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4章 三国鼎立
朱崖郡のあらましを聞きほくそ笑む士祇
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朱崖郡のあらましを聞く士祇。
士祇「あの男がそんなことをな」
伝令「はい。朱崖郡には誰も配置していませんでしたがどうしてなのでしょうか?」
士祇「それはあの男が居たからだ。あの男は人が食料にしか見えていない。それは村人も例外ではない。そんなところに大切な将を配置するなどできんからな。だから好き勝手させていた。それがこうも上手く事を運ぶとはな。この事を我が領土の民に伝えれば皆戦わざる負えないであろう。こう伝えるのだ。劉備は虐殺したものの肉を食べる。もはや人ではないとな」
伝令「はっ」
士祇「待て、もう一つ頼む。恐らく劉備軍の次の進軍先は高涼郡に向かうのだろう。前までの電光石火と言われる進軍には恐らくもう1人の義弟関羽の存在が大きかったのだろう。此度の動きは実に鈍足と言える。ゆっくりゆっくりとしている間にもう半年も経とうとしているのだからな。高涼を守る士頌たちに無理をせぬ程度に抵抗せよと伝えるのだ」
伝令「了解しました」
伝令が帰ると士徽がやってきた。
士徽「さっきの伝令は?兄貴、ひょっとして良いことでもあったのか?」
士祇「流石に馬鹿でもわかるか。そうだ。ようやく劉備がしでかしてくれたわ」
士徽」マジかよ。民を殺したのか?」
士祇「厳密には違うがな。あの厄介な男がやってくれた」
士徽「それって、兄貴ですら不気味だって警戒した。蟹張とかいう朱崖の自治を認めていた男のことか?」
士祇「あぁ。劉備軍が攻めてきた時に、民を喰らい尽くして骨だけにしたそうだ。さらに村にある地下室からは何人も解体したかのような血に塗れていたそうだ」
士徽「成程、流石に俺にもわかったぜ。それを全て劉備のせいにするってことだな」
士祇「お前はやっぱり馬鹿だな。流石に村の地下室のことまで、劉備のせいにできるわけがないだろう。そのことは有耶無耶にする。重要なのは、劉備が攻め込んだよくわからない城の中で、骨だらけだったという点だ。その事実だけで充分。だからな。蟹張の家は焼き討ちしておいた。地下室が見つかることももうないだろう。あやつは用心深く村とは離れたところに邸宅を構えていたからな」
士徽「つまり都合が良かったって事だよな?」
士祇「そういうことだ。わかったらお前も高涼郡に向かい士頌を補佐せよ。お前は、その馬鹿力しか役に立たんのだからな」
士徽「相変わらずひでぇよな兄貴は。まぁ、わかったけどよ」
こうして士徽も弟である士頌の補佐をするため高涼郡へと向かった。
士祇「馬鹿も使いようだな。士徽が着いたら士頌には帰還命令を出しておこう。引き際のわからぬ士徽のこと。死んでくれよう。ククク。我が弟ながらどうしてあのような馬鹿がいるのか。全くわからん」
士祇は劉備軍の行ったことを広く伝播させた。その結果、劉備許すまじと機運が高まり、次から次へと士祇の元に志願する兵が集まったのである。そんな様子とは打って変わって、朱崖郡の方では。
姫「劉備様~。ねっ。私凄いでしょう。ほらぁ。ほらぁ」
劉備「ええぃやめんか!胸を押し付けるなど破廉恥な」
姫「え~。女をたくさん抱えてる人の発言とは思えないんですけど~」
劉備「さっきから語尾を伸ばした喋り方は、一体なんなのだ!」
姫「こういう喋り方してみたかったんだけど~。馬鹿っぽく見えるらしくって~。ダメって言われてたんだけど~。そういうこと言ってた人が人喰ってたわけだし~。なら私も別にいいかなって~」
劉備「わかった。わかったから。お前を天涯孤独にしたのは私だ。責任を取る」
姫「本当に~。私のこと貰ってくれる~」
劉備「わかった。わかったから。そういう迫り方はやめてくれ。私も男だ。反応してしまうだろう」
姫「え~。何処が反応しちゃうんですか~。私なら玄徳様になら何されても良いんですよ~」
劉備「どうなっても知らないからな」
姫「きゃっ。男の顔する玄徳様も素敵~」
劉備「名前も知らない相手とやることになるとはな」
姫「お父様からは姫様と言われてたんですけど~」
劉備「名前がないと言うことか。それは不便であろう。私の側室となるからには名前を与えねばな。琥珀姫というのはどうであろう」
姫「玄徳様がくださる名前なら何だって嬉しいですわ~(こんな喋り方をしても破廉恥なことをしても私が泣いてるときも側に居てくれた。玄徳様こそ運命の人だったんですわ~)」
劉備「気に入ってくれたのなら嬉しい。何だろう名前を付けたら娘とやっているような変な気分になるな」
琥珀姫「父上のが入ってくる~。あぁ気持ちいい~」
劉備「やめんか!」
琥珀姫「エヘヘ~」
そんな2人のところに張飛が入ってきた。
張飛「うおっ。大兄者、おいおい。嘘だろ。こんなところでおっ始める気じゃねぇよな」
劉備「翼徳、そんなわけが無いだろう!」
張飛「だよな。大兄者、疑っちまって、すまねぇ」
劉備「構わん」
張飛「ようやく骨の片付けが終わった。色んなところに飛んでてよ。どれが誰のかまではわかんなかった。すまねぇ」
琥珀姫「良いのです。お父様が全て悪いのですから。民たちに変わって、これ以上の被害が出ないことに感謝致します」
張飛「そう言ってくれると救われるぜ。それにしても生き残ったのがたったこれだけなんてよ。やるせねぇぜ。兄者が居たら叱責されちまうぜ」
劉備「全くだな」
琥珀姫が近付いてきて、劉備の耳元で告げる。
琥珀姫「玄徳様~。この続きは後でお願いしますね~」
劉備「うむ」
琥珀姫の建築技術は凄まじいもので、それには諸葛亮も驚いていたので、そのまま従軍してもらうことになった。普段の時と劉備と2人の時とで話し方が違うのが妙に劉備を興奮させたのだった。
士祇「あの男がそんなことをな」
伝令「はい。朱崖郡には誰も配置していませんでしたがどうしてなのでしょうか?」
士祇「それはあの男が居たからだ。あの男は人が食料にしか見えていない。それは村人も例外ではない。そんなところに大切な将を配置するなどできんからな。だから好き勝手させていた。それがこうも上手く事を運ぶとはな。この事を我が領土の民に伝えれば皆戦わざる負えないであろう。こう伝えるのだ。劉備は虐殺したものの肉を食べる。もはや人ではないとな」
伝令「はっ」
士祇「待て、もう一つ頼む。恐らく劉備軍の次の進軍先は高涼郡に向かうのだろう。前までの電光石火と言われる進軍には恐らくもう1人の義弟関羽の存在が大きかったのだろう。此度の動きは実に鈍足と言える。ゆっくりゆっくりとしている間にもう半年も経とうとしているのだからな。高涼を守る士頌たちに無理をせぬ程度に抵抗せよと伝えるのだ」
伝令「了解しました」
伝令が帰ると士徽がやってきた。
士徽「さっきの伝令は?兄貴、ひょっとして良いことでもあったのか?」
士祇「流石に馬鹿でもわかるか。そうだ。ようやく劉備がしでかしてくれたわ」
士徽」マジかよ。民を殺したのか?」
士祇「厳密には違うがな。あの厄介な男がやってくれた」
士徽「それって、兄貴ですら不気味だって警戒した。蟹張とかいう朱崖の自治を認めていた男のことか?」
士祇「あぁ。劉備軍が攻めてきた時に、民を喰らい尽くして骨だけにしたそうだ。さらに村にある地下室からは何人も解体したかのような血に塗れていたそうだ」
士徽「成程、流石に俺にもわかったぜ。それを全て劉備のせいにするってことだな」
士祇「お前はやっぱり馬鹿だな。流石に村の地下室のことまで、劉備のせいにできるわけがないだろう。そのことは有耶無耶にする。重要なのは、劉備が攻め込んだよくわからない城の中で、骨だらけだったという点だ。その事実だけで充分。だからな。蟹張の家は焼き討ちしておいた。地下室が見つかることももうないだろう。あやつは用心深く村とは離れたところに邸宅を構えていたからな」
士徽「つまり都合が良かったって事だよな?」
士祇「そういうことだ。わかったらお前も高涼郡に向かい士頌を補佐せよ。お前は、その馬鹿力しか役に立たんのだからな」
士徽「相変わらずひでぇよな兄貴は。まぁ、わかったけどよ」
こうして士徽も弟である士頌の補佐をするため高涼郡へと向かった。
士祇「馬鹿も使いようだな。士徽が着いたら士頌には帰還命令を出しておこう。引き際のわからぬ士徽のこと。死んでくれよう。ククク。我が弟ながらどうしてあのような馬鹿がいるのか。全くわからん」
士祇は劉備軍の行ったことを広く伝播させた。その結果、劉備許すまじと機運が高まり、次から次へと士祇の元に志願する兵が集まったのである。そんな様子とは打って変わって、朱崖郡の方では。
姫「劉備様~。ねっ。私凄いでしょう。ほらぁ。ほらぁ」
劉備「ええぃやめんか!胸を押し付けるなど破廉恥な」
姫「え~。女をたくさん抱えてる人の発言とは思えないんですけど~」
劉備「さっきから語尾を伸ばした喋り方は、一体なんなのだ!」
姫「こういう喋り方してみたかったんだけど~。馬鹿っぽく見えるらしくって~。ダメって言われてたんだけど~。そういうこと言ってた人が人喰ってたわけだし~。なら私も別にいいかなって~」
劉備「わかった。わかったから。お前を天涯孤独にしたのは私だ。責任を取る」
姫「本当に~。私のこと貰ってくれる~」
劉備「わかった。わかったから。そういう迫り方はやめてくれ。私も男だ。反応してしまうだろう」
姫「え~。何処が反応しちゃうんですか~。私なら玄徳様になら何されても良いんですよ~」
劉備「どうなっても知らないからな」
姫「きゃっ。男の顔する玄徳様も素敵~」
劉備「名前も知らない相手とやることになるとはな」
姫「お父様からは姫様と言われてたんですけど~」
劉備「名前がないと言うことか。それは不便であろう。私の側室となるからには名前を与えねばな。琥珀姫というのはどうであろう」
姫「玄徳様がくださる名前なら何だって嬉しいですわ~(こんな喋り方をしても破廉恥なことをしても私が泣いてるときも側に居てくれた。玄徳様こそ運命の人だったんですわ~)」
劉備「気に入ってくれたのなら嬉しい。何だろう名前を付けたら娘とやっているような変な気分になるな」
琥珀姫「父上のが入ってくる~。あぁ気持ちいい~」
劉備「やめんか!」
琥珀姫「エヘヘ~」
そんな2人のところに張飛が入ってきた。
張飛「うおっ。大兄者、おいおい。嘘だろ。こんなところでおっ始める気じゃねぇよな」
劉備「翼徳、そんなわけが無いだろう!」
張飛「だよな。大兄者、疑っちまって、すまねぇ」
劉備「構わん」
張飛「ようやく骨の片付けが終わった。色んなところに飛んでてよ。どれが誰のかまではわかんなかった。すまねぇ」
琥珀姫「良いのです。お父様が全て悪いのですから。民たちに変わって、これ以上の被害が出ないことに感謝致します」
張飛「そう言ってくれると救われるぜ。それにしても生き残ったのがたったこれだけなんてよ。やるせねぇぜ。兄者が居たら叱責されちまうぜ」
劉備「全くだな」
琥珀姫が近付いてきて、劉備の耳元で告げる。
琥珀姫「玄徳様~。この続きは後でお願いしますね~」
劉備「うむ」
琥珀姫の建築技術は凄まじいもので、それには諸葛亮も驚いていたので、そのまま従軍してもらうことになった。普段の時と劉備と2人の時とで話し方が違うのが妙に劉備を興奮させたのだった。
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