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4章 三国鼎立
孫堅父娘のやり取り
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孫堅は交州の士燮の元に身を寄せて居たのだが士燮の息子たちの反乱により、交州を追われ、孫策と孫尚香のどちらの方へ向かうか思案したところ劉備の元へ身を寄せることとした。最近、牙が抜け落ちたと言われる始末だがその牙は鋭く研ぎ澄まされていた。孫策のやり方で荊州を強引に占領するのも良いだろう。しかし、劉備の治世は広く行き届いている。相手も死兵となって荊州を守るだろう。そうすれば後に残るのは疲弊した民と土地だけである。とてもその後曹操と戦うことなどできないだろう。孫堅の目的はあくまで漢王室の復権である。自分が上に立とうとは考えていないのだ。しかし、孫策は違う。力による実効支配。即ち覇道を歩みつつあったのである。それが揚州制覇の際に垣間見えた孫堅は焦っていた。娘はまだ10程度である。劉備との間に男児を産んでもらい、後継者へと譲渡されるようにしなければ、南は疲弊し、曹操に利する展開となってしまうのである。それは孫堅とて看過できない。均等に保つためには孫策と劉備が今争うべきではないのだ。それを回避するために荊州へと身を寄せた孫堅だが。親の心子知らずというのはこういうことを言うのだろう。孫策は着々と劉備軍が交州へ動くその時を待っていたのだ。孫堅は孫尚香の元を訪れていた。催促するつもりはない。可愛い娘だ。だが、危機感は持ってもらわなければならない。親とは子全てに幸せであって欲しいのだ。
孫堅「尚香、久しいな。変わりないか?」
孫尚香「お父様!?あの噂は真実だったのですね。士燮様が反乱に遭い亡くなったと」
孫堅「あぁ。我々も逃げるのが精一杯で、俺の身代わりを務めた祖茂を失った」
孫尚香「祖茂おじさんが!?そんな。うっうっ」
黄蓋「姫様が泣いてくださったのなら祖茂も浮かばれよう」
程普「全く果報者よアヤツは」
韓当「皆で殿を支えると誓ったであろうがあの馬鹿者」
孫尚香「祖茂おじさんのおかげでお父様が無事だったのだから泣いてばかり居られないわね。あれっ孫静叔父さんは?」
孫堅「あやつは策の元に向かった」
孫尚香「策兄様の元に?これからお父様も策兄様のところに帰るんですよね?」
孫堅「いや、今の策は、南の制覇に取り憑かれている。かつて、覇王と恐れられた項羽を彷彿とさせるぐらい軍備を増強し、虎視眈々と荊州を狙っている。此度の交州の反乱も裏で何者かが糸を引いているのやもしれん」
孫尚香「策兄様に限って、お父様を危険に遭わせるはずがありません」
孫堅「最近の俺と策は、相容れない考え方で対立していた。邪魔に思った俺を追い出すことぐらいは考えていても不思議ではない」
孫尚香「そんな、こんなの何かの間違いよ。兄妹で争わないといけない未来があるだなんて」
孫堅「そうしないためにもお前の立場が重要なのだ。その劉備殿とはねっ寝てるのか?」
孫尚香「!?お父様の馬鹿!!!まだ10なのよ。そんなことするわけないじゃない!」
孫堅「そっそうか。そうだよな(俺の娘は控えめに言ってもかなり美人だ。劉備殿の方から手を出していても仕方がないと思っていたが節操を大切にしてくれているのだろう。有難いのだが有難いのだが、この間にも劉備殿とて歳を取る。尚香が成人するのを待ってたら、劉備殿は、50近くになる。そんなに策が大人しくしているとは思えん)」
孫尚香「もうお父様ったら子供の催促に来たのならまだ無理なんだからね」
孫堅「うむ(さすが俺の娘だ。意図を読まれるとは)」
孫尚香「それにねお父様。劉備様の奥方様は皆、仲が良いのよ。芙蓉様を中心に第二夫人の甘梅様。第三夫人の糜桃様。側室の馮方女殿・鄒豊麗殿・侯姚殿。皆で支え合ってるんですからね」
孫堅「そうなのだな(それはまずいな。俺の娘が後継者に選ばれる可能性は少ないのではないか?第一夫人との間に劉封・劉虎龍。第二夫人との間に阿斗。第三夫人との間に劉范。側室の子には継承権が無いとしても既に4人もの子供に継承権がある。俺が知っている限りでは。だがな)」
阿斗「尚香お姉ちゃん」
孫尚香「阿斗ちゃん、あっ今日だっけ?」
阿斗「うん。叔父上がヨシカタ塾で待ってるって、僕、尚香お姉ちゃんをむっむっ迎えにきたんだ」
孫尚香「阿斗ちゃん、ありがと。お父様とのお話が終わったら行くから少し、中で待っててくれる?」
阿斗「うん。尚香お姉ちゃんのお家良い匂いがするから好きー」
孫堅「今のが阿斗殿?(なんだあの女好きの大馬鹿者は、こんなのを軽々と家にあげよって、全くけしからん。狙われているのがわからんのか俺の可愛い娘は!あれで俺の娘と2歳しか変わらんのか)」
そうこの世界では徐州が曹操に奪われなかったことから劉備が根を張る拠点ができたため総じて、子供達の誕生が8年程早い。この時、阿斗8歳である。遊興に老け国を滅ぼしたとされる蜀の二代皇帝。皆から暗愚と言われ何かと人気の阿斗である。この時、絶賛歳の近い孫尚香に恋慕していたのだった。
孫尚香「お父様、もう大丈夫?」
孫堅「あぁ、そのヨシカタ塾っていうのはなんなんだ?」
孫尚香「劉備様の弟君であらせられる劉丁様が開いている塾で、民に無料で読み書きを教え、あらゆる子供に無料で色んなことを教えてくれる。素晴らしいところなの。私も通ってるのよ。阿斗ちゃんも」
孫堅「民に無料で読み書きを教える。全く相変わらずあの劉丁殿は油断ならない男だ。俺も付いていって構わないか?」
孫尚香「えぇ、お父様も今はここに厄介になってるのだから何も問題はないと思うわ」
孫堅「では、共に参るとしよう」
こうして、孫堅は孫尚香・阿斗と共にヨシカタ塾なるところに向かうのであった。
孫堅「尚香、久しいな。変わりないか?」
孫尚香「お父様!?あの噂は真実だったのですね。士燮様が反乱に遭い亡くなったと」
孫堅「あぁ。我々も逃げるのが精一杯で、俺の身代わりを務めた祖茂を失った」
孫尚香「祖茂おじさんが!?そんな。うっうっ」
黄蓋「姫様が泣いてくださったのなら祖茂も浮かばれよう」
程普「全く果報者よアヤツは」
韓当「皆で殿を支えると誓ったであろうがあの馬鹿者」
孫尚香「祖茂おじさんのおかげでお父様が無事だったのだから泣いてばかり居られないわね。あれっ孫静叔父さんは?」
孫堅「あやつは策の元に向かった」
孫尚香「策兄様の元に?これからお父様も策兄様のところに帰るんですよね?」
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孫尚香「策兄様に限って、お父様を危険に遭わせるはずがありません」
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孫尚香「そんな、こんなの何かの間違いよ。兄妹で争わないといけない未来があるだなんて」
孫堅「そうしないためにもお前の立場が重要なのだ。その劉備殿とはねっ寝てるのか?」
孫尚香「!?お父様の馬鹿!!!まだ10なのよ。そんなことするわけないじゃない!」
孫堅「そっそうか。そうだよな(俺の娘は控えめに言ってもかなり美人だ。劉備殿の方から手を出していても仕方がないと思っていたが節操を大切にしてくれているのだろう。有難いのだが有難いのだが、この間にも劉備殿とて歳を取る。尚香が成人するのを待ってたら、劉備殿は、50近くになる。そんなに策が大人しくしているとは思えん)」
孫尚香「もうお父様ったら子供の催促に来たのならまだ無理なんだからね」
孫堅「うむ(さすが俺の娘だ。意図を読まれるとは)」
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阿斗「尚香お姉ちゃん」
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孫尚香「阿斗ちゃん、ありがと。お父様とのお話が終わったら行くから少し、中で待っててくれる?」
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孫堅「今のが阿斗殿?(なんだあの女好きの大馬鹿者は、こんなのを軽々と家にあげよって、全くけしからん。狙われているのがわからんのか俺の可愛い娘は!あれで俺の娘と2歳しか変わらんのか)」
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