんや。蛇にも芸があったぞい」
民婆「本当じゃなぁ」
民男「こういうのなら猛獣も悪くないって思うぜ」
民女「蛇の踊り、面白い」
少年「あっ母さんが笑ってる」
少女「私も吹いたら蛇さん踊ってくれる?」
虎熊「残念ですがそれは無理でございます。訓練を積まないと蛇丸が気持ち良くなる音を鳴らさないのですよ」
少々「じゃあ、アタシ、おじちゃんの弟子になる。アタシも蛇さんたち踊らせたい」
少年「ずっずるいぞ。僕も熊さんや虎さんともっと仲良くなりたい」
虎熊「このようにひとを楽しませることもできる猛獣たちですが本来は恐ろしいのです。その証拠に、ホラ」
虎熊が合図をすると、一頭のパンダが虎熊の肩に甘噛みしていた。それを見て、驚く民たちに平然として言う。
虎熊「このようにじゃれついてくる猛獣もいるのですよ。ですがこの通り、鍛え抜いた身体でなければ怪我をしてしまうでしょう。人には適材適所という言葉があります。俺はコイツらと産まれた時から一緒に生活を共にしています。ですからコイツたちも力加減がわかっているのです。ですが、俺と同じようなじゃれつき方をされると怪我をしてしまう者が大半でしょう。特別な訓練を受けていないと難しいのですよ。もういいぞ。みんな怖がってるからな白黒」
白黒「キュルルルル」
虎熊「歯型一つ付かないようになるのは苦労しました。最初の方は、肉まで行ってたかもしれませんね。ゲババババババババ」
なんともない虎熊を見て、民たちも安堵する。そう、みんな猛獣たちに怯えていたのではない。楽しませてくれた彼の身の安全を心配していたのだ。
民男「アンタは本当に最高だ。それでこそ一流ってもんだ」
民男の妻「怪我されてませんか?」
少年「おじちゃん、大丈夫?もう、なりたいなんて言わないから死なないで」
少女「おじちゃんが死んだら嫌だ」
虎熊は自分のことを心配してくれる初めての感覚にむず痒くもあり、猛獣たちが嫌われていないことに安堵した。
虎熊「お楽しみ頂けたのなら幸いです。それでは最後に白黒を使って、癒しの時間をお届けしましょう」
虎熊は懐から笹の葉を取り出すと白黒に与える。白黒はそれをムシャムシャと食べる。先程のじゃれつきかたと違いその愛らしい姿が民たちを笑顔にさせるのだった。
虎熊「どうやらお腹を空かせていたようで俺にご飯を強請っていたようです。この甘え上手め。ゲバババババババ」
少年「ゲババババババ」
少女「ゲババババババ」
子供たちは虎熊の笑い方を真似していた。そこには、ほんわかとしたあったかいものがあったのである。高涼を落ち着かせられたのは虎熊のお陰ということで、劉備は虎熊を猛獣軍団を率いる将軍に任命した。虎熊は魏延を抜いていきなり大出世を果たすのである。この猛獣軍団がいずれ来る曹操との戦いにおいて大活躍するのはまだ先の話である。
民翁「ワシらを食べようというんじゃな。骨だけで美味しゅうない。やめてくれんか?」
民婆「ひぃぃぃぃぃぃ。虎じゃ。熊じゃ。蛇じゃ。丸呑みされとうない」
民男「まだ負けたわけじゃねぇ。絶対に士祇様が助けてくださる。妻は絶対に渡さない!」
民男の妻「劉備様、何でもしますからどうか夫が今言ったことは忘れてください」
少年「えぇい。悪の権化め。倒してやる~」
民男の妻「坊や。やめなさい!」
しまいにはおもちゃの剣で殴りかかってくる少年。
劉備「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。やられた~」
しかしお茶目な劉備は少年の遊びに付き合ったのだ。それを見て、少し安心する民たち。
民男「あの噂は本当なのか?」
民男の妻「すみません。すみません。うちの子が」
劉備「元気があって良い。将来、きっと優秀な兵士になれるだろう」
少年「ヤッタ~。いつもの劉備様だよ。みんな~」
民翁「思えば、あの噂の出所は士祇じゃ。劉備様を陥れようとしていたということかの」
民婆「何もされんのか?虎や熊や蛇に丸呑みされんのか?」
虎熊「俺の可愛い動物たちに人間の肉なんか食わせられるか。それより、これじゃ信用もしてくれないよなぁ。仕方ない。一芸を見せてやるか。虎吉あれをやるぞ」
虎吉「グルァァァァァ」
虎熊「さぁさぁ、お集まりの皆様に一つ動物たちが面白い芸を見せてくれますよ。先ずはこのなんの変哲もない燃えやすい輪っかのようなものを取り出しまして、火を付けます。これを虎吉が潜ります。では、ご覧ください」
虎吉が火の輪っかを何度もピョンピョンと間を抜けるのを見て、子供達が大興奮していた。
少年「すっすげ~。なんであんなことできるんだ?火が怖くないの?」
虎熊「勿論、火が怖いわけじゃない。だが、できるんだなぁこれが」
少女「おじちゃんもわかってないってこと?」
虎熊「おじちゃん!?まっまぁそうだな。動物たちへの恐怖心は消えたかな?」
少年「うん。他にも何かないの?」
虎熊「そうだなぁ。次は、熊美、あれを見せてやるぞ」
熊美「コッコッコ」
虎熊「よーしよし、落ち着いてるな。では、次は自慢の熊美が皆様に玉乗りをお見せしましょう。このなんの変哲もない丸いボール。この上に熊美が乗りまして、上下左右に動きます。危ないので少し離れた位置からご覧ください。それでは」
熊美が器用に玉の上に乗ると立ち上がって、あっちこっちに動く。それを見て、民たちから大歓声と拍手が巻き起こる。
民男「熊にあんなことができんのか?」
民男の妻「坊や。楽しいわね」
少年「うん」
民たちの笑顔を見て、劉備も嬉しくなる。
劉備「虎熊のお陰で民たちに笑顔が戻ったな。どこか猛獣たちを信用できていなかったのは私も同じだ。だが、あの猛獣たちは、本当に民たちを喜ばせて笑顔にさせている」
諸葛亮「えぇ、あのようなことを猛獣たちにさせて、民たちに笑顔を取り戻させることができるとは思いませんでした」
魏延「虎熊は、優しいやつなんだ。紹介されてた虎と熊に育てられたみたいだけどよ。熊と虎が仲良く子育てしてる風景とか想像できるか?そういうことを聞いたからアイツの名前にぴったりだと思ったんだよ。名前が無いアイツの名前にな」
劉備「苦労したのであろうな」
民たちからもっと見たいと言われた虎熊は困りながらも最後に蛇を使った一芸を見せることにした。
民男「最高だ!他にはないのか?もっと見たい」
民翁「蛇はまだじゃろ」
民婆「蛇は何もできんじゃろうて」
民男の妻「虎さんも熊さんもこうしてみると可愛いわね」
少年「虎も熊も大好きになった~」
少女「もっと見た~い」
虎熊「たくさんの御声援、本当に有り難く思っておりますが。他に何か。あっありました。ここになんの変哲もない木を削って穴をくり抜いた音が鳴る笛があります。こちらの音を慣らしますとあら不思議、この壺に入れた蛇丸が仲間たちと共に奇妙な踊りを見せてくれます。それでは吹き鳴らしましょう」
虎熊の吹く音色はとても綺麗で、それに合わせて蛇丸の率いる蛇たちが次々とニャロニョロと出てきてはクネクネと踊って壺に戻るを繰り返す。
民翁「ほらばぁさんや。蛇にも芸があったぞい」
民婆「本当じゃなぁ」
民男「こういうのなら猛獣も悪くないって思うぜ」
民女「蛇の踊り、面白い」
少年「あっ母さんが笑ってる」
少女「私も吹いたら蛇さん踊ってくれる?」
虎熊「残念ですがそれは無理でございます。訓練を積まないと蛇丸が気持ち良くなる音を鳴らさないのですよ」
少々「じゃあ、アタシ、おじちゃんの弟子になる。アタシも蛇さんたち踊らせたい」
少年「ずっずるいぞ。僕も熊さんや虎さんともっと仲良くなりたい」
虎熊「このようにひとを楽しませることもできる猛獣たちですが本来は恐ろしいのです。その証拠に、ホラ」
虎熊が合図をすると、一頭のパンダが虎熊の肩に甘噛みしていた。それを見て、驚く民たちに平然として言う。
虎熊「このようにじゃれついてくる猛獣もいるのですよ。ですがこの通り、鍛え抜いた身体でなければ怪我をしてしまうでしょう。人には適材適所という言葉があります。俺はコイツらと産まれた時から一緒に生活を共にしています。ですからコイツたちも力加減がわかっているのです。ですが、俺と同じようなじゃれつき方をされると怪我をしてしまう者が大半でしょう。特別な訓練を受けていないと難しいのですよ。もういいぞ。みんな怖がってるからな白黒」
白黒「キュルルルル」
虎熊「歯型一つ付かないようになるのは苦労しました。最初の方は、肉まで行ってたかもしれませんね。ゲババババババババ」
なんともない虎熊を見て、民たちも安堵する。そう、みんな猛獣たちに怯えていたのではない。楽しませてくれた彼の身の安全を心配していたのだ。
民男「アンタは本当に最高だ。それでこそ一流ってもんだ」
民男の妻「怪我されてませんか?」
少年「おじちゃん、大丈夫?もう、なりたいなんて言わないから死なないで」
少女「おじちゃんが死んだら嫌だ」
虎熊は自分のことを心配してくれる初めての感覚にむず痒くもあり、猛獣たちが嫌われていないことに安堵した。
虎熊「お楽しみ頂けたのなら幸いです。それでは最後に白黒を使って、癒しの時間をお届けしましょう」
虎熊は懐から笹の葉を取り出すと白黒に与える。白黒はそれをムシャムシャと食べる。先程のじゃれつきかたと違いその愛らしい姿が民たちを笑顔にさせるのだった。
虎熊「どうやらお腹を空かせていたようで俺にご飯を強請っていたようです。この甘え上手め。ゲバババババババ」
少年「ゲババババババ」
少女「ゲババババババ」
子供たちは虎熊の笑い方を真似していた。そこには、ほんわかとしたあったかいものがあったのである。高涼を落ち着かせられたのは虎熊のお陰ということで、劉備は虎熊を猛獣軍団を率いる将軍に任命した。虎熊は魏延を抜いていきなり大出世を果たすのである。この猛獣軍団がいずれ来る曹操との戦いにおいて大活躍するのはまだ先の話である。
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