179 / 644
3章 群雄割拠
間話休題11 辺章・韓遂の乱(前編)
しおりを挟む
黄巾の乱が鎮まった直後、盗賊である宋建・王国により、辺允・韓約ら数十人を人質に取り護羌校尉の怜徴・金城太守の陳懿が殺される事件が起こる。この時、人質に取られた辺允と韓約が解放されて軍政を委ねられていたこともあり賊の一味となったのではないかという噂が飛び交い涼州の役人により賞金をかけられることとなった。そのため両名は名を辺章・韓遂と改め、反乱を起こす。
怜徴「待て、人質を取るなど恥を知れ」
宋建「盗賊に道義を問うなど無駄なこと。死ね」
怜徴「ギャァ」
陳懿「いかん、このままではまずい。門を固く閉じるのじゃ。どうした?」
一向に門が閉まらない。そして陳懿の目の前に王国が姿を現す。
王国「残念だったな」
陳懿「まさか、もうこんなところに」
王国「そういうことだ。あばよ」
陳懿「むっ無念だ。ガハッ」
宋建と王国は、金城を制圧すると北宮伯玉と李文侯を将軍にし、人質を解放し、辺允と韓約に軍政を委ねた。
宋建「人質の役、御苦労だった韓約」
韓約「いえいえ、これで朝廷もこの涼州に目を向ける事でしょう」
辺允「どういう事だ韓約?」
韓約「簡単な事、先の黄巾の乱で後漢に後がないことがわかった。これからは群雄が力を持つ時代が来る。この涼州は、豪族たちによって纏まっている。この涼州の頂点にたつものは誰か王国殿を置いて他にない」
辺允「まさか、そのために加担したと?」
韓約「あぁ、そしてお前も共犯者となっている」
辺允「馬鹿な!?」
外を取り囲む朝廷の兵。率いているのは張温であった。
張温「辺允・韓約、どうして反乱など起こした。賞金がかかっている。捕まえさせてもらうぞ」
韓約「ここにそのような名前の者はおりません。故に知りませんな。我が名は韓遂」
辺允「へっ辺章だ」
張温「知らぬ存ぜぬで通せると思っているのか。全軍賊を討つのだ」
しかし、堅牢な金城と異民族の羌や氐も反乱に加担した事で、張温は壊滅的打撃を受け、撤退を余儀なくされる。
張温「口惜しい。このようなことが許されてなるものか」
朝廷は張温の敗走を受け、涼州にて頭角を現しつつあった董卓に韓遂・辺章の反乱の鎮圧を命じる。
霊帝「やれやれ、帝位をそっくりな奴に簒奪され、涼州で死んでこいとは、やってくれるぜ董卓の奴」
王栄「何か仰いましたか董卓様?」
霊帝「いや、何でもない」
金城を取り囲む董卓軍。さらに援軍が訪れた。皇甫嵩と朱儁である。2人は、董卓のテントを訪ねる。
霊帝「義真に公偉ではないか!しまった、よく来た皇甫嵩殿・朱儁殿」
皇甫嵩「言い直さなくて結構です。やはり、霊帝様なのですね。良かった御無事で。劉協様のことはお任せください」
朱儁「我々が責任を持って董卓から御守りしてみせますぞ」
霊帝「すまん。苦労をかける。お前たちが来てくれて心強い。久々だな。こうして俺が指揮を取り、お前たちが戦うのは」
皇甫嵩「そうですな」
朱儁「やっぱり椅子に座ってるよりこっちの方が性に合ってんじゃ」
霊帝「かもしれん。実は楽しんでいる。三方から金城を攻撃し、落とすぞ」
皇甫嵩「心得た」
朱儁「うむ」
韓遂たちは、董卓軍により三方からの攻めを受けるが奮戦していた。だが『韓遂は董卓軍と通じている』という噂が流れる。これを信じた辺章は、北宮伯玉と李文侯と共に韓遂の元に攻め寄せるが逆に返り討ちにされる。
辺章「やはり、あの男は信用できん。この機に排除しましょう北宮伯玉殿・李文侯殿」
北宮伯玉「うむ」
李文侯「もともと信用しちゃいねぇ」
韓遂の家に着く。
韓遂「3人で揃って来てくれるなんてありがたいですよ」
辺章「韓遂、覚悟はできてるんだよな」
韓遂「お前たちがな」
いきなり現れた黒い服を来た盗賊どもに囲まれ、殺される3人。
辺章「何だ、こいつらは?しまった。ヌグワァ」
北宮伯玉「やはり、貴様はもっと早くに始末しておくべきであったか。ガハッ」
李文侯「コイツら、まさかそんな王国様は、コイツを信じたというのか。グフッ」
そこに王国が現れる。
王国「まさか本当にコイツらが朝廷側に寝返っていたとはな。よく知らせてくれたな韓遂」
韓遂「いえいえ、俺がが裏切ったという話が流れたらこうなることは予想していましたので、逆に利用したまでのこと」
王国「うむ。コイツらの軍勢はお前が束ねるが良い」
韓遂「はっ(離間の計を利用して、邪魔者を消してやった。悪く思うなよ辺章)」
宋建「ここも危なくなって来たかと」
王国「次は、馬騰の元に行くのであったな?」
韓遂「えぇ、説得は俺に任せてください」
金城を放棄し、馬騰の隴西郡に向かった。
馬騰「して、賊どもが何のようだ」
韓遂「そう、邪険にしないでくださいよ。朝廷に対して思うところがあるのは同じでしょう?」
馬騰「このようなやり方と一緒にするな!」
韓遂「今、朝廷の目はこの涼州に向いているのです。今こそ、もっと注目を集める時でしょう。少し耳を貸してください」
馬騰「何だ?」
韓遂「というのは表向きです。俺は馬騰殿こそ涼州を統べるにふさわしいと考えている。そのためには内部から王国・宋建を排除する必要があるのだ。それには俺だけの力では足りない。手を貸してくださいませんか?」
馬騰「ふむぅ。良い話だ」
韓遂「では、これで」
馬騰「うむ。王国殿、我らは盟友だ。共に朝廷軍を跳ね除けようぞ」
王国「感謝しますぞ馬騰殿」
韓遂の狙いは、朝廷を利用して涼州を弱らせ、軍閥の支持を集めて、涼州の王者になることだった。そのために馬騰にも被害を出してもらう必要があったのだ。馬騰は純粋に朝廷のため王国と宋建の首を取るべく加担したのであった。
怜徴「待て、人質を取るなど恥を知れ」
宋建「盗賊に道義を問うなど無駄なこと。死ね」
怜徴「ギャァ」
陳懿「いかん、このままではまずい。門を固く閉じるのじゃ。どうした?」
一向に門が閉まらない。そして陳懿の目の前に王国が姿を現す。
王国「残念だったな」
陳懿「まさか、もうこんなところに」
王国「そういうことだ。あばよ」
陳懿「むっ無念だ。ガハッ」
宋建と王国は、金城を制圧すると北宮伯玉と李文侯を将軍にし、人質を解放し、辺允と韓約に軍政を委ねた。
宋建「人質の役、御苦労だった韓約」
韓約「いえいえ、これで朝廷もこの涼州に目を向ける事でしょう」
辺允「どういう事だ韓約?」
韓約「簡単な事、先の黄巾の乱で後漢に後がないことがわかった。これからは群雄が力を持つ時代が来る。この涼州は、豪族たちによって纏まっている。この涼州の頂点にたつものは誰か王国殿を置いて他にない」
辺允「まさか、そのために加担したと?」
韓約「あぁ、そしてお前も共犯者となっている」
辺允「馬鹿な!?」
外を取り囲む朝廷の兵。率いているのは張温であった。
張温「辺允・韓約、どうして反乱など起こした。賞金がかかっている。捕まえさせてもらうぞ」
韓約「ここにそのような名前の者はおりません。故に知りませんな。我が名は韓遂」
辺允「へっ辺章だ」
張温「知らぬ存ぜぬで通せると思っているのか。全軍賊を討つのだ」
しかし、堅牢な金城と異民族の羌や氐も反乱に加担した事で、張温は壊滅的打撃を受け、撤退を余儀なくされる。
張温「口惜しい。このようなことが許されてなるものか」
朝廷は張温の敗走を受け、涼州にて頭角を現しつつあった董卓に韓遂・辺章の反乱の鎮圧を命じる。
霊帝「やれやれ、帝位をそっくりな奴に簒奪され、涼州で死んでこいとは、やってくれるぜ董卓の奴」
王栄「何か仰いましたか董卓様?」
霊帝「いや、何でもない」
金城を取り囲む董卓軍。さらに援軍が訪れた。皇甫嵩と朱儁である。2人は、董卓のテントを訪ねる。
霊帝「義真に公偉ではないか!しまった、よく来た皇甫嵩殿・朱儁殿」
皇甫嵩「言い直さなくて結構です。やはり、霊帝様なのですね。良かった御無事で。劉協様のことはお任せください」
朱儁「我々が責任を持って董卓から御守りしてみせますぞ」
霊帝「すまん。苦労をかける。お前たちが来てくれて心強い。久々だな。こうして俺が指揮を取り、お前たちが戦うのは」
皇甫嵩「そうですな」
朱儁「やっぱり椅子に座ってるよりこっちの方が性に合ってんじゃ」
霊帝「かもしれん。実は楽しんでいる。三方から金城を攻撃し、落とすぞ」
皇甫嵩「心得た」
朱儁「うむ」
韓遂たちは、董卓軍により三方からの攻めを受けるが奮戦していた。だが『韓遂は董卓軍と通じている』という噂が流れる。これを信じた辺章は、北宮伯玉と李文侯と共に韓遂の元に攻め寄せるが逆に返り討ちにされる。
辺章「やはり、あの男は信用できん。この機に排除しましょう北宮伯玉殿・李文侯殿」
北宮伯玉「うむ」
李文侯「もともと信用しちゃいねぇ」
韓遂の家に着く。
韓遂「3人で揃って来てくれるなんてありがたいですよ」
辺章「韓遂、覚悟はできてるんだよな」
韓遂「お前たちがな」
いきなり現れた黒い服を来た盗賊どもに囲まれ、殺される3人。
辺章「何だ、こいつらは?しまった。ヌグワァ」
北宮伯玉「やはり、貴様はもっと早くに始末しておくべきであったか。ガハッ」
李文侯「コイツら、まさかそんな王国様は、コイツを信じたというのか。グフッ」
そこに王国が現れる。
王国「まさか本当にコイツらが朝廷側に寝返っていたとはな。よく知らせてくれたな韓遂」
韓遂「いえいえ、俺がが裏切ったという話が流れたらこうなることは予想していましたので、逆に利用したまでのこと」
王国「うむ。コイツらの軍勢はお前が束ねるが良い」
韓遂「はっ(離間の計を利用して、邪魔者を消してやった。悪く思うなよ辺章)」
宋建「ここも危なくなって来たかと」
王国「次は、馬騰の元に行くのであったな?」
韓遂「えぇ、説得は俺に任せてください」
金城を放棄し、馬騰の隴西郡に向かった。
馬騰「して、賊どもが何のようだ」
韓遂「そう、邪険にしないでくださいよ。朝廷に対して思うところがあるのは同じでしょう?」
馬騰「このようなやり方と一緒にするな!」
韓遂「今、朝廷の目はこの涼州に向いているのです。今こそ、もっと注目を集める時でしょう。少し耳を貸してください」
馬騰「何だ?」
韓遂「というのは表向きです。俺は馬騰殿こそ涼州を統べるにふさわしいと考えている。そのためには内部から王国・宋建を排除する必要があるのだ。それには俺だけの力では足りない。手を貸してくださいませんか?」
馬騰「ふむぅ。良い話だ」
韓遂「では、これで」
馬騰「うむ。王国殿、我らは盟友だ。共に朝廷軍を跳ね除けようぞ」
王国「感謝しますぞ馬騰殿」
韓遂の狙いは、朝廷を利用して涼州を弱らせ、軍閥の支持を集めて、涼州の王者になることだった。そのために馬騰にも被害を出してもらう必要があったのだ。馬騰は純粋に朝廷のため王国と宋建の首を取るべく加担したのであった。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。補足説明と登場人物の設定資料
揚惇命
SF
『えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。』という作品の世界観の説明補足と各勢力の登場人物の設定資料となります。
本編のネタバレを含むため本編を読んでからお読みください。
※小説家になろう様・カクヨム様でも掲載しています。

メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~
アンジェロ岩井
SF
「えっ、クビですか?」
中企業アナハイニム社の事務課に勤める大津修也(おおつしゅうや)は会社の都合によってクビを切られてしまう。
ろくなスキルも身に付けていない修也にとって再転職は絶望的だと思われたが、大企業『メトロポリス』からの使者が現れた。
『メトロポリス』からの使者によれば自身の商品を宇宙の植民星に運ぶ際に宇宙生物に襲われるという事態が幾度も発生しており、そのための護衛役として会社の顧問役である人工頭脳『マリア』が護衛役を務める適任者として選び出したのだという。
宇宙生物との戦いに用いるロトワングというパワードスーツには適性があり、その適性が見出されたのが大津修也だ。
大津にとっては他に就職の選択肢がなかったので『メトロポリス』からの選択肢を受けざるを得なかった。
『メトロポリス』の宇宙船に乗り込み、宇宙生物との戦いに明け暮れる中で、彼は護衛アンドロイドであるシュウジとサヤカと共に過ごし、絆を育んでいくうちに地球上にてアンドロイドが使用人としての扱いしか受けていないことを思い出す。
修也は戦いの中でアンドロイドと人間が対等な関係を築き、共存を行うことができればいいと考えたが、『メトロポリス』では修也とは対照的に人類との共存ではなく支配という名目で動き出そうとしていた。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
織田信長IF… 天下統一再び!!
華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。
この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。
主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。
※この物語はフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる