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4章 三国鼎立
決死の逃避行
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義賢は、2回の奇襲を受けてもまだ進軍することをやめず武陵山脈の奥へと突き進んだ。そして、目の前に現れた巨大な要塞を前に言葉を失う。山を利用した巨大な山城。蛮族の討伐だと攻城兵器の類を一切持ってこなかった義賢をまるで嘲笑うかのようにそこに城はあった。そして、眼前に布陣する2将の爺。1人は、趙雲を苦しめた銛という武器を使いこなす鯨胡。そして、もう1人は、先程義賢を軽々と殴り飛ばし気絶させた猿鴎である。
義賢「舐めやがって、城がありながらたった2000で迎撃しようと考えるなんて!」
張郃「今度こそ、雪辱を果たす時よ」
高覧「儁乂、俺が支えてやる」
黄忠「援護はワシに任せよ」
義賢の合図に合わせて、まだ数で勝る劉丁軍が攻撃を仕掛ける。
鯨胡「やれやれ、若いもんは逸るけぇ。狸老の策に引っ掛かるけぇ」
猿鴎「あの小僧では、所詮無理な話よ。軍師とは到底思えぬ浅はかさゆえな」
突撃する劉丁軍を左右から挟撃する兎臥・羊潜・牛齕・鶏欒。
兎臥「さてと覚醒したって噂の女の子、どんなのか見てあげよっと」
羊潜「兎臥は、本当楽しそうね」
牛齕「俺はあの女を一身に守ろうとするあの男をもらうか」
鶏欒「牛齕にぃにぃ、俺にも餌、残しといてくれよな」
蛮族がここまで策を弄す姿に驚きを隠せない義賢。
義賢「馬鹿な!?ここにきて、さらに左右から挟撃だと!」
張郃「劉丁殿、右は私にお任せを。高覧、左は頼んだわよ」
高覧「おぅ。儁乂、死ぬんじゃねえぞ」
張郃「アンタもね」
張郃が10000を連れて右へ。高覧が10000を連れて左を押さえに向かい。義賢は残りの10000を連れて、前へと進んだ。
鯨胡「そうくるけぇの。またまた狸老の読み通りじゃけぇのぅ」
猿鴎「噂に聞いておった。劉玄徳の弟である軍師がこうも無能とはな。所詮、噂は噂という事かの。牙狼、十分に引き付けて、引導を渡してやれ」
牙狼「残念だよ。弓の腕前なら俺と互角、いや俺以上だったかもしれない男をこの手で仕留めることになろうとはなぁ」
魏延「待て、李杏。やめさせるのだ。命まで取る必要は無かろう」
李杏「ダメよ。約束を反故にして攻めてきたのはあっち。ならその落とし前は身をもって教えてあげないと、ね」
さらに背後から狐娘と狸老が率いる兵まで現れ、義賢は挟み撃ちされる形となった。
義賢「(前からは弓の腕前の一流な男が、背後からさらに兵か。全く、上手いこと行ってたと思ってたんだけどなぁ。ままならないものだな)」
覚悟を決め目を閉じた義賢であったが一向に弓は、義賢に当たらない。その事に目を開けた義賢の眼前には、黝廉に刺さる大量の矢。だが倒れず走る黝廉の姿があった。
義賢「お前なんで俺を庇ったのか。どうして?」
黝廉「ヒーン(そんなの当たり前よ。凶馬なんて呼ばれてた私を快く引き取って、今まで、本当に良くしてくれたもの。幸せをくれた御主人様を守るのも私の務め。董白ちゃん、絶対に悲しませないから。必ず、董白ちゃんの元に御主人様を連れ帰るから)」
猿鴎「あの馬、守ったのか?確か、黝廉と言っておったな。見事な馬よ。残念ながらあの傷では死からは免れんであろう。寧ろ、走れてるのが不思議なぐらいよ。牙狼、やめよ。これで生きておったら、それはあいつの生き運じゃ。撤退するものを追い討つ必要はない。向かってくるものだけを駆逐せよ」
義賢が撤退しても桂陽兵や零陵兵の怒りが収まるわけではない。彼らは、まるで、自分たちが盾になるかのように敵へと突撃する。その頃、張郃と高覧も撤退する義賢を守るため奮戦していた。
張郃「劉丁殿、まさか」
兎臥「余所見はダメだぞ~ゼーッタイ」
張郃「うっ」
兎臥「さっきより強くなってるけどまだあの子の方が強いかなぁ。でも良いよ。成長段階、感じるよ~。また会おうね」
張郃「何故、逃してくれた?」
張郃は兎臥の気まぐれにより、撤退する事に成功する。
高覧「おいおい。マジかよ。劉丁殿」
牛齕「この牛齕様を無視しようとは、良い度胸だなぁ」
高覧「危ねぇ。なんて力だよ。全く、慚戯以上かよ」
牛齕「ほぅ、慚戯を討ったのはお前だったか!」
高覧「だったらなんだよ敵討ちするか?」
牛齕「敵討ち?何を言っておる。姫様の顔に泥を塗るような馬鹿なぞ死んで当然じゃ。気が変わった。今退くというのなら追わぬわ」
高覧「どういう事だよ。まぁ、助かるけどよ。今は劉丁殿や儁乂が心配だからな」
高覧は牛齕の気まぐれにより難を逃れる事に成功する。2人は中央で合流し、共に義賢の後を追った。義賢を守っていたのは、黄忠である。黝廉が死力を尽くして守ろうとしている姿に感銘を受け、迫り来る槃瓠族を撃ち抜いていた。
黄忠「この黄漢升がいる限り、劉丁殿と黝廉殿には、指一本触れさせんぞい」
狸老「ふむぅ。あの弓の腕は相当じゃ。して、狐娘よ。これで、ワシらの計画はなったように見えたのだが。馬に狂わされたかも知れんのぅ」
狐娘「えぇ、姫様の元に魏延を婿入りさせるためには、劉備殿のお力が必要となります。そのため、劉丁殿には死んでもらっては困りますから。捕えるつもりだったのですがあの馬が厄介でしたね」
狸老「まさか、ワシらの計画を狂わせたのが馬だったとはのぅ。ホッホッホ」
何故か、行手を塞いでいたはずの狸老と狐娘が左右へと道を開き、そこを抜ける形で義賢を乗せた黝廉・黄忠・その後を追っていた張郃・高覧の4人は、撤退に成功する。
義賢「舐めやがって、城がありながらたった2000で迎撃しようと考えるなんて!」
張郃「今度こそ、雪辱を果たす時よ」
高覧「儁乂、俺が支えてやる」
黄忠「援護はワシに任せよ」
義賢の合図に合わせて、まだ数で勝る劉丁軍が攻撃を仕掛ける。
鯨胡「やれやれ、若いもんは逸るけぇ。狸老の策に引っ掛かるけぇ」
猿鴎「あの小僧では、所詮無理な話よ。軍師とは到底思えぬ浅はかさゆえな」
突撃する劉丁軍を左右から挟撃する兎臥・羊潜・牛齕・鶏欒。
兎臥「さてと覚醒したって噂の女の子、どんなのか見てあげよっと」
羊潜「兎臥は、本当楽しそうね」
牛齕「俺はあの女を一身に守ろうとするあの男をもらうか」
鶏欒「牛齕にぃにぃ、俺にも餌、残しといてくれよな」
蛮族がここまで策を弄す姿に驚きを隠せない義賢。
義賢「馬鹿な!?ここにきて、さらに左右から挟撃だと!」
張郃「劉丁殿、右は私にお任せを。高覧、左は頼んだわよ」
高覧「おぅ。儁乂、死ぬんじゃねえぞ」
張郃「アンタもね」
張郃が10000を連れて右へ。高覧が10000を連れて左を押さえに向かい。義賢は残りの10000を連れて、前へと進んだ。
鯨胡「そうくるけぇの。またまた狸老の読み通りじゃけぇのぅ」
猿鴎「噂に聞いておった。劉玄徳の弟である軍師がこうも無能とはな。所詮、噂は噂という事かの。牙狼、十分に引き付けて、引導を渡してやれ」
牙狼「残念だよ。弓の腕前なら俺と互角、いや俺以上だったかもしれない男をこの手で仕留めることになろうとはなぁ」
魏延「待て、李杏。やめさせるのだ。命まで取る必要は無かろう」
李杏「ダメよ。約束を反故にして攻めてきたのはあっち。ならその落とし前は身をもって教えてあげないと、ね」
さらに背後から狐娘と狸老が率いる兵まで現れ、義賢は挟み撃ちされる形となった。
義賢「(前からは弓の腕前の一流な男が、背後からさらに兵か。全く、上手いこと行ってたと思ってたんだけどなぁ。ままならないものだな)」
覚悟を決め目を閉じた義賢であったが一向に弓は、義賢に当たらない。その事に目を開けた義賢の眼前には、黝廉に刺さる大量の矢。だが倒れず走る黝廉の姿があった。
義賢「お前なんで俺を庇ったのか。どうして?」
黝廉「ヒーン(そんなの当たり前よ。凶馬なんて呼ばれてた私を快く引き取って、今まで、本当に良くしてくれたもの。幸せをくれた御主人様を守るのも私の務め。董白ちゃん、絶対に悲しませないから。必ず、董白ちゃんの元に御主人様を連れ帰るから)」
猿鴎「あの馬、守ったのか?確か、黝廉と言っておったな。見事な馬よ。残念ながらあの傷では死からは免れんであろう。寧ろ、走れてるのが不思議なぐらいよ。牙狼、やめよ。これで生きておったら、それはあいつの生き運じゃ。撤退するものを追い討つ必要はない。向かってくるものだけを駆逐せよ」
義賢が撤退しても桂陽兵や零陵兵の怒りが収まるわけではない。彼らは、まるで、自分たちが盾になるかのように敵へと突撃する。その頃、張郃と高覧も撤退する義賢を守るため奮戦していた。
張郃「劉丁殿、まさか」
兎臥「余所見はダメだぞ~ゼーッタイ」
張郃「うっ」
兎臥「さっきより強くなってるけどまだあの子の方が強いかなぁ。でも良いよ。成長段階、感じるよ~。また会おうね」
張郃「何故、逃してくれた?」
張郃は兎臥の気まぐれにより、撤退する事に成功する。
高覧「おいおい。マジかよ。劉丁殿」
牛齕「この牛齕様を無視しようとは、良い度胸だなぁ」
高覧「危ねぇ。なんて力だよ。全く、慚戯以上かよ」
牛齕「ほぅ、慚戯を討ったのはお前だったか!」
高覧「だったらなんだよ敵討ちするか?」
牛齕「敵討ち?何を言っておる。姫様の顔に泥を塗るような馬鹿なぞ死んで当然じゃ。気が変わった。今退くというのなら追わぬわ」
高覧「どういう事だよ。まぁ、助かるけどよ。今は劉丁殿や儁乂が心配だからな」
高覧は牛齕の気まぐれにより難を逃れる事に成功する。2人は中央で合流し、共に義賢の後を追った。義賢を守っていたのは、黄忠である。黝廉が死力を尽くして守ろうとしている姿に感銘を受け、迫り来る槃瓠族を撃ち抜いていた。
黄忠「この黄漢升がいる限り、劉丁殿と黝廉殿には、指一本触れさせんぞい」
狸老「ふむぅ。あの弓の腕は相当じゃ。して、狐娘よ。これで、ワシらの計画はなったように見えたのだが。馬に狂わされたかも知れんのぅ」
狐娘「えぇ、姫様の元に魏延を婿入りさせるためには、劉備殿のお力が必要となります。そのため、劉丁殿には死んでもらっては困りますから。捕えるつもりだったのですがあの馬が厄介でしたね」
狸老「まさか、ワシらの計画を狂わせたのが馬だったとはのぅ。ホッホッホ」
何故か、行手を塞いでいたはずの狸老と狐娘が左右へと道を開き、そこを抜ける形で義賢を乗せた黝廉・黄忠・その後を追っていた張郃・高覧の4人は、撤退に成功する。
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