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4章 三国鼎立
氐族の反乱の終結
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強端の言葉を受け、7万の氐族が反乱するかと思われた。しかし、そうはならなかった。
閻行「どうした。戯言は終わったか?氐族の夢?死んでは元も子もない。生きてこそ夢を語れるのだ。今の俺の夢は、馬超の隣で強者を相手に武を振るうことだ。それに手を貸してくれると誓った。俺の新しい友たちが貴様の戯言に靡くと思ったか!」
元氐族兵たち「うおーーーーーーー、閻行様こそ。我らが新たな当主。千万が死んだから何だ?新しく氐族の当主になったお前に従えと。断る」
強端「何故だ。何故、今まで虐げてきた奴らに付き従う。貴様ら、それでも氐族か!」
元氐族兵たち「我らが虐げられていたことなどない」
成公英「そもそも、馬超様は馬騰様と羌族の女との間に産まれた。羌族と関わりが深いことなど当然である。しかし、氐族の待遇を悪くした覚えはない。勝手にお前が都合の良いように解釈しているだけだ!」
強端「うぐっ。なっ何を言う。どちらが正しいか。ここでハッキリさせてくれるわ。全軍、かかれ」
強端の言葉に従い進軍しようとしたのは、中端と弱端だけであった。他の氐族兵たちは、その場から動かない。それどころか。
氐族兵たち「そうだ。俺たちが虐げられていると感じたことはなかった。寧ろ、異民族である我らとも馬超様は友好的に接してくださった。その恩に刃向かうなんて、どうかしていた。もう抵抗はしない。降伏します」
こうなっては、戦どころではない強端・中端・弱端の3人は完全に孤立してしまった。周りを味方という名の敵に囲まれて。
閻行「さて、どうする強端とやら。お前が望むのなら介錯を務めてやることもやぶさかではないが」
強端「舐めやがって、何が馬超を追い詰めた男だ。過去の栄光など知るか。俺様が討ち取ってやるよ」
閻行「安心した。それだけの気概があれば、他の奴らよりは楽しめそうだ。ガッカリさせてくれるなよ」
強端は兄弟2人に目で合図を送っていた。勿論、一騎討ちなどするつもりはない。一騎討ちに乗るフリをして、閻行を3人で殺すためだ。閻行さえ殺せば、氐族兵たちはまた従うと考えていたのだ。強端は閻行に向かっていきながらほくそ笑んでいた。
強端「(ククク。流石の閻行とて、降伏したグズどものお陰で油断したようだな。それがお前の運の尽きだ。俺が受け止めたら我が兄弟たちがお前の脇を狙ってくれる。これで、霧毯も氐族の王もこの俺強端様のものだ)」
閻行に意気揚々と向かって行った強端だったが打ち合うことなく首が飛んでいた。投げつけた槍が首を飛ばしていたのだ。それだけでなく、脇を狙ってきていた中端と弱端の首も飛んでいた。腰につけていた双剣を抜き左右から迫る2人の首に突き刺したのだ。
強端「(馬鹿な!?俺の首が宙を飛んでいる?そうであったな貴様は投擲が得意だったことを忘れていた。お前も一騎討ちに乗るつもりなどなかったというわけか。氐族の王となり羌族を併合して、涼州を奪う計画がおじゃんとなってしまったではないか。千万が無能すぎたせいだ)」
閻行「驚いた顔をしているところすまないがお前が変な気を起こしたせいだ。俺は純粋に一騎討ちを楽しむつもりでいたさ。左右から迫る馬鹿が視界に入らなければな」
中端「あががががが(何故、奇襲を読まれて!俺の首に剣が突き刺さっている?嫌だ嫌だ死にたくねぇよ兄者)」
弱端「ごぼぼぼぼぼぼ(大兄者の計画は完璧だったはず。どうしてこんな事に?俺の首に剣が?あっちに見えるのは兄者。兄者もやられてしまったのか?首が飛んでいるのは大兄者?我らを3人同時に相手取っても手も足も出せないとは)」
氐族の反乱をいとも簡単に潰してしまった閻行が武都城に戻ってくる。それを出迎える王異が剣を向けた。
王異「閻行、私と勝負しろ!やはり、あの時は敵だったとはいえ、馬超様を傷付けたお前を許すことなどできない。妻として、あの時守ってもらった者として、一矢報いてみせる」
閻行「その気概や良し。しかし、その申し出は受けられぬ。馬超様に傷を負わせられたことは、俺にとって生涯の誇りだ。羌族だけでなく氐族からも評価され羨望の的だったのだからな。それに俺はもう馬超様の臣下だ。お前の気持ちは痛いほどわかるが俺は仲間を傷つける事はしない」
王異「それでは、私が納得できないと言っている。良いから剣を抜け」
閻行「何を言おうが断る」
王異「ならば、無理矢理にでも剣を抜かせるまでのこと」
閻行に向かっていく王異。
閻行「正気か」
剣を抜き応戦する。
王異「やっと、その気になったか」
閻行「どうなっても知らんからな」
しかし、手を抜いていた閻行は王異に喉元に剣を当てられていた。
閻行「見事。どうした殺さないのか?」
王異「どうして、手を抜く!私はお前が手を抜かないと殺してしまう程度ということか?それとも女だからか!」
閻行「手を抜いていた事は謝る。だが、女だからと手を抜いていたわけではない。お前の馬超様への愛を感じて、気圧されていたのだ。全く馬超は良い伴侶を得たようだ。ハッハッハ」
王異「どうして笑う?お前は喉元に剣を当てられているのだぞ!」
閻行「手を抜いたことを後悔しているからだ。こういう最後なら思う存分やり合いたかったものだ」
その言葉を聞き王異が剣を引いた。
王異「なら、この勝負は預けよう。私もこのようなやり方は性に合わない」
閻行「ハハハハハ。そうだな。これでお前の気が晴れたかは知らぬが。次は馬超様にお伺いを立てて再戦しようぞ」
こうして氐族の反乱は終息したのだが阿貴と霧毯のことは、この時すっかり忘れられていたのだった。
閻行「どうした。戯言は終わったか?氐族の夢?死んでは元も子もない。生きてこそ夢を語れるのだ。今の俺の夢は、馬超の隣で強者を相手に武を振るうことだ。それに手を貸してくれると誓った。俺の新しい友たちが貴様の戯言に靡くと思ったか!」
元氐族兵たち「うおーーーーーーー、閻行様こそ。我らが新たな当主。千万が死んだから何だ?新しく氐族の当主になったお前に従えと。断る」
強端「何故だ。何故、今まで虐げてきた奴らに付き従う。貴様ら、それでも氐族か!」
元氐族兵たち「我らが虐げられていたことなどない」
成公英「そもそも、馬超様は馬騰様と羌族の女との間に産まれた。羌族と関わりが深いことなど当然である。しかし、氐族の待遇を悪くした覚えはない。勝手にお前が都合の良いように解釈しているだけだ!」
強端「うぐっ。なっ何を言う。どちらが正しいか。ここでハッキリさせてくれるわ。全軍、かかれ」
強端の言葉に従い進軍しようとしたのは、中端と弱端だけであった。他の氐族兵たちは、その場から動かない。それどころか。
氐族兵たち「そうだ。俺たちが虐げられていると感じたことはなかった。寧ろ、異民族である我らとも馬超様は友好的に接してくださった。その恩に刃向かうなんて、どうかしていた。もう抵抗はしない。降伏します」
こうなっては、戦どころではない強端・中端・弱端の3人は完全に孤立してしまった。周りを味方という名の敵に囲まれて。
閻行「さて、どうする強端とやら。お前が望むのなら介錯を務めてやることもやぶさかではないが」
強端「舐めやがって、何が馬超を追い詰めた男だ。過去の栄光など知るか。俺様が討ち取ってやるよ」
閻行「安心した。それだけの気概があれば、他の奴らよりは楽しめそうだ。ガッカリさせてくれるなよ」
強端は兄弟2人に目で合図を送っていた。勿論、一騎討ちなどするつもりはない。一騎討ちに乗るフリをして、閻行を3人で殺すためだ。閻行さえ殺せば、氐族兵たちはまた従うと考えていたのだ。強端は閻行に向かっていきながらほくそ笑んでいた。
強端「(ククク。流石の閻行とて、降伏したグズどものお陰で油断したようだな。それがお前の運の尽きだ。俺が受け止めたら我が兄弟たちがお前の脇を狙ってくれる。これで、霧毯も氐族の王もこの俺強端様のものだ)」
閻行に意気揚々と向かって行った強端だったが打ち合うことなく首が飛んでいた。投げつけた槍が首を飛ばしていたのだ。それだけでなく、脇を狙ってきていた中端と弱端の首も飛んでいた。腰につけていた双剣を抜き左右から迫る2人の首に突き刺したのだ。
強端「(馬鹿な!?俺の首が宙を飛んでいる?そうであったな貴様は投擲が得意だったことを忘れていた。お前も一騎討ちに乗るつもりなどなかったというわけか。氐族の王となり羌族を併合して、涼州を奪う計画がおじゃんとなってしまったではないか。千万が無能すぎたせいだ)」
閻行「驚いた顔をしているところすまないがお前が変な気を起こしたせいだ。俺は純粋に一騎討ちを楽しむつもりでいたさ。左右から迫る馬鹿が視界に入らなければな」
中端「あががががが(何故、奇襲を読まれて!俺の首に剣が突き刺さっている?嫌だ嫌だ死にたくねぇよ兄者)」
弱端「ごぼぼぼぼぼぼ(大兄者の計画は完璧だったはず。どうしてこんな事に?俺の首に剣が?あっちに見えるのは兄者。兄者もやられてしまったのか?首が飛んでいるのは大兄者?我らを3人同時に相手取っても手も足も出せないとは)」
氐族の反乱をいとも簡単に潰してしまった閻行が武都城に戻ってくる。それを出迎える王異が剣を向けた。
王異「閻行、私と勝負しろ!やはり、あの時は敵だったとはいえ、馬超様を傷付けたお前を許すことなどできない。妻として、あの時守ってもらった者として、一矢報いてみせる」
閻行「その気概や良し。しかし、その申し出は受けられぬ。馬超様に傷を負わせられたことは、俺にとって生涯の誇りだ。羌族だけでなく氐族からも評価され羨望の的だったのだからな。それに俺はもう馬超様の臣下だ。お前の気持ちは痛いほどわかるが俺は仲間を傷つける事はしない」
王異「それでは、私が納得できないと言っている。良いから剣を抜け」
閻行「何を言おうが断る」
王異「ならば、無理矢理にでも剣を抜かせるまでのこと」
閻行に向かっていく王異。
閻行「正気か」
剣を抜き応戦する。
王異「やっと、その気になったか」
閻行「どうなっても知らんからな」
しかし、手を抜いていた閻行は王異に喉元に剣を当てられていた。
閻行「見事。どうした殺さないのか?」
王異「どうして、手を抜く!私はお前が手を抜かないと殺してしまう程度ということか?それとも女だからか!」
閻行「手を抜いていた事は謝る。だが、女だからと手を抜いていたわけではない。お前の馬超様への愛を感じて、気圧されていたのだ。全く馬超は良い伴侶を得たようだ。ハッハッハ」
王異「どうして笑う?お前は喉元に剣を当てられているのだぞ!」
閻行「手を抜いたことを後悔しているからだ。こういう最後なら思う存分やり合いたかったものだ」
その言葉を聞き王異が剣を引いた。
王異「なら、この勝負は預けよう。私もこのようなやり方は性に合わない」
閻行「ハハハハハ。そうだな。これでお前の気が晴れたかは知らぬが。次は馬超様にお伺いを立てて再戦しようぞ」
こうして氐族の反乱は終息したのだが阿貴と霧毯のことは、この時すっかり忘れられていたのだった。
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