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4章 三国鼎立
呉郡にて捕まる孫策
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話は少し戻り、孫策が長沙を攻めるため、呉郡にて軍備を集めていた頃、時を同じくして自らの野望を実現するためこの男もまた動き始めていた。
???「ヒョッヒョッヒョ。劉表軍は劉備の機先を制するべく蘆江へと進軍を開始したようじゃな。ここまでは計画通りじゃ。この時をずっと待っておった。覇王項羽の生まれ変わりである孫策を捕えるこの好機をなぁ。蘇えり、我が手足として働け許貢よ」
老人の見た目のこの男が血を操るとその血から許貢が蘇る。
許貢「いったい、これは?うぐっ。まるで何者かに縛られているようだ。胸がくっ苦しい」
???「やれやれ、やはりまだ術が完璧ではないか。血を媒介にして、死んだ人間を呼び戻し縛る術。まぁ、このような呪術を発見した時、ワシは興奮した。これで、どんなものでも操れるとな」
許貢「おっお前はうっ于吉。何故、こんなことを?」
于吉「あの時、こっそりお前の血を拝借しておいて正解だった。お前の育てた闇夜団は良い。お前さえ蘇れば、ワシの意のままとなる手駒よ。すぐにお前を蘇らせなかったのは、アイツらの心を浮き沈みさせ、操りやすくするためじゃ」
許貢「そっそのようなことはさっさせん。我が子供達に手を出させん。うぐぐぐぐぐ」
于吉「ヒャーッヒャヒャヒャヒャ。お前は、既にワシには逆らえん。もうすぐ身も心もワシに捧げることになるのじゃ」
許貢「なら、こうすれば。何故、動かん。うぐぅ」
于吉「自死すれば解放されるとも思っていたのか?哀れなやつじゃ。ワシがお前の血を操っている時点で、無駄なことよ」
許貢「クソックソックソッ。これもお前がこんな奴だと見抜けなかった落ち度か。すまん柊。どうやらもう意識を保てるのも後少しのようだ」
于吉「そうかそうか。あの女は良い。献身的で、お前を生き返らせるためなら好きでもない男に身体を差し出したりもする。このワシになぁ」
許貢「まさか貴様、柊を。許さん許さんぞ。うがぁぁぁぁぁぁ」
于吉「ヒーッヒッヒッヒッヒッ。今更、ワシの操り人形と化したお前に何ができる?大人しく、ただの器の奥底に眠るが良いわ」
許貢「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
于吉「ようやくじゃな。さてさて、許貢よ。命を与える。闇夜団を使い。孫策を密かに連れ去るのじゃ」
許貢「御意、我が主の命とあらば」
こうして、許貢と闇夜団による孫策を拉致するという作戦が密かに遂行されようとしていた。
許貢「皆、待たせたな。この通り、于吉のお陰で甦ったぞ」
梟「おお、我が主よ。これでもうあの陰険ジジイに付き合う必要はないということだな」
許貢「いや、梟よ。我らはこれより于吉を主と仰ぎ、その手足となって働くのだ」
梟「そんな。嘘だよな」
柊「許貢様が戻ってきたのにどうして于吉なんかに」
許貢「柊よ。我を救ってくれた于吉を呼び捨てにするな。これよりは我ではなく于吉を主と仰ぐのだ」
鏑「これはどうなってるんでやす」
翔「こんなの許貢様じゃねぇ」
蓮「俺たちは誰を信じれば良い」
于吉「なんじゃなんじゃ、お前ら。せーっかく、頼みを聞いて蘇らせてやったものを喜んでおらんのか?」
梟「お前、我が主に何をした!」
柊「于吉、ことと次第によっては許しませんよ」
鏑「于吉!」
翔「許貢様を返せ」
蓮「于吉!」
許貢は于吉に跪き忠誠を誓う。
許貢「おお、我が主よ。この不届きものたちの行き届かぬ躾、全ては我のせい。貴様らも跪かぬか」
梟「こんなの嘘だろ」
柊「許貢様、そんな」
于吉「ヒーッヒッヒッヒッヒッ。ここまで、心が上下して居れば良かろう」
于吉の眼が怪しく光ると闇夜団はまるで操られたかのように全員跪き忠誠を誓うのだった。
于吉「これにて、完璧なワシの手足となる駒を得ることができたわ。さぁ、お前たち、孫策を捕まえるのだ」
梟「御意、全ては于吉様のために」
柊「身も心も全ては于吉様のもの」
鏑「于吉様、なんでもしやすぜ」
翔・蓮「于吉様のために」
許貢「我が主の命は、我が最上の喜び」
于吉「さて、ワシは寝て果報を待つとするかのぅ。アヒャヒャヒャヒャ(古の英雄である劉邦の血を欲して、公孫瓚を操り劉虞の暗殺を図ったがそれを劉備に阻止され、劉岱・劉繇から血を奪うことには成功したが全然足りなかった。覇王の生まれ変わりと聞いた孫策からはさぞ上質な古の英雄である項羽の血が取れよう)」
闇夜団が孫策の拉致を成功させるため隙を窺う。
孫策「今回は劉備にぜってぇ負けらんねぇ。荊州全部を俺たちで奪っちまうぞ公瑾」
周瑜「あぁ、勿論だ伯符」
孫策「そのためにもとっとと反乱を鎮めねぇとな」
周瑜「伯符。あんな道士など捨て置けば良い」
物陰で引っ張られている女性を見る孫策。
孫策「公瑾、俺の性格を良く知ってるだろ。ん?なんか揉め事か。しょうがねぇな。公瑾、先戻っててくれ」
周瑜「一緒に行かなくて平気か伯符」
孫策「おいおい、俺は子供じゃねぇぞ公瑾」
周瑜「そうだったな」
周瑜と別れ孫策は女性を助けるべく路地へと進む。
孫策「お前、何やってんだ。嫌がってんだろ離せ」
???「こんなのに引っかかるなんて単細胞だこと」
許貢「良くやった。蕾よ。こんな奴に一度、我が殺されようとはな」
蕾「良く言っておいてください」
孫策「お前は、許貢。首を刎ねたのに何故生きてやがる。どういうことだ。うぐっ」
梟「おいおい、驚いて前に気を取られすぎだろう。簡単に殴れてしまったぞ」
孫策「ガハッ。なんだコイツら?」
鏑「まだ気絶しないでやすか。殴りがいのある奴でやすね」
柊「あんまり時間をかけてはいけないわ」
孫策「うぐぐ(すまない公瑾)」
翔「とっとと運びましょう」
蓮「誰かがきたら厄介だぜ」
こうして、孫策は拉致されたのだった。
???「ヒョッヒョッヒョ。劉表軍は劉備の機先を制するべく蘆江へと進軍を開始したようじゃな。ここまでは計画通りじゃ。この時をずっと待っておった。覇王項羽の生まれ変わりである孫策を捕えるこの好機をなぁ。蘇えり、我が手足として働け許貢よ」
老人の見た目のこの男が血を操るとその血から許貢が蘇る。
許貢「いったい、これは?うぐっ。まるで何者かに縛られているようだ。胸がくっ苦しい」
???「やれやれ、やはりまだ術が完璧ではないか。血を媒介にして、死んだ人間を呼び戻し縛る術。まぁ、このような呪術を発見した時、ワシは興奮した。これで、どんなものでも操れるとな」
許貢「おっお前はうっ于吉。何故、こんなことを?」
于吉「あの時、こっそりお前の血を拝借しておいて正解だった。お前の育てた闇夜団は良い。お前さえ蘇れば、ワシの意のままとなる手駒よ。すぐにお前を蘇らせなかったのは、アイツらの心を浮き沈みさせ、操りやすくするためじゃ」
許貢「そっそのようなことはさっさせん。我が子供達に手を出させん。うぐぐぐぐぐ」
于吉「ヒャーッヒャヒャヒャヒャ。お前は、既にワシには逆らえん。もうすぐ身も心もワシに捧げることになるのじゃ」
許貢「なら、こうすれば。何故、動かん。うぐぅ」
于吉「自死すれば解放されるとも思っていたのか?哀れなやつじゃ。ワシがお前の血を操っている時点で、無駄なことよ」
許貢「クソックソックソッ。これもお前がこんな奴だと見抜けなかった落ち度か。すまん柊。どうやらもう意識を保てるのも後少しのようだ」
于吉「そうかそうか。あの女は良い。献身的で、お前を生き返らせるためなら好きでもない男に身体を差し出したりもする。このワシになぁ」
許貢「まさか貴様、柊を。許さん許さんぞ。うがぁぁぁぁぁぁ」
于吉「ヒーッヒッヒッヒッヒッ。今更、ワシの操り人形と化したお前に何ができる?大人しく、ただの器の奥底に眠るが良いわ」
許貢「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
于吉「ようやくじゃな。さてさて、許貢よ。命を与える。闇夜団を使い。孫策を密かに連れ去るのじゃ」
許貢「御意、我が主の命とあらば」
こうして、許貢と闇夜団による孫策を拉致するという作戦が密かに遂行されようとしていた。
許貢「皆、待たせたな。この通り、于吉のお陰で甦ったぞ」
梟「おお、我が主よ。これでもうあの陰険ジジイに付き合う必要はないということだな」
許貢「いや、梟よ。我らはこれより于吉を主と仰ぎ、その手足となって働くのだ」
梟「そんな。嘘だよな」
柊「許貢様が戻ってきたのにどうして于吉なんかに」
許貢「柊よ。我を救ってくれた于吉を呼び捨てにするな。これよりは我ではなく于吉を主と仰ぐのだ」
鏑「これはどうなってるんでやす」
翔「こんなの許貢様じゃねぇ」
蓮「俺たちは誰を信じれば良い」
于吉「なんじゃなんじゃ、お前ら。せーっかく、頼みを聞いて蘇らせてやったものを喜んでおらんのか?」
梟「お前、我が主に何をした!」
柊「于吉、ことと次第によっては許しませんよ」
鏑「于吉!」
翔「許貢様を返せ」
蓮「于吉!」
許貢は于吉に跪き忠誠を誓う。
許貢「おお、我が主よ。この不届きものたちの行き届かぬ躾、全ては我のせい。貴様らも跪かぬか」
梟「こんなの嘘だろ」
柊「許貢様、そんな」
于吉「ヒーッヒッヒッヒッヒッ。ここまで、心が上下して居れば良かろう」
于吉の眼が怪しく光ると闇夜団はまるで操られたかのように全員跪き忠誠を誓うのだった。
于吉「これにて、完璧なワシの手足となる駒を得ることができたわ。さぁ、お前たち、孫策を捕まえるのだ」
梟「御意、全ては于吉様のために」
柊「身も心も全ては于吉様のもの」
鏑「于吉様、なんでもしやすぜ」
翔・蓮「于吉様のために」
許貢「我が主の命は、我が最上の喜び」
于吉「さて、ワシは寝て果報を待つとするかのぅ。アヒャヒャヒャヒャ(古の英雄である劉邦の血を欲して、公孫瓚を操り劉虞の暗殺を図ったがそれを劉備に阻止され、劉岱・劉繇から血を奪うことには成功したが全然足りなかった。覇王の生まれ変わりと聞いた孫策からはさぞ上質な古の英雄である項羽の血が取れよう)」
闇夜団が孫策の拉致を成功させるため隙を窺う。
孫策「今回は劉備にぜってぇ負けらんねぇ。荊州全部を俺たちで奪っちまうぞ公瑾」
周瑜「あぁ、勿論だ伯符」
孫策「そのためにもとっとと反乱を鎮めねぇとな」
周瑜「伯符。あんな道士など捨て置けば良い」
物陰で引っ張られている女性を見る孫策。
孫策「公瑾、俺の性格を良く知ってるだろ。ん?なんか揉め事か。しょうがねぇな。公瑾、先戻っててくれ」
周瑜「一緒に行かなくて平気か伯符」
孫策「おいおい、俺は子供じゃねぇぞ公瑾」
周瑜「そうだったな」
周瑜と別れ孫策は女性を助けるべく路地へと進む。
孫策「お前、何やってんだ。嫌がってんだろ離せ」
???「こんなのに引っかかるなんて単細胞だこと」
許貢「良くやった。蕾よ。こんな奴に一度、我が殺されようとはな」
蕾「良く言っておいてください」
孫策「お前は、許貢。首を刎ねたのに何故生きてやがる。どういうことだ。うぐっ」
梟「おいおい、驚いて前に気を取られすぎだろう。簡単に殴れてしまったぞ」
孫策「ガハッ。なんだコイツら?」
鏑「まだ気絶しないでやすか。殴りがいのある奴でやすね」
柊「あんまり時間をかけてはいけないわ」
孫策「うぐぐ(すまない公瑾)」
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