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4章 三国鼎立

零陵奪還作戦(破)

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 村長が呂姫と呂姫の連れている兵士たちを連れ、村の中へと入る。
 阿傍「戻ったかジジイ奴隷」
 村長「はい。大層美人な村娘を見つけまして、嘘を言って連れて参りました。男衆もこんなにたくさんおります」
 羅刹「良いねぇ。やるじゃねぇかジジイ奴隷」
 村長「はい」
 呂姫「お酒もご飯も食べ放題って聞いたのに、騙したのね」
 牛頭「なんて可愛いんだ。阿傍・羅刹、この女に手出しすることは許さん」
 馬頭「牛頭にぃ、独り占めはずるいぞ」
 阿傍「牛頭にぃ、こんな上玉を独り占めしようってのか?それはいくらなんでも許せねぇ」
 羅刹「牛頭にぃ、そんなのあんまりじゃねぇか」
 牛頭「馬頭はわかるが阿傍・羅刹、お前たちに言われる筋合いは無い。今まで、どれだけ楽しんだ。偶には長兄である俺に譲るべきであろう」
 阿傍「嫌だね。こういう強気な女が皮を剥がされて悲鳴をあげる姿が見たいんだ」
 羅刹「俺も嫌だね。強気な女を馬にして、四つん這いで歩かせたいんだ」
 呂姫「(えっ?何これなんかよくわからないけど仲違いを始めてくれそうな雰囲気よね。この場合は、貂蝉様がかつて李傕と郭汜に仕掛けたっていう連環の計の出番よね)牛頭様って言うのですね~。その逞しい身体。ス・テ・キ。そういう殿方の者になりたいですわ」
 牛頭「そうであろう。そうであろう。この娘がこう言ってるんだ。俺が貰うで構わないな?」
 馬頭「本当に牛頭にぃさんで良いのか?逞しさなら俺も負けてないぜ。見てみろこの腹筋を」
 呂姫「キャア(こいつ、いきなり裸なんて見せないでよ。取り乱しちゃったじゃない)うわー、すっご~い。触っても?」
 馬頭「勿論さ」
 呂姫「かった~い。すっご~い。こっちも良い~」
 馬頭「そうだろう。そうだろう。これでわかっただろう牛頭にぃ。この娘もこう言ってるんだ。俺が貰うで良いよな?」
 阿傍「ちょっと待った。本当に馬頭にぃさんで良いのか?俺ならお前に永遠の美しさを与えられるんだぜ」
 呂姫「永遠の美しさ!(それって、要は私を剥製にするって言ってるわよねコイツ。でも、私の美貌が役に立ってるなら煽りまくらないと)すっごく興味あります」
 阿傍「そうだろうそうだろう。この娘もこう言ってるんだ。この娘は俺のもんだ」
 羅刹「ちょっと待てーい。本当に阿傍にぃさんで良いのか?俺なら君を守ってあげられるんだよ」
 呂姫「えっ?(コイツも頭おかしい奴なのね。守るって?あれが守ってるに該当すると思ってるのかしら。女を子供を産む機械のように雌馬って言ってたわよね。でも乗っかるしか無いわね)えっ?3人とも私を殺すのですか?そんなの、まだ死にたく無いよ」
 羅刹「ってことだ。最後に勝つのは俺だったな。残念だったなにぃさん達」
 牛頭が羅刹を殴り飛ばした。
 羅刹「うぐっいきなり何すんだ」
 牛頭「こうなれば一番強い奴がこの娘を者にするで構わないな。誰も譲らないのなら致し方なかろう」
 阿傍「へぇ。牛頭にぃさん、珍しく熱くなってんじゃん」
 馬頭「やってやらぁ。ってなんだか暑いな。って、燃えてる燃えてるってここ!!!!」
 牛頭「そんな嘘に騙されるとでも。アチッ。なんで、燃えてる」
 山賊「お頭ーーーーーーーーーー、お逃げください。味方同士が斬り合ってて」
 山賊「お頭ーーーーーーーーーー、女たちと奴隷どもが逃げていきやす」
 山賊「お頭ーーーーーーーーーー、火が燃え移る前に外に逃げねぇと」
 牛頭「あぁ、そうだな。お嬢さん、では共にってアレ?あの娘は何処に?」
 馬頭「この隙に逃げたんだきっと」
 阿傍「出入り口は一つしかねぇ」
 羅刹「さっさと向かって確保すんぞ」
 張燕は、元黒山賊の者たちを使い、山賊の服を盗むとそれを着た兵を紛れ込ませ、同士討ちを仕掛けた。勿論、自分たちにはわかる印を付けて。そして、これが見事にはまって、山賊たちは大混乱となり、二の矢として放たれた火矢に誰も気付かない。野営地が火に包まれる頃には村長が村人と女を連れて外に出たところを魏越・成廉に保護される。後は、ノコノコとやってきた山賊の頭どもを討つだけだった。
 呂姫「こんな作戦、聞いてないわよ!」
 太史慈「勝手なことをしたのは呂姫殿であろう」
 張燕「まぁ、こんなに上手くいくとは正直思いませんでしたぜ」
 魏越「あぁ、後はこの茂みを通る山賊の頭を討つだけだ」
 呂姫「そうそう、話を聞く限りだと長兄が牛頭って奴で次兄が馬頭って奴、三兄が阿傍って奴で、末が羅刹って奴だと思う」
 太史慈「良き情報だ。ペラペラと喋る輩で助かりましたな。こちらは、ほとんどの情報を仕入れてしまったのですからな」
 呂姫「えぇ、なんか知らないけど私を取り合って、勝手に仲違いしてくれたし。持つべきものは、私の美貌ってところかしら」
 張燕「おちゃらけている場合では無いと思いますがね」
 呂姫「煩いわね。ちょっとぐらい褒めてくれても良いんじゃないかな」
 張燕「勝手な真似をして、一歩間違えてたら呂布殿を悲しませる結果となっていたのやも知れんのだぞ」
 魏越「まぁまぁ、無事だったんだからそれぐらいにしといてやってくれ張燕」
 成廉「目を離した我らにも責任はあろう」
 張燕「そうやって、甘やかすからつけ上がるのだ!」
 呂姫「ごめんなさい。ただ、村の人を助けたかっただけなの。本当にごめんなさい」
 魏越「姫様が素直に謝った?」
 成廉「少し成長したな張燕」
 張燕「まぁ。もう身近な誰かを失くすのは懲り懲りなので、俺も強く言い過ぎた。謝る。ただ、御身を大事にしてくださればそれで良いのだ」
 呂姫「えぇ。これからも気をつけるわ」
 魏越「反省してなかったーーーーーーーーーー」
 成廉「我らの苦労は増えるかも知れんな」
 張燕「・・・」
 魏越「張燕も固まっちまったな」
 成廉「仕方ない。これも呂布様から任された大事な役目と考え、我らが御守りするしかない」
 息を潜めて、山賊の頭たちがやってくるのを今か今かと待ち構えるのだった。
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