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4章 三国鼎立

荊州戦線開幕!蘆江にて劉表軍を迎撃せよ(序)

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 于吉から劉備の荊州侵攻について聞いた劉表は機先を制するべく劉備が兵を集めている蘆江を攻めることを決める。ここに劉備が史実で荊州を奪取した208年の赤壁の戦いよりも8年早い荊州を巡る戦いが幕を開ける。この話を劉表に仕える文官の伊籍より手紙で聞いていた劉備は蘆江にて迎撃の準備を整える。迎撃戦の指揮を取るのは、敵を完膚なきまでに叩きのめすことに定評のある荀攸である。さらに蘆江の防備を固めるのは、防衛戦の心得が豊富な荀彧。荀家による攻守に対して、攻める劉表軍の面々は、総大将の劉表。義弟である大将軍の蔡瑁。軍師を務める蒯越・蒯良の越良コンビ。董卓の時代、王允と親しくしていたが洛陽が荒れると荊州に戻り劉表に仕えた趙戩叔茂チョウセンシュクボウ。易学という占いに精通している龐季ホウキ。学問を取りまとめる綦毋闓キブガイ。武官の鄧済トウサイ鄧義トウギ・曹操の親友であり劉表に手を貸すことで劉備の助長を防ごうと企む王儁子文オウシュンシブン。音楽に精通していて軍学隊として同行している杜虁公良トキコウリョウ。劉備と戦うことを諌めて劉表に嫌われたが再度この戦の虚しさを解くべくついてきた劉望之リュウボウシ。魏延から長沙の太守に推薦され、劉備に魏延から頼まれたあることを伝えるため同行した張羨チョウセン。多くの私兵を抱える指揮官として名高い霍篤カクトク霍峻仲邈カクシュンチュウバクの兄弟。劉表の信任を得ている張子雲チョウシウン史璜シコウ。劉備の昔馴染みだが劉表軍に仕官したがため戦うことに巻き込まれた勇猛な武人である呉巨ゴキョ。劉表より交阯の太守に任命されたが同地を制圧した士燮に追い出され零陵へと戻っていた頼恭ライキョウ。兄である劉望之が劉表に殺されるのではないかと思い同行した劉廙恭嗣リュウヨクコウシ劉偉リュウイ兄弟。大将軍を務める文聘仲業ブンペイチュウギョウ。蔡瑁の弟である蔡勲サイクン。蔡瑁の従兄弟である蔡和サイカ蔡中サイチュウ。劉表の長子の劉琦リュウキ・次子の劉琮リュウソウ。そして、蒯祺の側には姉により手を貸して欲しいと頼まれた天才軍師の姿があった。ここに、大荒れの展開となりそうな蘆江迎撃戦が幕を上げることとなる。
 劉表「兵を集めてるところを急襲したつもりだったのだが備えていたようだな」
 蒯越「元よりこちらは城攻めの用意は万事整っている」
 蒯良「こうなっては致し方なし。荊州を守るため劉備軍を追い返すしかあるまい」
 蔡瑁「義兄上、くれぐれも気をつけなさいますよう(本当にあの頭痛の正体は、劉備殿の仕業なのか?この戦にて見極めるしか無い。劉備という男が仁君なのか。仁君の皮を被る狼なのか)」
 呉居「腕がなりますなぁ(劉備殿、これも敵味方に別れた定め。許せ)」
 頼恭「ここで挽回せねば(相手は勇猛揃いと噂の劉備軍か。運が悪いな)」
 蒯祺「兄が向こうにいるのに巻き込んですまない」
 ???「そのようなことを気にする必要はありませんよ。私も興味があるのですよ劉備殿に(流石の布陣ですね。こちらの情報は伊籍殿あたりから入手したのでしょう。それにこちらは奇襲と考えての行軍。ですが、相手には備えがある。これは少し楽しいですね。恐らく備えは万全と見えます。城に攻め込もうなどと逸った奴は)」
 張子雲「ここはこの俺に任せてもらおう」
 史璜「抜け駆けは許さんぞ」
 劉表「良い良い。軽く揉んでやれ。張子雲・史璜、お前たちに先陣を任せる」
 張子雲「そう来なくてはな」
 史璜「腕がなるぜ」
 劉望之「やっと追いつきましたぞお待ちください劉表様。どうか劉備と戦うことはおやめください」
 劉表「まだいうか劉望之。お前の顔など二度と見たくは無い。此奴を摘み出せ」
 劉望之「お待ちください。何卒、何卒。劉備と戦うことはおやめください」
 劉表が剣を抜き劉望之の首を切った。
 劉望之「(何故、お分かりにならないのだ。劉備と戦うことの危険性を。劉表様、どうか。今一度お考え直ししてくださることを)」
 劉廙「(兄上が心配で隠れてついてきたが兄上が殺されるとは。この場にいては危険だ。こうなってはやむおえん。劉偉を連れ曹操軍に亡命する)」
 劉表「まだこの戦いに意を唱える者は居るか?居ないようだな。では、張子雲・史璜よ。我が劉表軍の力を見せつけるのだ」
 ???「(確かに士気を保つために兵を預かる者は非常な決断に迫られることもあるでしょう。ですが、諌めるものを一方的に斬り捨てるなどあってはならないことです。これが荊州を安定に導いた男のすることでしょうか。残念でなりません)」
 張子雲・史璜「ヘッヘッヘ。劉備軍がなんぼのもんじゃ」
 近付いてくる敵将を視界に捉える荀攸。
 荀攸「相手を充分に惹きつけよ。奴らの連れてくる兵共々殲滅するのだ」
 荀彧「黄忠殿、こちらも城壁より矢の準備を」
 黄忠「こりゃ腕がなりますわい。黄叙よ。お前は関羽殿の指揮下にて、城壁から弓を浴びせるのじゃ」
 黄叙「はい父上。いえ、黄将軍」
 黄忠「関羽殿に倅を預けて正解であったな」
 関羽「そう言ってもらえて有難い」
 義賢「弓なら俺にも心得があります。手を貸そう」
 太史慈「弓ならこの太史子儀も負けん。一つ勝負といこうでは無いか」
 黄忠「このワシに弓勝負を挑むとは面白い。受けて立つぞい」
 義賢「ハハハ。俺も男。勝負となれば血が騒ぐ。連弩車に近付く兵を一番多く倒したものが勝利というのはどうだ?」
 太史慈「乗った」
 黄忠「負けんぞい」
 黄叙「僕だって、やればできるんだ」
 ここに弓が得意な4人による熱いバトルが起ころうとしていた。
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